秘蜜の刃   作:紗代

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東京喰種の連載終了が平成だったので年号は平成としています。

東京喰種での表面的なプロフィール
白代 萼(あきしろ うてな)(享年20)
上等捜査官。
誕生日3/5。
身長160cm。
体重47kg。
足のサイズ22.0cm。
Like:林檎。
Specially:特になし。
Interest: 特になし。
Hate:特になし

白日庭出身。
白単翼章、金木犀章の持ち主。


白代萼と侵入者

風呂の中で色々考えてみたけど、結局モヤモヤするだけで時間を浪費してしまった気がする。

 

「……上がるかあ」

 

というかまず、なんでこんなに考える必要が?解決途中の案件が入っているわけでもないのに、なんでこんな何か忘れているような気分になるのだろう。

 

風呂から上がって脱衣所に抜けて──そこには見知らぬ男の子がいた。

 

「え!?あ、あの?!」

 

しどろもどろになる男の子。私はそんな事はどうでもよかった。

即座に彼に飛び掛かり、マウントを取って動けなくさせる。本来ならクインケを取り出すところだけど、生憎今はないので彼の頸に片手を添えた。

 

「だ!?」

「動くな、質問に答えろ──何者だ。どうやってここに侵入した」

 

手にやや力を込める。ここは最新のセキュリティマンションだし、もし私が寝ていた時から潜んでいたとしてもそれなら気配で飛び起きる。

さあ、殺されたくなければ──

 

「ぶっ」

「……は?」

 

少年が鼻血を吹き出した。──あ、もしかしたら頭ぶつけた時に何かあった?

しまった。やらかした。

 

「~~っ、あーもう!」

 

少年は気絶しちゃってるし、拭いてもいない全裸のままで飛び掛かったから脱衣所はびしょびしょだし……なんなんだ今日は。

そのままにしておくわけにもいかないので、不満を肺に留めて片付けることにした。

 

****

とりあえず彼をソファに寝かせて服を着ると床を拭き取って片付けた。──お茶を淹れるべきなのだろうか。侵入者にお茶淹れるってなんかおかしくないか?相手が子どもだからといって舐めてかかるつもりはないけど、なんか本当にあっちも混乱してたみたいだったし……鍛えてるみたいだけど何してるんだろうこの子。まあそれは後で聞くとして──

 

「う、……うあ?」

「目が覚めたみたいだね」

「っ!」

 

少年は私の方を見ると若干涙目で嬉しそうなたまらないような顔になった。

おいおいちょっと待て、私と君初対面だよね?

 

「気分は?」

「え、あ、はい。大丈夫です」

「そう、じゃあ起きたばかりのところで悪いけど、答えてもらおうかな──まず君の名前は?」

「竈門炭治郎です」

「どうして私の部屋にいたの?」

「わかりません、俺も屋敷で眠ってたはずなんですけど……」

「……そう。ありがとう、とりあえずお茶淹れたから飲んで落ち着きましょうか」

 

私がお茶の入ったカップを手渡せば、少年――竈門くんは躊躇することなくそれを受け取り疑うことなく飲んだ。

 

喰種の匂いはしないし敵意もないから一応大丈夫、か。念のために玉露を淹れたけど、普通に飲んでるし人間ということでいいんだろう。疑うことなく人からもらったものを口に入れるあたり警戒心もないみたいだけど……毒とか自白剤とか入ってるって思わないんだろうか、この子。

 

「このお茶美味しいですね!」

「……それはよかった」

 

本当に大丈夫かな、この子。ここ一応君の知らない土地なんだよね?なんでそんなに寛げるの?

 

「(宗家に連絡……いや、内々に処理してこその白代だからなあ。それとも有馬さんに……いや、今日は夜勤か。ニムラ……はいろんな所に潜入してるから電話して匂わせると不味いだろうし)」

 

あてになる人が全くいない!

 

「あの、萼さんはここにお住まいなんですか?」

「ああうん、といっても仕事の関係上帰ってきたり来なかったりするけど」

 

()()()?私は名乗ってないはずだ。さっきの表情に、ひょっとしたら今こうして寛いでいるのも……

 

()()()()()()()()()()()()()()

「え!?──っ、いえ!知りません!」

「凄いことになってるよ、顔」

 

分かりやすいというよりは嘘がつけないタイプなんだな、この子。──なら大丈夫か。それにいざとなったら私が始末すればいいだけだし。

 

「まあ、それは置いておくとして──ちなみに竈門くんの住所は?もし近くだったらこのまま送るよ」

「いえ流石にそれは……「いいから」は、はい!東京府」

「府?都じゃなくて?」

「え?」

「え?」

 

とてつもない、壮大なすれ違いが起きようとしている気がする。

 

「竈門くん、今の年号は?」

「え、大正ですよね」

「……残念ながら、今は平成。大正の次の次の年号だよ」

「え?!」

 

重大な事実が発覚した。少年はタイムトリッパーであり、家なき子である。

流石にここで突き放すのは人でなしだよね。

 

「詳しくは聞かないけど訳ありだってことはわかったから、元の時代に帰るまでここにいるといいよ」

「いいんですか!?でも女性の一人暮らしの部屋に俺がお世話になるのは……」

「大丈夫、私それなりに強いから」

 

それはもうにっこりと笑顔で答える。少年も鍛えているように、私も決して弱くはない。

 

「えっと……お世話に、なります」

「うん──たぶん君は知ってると思うけど、私は白代萼。これからよろしくね、竈門炭治郎くん」

「──はい。よろしくお願いします、萼さん」

 

少年が悲しげに微笑んだ、気がした。




鬼滅
白代萼(享年20→17)
好きなもの:コーヒー、有馬、ニムラ、林檎、藤の花の蜜漬け、蝶屋敷の人たち、胡蝶姉妹、カナヲ、お館様。
特技:クインケ操術、(本人に自覚はないが)林檎を官能的に食べること、暗記、射撃。
興味のあるもの: 竈門兄妹。
嫌いなもの:自分、和修、世の中、他沢山。
苦手なもの:母親、明るい人。
 政の腹違いの妹。和修吉時の公に出来ない隠し子である。
 そのため本名は「和修白代誘(わしゅうあきしろ いざな)」であり、本人はこの名前で呼ばれることを嫌悪しているため「萼」を名乗っている。
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