原作では迅に助けられ迅バカとして三馬鹿をになっていたが、この作品では慎太郎バカ略して慎バカとしてになってもらう。ネイバーに襲われて慎太郎に助けてもらい背中を追いかけるようにボーダーに入った。慎太郎を本部で見つけて弟子にしてもらった日には嬉しすぎて幼なじみの周りで盆踊りをしたらしい。
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「おれのサイドエフェクトがそう言ってる」はかなり有名な決めゼリフでボーダーにいる人々の中にこの言葉を知らない人は居ないだろう。ボーダーではかなりの鍵を握っている人物だが、趣味が趣味な上に女性陣からは女の仇とされている。好きなものが女子のおしりと暗躍ではかなりの犯罪臭がする19歳自称「実力派無職」
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カゲに嫌われているイヌを飼っていない犬飼。カゲに嫌われていると知っていても気にせず、カゲに話に行く様を見て慎太郎は犬飼のことをドMだと思っている。きっと近いうちににあったら慎太郎と「ニックネーム座談会」が行われることは間違いなしだろう。そこでドMなのかドSなのかハッキリするだろうと思われる。
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セクハラや名前を6回間違えれても許す許容範囲の広い心優しきJK。胸がデカくてモテるが慎太郎とはまだ一度も話したことがない。同い年の出水や米屋の話に(緑川の師匠ということもあり)かなり話のタネになっているので慎太郎と話してみたいとは思っているのだが、それはまだかなっていない。因みにこれを仁礼に話したところ慎太郎を手懐けるにはまず辻からだ!と言われ軽く絶望したのは記憶に新しい。
「ねえねえうららん先輩!! ランク戦やろうよ!!」
慎太郎の周りをうろちょろうろちょろとするのは弟子の
「やったー!!」と両腕を上げて喜んでいる緑川を見て心が浄化されていく気分になる。思わず手を組んで懺悔したくなるぐらいには浄化された。
ブースに行って10本勝負して10本とも勝つと、緑川は負けた筈なのに清々しい顔をして「また勝てなかったやー」と言った。心がさらに浄化される。
こんな駿との出会いは約1年ほど前、駿を俺が助けた…らしい。正直、全く覚えて居ないのだが、駿が「うららん先輩…いや、師匠が俺を助けてくれたよ!! 俺がこの目に焼き付けてるんだから!!」と言われ迅さんからは「おれも見てたよ助けてた所。あれは颯爽としてかっこよかったねー。ボーダーで広めといてあげようか、慎太郎の活躍」などと言われた。
まあこれが正直嘘でも本当でも駿が俺を尊敬してくれてることには変わりないからちょっと嬉しい。けれど、駿は俺に心酔しきっているというか…暴力沙汰を起こした日には「なんかかっこいい!! 俺も根付さん殴って来ようかな!」なんて言い出したので色々と過去の自分を呪った。テンションであんなことをやっちゃいけない。でも後悔はしていない。
「カゲさん達と幼なじみだったんだよね? だったら、うららん先輩も荒れてたりするの?」
ボーダー内ではそこそこ有名なカゲとゾエによる八度にわたるタイマン。それを知っているからきっと駿もこんなことを聞いてくるのだろう。
「あは、あはは」
正直に答えるならYESである。俺が駿の年齢だった頃は1番荒れてた…いや、駿の年齢からまだもう少し前かな。まあそんなことはどうでも良くて中学生の頃は結構荒れてた。
ゾエみたいに八度にわたるタイマンなんてカゲとはしてないが殴り合いの喧嘩ならそこそこやってた。カツアゲとかも普通にやってたし、なんならカゲやゾエが目を離した隙に姉の居城となっていた我が家を放火させようとしていた。あばよくば姉が黄泉比良坂に行ってくれることを願って……。
「駿、放火は罪の中でも1番重い罪になるらしいからやるなら足がつかないようにするんだよ」
「え? 急にどうしたの? ていうか今のところ放火する予定はないんだけど」
ああ、やっぱりいい子だ相変わらずいい子だ。女の子だったら嫁にしたかった…あっ、これは無理だ。鳥肌やべぇ、死ぬかもしんない。
「どうかした? 顔色悪いよ?」
いや、俺は生きる。まだ生きるぞ!! 駿の上目遣いに心を撃たれた俺はジュースを奢ってやった。フッ、飯を食う金はなくとも弟子にジュースを奢る金ならあるのさ!
「おー、緑川じゃねぇか」
「ちっす、ウラ先輩」
「あ! よねやん先輩、いずみん先輩!!」
よねやん先輩こと米屋がこっちに手を振りながらの登場。いずみん先輩こと出水はジュースを飲みながらの会釈である。
因みに俺の通称は『ウラ』である。小春花なんて呼びにくいしなまえで呼ぶ人なんて迅さんぐらいである。カゲがカゲと呼ばれるようにゾエがゾエと呼ばれるように俺もウラと呼ばれているのだ。…犬飼の場合はイヌなのかカイなのか。同い年のアイツに少し興味を持ったぞ。カイはなんかかっこいい感じがするのでイヌにしよう。
「ランク戦してたんすか?」
「全敗、やっぱ勝てないなあ」
「まあ緑川ならしゃーねーな」
「強くなってた! この前よりも更にね!!」と嬉々として米屋と出水に報告している駿。しかし、誰一人として真面目に聞いておらず、米屋は両耳塞いでいるし、出水は「あー、うん、そうだなー」と適当に相槌を打っているだけだ。なのに気づかない駿。お前、本当にそれでいいのか…。
しかしながら段々と恥ずかしくなってきたので暴走している駿を止める。
「おー、相変わらずイヌみてぇだな」
「完璧に手網握ってるな!」
「え、犬飼?」
「え?」
イヌ=犬飼という方程式を勝手に作ってしまったので反応してしまった。ごほん、何も無いよ出水。続けてくれ。
ギャーギャーと目の前でコントのように広げられる会話を眺めていると「あんた達もう少し静かに出来ないの?」と後ろから声がした。女の声だ。肩が大きく上下したのはこの際見逃して欲しい。
「あ、くまちゃん先輩」
「…ウラ先輩。女が苦手なのは知ってますけどそこまであからさまな反応されるとこっちが傷つきます」
トリオン体だった俺はすぐさまテレポーターを使い出水の後ろへと隠れた。
「えー、なんで俺の後ろじゃなくていずみん先輩の後ろなのーうららん先輩」
「…………」
「…え、俺がこれ通訳しないといけないんすか? ……駿だと俺を隠しきれないだろ……だってよ」
俺の返答に納得出来ていないのか駿はブーブーと口を尖らせていた。
「いずみん先輩の後ろに隠れてもどっちみち隠れきれてないじゃん」
「まあ、ウラ先輩は弾バカよりも背ェ高いからな」
「そうだな槍バカよりかはウラ先輩は高いな」
「…この前二人とも同じ175cmだったって言ってたじゃん」
何故か喧嘩になりかけた三馬鹿を見て呆れ顔になった熊谷はすぐにその場を去っていた。どうやら面倒事に首を突っ込む気は無いらしい。
ひょこっと出水の後ろから出てきた俺を見て熊谷が去ったことに気づいた三馬鹿は仲良くブースへと向かって行った。俺も誘われたけど疲れたから隊室に戻ると伝えた。
おまけ
「え? これから俺のことをイヌって呼んでいいか? なんで」
「カゲ、ウラ、ゾエ。いっその事18歳組でこーいうニックネームを付けてしまおうかと思って」
「ええ〜。なら俺はカイがいいなあ」
「それはかっこいい感じがするからやだ」
「なんで!?」