〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。

巡回が一先ず終わり、次に始まるのはレッスンである。浄化ライブで新曲を披露することになり、それのレッスンだ。

では、本編へどうぞ


第五十三話 新曲とレッスン

カナ「…というわけで!新曲!新曲ですよ、翔君!」

翔「いきなり何だよ……」汗

カナの言葉に困惑する翔。

斑目「渋谷の浄化ライブはドールハウス発足以来、初の一大行事だ。ライブの成功を確実にするために新曲を用意することになった。」

斑目は言う。

アヤ「一大ライブに新曲ね!なかなかに燃える展開じゃない!」

アヤはやる気に満ちるが…

ナナミ「…いや、いきなりすぎませんか?浄化ライブまで、そんなに日がないのに…」

ナナミは不安をもらしていた。

カナ「みなさんには悪いのですが浄化ライブ自体が急でしたから…今回の新曲は9人全員で歌います。よって、全員の息を合わせなければいけません。」

斑目「成功すれば大幅なフィール回収が見込める。浄化ライブの成功率はさらに上昇することだろう。」

カナと斑目は言う。

アヤ「なんだか…面白そうじゃない。ほら、ナナミ、そんな仏頂面しない。」

ナナミ「あいにく、これは生まれつきです。はぁ…ただでさえ大変なのに新曲とか……生き生きとしたレイナさんが目に浮かぶようです。」

ナナミの言葉に、サクラは苦笑いし、アヤはジト目になる。

サクラ「新曲、ですか……あううう……緊張します。」

サクラは不安そうに言う。

斑目「曲の完成はまだ先だが、デモテープは用意してある。」

カナ「と、いうわけで。さっそく、レッスンですね♪」

斑目とカナの後に、翔が口を開く。

翔「俺はお前らを、俺のできる範囲でサポートしていくつもりだ…限られた時間の中で、お前らは息を合わせられるよう、レッスンに集中しろ。」

サクラ「…翔さん♪」

翔はアヤ、ナナミ、サクラに言う。

翔「さあ、地獄を楽しみな。」

 

 

 

レッスン場にて……

レイナ「1、2、3……1、2、3……」

Dollsはレッスンを開始していた。

ミサキ「ヤマダ、ズレてるわ。…というより、あわせる気があるの?」

ヤマダ「ぐぅ……レイナとミサキとか……考えうる最悪の組み合わせっす。」

ヤマダは愚痴をこぼす。

レイナ「ヤマダ!私たちはアヤみたいに甘やかしたりしないわ!」

アヤ「い、いやいや!あたし、甘やかしてないけど!?」

レイナの言葉にツッコミを入れるアヤ。

ヤマダ「リーダー……ヤマダ、限界っす……」

アヤ「しょうがないわね。ちょっと、こっちで休みなーーハッ!?」

レイナ「…………アヤ。」

アヤの対応に、レイナはジト目になる。

アヤ「いや、違うの!今のは、なんていうか、その!」アセアセ

翔「ヤマダ!」

翔は声をあげる。

ヤマダ「は、はいっ!!」ビクッ!

レイナ&ミサキ&アヤ「「「っ!?」」」ビクッ!

翔が声をあげ、ヤマダはもちろん…レイナ、ミサキ、アヤまでびっくりする。

翔「今回のレッスンの経緯が、そのまま浄化ライブの成否につながるんだぞ!?たった一人の身勝手な行動が、周りに多大な迷惑をかける…よく覚えておけ。」

ヤマダ「うぐっ……」

翔「分かったのか?分からなかったのか?…どっちだ!?」

ヤマダ「ひっ!?わ、分かりましたぁ!!」

翔はヤマダを叱った後、ため息をついてしまう。

翔(大丈夫なのかよ……)

翔「お前ら気合い入れろ!」

翔の言葉に、

レイナ「みんな、いつも以上に気合いを入れるわ!全員、スタンダップ!」

レイナはメンバー達に言う。メンバー達はレッスンを再開する。

愛「お、やってるね。」

そこに、愛と……元ストライカー達が入ってきた。

サクラ「はぁ、はぁ、はぁ……」

ヤマダ「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」

ほたる「皆さん、お疲れ様です。」

ほたるはメンバー達に労いの言葉をかける。メンバー達に疲れが見えてきたところで…

ミサキ「これで、レッスンは一区切りね。」

ミサキがレッスンを区切る合図を出した。

ヤマダ「おぉ…やっと休憩ーー今日という日をなんとか生き延びた…」

ヤマダは安心したように言うが……翔が合図を出すと、メンバー達は移動を開始する。ヤマダも着いていった。

ヤマダ「って、ここファクトリーっすよ!?」

やって来たのは、シミュレーターが設置されているファクトリーだった。

ミサキ「言ったでしょ、レッスンは終わりだって。次は、戦闘の修練よ。」

レイナ「新曲のレッスンではダンスの練習を、シミュレーターでは基礎体力を作らなきゃね?」

ミサキとレイナがそう言うと、

ヤマダ「ひいいいいいいいいいいいい!」

ヤマダは叫び声をあげた。

ミサキ「では、シミュレーション、スタート!」

ヤマダの叫びを無視して、戦闘訓練が始まった。数十分後、戦闘訓練は終了し、この日のレッスンも終了した。

 

 

 

次の日……

あから「お疲れ様です、皆さん…って……」

あからがレッスン場に入ると、Dollsはレッスンに励んでいた。

ミサキ「ステップ、ステップ。そこからクイック、クイック、クイック。そこの切り返しは変則的だからリズムではなく体に覚えさせて。」

サクラ「は、はい!」

ヒヨ「が、がんばるよー!」

翔「よし、もう3セット。続けて行くぞ!」

翔がそう言うと、Dolls達は気合いを込めた。

翔「…?おう、あから。どうした?」

あから「あぁ、隊長殿。差し入れにきたんだ。…それにしても、すごい集中力だな、流石はDollsの皆さん。」

翔「そうだな、コイツら(Dolls)はよく頑張っている。」

翔は口角を上げて言う。

レイナ「今までのどの曲よりも緊張感をもってレッスンに励んでいるわ。」

レイナも気合いを込めた表情で言う。

あから「やっぱり、浄化ライブ(?)って大変なんだね…こんなに皆さん真剣に…」

レイナ「それも1つの答えだけど、もっと大きな、別の理由だってあるわ。」

あから「別の理由…ですか?」

あからはレイナの言葉に疑問を持つ。

レイナ「なにより、今回は翔君が近くでみているんだもの。」

レイナは翔に微笑みを向けながら言う。

レイナ「翔君が私たちに心を開いてくれたから……下手なライブはできないわ。例え翔君が心を開いていなくても、美しく成功させないと!」

あから(隊長殿が近くでみている、か……今思えば、ボクたちがストライカーだった頃でも、隊長殿は近くでみてくれていたな……)

レイナの言葉を聞いたあからは、ストライカー時代を思い出す。

元々、翔はストライカー達を率いる隊長であった。しかし、彼を裏切ったストライカー達は彼の指示に従わず、日々の生活や戦闘訓練までも怠っていた。あからはそんな彼女達に不安を感じていたが、翔はいつも近くで励ましたり、見守ったりしてくれていた。今まで励ましてくれる者がいなかったため、あからは翔に励まされている時、不思議と安心感を覚えていた。

あから(結局、隊長殿を裏切ったストライカー達は何もしなかった……隊長殿だって不安だっただろうに、それでもボクたちを笑顔で励ましてくれていたんだ……Dollsの皆さんがここまで気合いを込める理由が分かる気がするよ。)

あからは思った。

翔「俺がいるかどうかは関係ねぇだろ。」

翔は言う。そこに…

カナ「そんなことありませんよ。」

カナがやって来た。

翔「南田さん…」

さらに……

愛「そうだよ♪」

愛もやって来た。

翔「片山さんも……」

カナ「ドールハウスはピグマリオンと戦う機関です。」

愛「それに、ドールハウスにとってアイドル活動というのは戦うための手段なんだ。」

カナと愛は言う。

レイナ「私はそう思っていないけど…組織の上の方はそう思っている人も多いわ。」

レイナはそう言った後、

レイナ「でも、翔君は違うじゃない。」

翔の方に振り向く。

レイナ「翔君は戦う私たちよりも、アイドルをしている私たちを尊重してくれている。」

翔「そうだったか?」

愛「そうだよ~、翔君はDollsの皆のライブを成功させるために、ステージに上がり込んできたストーカー3人とストライカー達を成敗してくれたじゃん♪」

愛は翔に笑顔を向ける。

翔「俺はアイツらのやり方が嫌いだから、アイツらをボコした。それだけだ。」

翔は真顔で言う。

レイナ「でも、翔君がいなかったら…ライブは成功していなかったわ。ありがとう、翔君♪」

レイナは続ける。

レイナ「翔君の強い正義感や優しさがあるからきっと、みんなは頑張れているんだと思うの。今回の新曲はDollsの最高傑作になるでしょう。完成したら、すぐに知らせるわ♪楽しみにしていて、翔君♪」

レイナは翔に微笑んだ。

翔「あぁ、楽しみにしてる。」

翔はそう言うと、口角を上げてトモダチの証を作り、レイナに見せた。レイナもトモダチの証を作り、翔に見せた。

あから「あ、皆さん…ここにスポーツドリンクと、隊長殿手作りのレモンの蜂蜜漬け、置いときますね。」

あからはそう言うと、差し入れを置いた。

ヤマダ「っ!?…翔さんの、手作り…?」ピクッ…

ヤマダは反応を示した。

サクラ「このレモンの蜂蜜漬け…翔さんが作ってくれたんですか?」

翔「あぁ、料理をすることは嫌いではないからな。それに言ったろ?俺は俺のできる範囲で、お前らをサポートしていくつもりだって。」

翔は口角を上げる。

ヒヨ「翔さん手作りのレモンの蜂蜜漬け、すっごくおいしいんだよー♪」

アヤ「ヒヨ、それホントなの!?」

アヤは目を輝かせながらヒヨに聞く。

ヒヨ「うん!ホントだよ♪」

レイナ「私も食べたことあるのだけれど…とっても美味しかったわ♪」

ナナミ「どのスイーツよりも、美味しいです。」

チームBのメンバー達は、翔が作ったレモンの蜂蜜漬けをメンバー達にすすめる。翔はスマホを取り出すと、とある人物に電話をかけた。

翔「おう、ちょっといいか?……あぁ、冷蔵庫の中に、俺が作ったレモンの蜂蜜漬けがあるんだけど……そうそう。それを全部持ってきてくれるか?……あぁ、慌てなくても大丈夫だからさ……あぁ、頼んだ。レッスン場で待ってる。」

数分後……

モニカ「お待たせ~。」

ほたる「念のため、軽食も持ってきましたよ。」

モニカ、ほたる、マリ、雪枝、幸子がレッスン場にやって来た。

翔「ありがとう、そこに置いてといてくれ。」

翔が置き場所を指定すると、彼女達は翔が指定した場所に差し入れを置いた。

マリ「そう言えば、アンタに伝えたっけ?私たち、ドールハウスで働かせてもらうことを。」

翔「マジ?」

ほたる「はい、隊長サンがここで一生懸命働く中、あたし達だけ何もしないのは…何だか申し訳なく感じたんです。」

モニカ「そこで、斑目さんにお願いしたんだ。『ここで働きたい』って。斑目さん、快くOKしてくれたんだ~♪」

翔「成る程な……けど、雪枝…お前はまだ中学生だろ?」

雪枝「はい…私の場合、年齢的にまだ働ける時期ではないので、Dollsの皆さんが生活している寮で家事を担当することになりました。」

幸子「ちなみに私も、寮で家事を担当しています。」

あから「ボクは雪代君と賢宮君とモニカ君と共に、ドールハウスの事務処理等も担当することになったんだ。カナさんや愛さんの負担を少しでも減らせたら良いと思ってね。」

翔「そっか。」

翔は安心したように言う。

ほたる「ただ、まだまだ分からないことだらけなんですけどね…えへへ。」

ほたるは苦笑いを浮かべた。

カナ「マリちゃんもほたるちゃんもモニカちゃんもあからちゃんも、物覚えが早くて助かってます♪」

愛「皆本当に良い子達だし、思わず抱きしめたくなっちゃうな~♪」

カナと愛は嬉しそうに言う。

レイナ「雪枝と幸子のお陰で、寮は賑やかになったわ♪」

サクラ「私も、雪枝ちゃんと幸子さんには感謝しかありません。」

雪枝「あ、い、いえ…そんな……///」

幸子「私も皆さんの力になりたいので……///」

レイナとサクラに感謝され、雪枝と幸子は照れた。

翔「…。」

翔(元ストライカー達にも、居場所ができて…本当に良かった……ここの人たちは、いい人達ばかりだ……)

翔はドールハウスの関係者と元ストライカー達のやり取りを見て思った。

シオリ「それにしても…翔君秘伝のレモンの蜂蜜漬け、本当に美味しいです♪」

翔「ソイツは良かった。」

翔はレモンの蜂蜜漬けが入った小さめのタッパーを持つと、

翔「南田さんも片山さんも食べな。」

カナと愛に渡した。

カナ「良いんですか!?いただきます♪」

愛「ありがとう、翔君♪」

カナと愛は翔からタッパーを受け取った。

翔「お前ら(元ストライカー達)も食べな。」

モニカ「え、良いの?」

翔「あぁ、そのために多めに作ったんだから。」

マリ「アンタらしいね。」

マリは微笑む。

雪枝「ありがとうございます、隊長さん。」

あから「へへっ、君には敵わないや。」

そこに、

斑目「失礼する。」

斑目がやって来た。

翔「斑目さんも良かったら。」

翔はレモンの蜂蜜漬けが入った小さめのタッパーを斑目に渡す。

斑目「青空…良いのか?」

翔「あぁ、実はまた多めに作ったんだ。いくらでもあるから好きなだけいただいてくれ。」

斑目「ありがとう、青空。」

斑目は翔にお礼を言うと、タッパーを受け取った。一同は翔手作りのレモンの蜂蜜漬けやほたる達手作りの握り飯等の軽食をいただきながら休憩をし、ちょっとした談笑も楽しんだ。




いかがでしたか?今回はここまでです。

ほのぼの回を書いたつもりですが、それは後半からだよね?まぁ、いいや。
てか、レモンの蜂蜜漬け…中学生ぐらいに食べて、それ以降…全く食べてないな。てか作ってすらいない(笑)。

次回も、お楽しみに~。

では、またね
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