〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
久しぶりに投稿します。それと、『ロストドライバー』買っちゃった♪CSM版じゃないよ?DX版だよ?
新曲のレッスンに励むDollsと、彼女達に心を開き、可能な範囲で彼女達をサポートする青空 翔。彼は久しぶりにあの人物と会話を挟む。会話が終了した後、あの3人が彼の元を訪ねてくる。翔は彼らに自分を受け入れた理由を聞いてみた。
では、本編へどうぞ
レイナ「…エクセレント!」
ミサキ「私も異論はないわ。ギリギリ、間に合ったわね。」
浄化ライブ当日が迫り来る頃、納得の行くレッスンが終了した。
サクラ「はぁ~~~~………!つ、つかれました!」
シオリ「さすがにこたえますね…あとでアイシングしておこうかしら。」
サクラとシオリは疲れ、脱力して床にヘナヘナと座った。
アヤ「まったく、だらしないわね!あの程度の練習で、弱音をはくなんて。」
アヤはそう言うが…
ユキ「アヤさん、膝が笑っています。」
彼女の膝は震えていた。
アヤ「こ、これは武者震い!全然、まったく、何もないんだから!」
アヤは強がるが、
アヤ「ひゃっ!?」ドテッ
床に転んでしまった。
ガチャッ……
翔「大丈夫か?」
そこに翔が現れ、転んだアヤに手を差し伸べた。
アヤ「翔…うん!大丈夫よ♪」
アヤは翔に笑顔を見せるが……
翔「無理して笑顔を見せる必要はねぇ。疲れた時ぐらい、正直になってもいいじゃねぇか。」
翔はアヤが無理していることをすぐに見抜いた。
アヤ「ふふっ、翔には敵わないな…」
アヤは翔の手を取り、立ち上がった。
翔「どうやら終わったみてぇだな。…どうだった?」
翔はDollsに問いかける。
シオリ「ちょうど、今、一回完璧に合ったところです。」
シオリは翔に言う。その時……
シオリ「って、いい匂い……!」
シオリの嗅覚が微かな甘い香りをキャッチした。
翔「あぁ…これか。」
翔は一つの箱を持っていた。
翔「差し入れに買ってきたんだよ。何だっけ?8種のミックスベリータルトだったかな?」
翔は箱を開けて、タルトを見せた。
アヤ「これって……!『クライン・カッツェ』の季節限定商品じゃん!」
アヤは驚きの声をあげる。
ユキ「限定商品……でも、見た目が血だらけ、です……」
アヤ「ベリーよ、ベリー!神聖なタルトに何てこと言うのよ!」
ユキの言葉にツッコミを入れるアヤ。
サクラ「お、美味しそう……!これ…買ってきてくれたんですか?」
サクラはタルトを見た後、翔に聞く。
翔「他に何があるんだよ?最近はレッスンばっかだったろ?それに、コイツを買ってくればお前らのブログのネタにもなるだろう?」
翔はメンバー達に言う。
アヤ「…そこまで考えてくれたのね……ありがとう、翔♪」
アヤは翔にお礼を言った。
翔「良いってことよ!」
翔はそう言うと、ニッと無邪気な笑顔を見せた。
翔「けど…流石にここでは食えねぇから、1度寮に戻るか。」
一同「「「はーい!」」」
メンバー達は寮に戻って行く。すると、レイナとミサキが翔の近くに寄ってくる。
レイナ「助かるわ、翔君♪それから新曲のレッスンは終わり。」
翔「そうか。」
レイナ「とてもいい曲になるわ。当日、楽しみにしてて♪」
翔「あぁ、楽しみにしてる。ミサキもお疲れ。」
翔はミサキに声をかけた。
ミサキ「労いの言葉をありがとうございます、翔さん♪」
ミサキは翔にお礼を言い、
ミサキ「私は疲れていません。指示を出していただけですから。」
自分は疲れていないと翔に伝える。
翔「そっか。けど、身体は疲れていなくても、脳ミソは疲れてるだろ?」
翔は続ける。
翔「人に指導することは頭を使わなければならない。身体は疲れていなくても、脳ミソは疲れてるもんさ。」
ミサキ「ふふっ、ごもっともね♪」
翔「しかしまぁ…ミサキがアイドル活動で率先して、前に出てくるのは意外だな。」
ミサキ「浄化ライブは戦いの1つですから。少なくとも、私はそう認識しています。」
翔「そっか……当日、うまく行くといいな。」
翔は微笑みながら言う。
ミサキ「必ず、成功させてみせます。みていてくださいね、翔さん。」
ミサキも翔に優しく微笑む。
翔「うん。」
ミサキは翔にウィンクをし、寮に戻って行った。
レイナ「ミサキ、昔は素直じゃなかったけれど…今では少しずつ、素直になってきてるわね。」
翔「たまに素直じゃねぇ時もあるけどな。」
レイナと翔は少し会話を挟む。
レイナ「浄化ライブ、必ず成功させるわ。だから、翔君も新曲を楽しみにしてて♪」
翔「あぁ、期待してるぜ。」
レイナも翔にウィンクをし、寮に戻って行った。
翔「新曲の復習は完璧みてぇだな…浄化ライブまで、あと少しか……」
翔はそう呟くと、鏡を見る。
翔(鏡)「よっ!元気そうだね!」
鏡の世界の翔が、翔に明るく話しかけてきた。
翔「まぁな。」
翔(鏡)「…君、いい顔してるね。」
翔「…何?」
翔(鏡)「いや、前までは暗い顔を浮かべてたからさ……でも、今は良い顔してるな~って思ってね。」
鏡の世界の翔は言う。
翔(鏡)「漸く……彼女達に心を開けたんだね。」
翔「俺は漸く……本気で信頼できる奴らと出会えた…アイツらはどんな俺でも、温かく受け入れてくれていたから、な…」
翔は微笑むが…鏡の世界の翔にとっては、何だか悲しげな表情のように見えた。
翔(鏡)「良かったじゃん。」
翔「けど…俺は追われている……裏切り者の“アイツら”にな…」
翔(鏡)「…迷惑、かけたくないんだよね?」
翔「…あぁ。」
翔は口角を下げる。
翔(鏡)「そっか……けど、その心配はないみたいだよ?」
鏡の世界の翔は優しく微笑む。
翔「…どういうことだ?」
翔(鏡)「すぐに分かるよ。」
鏡の世界の翔はそう言うと、姿を消した。鏡が元に戻った時、
ガチャ……
レッスン場のドアが開いた。
斑目「青空、ここにいたのか。」
カナ「あ、いたいた。」
愛「やっほ~♪」
入ってきたのは、斑目とカナと愛の3人だった。
斑目「どうしたんだ、青空…?」
斑目は優しく翔に話しかける。
翔「少し考え事をしてた。」
斑目「そうか。」
斑目は余計な詮索をしなかった。
カナ「翔君は、皆に迷惑をかけたくないって思いますか?」
翔「急に何だよ…?」
カナの質問に困惑する翔。
カナ「あ、その……ちょっと気になったので…」
翔「そうか……あぁ、俺はできるだけ…誰かに迷惑をかけたくねぇよ…」
翔は続ける。
翔「それに…俺は追われている身であるんだ……教えてくれ…アンタらは、どうして俺を受け入れたんだ?」
翔は斑目とカナと愛に問いかける。
カナ「私たちが翔君を受け入れた理由は、2つあります。」
愛「1つ目はね……あのストライカー達の身勝手な理由で追い詰められている翔君を見捨てるような真似はできなかったから。翔君に不自由な思いをさせたくなかったんだ。」
愛の言葉を聞いた翔は、愛に言う。
翔「つまり、『かわいそう』だったから…そう言いたいんだな?」
愛「…うん。」
愛は申し訳無さそうな表情を浮かべる。
愛「翔君を保護したのは“措置”だったから…こっちが一方的に決めちゃったからね……かえって翔君に不自由な思いをさせちゃうのかって、皆心配してたの…」
翔「アンタらに保護された時、自分はどうなっちまうのかって…不安だらけだった。」
愛「…そうだよね。いきなり見知らぬ場所で生活するなんて、不安になっちゃうよね…」
翔「だが…不自由だって感じたことは1度もねぇよ。」
翔の言葉を聞いた3人は、ホッと胸をおろした。
斑目「2つ目の理由なんだが…」
2つ目の理由は、斑目が話し出した。
斑目「お前は覚えてないかもしれない……」
翔「…?」
斑目「あ、いや、その……まぁ、聞き流してもらって構わない。」
斑目の言葉に、翔は静かに頷いた。
斑目「今のDollsがあるのは…青空、お前のおかげなんだ……」
斑目は語り始める。
斑目「昔のDolls達は、1人のメンバーを失い…精神状態が不安定だった……」
この言葉を聞いた翔はあることを思い出した。
翔「1人のメンバー…それって、名前は『チヒロ』って言うのか?」
カナ「…その通りです。」
翔「っ!?……そうだったのか…」
カナ「翔君…いつもチヒロちゃんの所にいって、お供え物を置いてくれたり…側にいてくれたり……きっと、チヒロちゃんも喜んでいると思います。」
カナは優しく微笑む。
翔「どこの馬の骨か分からねぇ奴にいきなり来られたら、気味悪がるだけだろ…」
斑目「そんな事はない…チヒロは社交的で新しい人に興味がある性格だった。」
翔「…そうか。」
斑目「話が逸れたな……メンバー達の精神が安定しない日々が続き、我々もどうすれば良いのか分からなかった。その時、お前が現れたんだ。」
斑目は翔の方に振り向き、優しい笑顔を見せる。
斑目「暗くなっていた彼女達が次第に明るさを取り戻して来ていたから、何だと思った……何人かが、お前のことを嬉しそうに話しているのを聞いてな…最初はお前に不審な眼差しを向けていたが、彼女達が明るさを取り戻したのはお前のおかげだと気づいたんだ。」
翔「…。」
急に翔はジト目になった。
斑目「…青空?」
翔「アンタの言ってることが事実だとしたら、俺……そんな風に見られてたのか……」
翔は軽くショックを受けていた。
カナ「ま、斑目さん!!」アセアセ
愛「所長!!翔君にショックを与えちゃダメですよ!!」アセアセ
カナと愛は焦った。
斑目「わわっ、す、すまない青空!!あの時は私の目が節穴だったんだ!!」
翔「目ん玉くりぬいてやろうか?」
斑目「わ、分かった!煮るなり焼くなり好きにしてくれ!!」
斑目は冷静さを失い、テンパっていた。
翔「バーカ、んなことするわけねぇだろ?」
翔は呆れた様子で斑目に言う。
斑目「…そ、そうか…」
翔「うん。」
斑目「あ、青空…お前は本当にすごいな…」
翔「…は?」汗
斑目「いや、独り言だ……んんっ、話を戻す。」
斑目は軽く咳払いし、話を戻した。
斑目「お前がどうやって彼女達を救ったのか、次第に興味が湧くようになったんだ。それで、カナに頼んでお前と彼女達が関わっている様子を観察したんだ。」
翔「…他力本願かよ。」汗
斑目「うぐっ…」汗
翔にトゲのある言葉を言われ、斑目は冷や汗をかいた。
カナ「あはは……えっと、それで観察させてもらった所…翔君は彼女達のありのままを受け入れていたから、彼女達にも明るさが戻ったと感じられました。」
斑目の代わりに、カナが翔に語る。
カナ「ですが、中には翔君を罵倒してしまったメンバーもいました……それでも翔君は、文句を言わず、何一つ怒らなかった。『否定をせず、ありのままを受け入れ、心から寄り添う』…その時、翔君はすごい人なんだと思ったんです。」
カナは優しい笑顔を見せる。
翔「んで、結局何が言いたいんだ?」
カナ「前置きが長くなってしまいましたね……2つ目の理由は、翔君とは何か縁があると思ったからなんです。」
翔「…縁?」
カナ「はい…悲しそうな顔をしている翔君を見た時、まるで昔のDollsのようだと思ったんです。『否定をせず、ありのままを受け入れ、心から寄り添う』、翔君が彼女達を救ってくれたように、今度は私たちが翔君を救いたい…その心から我々ドールハウスは、一致団結しました。」
カナが一通り語り終えると、翔はこう言った。
翔「…おあいこじゃねぇか。」
カナ「…え?」
翔「アンタらの言ってることが事実であるかどうかは、俺には分からねぇ…もし事実だとしたら、おあいこだな。」
翔は言う。
翔「かつて自分が他人を罵倒していたから、今度は自分が他人から罵倒されたって構わねぇ…そう言うことだろ?」
翔の言葉に3人は黙り込み、何も言い返せなかった。
翔「だが、自分の経験から誰かを助けたいって思うの…俺は嫌いじゃねぇ。」
3人「「「えっ…?」」」
斑目、カナ、愛は翔を見る。
翔「俺だってそうだ…裏切り者達に何もかもを奪われた…そんな経験から、罪のねぇ奴のために化け物達と戦うことを決心した。ま、俺が抱える悲しみとDollsが抱える悲しみは違うけどな。」
翔はそう言うと、
翔「ありがとう、理由を話してくれて。何だかスッキリした。」
3人にお礼を言った。
翔「俺はアンタらに救われたと思ってる…だからこそ、アンタらには迷惑をかけたくねぇんだ。だから」
すると、
トンッ…
翔「…!?」
斑目は翔の前でしゃがみ、彼の両肩に手を乗せた。
斑目「人というのは、誰かに迷惑をかけなければ生きて行くことはできない生き物なんだ。青空、『誰かに迷惑をかけたくない』という気持ちさえ持てていれば、それで十分だ。」
斑目は翔に優しく言う。
カナ「そうですよ♪誰かに頼りたいって思った時、いつでも私たちを頼ってくださいね♪」
愛「翔君のことなら、あたし達はな~んでも受け入れちゃうから♪だから心配しないで?」
カナと愛も優しく翔に言う。
翔「……。」
翔は少し驚いた表情を浮かべていた。そして…
翔「…。」ポロッ…
翔(…あれ?俺、何で泣いてんだ…?)
ストライカー達から裏切りにあい、時空管理局からは利用された挙げ句…邪魔者と見なされ、見放された翔は…人から初めて心から受け入れられ、涙を流したのだ。
翔「…っ!!」ゴシゴシ…
翔は必死で涙を拭うが、彼の目から流れる涙は止まらない。
カナ「泣きたい時は、泣いても良いんですよ?」
愛「堪えるよりも、気がすむまで泣いたほうがスッキリするよ?」
斑目「私たちが受け止めるから、心配はないぞ?」
3人は翔に優しく言う。翔は涙を堪えられなくなり、男泣きした。斑目は翔を撫で、カナは翔の背中を擦り、愛は翔を抱きしめ、彼が泣き止むまで側にいた。
数分後、翔は泣き止んだ。
斑目「青空、気は済んだか?」
翔「あぁ。」
カナ「良かったです♪」
愛「さ、翔君も気が済んだことだし…寮にお邪魔しよっか♪」
翔「うん!」
翔は斑目とカナと愛と共に寮に向かうが、
斑目「私はこの辺りで失礼する。まだやるべきことがあるんだ。」
途中で斑目と別れた。
翔「斑目さん!」
斑目「…?」
翔「仕事、頑張って…!」
翔は斑目に応援メッセージと、『トモダチの証』を送った。斑目は微笑み、
斑目「…ありがとう、青空。」
翔にトモダチの証を向けようとするが、中々できなかった。
カナ「ふふ、斑目さん♪」
カナは斑目の近くに寄り、トモダチの証の作り方を教えた。そのお陰か、斑目はトモダチの証を作ることに成功し、それを翔に向けた。翔は斑目の近くに寄り、トモダチの証同士を軽くぶつけた。
斑目(…これは、ハイタッチだろうな。)
斑目はそう思い、仕事に戻った。翔はカナと愛と共に、寮に入る。
シオリ「あら、翔君♪お待ちしていました♪」
幸子「あ、隊長さん…!」
レイナ「いらっしゃい、翔君♪」
ほたる「隊長さん!ささ、こちらへ!」
寮に入ると、Dollsと元ストライカー達が翔達を歓迎した。翔が座った椅子の右隣にはアヤ、左隣にほたるがいた。カナはレイナとミサキの間に、愛はナナミと雪枝の間に座った。
マリ「斑目さんはいないのかい?」
愛「所長は仕事があるから、来れないみたい。」
マリ「そう。」
あから「斑目所長の分も残しておこう。」
モニカ「そうだね、あたし達だけで食べるのもなんか悪いし。」
雪枝「はい、賛成です。」
ミサキ「分かったわ。切り分けることは得意だから任せて。」
愛「OK、任せたよミサキちゃん♪」
ミサキは2つのタルトを全員分、上手く切り分けた。その後、メンバー一人一人に配って行く。そして、全員に配った時、一同は「いただきます。」と言い、タルトをいただく。
アヤ「んん~、美味し~♪」
サクラ「本当ですね~♪」
ナナミ「まぁ…悪くないですね。」
モニカ「あたし、田舎育ちだからこう言うの食べたことなかったよ!」
あから「ボクだって、こんなにも美味しいタルトを食べたのは、生まれて初めてだよ!」
ほたる「ほっぺが落ちちゃいそうです~♪」
それぞれの反応を見せるメンバー達。メンバー達の反応を見た翔も、タルトを一口いただく。
翔「…。」モグモグ…
愛「どう、翔君?」
愛は翔に感想を聞く。メンバー達も翔の様子を伺う。
翔「…うん。」
翔は笑顔を見せた。翔の笑顔を見たメンバー達は、自然と疲れが癒されるのを感じたのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
なんか、最近ほのぼの回が続いてる気がする。あ、気のせいか…。
翔は自分がドールハウスに受け入れられた理由を聞くことができ、満足した様子。それと同時に、安心感が生まれたのであった。
それと、久しぶりに鏡の世界の翔を登場させたな~。
次回も、お楽しみに。
では、まったね~