〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。

突如現れたリーパーと戦うDollsだが、全く歯が立たなかった。斑目が撤退を指示する中、チームCのメンバーと共に、翔が戻ってきた。そこで、彼はとある方法を思い付き、それを実行しようとしていた。

では、本編へどうぞ


第五十七話 全てを感情に乗せて

リーパー「キシャシャシャシャ!!」

リーパーは嘲笑うような声をあげる。Dolls達は翔と斑目の会話に耳を傾ける。

斑目『彼我兵力差は絶望的。状況的にも打つ手はない。それでもこれを覆せるというならば…この状況で、それを信じぬけているならばーーいくら青空であっても……上司として、無下にできんな。』

翔「おい、時間がねぇんだ。」

翔は冷たい声で斑目に言う。

斑目『……チャンスは1度だ。青空、お前に全てを任せる。』

翔「上等。」

斑目は折れ、翔に任せることにした。

斑目『ただし、ドールが失われるのは許可できない。その時は…』

斑目(本当は、こんなこと…言いたくなかったが……)

斑目は心を鬼にしてまで、翔に冷たく言ったが…

翔「ほざけ、俺はDollsのメンバーを死なせるつもりは更々ねぇよ。」

翔は斑目を恐れることなく、淡々と言い返す。

サクラ「私、翔さんを信じます。いいえ、ずっとずっと信じています!」

ミサキ「覚悟を決めた顔ですね、翔さん。」

シオリ「もし、これで生き残れたら、ぎゅーってしてあげますね♪」

翔「バカ、生き残れたらじゃねぇ…生き残るんだよ。」

翔は表情を変えずに言う。

レイナ「で、どうするの?あるのでしょ、美しい計画が。」

レイナは翔に聞く。

翔「何、Dollsにしかできないことを“いつも通り”やるだけだ。」

翔はDollsを見て、

翔「…歌ってくれ。」

歌うことを頼んだ。驚いた顔をするDolls達。その後、翔は作戦を丁寧に説明した。

 

 

 

数分後……

翔「お前ら、戻ったみたいだな。」

シオリ「そのようです。テアトルの中には、翔君と私、アヤさん、サクラさんしかいません。」

現在、テアトルの中には、翔、シオリ、アヤ、サクラが残っている。他のメンバー達はステージに戻っていた。

翔「お前ら……こんなことに付き合わせてすまない。」

翔はメンバー達に謝罪する。

アヤ「…今更、何いってんの。」

シオリ「私たちは自分の意思で残ったんです。翔君の作戦を信じます。」

サクラ「みんな、同じ気持ちです。だから、絶対に…勝ちましょう。」

アヤ、シオリ、サクラは翔に言う。

翔「…あぁ。」

翔は頷いた。

アヤ「あたしは、シオリとテアトルを守る。悔しいけど…それで精一杯。だから…任せたわよ、サクラ。」

サクラ「……はい!」

そして、

シオリ「……来ます!」

リーパーが爪を振り上げて襲いかかってくる。

リーパー「キシャァァアアアアアアア!!」

翔「…甘い。」

ガキィンッ!

翔はアマゾンブレードでリーパーの攻撃を受け止める。そして、リーパーを蹴って後方に吹っ飛ばすと、

翔「よし…はじめるぞ!」

アヤ、シオリ、サクラに声をかける。

翔「5分だ……5分だけ、持ちこたえるぞ!」

一同「了解!」

アヤとシオリはテアトルを守り、翔とサクラはリーパーとぶつかり合った。

 

 

 

一方、ライブ会場の客席では……観客がライブ開始を、今か今かと待っていた。

ルリ「まだかな…ライブ。」

特別席には、ルリがいた。

ルリ「Dollsってどんなアイドルなんだろ……?サクラお姉ちゃん、まだかな……」

そして、

ルリ「あ、来た!」

Dollsがステージ上に姿を現した。

レイナ「待たせたわね!」

ヒヨ「みんな、やっほー!」

ナナミ「……どうも。」

DollsチームBの登場に、会場は歓喜に包まれた。

ユキ「……熱気、すごいです。」

ヤマダ「はぁ~~自分はバトル居残り組がよかったんすが…」

ヤマダはダルそうに言う。

ミサキ「今日は…新曲を聞いてください。」

そんなヤマダを背に、ミサキは観客に語りかける。

ミサキ「…この世界は“戦い”に満ちています。生きることは戦いだから。戦わないと強くなれない。先へ進めない。」

彼女の語りを、ドールハウスから斑目もカナも愛も聞いていた。

ミサキ「私たちだってそう。きっと、ここにいるみんなだって、そうーーだから、そんな戦いをする人たちにこの歌を、捧げますーー」

そして、

ミサキ「聞いてください。」

Dollsの歌が始まった。

 

 

 

その頃、テアトルでは……

リーパー「キシャシャシャシャ!」

翔「ちぃっ!」

サクラ「はぁ…はぁ…はぁ…!」

シオリ「くっ……!」

アヤ「ッ……!しつこい…っての!」

翔、サクラ、シオリ、アヤがリーパーと戦い、Dollsの歌を待ち続けていた。

翔「まだか、まだなのか…!」

次第に焦り出す翔。彼が考えた作戦は、自分たちが囮になり、後のメンバー達はライブで歌を披露すること……

サクラ「曲が…聞こえます!」

そして……

翔「おぉ、見えるぞ。フィールが…集まってくる!」

シオリ「すごい……これだけのフィールが……」

膨大な感情エネルギーを集めること……

アヤ「サクラ……!受け取りなさい!」

翔「このフィール……全て、サクラに預ける!!」

集まった感情エネルギーを全て、サクラに注ぎ……パワーアップさせて、リーパーを葬る……これが、翔が考えた作戦だ。集まったフィールは、全てサクラに注がれていく。

サクラ(ああ……これが……)

止まることなく、膨大なフィールがサクラに注がれる。

サクラ「……手が熱い。足が熱い。顔が熱い…身体が熱い。でも、なによりもーーーーこの胸が、張り裂けそうなくらいーー熱い!これが人々の正の感情ーーDollsのみんながくれた感情ーー!」

膨大なフィールは、まだまだサクラに注がれる。

翔「サクラ!」

サクラ「はい、翔さん!」

サクラは剣を、翔はアマゾンブレードを構える。

サクラ「それに比べたらーー貴方はどこまでも虚ろてますね、リーパー。」

サクラはリーパーに言う。

サクラ「貴方は空っぽで何もない。嬉しくない、悔しくない、哀しくない、楽しくない。希望も絶望も、愛も夢も……何もかもが、ない。」

リーパー「っ!?」

サクラ「だから、貴方は絶対に私に、翔さんに勝てない。空っぽの貴方の爪は、絶対に私に、翔さんに届かない。この感情をもってーーリーパー、私は貴方を否定する!」

翔「終わりだ、リーパー。」

サクラと翔は、武器の切っ先をリーパーに向けた。その直後……

ザシュゥゥウウウウッ!

サクラと翔、リーパーがすれ違った。

リーパー「グギァァアアアアアア!!」

リーパーの身体が真っ二つに割れ、消滅していく。サクラと翔は……見事、リーパーを討ち取ったのだ。

その後、サクラとシオリとアヤはステージに登場して、Dolls全員で歌を観客に届けた。翔はステージ裏に戻り、彼女達を見守った。

こうして、渋谷区浄化ライブは、無事に終了したのだった。

 

 

 

ライブ終了後、ステージ裏にて……

愛「翔くーん♪」

愛は翔を抱きしめようとしたが……案の定、避けられた。

愛「わわっ、何で避けるのぉ~!?」

翔「身体が勝手に動くんだよ。」

愛「うーん、そっかぁ~……」

愛は残念そうな顔をする。

翔「はぁ……とんでもねぇ1日だった。」

翔は首を掻きながら言う。

斑目「本当だ。冗談抜きで寿命が縮んだぞ。だが、よくやった。これ以上ない結末を迎えることができた。」

斑目は翔に言う。

カナ「翔君は普段はクールですけど、いざと言うときは本当に頼りになりますよね。流石は、『名隊長』ですね♪」

カナは翔に言う。

翔「やめろ、俺はもう『隊長』じゃねぇんだ。」

翔が不機嫌そうな顔をしたため…

カナ「あ、ごめんなさい…」

カナは翔に申し訳なさそうに謝罪する。

愛「翔君は確かにクールだね、でも…弟みたいで、可愛いから、思わず抱き締めたくなっちゃうんだよね♪」

愛はにこやかそうに言うが、翔はそれを聞き流した。

ルリ「お兄ちゃん!」

すると、ルリが翔の元にやって来た。

翔「おぉ、ルリちゃん。ライブ、どうだった?」

翔はルリにライブの感想を聞く。

ルリ「すっごい最高だった!私、Dollsのファンになったよ!」

ルリは満面の笑顔で言う。丁度ステージ裏に戻ってきたサクラは驚いたが、すぐに嬉しそうに微笑む。

翔「そっか。」

翔は微笑むと、ルリの頭を優しく撫でた。

サクラ「…ルリちゃんなら、きっとDollsを好きになってくれる。…そう思っていたよ。」

サクラは目に涙を浮かべ、嬉しそうに言った。

ルリ「サクラお姉ちゃん!」

ルリはサクラの近くに行った。

翔「サクラ、それにお前ら……」

ミサキ「翔さん、素晴らしい作戦でした♪死中に活を見出すとは、まさにこのことかと♪」

ミサキは微笑みながら、翔に言う。サクラもシオリも微笑む。

シオリ「約束通り、ぎゅ~ってしてあげますから後で、私の中の部屋に来てくださいね?」

ヒヨ「あ~!シオリン、ずるいずるい!ヒヨも翔さんにぎゅ~ってする!」

シオリとヒヨはそう言うが、

翔「生憎だが、抱きしめられるのは好きじゃねぇんだよ。」

翔は少し嫌そうに言った。

シオリ「あら、そうですか……でしたら、庭でお茶会でもしましょうか♪」

ヒヨ「さんせーい♪」

シオリとヒヨは翔を受け入れ、お茶会を開くことにした。

ナナミ「作戦というよりバクチ……じゃなくて、決死の作戦で心配しました。」

翔「言い直しても遅ぇよ。」汗

ナナミ「まあ、結果オーライではありました。それに……」

ナナミは翔の手を優しく握り、

ナナミ「翔さんが無事で……本当に、良かったです…!」

目に涙を浮かべ、翔に微笑みを見せた。

翔「悪かったな、心配させちまって。」

翔はナナミの頭を優しく撫でた。

ナナミ「っ!?……♪」

翔に撫でられ、ナナミは嬉しそうに微笑んだ。

レイナ「ありがとう、翔君♪感謝を。本当の感謝を、貴方に。」

レイナは、

レイナ「Dollsの能力ではなく、Dollsの歌を信じてくれて…ありがとう♪」

心から翔に感謝をした。

翔「礼はいらねぇよ。」

翔は目をそらした。

アヤ「いったでしょ!翔はあたしが認めるほど強いんだから!!」

アヤは得意気に言うが、

ユキ「いや、アヤはそんな事言ってません。翔さんにお節介を焼いていることは記憶してますが…」

ヤマダ「さすがスイーツ脳……その自己中心的な解釈には舌を巻くっす……」

ユキとヤマダがツッコミを入れた。

アヤ「ああ、うるさいわね!なんでツッコミだけは息ピッタリなのよ!?」

アヤはユキとヤマダに言う。

カナ「ふふ……本当に素敵なチームになりましたね♪」

カナはそんな彼女達を見て、思わず微笑んだ。

愛「そうだね♪」

愛はカナに言う。

翔「……。」

サクラ「翔さん。」

サクラは翔に話しかける。

サクラ「私たちはドールです。記憶を失って、感情を失って…戦うためだけに存在を許された人形……」

翔「……。」

サクラ「それでも、翔さんが教えてくれました。…『失ったものは取り戻せる』。失った果てにも、居場所がある…だから……」

翔「…サクラ。」

翔はサクラに背を向け、こう言った。

翔「失ったものの中には、2度と取り戻せないものだってある……よく覚えておけ。」

サクラ「……翔さん。」

サクラ……いや、ドールハウスの関係者達に、翔のこの言葉は、心に残った。

 

 

 

後日、翔は気晴らしにとある自然公園に足を運んだ。

翔(ここから、全ては始まったのか……)

この自然公園は、翔が転生した場所だった。

翔(この世界に降り立ち、悲劇が起き…全てを失い、巻き込まれたとしても……自分の意思で、自分の足で、前に歩けば良い。)

翔は空を見上げる。

翔(その意思こそが、Dollsと人間の違い……でも、俺は…Dollsを『人形』ではなく、1人の『人間』として見ているんだから。感情がある、自分の意思がある……誰が何と言おうと、アイツらは立派な人間だ。)

翔はアマゾンズレジスターに、右手をそっと添える。

翔(俺は『青空 翔』、ジャドウとストライカー、そして化け物を狩り……罪のねぇ奴等のために戦う…『仮面ライダー』だ。)

翔はそう思うと、自然公園を去って行った。




いかがでしたか?今回はここまでです。

翔の作戦は上手く行き、リーパーの討伐に成功し、浄化ライブも無事に成功したため、一先ず渋谷はピグマリオンに毒されることは無くなった。

あ、それと『ドールハウス大爆笑(?)』と言う新しい作品を書きました。ま、気分転換と言う形で書いていくんですがね(笑)。

次回は、地獄にいるジャドウの様子と短めのストーリーを書きます。

お楽しみに~。
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