〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
突如現れたリーパーと戦うDollsだが、全く歯が立たなかった。斑目が撤退を指示する中、チームCのメンバーと共に、翔が戻ってきた。そこで、彼はとある方法を思い付き、それを実行しようとしていた。
では、本編へどうぞ
リーパー「キシャシャシャシャ!!」
リーパーは嘲笑うような声をあげる。Dolls達は翔と斑目の会話に耳を傾ける。
斑目『彼我兵力差は絶望的。状況的にも打つ手はない。それでもこれを覆せるというならば…この状況で、それを信じぬけているならばーーいくら青空であっても……上司として、無下にできんな。』
翔「おい、時間がねぇんだ。」
翔は冷たい声で斑目に言う。
斑目『……チャンスは1度だ。青空、お前に全てを任せる。』
翔「上等。」
斑目は折れ、翔に任せることにした。
斑目『ただし、ドールが失われるのは許可できない。その時は…』
斑目(本当は、こんなこと…言いたくなかったが……)
斑目は心を鬼にしてまで、翔に冷たく言ったが…
翔「ほざけ、俺はDollsのメンバーを死なせるつもりは更々ねぇよ。」
翔は斑目を恐れることなく、淡々と言い返す。
サクラ「私、翔さんを信じます。いいえ、ずっとずっと信じています!」
ミサキ「覚悟を決めた顔ですね、翔さん。」
シオリ「もし、これで生き残れたら、ぎゅーってしてあげますね♪」
翔「バカ、生き残れたらじゃねぇ…生き残るんだよ。」
翔は表情を変えずに言う。
レイナ「で、どうするの?あるのでしょ、美しい計画が。」
レイナは翔に聞く。
翔「何、Dollsにしかできないことを“いつも通り”やるだけだ。」
翔はDollsを見て、
翔「…歌ってくれ。」
歌うことを頼んだ。驚いた顔をするDolls達。その後、翔は作戦を丁寧に説明した。
数分後……
翔「お前ら、戻ったみたいだな。」
シオリ「そのようです。テアトルの中には、翔君と私、アヤさん、サクラさんしかいません。」
現在、テアトルの中には、翔、シオリ、アヤ、サクラが残っている。他のメンバー達はステージに戻っていた。
翔「お前ら……こんなことに付き合わせてすまない。」
翔はメンバー達に謝罪する。
アヤ「…今更、何いってんの。」
シオリ「私たちは自分の意思で残ったんです。翔君の作戦を信じます。」
サクラ「みんな、同じ気持ちです。だから、絶対に…勝ちましょう。」
アヤ、シオリ、サクラは翔に言う。
翔「…あぁ。」
翔は頷いた。
アヤ「あたしは、シオリとテアトルを守る。悔しいけど…それで精一杯。だから…任せたわよ、サクラ。」
サクラ「……はい!」
そして、
シオリ「……来ます!」
リーパーが爪を振り上げて襲いかかってくる。
リーパー「キシャァァアアアアアアア!!」
翔「…甘い。」
ガキィンッ!
翔はアマゾンブレードでリーパーの攻撃を受け止める。そして、リーパーを蹴って後方に吹っ飛ばすと、
翔「よし…はじめるぞ!」
アヤ、シオリ、サクラに声をかける。
翔「5分だ……5分だけ、持ちこたえるぞ!」
一同「了解!」
アヤとシオリはテアトルを守り、翔とサクラはリーパーとぶつかり合った。
一方、ライブ会場の客席では……観客がライブ開始を、今か今かと待っていた。
ルリ「まだかな…ライブ。」
特別席には、ルリがいた。
ルリ「Dollsってどんなアイドルなんだろ……?サクラお姉ちゃん、まだかな……」
そして、
ルリ「あ、来た!」
Dollsがステージ上に姿を現した。
レイナ「待たせたわね!」
ヒヨ「みんな、やっほー!」
ナナミ「……どうも。」
DollsチームBの登場に、会場は歓喜に包まれた。
ユキ「……熱気、すごいです。」
ヤマダ「はぁ~~自分はバトル居残り組がよかったんすが…」
ヤマダはダルそうに言う。
ミサキ「今日は…新曲を聞いてください。」
そんなヤマダを背に、ミサキは観客に語りかける。
ミサキ「…この世界は“戦い”に満ちています。生きることは戦いだから。戦わないと強くなれない。先へ進めない。」
彼女の語りを、ドールハウスから斑目もカナも愛も聞いていた。
ミサキ「私たちだってそう。きっと、ここにいるみんなだって、そうーーだから、そんな戦いをする人たちにこの歌を、捧げますーー」
そして、
ミサキ「聞いてください。」
Dollsの歌が始まった。
その頃、テアトルでは……
リーパー「キシャシャシャシャ!」
翔「ちぃっ!」
サクラ「はぁ…はぁ…はぁ…!」
シオリ「くっ……!」
アヤ「ッ……!しつこい…っての!」
翔、サクラ、シオリ、アヤがリーパーと戦い、Dollsの歌を待ち続けていた。
翔「まだか、まだなのか…!」
次第に焦り出す翔。彼が考えた作戦は、自分たちが囮になり、後のメンバー達はライブで歌を披露すること……
サクラ「曲が…聞こえます!」
そして……
翔「おぉ、見えるぞ。フィールが…集まってくる!」
シオリ「すごい……これだけのフィールが……」
膨大な感情エネルギーを集めること……
アヤ「サクラ……!受け取りなさい!」
翔「このフィール……全て、サクラに預ける!!」
集まった感情エネルギーを全て、サクラに注ぎ……パワーアップさせて、リーパーを葬る……これが、翔が考えた作戦だ。集まったフィールは、全てサクラに注がれていく。
サクラ(ああ……これが……)
止まることなく、膨大なフィールがサクラに注がれる。
サクラ「……手が熱い。足が熱い。顔が熱い…身体が熱い。でも、なによりもーーーーこの胸が、張り裂けそうなくらいーー熱い!これが人々の正の感情ーーDollsのみんながくれた感情ーー!」
膨大なフィールは、まだまだサクラに注がれる。
翔「サクラ!」
サクラ「はい、翔さん!」
サクラは剣を、翔はアマゾンブレードを構える。
サクラ「それに比べたらーー貴方はどこまでも虚ろてますね、リーパー。」
サクラはリーパーに言う。
サクラ「貴方は空っぽで何もない。嬉しくない、悔しくない、哀しくない、楽しくない。希望も絶望も、愛も夢も……何もかもが、ない。」
リーパー「っ!?」
サクラ「だから、貴方は絶対に私に、翔さんに勝てない。空っぽの貴方の爪は、絶対に私に、翔さんに届かない。この感情をもってーーリーパー、私は貴方を否定する!」
翔「終わりだ、リーパー。」
サクラと翔は、武器の切っ先をリーパーに向けた。その直後……
ザシュゥゥウウウウッ!
サクラと翔、リーパーがすれ違った。
リーパー「グギァァアアアアアア!!」
リーパーの身体が真っ二つに割れ、消滅していく。サクラと翔は……見事、リーパーを討ち取ったのだ。
その後、サクラとシオリとアヤはステージに登場して、Dolls全員で歌を観客に届けた。翔はステージ裏に戻り、彼女達を見守った。
こうして、渋谷区浄化ライブは、無事に終了したのだった。
ライブ終了後、ステージ裏にて……
愛「翔くーん♪」
愛は翔を抱きしめようとしたが……案の定、避けられた。
愛「わわっ、何で避けるのぉ~!?」
翔「身体が勝手に動くんだよ。」
愛「うーん、そっかぁ~……」
愛は残念そうな顔をする。
翔「はぁ……とんでもねぇ1日だった。」
翔は首を掻きながら言う。
斑目「本当だ。冗談抜きで寿命が縮んだぞ。だが、よくやった。これ以上ない結末を迎えることができた。」
斑目は翔に言う。
カナ「翔君は普段はクールですけど、いざと言うときは本当に頼りになりますよね。流石は、『名隊長』ですね♪」
カナは翔に言う。
翔「やめろ、俺はもう『隊長』じゃねぇんだ。」
翔が不機嫌そうな顔をしたため…
カナ「あ、ごめんなさい…」
カナは翔に申し訳なさそうに謝罪する。
愛「翔君は確かにクールだね、でも…弟みたいで、可愛いから、思わず抱き締めたくなっちゃうんだよね♪」
愛はにこやかそうに言うが、翔はそれを聞き流した。
ルリ「お兄ちゃん!」
すると、ルリが翔の元にやって来た。
翔「おぉ、ルリちゃん。ライブ、どうだった?」
翔はルリにライブの感想を聞く。
ルリ「すっごい最高だった!私、Dollsのファンになったよ!」
ルリは満面の笑顔で言う。丁度ステージ裏に戻ってきたサクラは驚いたが、すぐに嬉しそうに微笑む。
翔「そっか。」
翔は微笑むと、ルリの頭を優しく撫でた。
サクラ「…ルリちゃんなら、きっとDollsを好きになってくれる。…そう思っていたよ。」
サクラは目に涙を浮かべ、嬉しそうに言った。
ルリ「サクラお姉ちゃん!」
ルリはサクラの近くに行った。
翔「サクラ、それにお前ら……」
ミサキ「翔さん、素晴らしい作戦でした♪死中に活を見出すとは、まさにこのことかと♪」
ミサキは微笑みながら、翔に言う。サクラもシオリも微笑む。
シオリ「約束通り、ぎゅ~ってしてあげますから後で、私の中の部屋に来てくださいね?」
ヒヨ「あ~!シオリン、ずるいずるい!ヒヨも翔さんにぎゅ~ってする!」
シオリとヒヨはそう言うが、
翔「生憎だが、抱きしめられるのは好きじゃねぇんだよ。」
翔は少し嫌そうに言った。
シオリ「あら、そうですか……でしたら、庭でお茶会でもしましょうか♪」
ヒヨ「さんせーい♪」
シオリとヒヨは翔を受け入れ、お茶会を開くことにした。
ナナミ「作戦というよりバクチ……じゃなくて、決死の作戦で心配しました。」
翔「言い直しても遅ぇよ。」汗
ナナミ「まあ、結果オーライではありました。それに……」
ナナミは翔の手を優しく握り、
ナナミ「翔さんが無事で……本当に、良かったです…!」
目に涙を浮かべ、翔に微笑みを見せた。
翔「悪かったな、心配させちまって。」
翔はナナミの頭を優しく撫でた。
ナナミ「っ!?……♪」
翔に撫でられ、ナナミは嬉しそうに微笑んだ。
レイナ「ありがとう、翔君♪感謝を。本当の感謝を、貴方に。」
レイナは、
レイナ「Dollsの能力ではなく、Dollsの歌を信じてくれて…ありがとう♪」
心から翔に感謝をした。
翔「礼はいらねぇよ。」
翔は目をそらした。
アヤ「いったでしょ!翔はあたしが認めるほど強いんだから!!」
アヤは得意気に言うが、
ユキ「いや、アヤはそんな事言ってません。翔さんにお節介を焼いていることは記憶してますが…」
ヤマダ「さすがスイーツ脳……その自己中心的な解釈には舌を巻くっす……」
ユキとヤマダがツッコミを入れた。
アヤ「ああ、うるさいわね!なんでツッコミだけは息ピッタリなのよ!?」
アヤはユキとヤマダに言う。
カナ「ふふ……本当に素敵なチームになりましたね♪」
カナはそんな彼女達を見て、思わず微笑んだ。
愛「そうだね♪」
愛はカナに言う。
翔「……。」
サクラ「翔さん。」
サクラは翔に話しかける。
サクラ「私たちはドールです。記憶を失って、感情を失って…戦うためだけに存在を許された人形……」
翔「……。」
サクラ「それでも、翔さんが教えてくれました。…『失ったものは取り戻せる』。失った果てにも、居場所がある…だから……」
翔「…サクラ。」
翔はサクラに背を向け、こう言った。
翔「失ったものの中には、2度と取り戻せないものだってある……よく覚えておけ。」
サクラ「……翔さん。」
サクラ……いや、ドールハウスの関係者達に、翔のこの言葉は、心に残った。
後日、翔は気晴らしにとある自然公園に足を運んだ。
翔(ここから、全ては始まったのか……)
この自然公園は、翔が転生した場所だった。
翔(この世界に降り立ち、悲劇が起き…全てを失い、巻き込まれたとしても……自分の意思で、自分の足で、前に歩けば良い。)
翔は空を見上げる。
翔(その意思こそが、Dollsと人間の違い……でも、俺は…Dollsを『人形』ではなく、1人の『人間』として見ているんだから。感情がある、自分の意思がある……誰が何と言おうと、アイツらは立派な人間だ。)
翔はアマゾンズレジスターに、右手をそっと添える。
翔(俺は『青空 翔』、ジャドウとストライカー、そして化け物を狩り……罪のねぇ奴等のために戦う…『仮面ライダー』だ。)
翔はそう思うと、自然公園を去って行った。
いかがでしたか?今回はここまでです。
翔の作戦は上手く行き、リーパーの討伐に成功し、浄化ライブも無事に成功したため、一先ず渋谷はピグマリオンに毒されることは無くなった。
あ、それと『ドールハウス大爆笑(?)』と言う新しい作品を書きました。ま、気分転換と言う形で書いていくんですがね(笑)。
次回は、地獄にいるジャドウの様子と短めのストーリーを書きます。
お楽しみに~。