〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
久しぶりに、メインストーリーを書きました。
渋谷の浄化に成功はしたものの、まだ終わりではない。
翔は、不思議な夢を見ていた。その夢の中から響く声の主は、一体……
では、本編へどうぞ
第六十一話 目覚めの声
私はーー見てきた。
私はーーーー育んできた。
私はーーーーーー愛してきた。
だからこそ、アナタたちは報いるべきだ。
私の観察に報いるべきだ。
私の育成に報いるべきだ。
私の寵愛に報いるべきだ。
報いる方法は、ただ1つ。
諦念を捧げよ。
ひたすらに諦念を捧げよ。
よく聞きなさい。
あさましくも、醜い、感情の奴隷たち。
ここは果ての楽園。
アナタたちを守るための庭園。
ーーアナタたちを罰するための庭園。
最後のピースがそろいました。
庭園の門は開かれる。
重ねて、よく聞きなさい。
あさましくも、醜い、感情の奴隷たち。
『これより、第2幕が…始まる。』
ドールハウスの、ある部屋にて……
翔「…っ!?」ガバッ
翔はベッドから勢いよく身体を起こした。
翔「…また、あの夢、か……ただの夢なのか……それとも、何か意味が……?」
すると……
PPP--
通信機が鳴り、
カナ『翔君、起きていますか?』
カナが翔に話しかけた。
翔「今、起きたところだ。」
起きたばかりの翔は少し眠そうに言う。
カナ『まだ眠いかも知れませんが、斑目さんが呼んでいます。事務所まで来てくださいね。』
翔「わかった。」
カナ『ゆっくりで大丈夫ですからね。』
翔「あぁ。」
翔はベッドから降りると、身だしなみを整え、服を着替えた後、事務所に向かった。
事務所では、Dollsのメンバーや元ストライカー達が雑談をしていた。そこに、
ガチャッ…
翔「…おはよう。」
翔が入ってきた。
サクラ「あ、翔さん!おはようございます!」
アヤ「おはよう、翔。よく眠れた?」
翔「…まぁな。」
アヤの言葉に、翔は曖昧に答えた。
ヒヨ「今日もおひさまポカポカ!いいお天気だよー♪」
ヒヨは元気に言うが、
ナナミ「だからって5時起きで2時間走り込みとか、付き合わされる身にもなってください。」
ナナミは不満をもらしていた。
ヒヨ「朝からいっぱい体うごかすと、ちょーしいいよね!」
ナナミ「……。」汗
そんなチームBのやり取りに、ヤマダは……
ヤマダ「いやはや、若者は元気でいいですねー。」
と、他人事のように言う。
ヤマダ「ヤマダ的には、あんだけの激務をこなしたんだから、長期休暇のひとつももらいたいモンすけど。」
相変わらず、ヤマダは気だるげである。
ユキ「お休み、ほしいです……」
ユキはそう言うと、
ユキ「すう……すう……」Zzz……
すぐに眠りについた。
アヤ「ちょっと、ユキ!起こしたそばから寝ないでよ!」
アヤは大声でユキに言う。
翔「……。」
翔(まだ疲れが取れてねぇんだろう……こうなるのも、無理はねぇな……)
Dollsのメンバー達のやり取りを見た翔は、そう思った。
シオリ「やっぱり皆さん、渋谷浄化ライブの疲れが出てますね…」
シオリは心配そうに言う。
レイナ「あれだけのライブを成功させたんだもの。当然と言えば当然だけど。」
レイナの後に、ミサキは言う。
ミサキ「まだ、たった1度浄化を成功させただけ。いちいち立ち止まってはいられないわ。」
ミサキがそう言うと、
斑目「その通りだ。」
斑目が事務所にやって来た。後に続いてカナと愛も入ってきた。
翔「…。」
翔はドールハウス3巨頭の方に振り向く。
斑目「おはよう、青空。」
翔「…おはよう。」
翔は斑目に挨拶すると、眠い目を少し擦る。
愛「あちゃぁ…眠そうだね、翔君。」汗
翔「んなこといいから、早く始めようぜ?」
斑目「そうだな。不測の事態があったが、渋谷浄化ライブを成功に導くことができた。民間人に犠牲者を出さずドールの損壊も防いだ。青空の判断は正しかったと認める。」
斑目は翔の方を見て言う。この話に、メンバー達の表情は、少し明るくなる。
斑目「しかし、あの勝利は紙一重のものであったことも事実。これからはより気を引き締めてドールたちのサポートを行ってほしい。」
翔「わかりきったこと言ってんじゃねぇよ。」
翔は斑目の目を見ながら言う。翔の返答に、斑目は微笑んだ。
斑目「まずはウォーミングアップだ。シミュレーターで汗を流すといい。」
斑目の言葉に、シミュレーションルームに移動しようとするDolls。すると、
翔「ちょっと待て。俺からお前らに1つ……伝えなければならねぇことがある。」
翔はメンバー達を呼び止め、観測室のパソコンを操作し、ある資料を表示した。
翔「それは、『メイ・アルカリア』についてだ。今のところ分かっているのは、奴は『キラルを乗っとるために来た』と言っていたこと……それに、奴は肉弾戦で勝負を仕掛けてくる。特殊な能力は、持っていないということだ。現在も、調査中だがな……」
翔はそう言うと、パソコンを閉じた。
愛「ストライカー達に動きは無さそうだけど、何かあったのかな?」
翔「さぁな。」
翔は椅子に座ったまま、低い声で言う。
翔「アイツらがどんなに痛い目に合おうが、俺からしたら知ったことではない。なんせ……それだけのことをして来たんだからなぁ?」
翔は眉を寄せ、不機嫌な顔を浮かべていた。
一同「「「……。」」」
翔の表情を見た一同は、息を飲んだ。
翔「さて、突然悪かったな。んじゃ、行くか。」
翔はそう言うと、椅子から立ち上がり、シミュレーションルームに向かった。Dollsは翔の後に続いて、シミュレーションルームに向かった。
シミュレーションルームについたメンバー達は、シミュレーターを使い、特訓をしていた。
ミサキ「…ふぅ。」
翔「お疲れ。」
翔はミサキにスポーツドリンクを渡す。
ミサキ「翔さん、ありがとうございます♪」
ミサキは翔からスポーツドリンクを受け取った。
翔「汗も拭いとけ。」
翔はそう言って、汗拭きタオルをミサキに渡した。
ミサキ「はい、ありがとうございます♪」
ミサキは翔からタオルを受け取り、汗を拭いた。その後、翔は他のメンバー達にもスポーツドリンクと汗拭きタオルを配って回った。そこに、
愛「あ、翔君。」
愛がやって来た。
翔「どうした?」
愛「ちょっと翔君に、試しに使って欲しい物があるんだ。」
愛はそう言うと、翔にあの武器を渡す。
翔「…イクサカリバーか。」
愛「うん、色々改良したからね。ごめんね、今更ながら…」
翔「いや…」
翔はイクサカリバーを受け取ると、
翔「最初にコイツを使った時は、欠点が多かったが…その欠点が解消しているかどうか、確かめられる。使わせてもらうぜ?」
シミュレーターを起動した。そして、幻想ピグマリオンや幻想妖魔に銃弾を放ち、風穴を開けた。
翔(反動が大幅に減少しているな…なら、コイツはどうだ?)
翔はイクサカリバーをガンモードからカリバーモードに切り替え、赤い刃を伸ばす。そして、
翔「ふっ!やぁっ!シュアッ!」ザシュッ!ザクッ!ザシュッ!
幻想ピグマリオンと幻想妖魔達を次々と切り裂いていく。
翔(おぉ、軽くて扱いやすいじゃん。)
翔は口角を上げると、残りの幻想ピグマリオンと幻想妖魔を全て切った。
ヤマダ「おおぉぉ!流石は翔さん!!」
ヤマダは翔の戦いに、終始目を輝かせていた。
シオリ「翔君、どんな武器を持っても強いですね♪」
シオリは微笑みながら言う。
ナナミ「いやいや、武器を持っていなくても強いですよ?」
ナナミはシオリの言葉にツッコミを入れた。そうこうしているうち、翔がシミュレーターから出てきた。
愛「お疲れ様、翔君!どうだった、改良したイクサカリバーの使い心地は?」
愛は翔に感想を聞く。
翔「トリガーを引いた時の反動も大幅に軽減されてるし、何より軽くて扱いやすい。悪くないんじゃねぇのか?」
翔がそう言うと、
愛「やったー!頑張った甲斐があったよ~♪」
愛は喜んだ。
翔「コイツは返しておくぜ?」
翔は愛にイクサカリバーを返すと、汗を拭き、スポーツドリンクを飲んで、水分と塩分を補給した。
翔「ゴッホゴホッ!」
しかし、むせてしまった。メンバー達は慌てて翔に駆け寄る。
愛「大丈夫!?」
愛は翔の背中を軽く叩いた。
翔「ゴホッ…ふぅ、悪い。」
翔は落ちつきを取り戻した。その後、シャワールームで汗を流し、さっぱりしたところで事務所に戻って行った。
いかがでしたか?今回はここまでです。
結局、翔の夢の中で響いた声の主は、不明のままであった。
シミュレーターで汗を流したメンバー達は、少しずつ調子を取り戻していった。翔は改良されたイクサカリバーに、満足した表情を浮かべた。
あぁ、CSMイクサベルト&イクサライザー、早く届かないかな~……
次回も、お楽しみに。
ではでは、またね~い