〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。

前回、新たなジャドウに襲撃された青空 翔とDollsだったが、撃退に成功した。しかし、その後…翔は吐き気を訴えるようになってしまった。
巡回を終え、ドールハウスへ戻った翔とDolls。だが、翔は調子が悪そうで……

では、本編へどうぞ


第六十四話 巡回終了と楽園

Nを撃退した翔は、Dollsと共に、ドールハウスに戻って来たのだが……戻っている途中、嘔吐してしまうことが何度かあった。

 

 

 

斑目「池袋の巡回、及びモノリス1基の破壊、ご苦労だった。EsGの分析により、池袋の汚染値が8%軽減されたことが確認できた。」

今回の巡回で、汚染値を下げることができたようだ。

斑目「初日にしては、十分な戦果だ。今後も引き続き、池袋を中心に巡回を行ってくれ。」

今後は、池袋の巡回がメインになりそうである。だが、任務はそれだけではない。

カナ「もちろん、アイドル活動もこれまで通り…いいえ、これまで以上に頑張ってもらいます!」

アイドル活動も、重大な任務だ。

カナ「どんどん忙しくなりますから、休息は取れるときにしっかりと取ってくださいね。」

もちろん、休憩も重要な任務に含まれている。

レイナ「体調管理はアイドルの基本。寮での生活指導は、任せてちょうだい!」

シオリ「そうですね。引き締めていきましょうね!」

レイナとシオリの言葉に、

ヤマダ「うええ……」

ヤマダは気分が悪そうな感じのリアクションを見せた。

レイナ「…では、今日は解散ね。ゆっくり、美しく休みましょう。」

そして、メンバー達は解散していった。寮に戻る前、翔に声をかけてみたメンバー達だが、「大丈夫だ。」と反応があった。

 

 

 

帰りの打ち合わせにも、翔は参加していた。終了後、翔は斑目とカナ、愛に尋ねる。

翔「なぁ。」

斑目「どうした、青空?」

翔「前から、気になっていたんだが……斑目さんや南田さん、片山さんが言う『EsG』って…いったい、何なんだ…?」

EsGについて気になっていたのは、翔だけではなく……

サクラ「わ、私も、それ、気になってました。」

サクラもだった。

斑目「……。」

斑目は少し黙り込んだが、EsGについて説明を始める。

斑目「我々の言うEsGとは、ドールハウスの基幹システムの通称だ。EsGは高度な演算機能を持ち、あらゆる計測を行うドールハウスの切り札。」

翔&サクラ「「……。」」

斑目の説明に、黙って耳を傾ける翔とサクラ。

カナ「ピグマリオンやモノリスの感知、ギア適合者の選出や、ドールの能力分析。ファクトリーの保守・運営にも、EsGは利用されています。つまり、ドールハウスで行っているあらゆる活動を統括、管理するシステムです。」

斑目とカナの説明に、

サクラ「す、すごい…そうだったんですね……」

サクラは感心するが…

翔「……。」

翔は険しげな顔を浮かべていた。

斑目「聞きたいことは以上か?」

翔「あぁ、一先ずは、な?……ありがとう。」

翔はそう言って、事務所を出ようとしたが……

翔「っ!?」

突然の吐き気に襲われ、嘔吐してしまった。幸い、エチケット袋を持っていたため、床に吐き散らすことは無かった。

斑目「青空、大丈夫か?」

斑目は翔の側に寄り、彼の背中を擦る。

翔「ゴホッ……最悪だ……」

サクラ「…翔さん…」

サクラは翔を心配する。

斑目「ゆっくり休め。…最近、顔色が悪いぞ。」

斑目は心配そうに、翔の顔を覗きこむ。

翔「コホッ…平気だ。」

翔はそう言うが、顔色が悪い。

カナ「無理はしないでくださいね、翔君。」

カナも、翔を心配し、彼の顔を覗きこむ。

翔「……。」

翔はフラリと立ち上がると、重い足取りで事務所を出た。

 

 

 

翔「…っ、くっそぉ……」

翔はフラつきながら、自室に戻っていた。道中……

あから「隊長殿!?」

元ストライカーの1人、あからに会った。

翔「…?…おぉ、あから…」

あから「具合、悪いのかい?」

翔「…大丈夫だ。」

翔はそう言うも……

あから「大丈夫そうには見えないよ?顔色も悪いし…」

あからは余計に心配してしまう。

翔「…そんなに顔色悪いのか、俺……?」

翔の言葉に、あからは手鏡を翔に向ける。そこに映っていたのは……

翔「……コイツは、ヒデェな……」

青白い顔をし、両目の下にはクマができており……髪の毛もボサボサになった自分の姿だった。

あから「隊長殿……」

翔「…悪い…少し休むことにする……」

あから「ボクも付き添うよ、自室までかい?」

翔「…あぁ。」

翔はあからに付き添ってもらい、自室に戻った。自室に戻った後、翔はすぐにベッドに入り、死んだように眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「……?」パチッ…

ふと、翔は目を開く。そんな彼の目に飛び込んできたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地面には花々が咲き誇り、上を見上げると……青空、夕暮れ空……更には、星空が広がっており、天空には断崖が見られ、そこから滝が流れ落ちており……美しく、幻想的な世界だ。

翔「またか……何なんだよ、ここ……」

翔は美しく、不思議な世界を見渡す。

翔(あの声は聞こえねぇな……ただ……匂いが、する。

 

 

甘い…花の、香りが……)

その時……

???『待っていたわ。』

どこからか、“あの声”が聞こえてきた。

翔「っ!?」

翔(この声…!)

???『……花は咲いた。お茶も入った。準備は万端。』

翔「誰だ!?姿を現せ!!」

翔が声をあげた次の瞬間……

翔「っ!!?」

翔の目の前に、眩い光が現れたが……やがて、光は消えていく。

翔「…?……っ!!?」

光が消えた時、翔の目の前には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の長髪に、黒い飾りを身に付け、純白のドレスにマゼンダ色の瞳が特徴の女性の姿があった。

???「…ようこそ、諦観の花園へ。」

その女性は、翔に微笑む。

翔「……。」

翔(これは……夢じゃ…ねぇ、のか…?)

翔が戸惑っていると…

???「はじめまして。英雄・『青空 翔』。」

女性は翔に挨拶し、

???「一緒に、お話しましょう?」

話しかけてきた。

翔「……。」

???「さて……何からお話をします?」

女性は積極的に、翔に話しかける。

翔「……。」

???「アナタの好きなものの話?それとも、アナタの嫌いなものの話?」

翔「……。」

???「どうせなら、好きなものの話がいいかしら!」

彼女言葉に反応を示さず、未だに戸惑っている翔は、彼女を警戒し、黙っていた。

???「お茶菓子はいかがです?…甘いものはお好きです?ええと、それから」

翔「…待てよ。」

そして、漸く口を開いた翔。

???「はい、なんでしょう?」

翔「ここはどこだ……誰だてめぇは…?」

翔は眉を寄せ、女性を警戒しながら問い詰める。

???「あら!…ごめんなさい。」

彼女は翔に謝罪する。

???「すっかり舞い上がってしまってでも恥ずかしい、恥ずかしいわ。」

翔「質問に答えろ。ここはどこだ?……誰だてめぇは?」

翔は警戒心を解かず、女性に問い詰める。

???「ここはーー『果ての庭園』。決して侵せぬ楽園であり…そして、アナタがいつかたどり着く場所…私はその管理をしている者です。」

女性は翔に説明する。

翔「果ての庭園……お前は…ここの管理者だと?訳が分からん……」

女性の説明に、困惑してしまう翔。

翔「…まぁ、これも夢なんだろうけど……」

翔は若干やさぐれ気味に言う。

???「厳密には異なるけれども…本質的には『夢』と同じといえるかしら。」

翔「…何?」

???「初めてですもの。分からなくても、仕方ないわ。」

女性は翔に微笑んだ。

???「…あ、そうでした!」

そして、何かを思い出した。

翔「…何だよ?」

???「最初にする質問を決めていたの。」

翔「……?」

翔(一体、何を聞かれるんだ…?)

ますます警戒心を強める翔。

???「1360万。これが何の数字かわかりますか?」

翔「……分かるかよ、何の数字だ?」

翔は女性に尋ねる。

???「東京の総人口。私が管理する--全ての命。」

翔「…東京の人口だと?……貴様、何のつもりだ…?」

翔は眉を寄せ、女性に問い詰める。

???「そこで1つ、質問なのです。アナタは、この数字を背負う覚悟がありますか?」

女性は翔に尋ねる。

翔「……。」

翔は何も答えられず、黙ってしまう。

翔「……俺は……」

その時、急に視界が真っ暗になった。

翔「っ!?」

???「…あら、ここまでみたい。いいところだったのですが…まあ、いいですわ。」

翔「良いわけねぇだろ!?おい!!」

???「そうカッカしないで。また、すぐにお会いしましょう。庭園は常に、アナタを歓迎いたします。」

翔「はぁ…!?」

???「では、ごきげんよう。英雄・『青空 翔』。」

翔「待て!お前は一体……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「誰なんだ!?」ガバッ!

チュンチュン……チュクチュク……

翔「……あ、あれ?」

気が付くと、翔は自分の部屋のベッドにいた。

翔「また、あの夢……いや、これは夢……なのか……?」

軽く混乱していると、

翔「ぐっ……!?」ズキッ…

頭部に痛みが走った。

翔「頭が、痛い……それに……身体も、重い……」

更に、全身のダルさにも襲われた。

翔「…くっそぉ……」

その時、

PPP--

通信機が鳴った。

カナ『おはようございます、翔君。』

相手は、カナだった。

カナ『バイタルデータが乱れています。…何か問題がありましたか?』

翔「……。」

カナ『昨日も、具合が悪そうでしたし……大丈夫ですか、翔君?』

翔「……平気だよ。」

翔はため息をつきながら、ダルそうに言う。

カナ『問題ないなら、いいのですが……』

翔「だから平気だって…」

カナ『あ、はい、ごめんなさい……では、気を取り直して、本日の任務をお伝えしますね。』

翔「……。」

カナ『本日はアイドル活動の予定はありません。池袋の巡回業務を優先してください。』

翔「引き続き、池袋だな?…わーったよ。」

カナ『ドールのみんなは好調のようですが…くれぐれも無理はさせないようにしてください。』

翔「…できる限り、無理はさせねぇようにする。」

カナ『はい。では、今日もお気をつけて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行ってらっしゃい、翔君♪』

カナがそう言うと、通信は切れた。

翔「……。」

翔は重い身体を、ベッドから降ろすと……身だしなみを整え、服を着替えた。

翔「…さぁて……行くか…」

翔は調子が優れないまま、任務へと向かって行った。




いかがでしたか?今回はここまでです。

昨日から体調不良を訴え、嘔吐をしてしまった青空 翔。眠りについた時……気が付くと、『果ての庭園』と呼ばれる不思議な世界にいて、そこで不思議な雰囲気の女性と出会った。しかし、彼女の名前は分からないまま、目覚めることとなった。
眠りから覚めても、調子は優れず、翔は任務へと向かうことにしたのであった。

次回も、お楽しみに。

では、まったね~ぃ
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