〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
前回、ゴーレムの主人『デウス』が現れ、謎の黒い鍵を渡して、姿を消した。
今回は、その鍵が何の鍵か、明らかになります。そして、メンバー達は再び、“あそこ”へと向かう。しかし、出撃する前に……あの人物が、彼らの元にやって来る。
では、本編へどうぞ
翔が泣き止んで数十分後……鍵の解析結果が出た。
斑目「説明をする前に、一度、状況を整理する必要がある。」
鍵の説明はひとまず置いて……初めに、状況を整理することになった。
ミサキ「ひとつずつ整理させてください。」
そして、メンバー達は今日までの出来事を思い出しながら言う。
シオリ「突如現れたピグマリオンとは異なる未知の生命体『ゴーレム』……」
アヤ「そして、そのゴーレムを操っている“デウス”とかいうヤツ。」
レイナ「そして、そのデウスから預けられた黒い鍵、ね。」
翔「それだけじゃねぇ……俺がここにいることが、裏切り者のストライカー達にバレた……」
メンバー達は険しい表情を浮かべる。
斑目「まず、我々が注視するべきはデウスと呼ばれる謎の少女だろう。人語を介し、ヒトの姿をとっているが…ゴーレムを生み出す時点で、我々の敵だ。」
斑目はデウスを『敵』と解釈する。それは、翔も同じだった。
翔(ゴーレムを使って、俺らに危害を加えようとした時点で、黒だな……)
翔は思った。
ヒヨ「本当に、あの子も、敵なのかな…」
ヒヨはそう言うが…
アヤ「いまさら何言ってんの!あたしたちにゴーレムをけしかけた張本人よ?」
と、アヤはきっぱり言う。
ヒヨ「でも、見た目は普通の女の子だよ!言葉だって、ちゃんと話せるんだよ……ドールハウスをおそうのは、ダメだけど…それでも、あの子を傷つけるのはイヤだよ。」
それでも、ヒヨはデウスをすぐに…敵視できなかった。
アヤ「ヒヨ……」
ヒヨの言葉に、アヤは口角を下げた。
シオリ「そうよね、ヒヨちゃん……」
シオリはヒヨに共感するが……
翔「ヒヨ…お前の気持ちは分からなくもない……だがな……疑いたくないって気持ちは、綺麗事にすぎねぇ…何せ、人ってのは…疑う生き物でもあるからな。」
翔はヒヨに共感できなかった。彼は、ストライカー達の隊長だった頃……味方でいてくれたストライカー(今の“元ストライカー”)達を、何回も疑って来たのだ。この経験から、ヒヨの言葉には共感できなかったのだ。
シオリ「それでも、彼女に、きちんと尋ねましょう。なぜこんなことをするのか、何が目的なのか。」
シオリは翔とヒヨに言う。
翔「…そうだな。目的を尋ねなければ、話にならねぇよな。」
斑目「…その通りだ。何より重要なのはデウスの目的だ。」
そして斑目は、黒い鍵の解析結果を話し始めた。
斑目「黒い鍵を解析した結果--これは“アタラクシア”の鍵に間違いない。」
翔「……ほぅ?」
黒い鍵の正体は……アタラクシアにある閉ざされた巨大な扉の鍵だったのだ。
斑目「デウスの真意。それを知るためにも」
翔「行くんだろ?アタラクシアに……」
翔は斑目の話を遮った。翔の言葉に頷く斑目。
ナナミ「ちょっ…本気ですか?」
ナナミはビックリして言う。
ナナミ「相手からカギ渡してきて「待ってるよ」なんて、200%罠じゃないですか!」
ナナミはアタラクシアに行くことを反対した。
ヤマダ「じゃあ、ずっとここで待つっすか?いつ来るか分からないゴーレムにビビって?」
ナナミ「それは確かにそうですけど…」
ヤマダの言葉に迷いを見せるナナミ。
翔「なら、行くしかねぇだろ?」
翔はナナミに言う。
翔「ヤマダも言っていたが、ゴーレムがまたいつ襲って来るかも分からねぇ……ましてや、罪のねぇ奴らをいつ襲うのかすらも分からねぇんだ……それをお前は、指をくわえて見てるだなんて、そんな真似ができるのか?そんな事、俺はできねぇ。」
ナナミ「…翔さん……」
翔の言葉に、ナナミは何も言い返せなかった。
ミサキ「ま、あのデウスって奴に、なんらかの思惑があるのは間違いないわね。」
ミサキは言う。
ミサキ「それで…?って話。」
ミサキは、
ミサキ「私も翔さんと同じ、アタラクシアにいるのが分かってるなら、さっさと乗り込めばいいじゃない。」
翔と同じ思いだった。
アヤ「あんたねぇ…そういうの、飛んで火に入る夏の虫って言うのよ?」
アヤがそう言うと、ミサキは……
ミサキ「虎穴に入らずんば虎児を得ず、よ。」
と、言い返した。
アヤ「むぅ……」
アヤはミサキに何も言い返せず、少し悔しそうにした。
翔「フッ…」
翔は少し笑った。
アヤ「ちょっ、翔まで……」
翔「ちげぇよ。まさか、俺と同意見の奴がいるって思ってなかったからさ…」
翔はアヤに言う。
レイナ「どちらにしても--まずはデウスと話す必要がありそうね。」
レイナは言う。
レイナ「知性があるなら、対話ができる。対話があれば、理解が生まれる。」
そして、
レイナ「そうよね、翔君?」
翔の方を向いた。
翔「少しちげぇな……」
翔はレイナに、いや……この場にいるメンバー全員に言う。
翔「いくら対話ができたってな…相手側が聞く耳を持とうとしねぇ限り、理解なんて生まれねぇよ…よく覚えておけ。」
翔のこの言葉は、メンバー達に深く突き刺さった。
レイナ「斑目さん。私たち、新宿へ向かうわ。」
レイナの言葉に、
斑目「…フ。私のセリフがとられてしまったな。」
斑目は少し笑う。
斑目「こちら側も全力でバックアップをする。ただ…ストライカー達が青空を狙って来る可能性が高い。油断はするなよ。」
翔「…当たり前だ。」
翔は険しい表情を見せる。
ミサキ「では、翔さん。行きましょう。魔都・新宿--アタラクシアへ。」
翔「分かりきったこと言ってんじゃねぇよ。」
そして、メンバー達は……アタラクシアを目指すべく、出撃する。その時……
ヴーッ、ヴーッ……
翔「…ん?」
翔のスマホが鳴った。メールが届いたようだ。
翔「…これは…!」
翔はスマホを見ると、メールを送ってきた人物に、メールを返信する。
翔「出撃の前に、少しだけ待ってくれるか?」
斑目「構わないが…どうしたんだ、青空?」
斑目は翔に聞く。
翔「なに…お供を呼ぶだけだ。」
翔はそう言うと、ドールハウスの玄関に向かった。メンバー達は慌てて翔に着いていった。
そして、玄関に着くと……そこには、翔が誰かを待っているのか、門番のように立っていた。
サクラ「誰が来るのでしょうか……?」
愛「お供って言われても、誰のことだか……うーん、さっぱり分からないな~…」
メンバー達は、翔が誰を呼んだのか気になっていた。そのうち……
翔「…来たか。」
そのお供がやって来たそうだ。
「翔くぅぅううううん!!」
Dolls「「「へっ?」」」
Dollsにとって、聞き覚えのある男の声が聞こえてきた。そして……
ドッシィィイイイイインッ!
「あいったぁぁぁああああああああ!!」
現れたのは、何と……
翔「やっと来たか。」
ルナ「こ、腰がぁ……」
ルナ・ドーパントこと、Nだった。Nはすぐに、変身を解除した。
ミサキ「こ、コイツは!?」
ミサキはNに掴みかかろうとするが、
翔「待て、ミサキ。」
翔に止められた。
ミサキ「しょ、翔さん!?」
翔「コイツには話がある、手出しはするな。」
ミサキ「えっ?あ、はい……」
ミサキは戸惑いながらも、下がった。
翔「お前が送ってきたアレだが……」
N「…。」ドキ…ドキ……
翔「……お前の覚悟、俺には充分伝わった。ストライカー達の動向を、動画やら録音やら、画像やらで送ってくれてありがとう。」
N「…っ!?つ、つまり…」
翔「あぁ、俺らの手助けをしてくれ。」
N「ホント!?…や、やったわ……やったやった!!やったわぁぁああああああ!!」
Nが送ってきたのは、ストライカーに関する情報であり……翔の居場所が分かったストライカー達は、ドールハウスを監視することを検討し、更に……Dollsと共に任務に向かう翔の尾行をし、彼を捕らえるタイミングを伺うことにしたのだ。
その会議の様子をこっそり撮影したNは、すぐに翔に送ったのだ。それを見た翔は、Nの意志が本物であることを確信し、彼を受け入れたのだ。翔に受け入れられ、心から大喜びするNだが……
N「やった!やった…………」
急にはしゃぐのを止め、壊れた人形の如く斑目とカナ、愛の方を振り向く。
N「あの……もしかして、Dollsのマネージャーさん……?」
Nはドールハウス3巨頭に尋ねる。
愛「マネージャーはあたしだよ?こちらはドールハウスの所長、『斑目 セツナ』さん、こちらはドールハウス専属の特殊公務員『南田 カナ』ちゃん。ちなみにあたしは『片山 愛』だよ?」
愛がそう言うと、Nはジャンプし……
N「すいませんでしたぁぁぁあああああああああああ!!!!」
ドールハウス3巨頭に対して、ダイナミック土下座をした。
斑目「…。」汗
斑目は困惑し、
カナ「……w」プルプル
カナは笑いを堪え、愛は不思議そうに彼を見ていた。
愛「ねぇ、彼が翔君たちに絡んできた、変な人?」
愛は翔に聞く。
翔「そうだ。コイツがオカマ野郎だ。」
翔がそう言うと、
N「お、お、オカマァ!?アタシはオカマじゃなくて、レディ!!」
Nはオカマを否定した。
翔「はいはい、レディレディ。」
翔は面倒くさそうに受け流した。
カナ「ブフッ…w」プルプル
カナは必死で笑いを堪える。
斑目「それより…お前は一体何なんだ?」
斑目はNに聞く。
N「アタシはNって言います。この間、Dollsと翔君にちょっかいを出して、本当にすいませんでした!」
Nは斑目に自己紹介した後、再度…斑目に土下座をした。
斑目「謝ることもそうだが…お前のキャラはなんだ?」汗
斑目は怒るどころか、Nのキャラに困惑していた。
N「こ、これは…アタシの、アタシの個性なんです!!ど、どうかお許しください!アタシの、個性だけはぁぁあああああああ!!」
Nはかなりテンパっていた。
カナ「ブフッ、フフフ……w」
そしてカナは……
カナ「あははははははは!!www」
とうとう笑いを堪えきれず、お腹を抱えて大爆笑した。
愛「カナちゃん……」汗
Dolls「「「……。」」」
愛とDollsは、そんなカナにジト目を向けた。
翔「……。」
翔(なぁ、神様。)
翔はテレパシーで、神様に話しかける。
神様(何だ?)
翔(Nの意志、本物だったろ?)
神様(あ、あぁ…確かに、奴の意志は本物だ。)
翔(だろ?)
神様(そもそも、ジャドウが自ら更正への道を歩むのは…前代未聞だ。)
神様は、Nの行動に本気で驚いていた。
翔(もし、アイツがこの世界から退場する時、地獄に送るのか?)
神様(それについては、奴の行動次第だ。)
翔(そうか。)
神様(それと、最後に…君に忠告しておく。)
翔(何だ?ストライカー共のことか?)
神様(それもそうだが……新宿に、2人のジャドウがいる。奴らは新宿駅を拠点としている。)
翔(何?新宿は、普通の人が入るのは危険なんじゃないのか?)
神様(しかし、ジャドウは普通の人ではなく『転生者』だ……よって、新宿の影響は受けないんだ。)
翔(何だと……?)
神様(それは君も同じだ。君も、新宿に行った時、何ともなかっただろう?)
翔(…あぁ。)
神様(まあとにかく、新宿に行くときは気を付けるんだぞ?)
翔(分かってる。)
神様はテレパシーを切って、姿を消した。
こうして、Dollsと翔の任務に、Nが仲間として加わることになったのだ。
いかがでしたか?今回はここまでです。
黒い鍵は、アタラクシアの巨大な扉の鍵であった。そして、翔たちの前に現れたのは、転生者 Nだった。翔はNが送ってきたストライカーの情報を見て、彼の意志が本物であることを認め、彼を仲間として受け入れた。が……オカマキャラな彼は、カナの笑いのツボを擽ることになる。カナさん!しっかりしてくれ!!(笑)
次回も、お楽しみに。
では、ま~た~ね~