〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウでございます。
前回、翔に話しかけてきた桜色の髪の少女は、後に『Dolls』に加わる“あの方”です。
今回は、翔とDollsの戦闘シーンがあります。ですが、翔はまだ『仮面ライダー』には変身しません。更に……所長さんが登場します。
では、本編へどうぞ


第三話 戦闘

次の日、とある寮にて……

Dollsは目覚め、リビングに集まっていた。しかし、皆眠そうである。

ナナミ「遂に…この日がやって来ましたね…」

ヒヨ「うん…翔さんに、会いに行く日だよね。」

レイナ「皆…よく眠れたかしら?」

レイナはそう言うも、か~な~り眠そうだ。

ナナミ「眠そうじゃないですか、レイナさん…」汗

ヒヨ「レイナちゃんこそ、よく眠れたの?」

レイナ「…正直…眠れなかったわ…」

レイナがそう言うと、

ミサキ「私もよ…」

シオリ「私もです…ふわぁ~……」

アヤ「あたしも、眠れなかった…1秒でも早く、翔に会いたかったから…」

ユキ「…いつもなら、眠れます……でも、昨日は…よく眠れませんでした…」

ヤマダ「ジブンも眠れなかったっすね…まぁ、ジブンは夜行性なんで…」

他のメンバー達も全員、眠れなかったようだ…。

レイナ「…そう。」

レイナは、口角を下げる。

レイナ(…翔君、早く会いたいわ…)

レイナはそう思う。それは、他のメンバーも同じであった。その時…

ビーッ!ビーッ!

突如、サイレンが寮に鳴り響く。

???『渋谷区ハチ公口付近にて、ピグマリオン反応あり!Dollsの皆さん、直ちに出動してください!』

直後、アナウンスが響く。この世界の化け物『ピグマリオン』が現れたのだ。

『ピグマリオン』…それは、無差別に人を襲う、意思を持たない異形の怪物。Dollsは、表では『国民的アイドル』だが…裏では、ピグマリオンと戦う『国家組織』なのだ。彼女達の裏の顔は、『ドールハウス』の関係者以外、誰も知らない。

レイナ「皆、行くわよ!」

アヤ「言われなくても!」

ナナミ「タイミング悪いですね…!」

シオリ「ピグマリオンの好きには…させません!」

ミサキ「何より、翔さんの命は…奪わせない!!」

ユキ「翔さん、待っててください…!」

ヤマダ「っしゃあ!!やってやるっすよォ!!」

ヒヨ「翔さん、今、行くよ!」

Dollsは目的地に向かう。ピグマリオンの出現により、予定は狂ったが…翔に会いに行くチャンスが生まれた。

 

 

その頃、とあるマンションにて……

翔は目覚め、朝食を済ませた後、街を歩き出す。

翔(…少しでも早く、この世界に慣れないとな…)

翔はこの世界に転生して間もないため、少し焦っていた。その時、

女神(翔さん。)

女神がテレパシーで、翔に話しかけてきた。

翔(…女神様?)

女神(焦らなくても大丈夫ですよ?ゆっくり慣れていきましょう?)

女神は優しく翔に言う。

翔(…そうか…ありがとう…)

 

しばらく歩き、翔は渋谷区ハチ公口付近にやって来た。

???「あ!貴方は!!」

翔「…!?」

びっくりして振り向くと、桜色の髪の少女がこっちに向かってきた。

翔(…昨日の…)

少女「あの、昨日は大丈夫でしたか?」

翔「…平気だ…」

少女「…よかったです。」

少女は安心した表情を浮かべる。その時…青白い蝶が翔の前を横切った。

翔「…?」

翔(何だ…今の蝶…何だか嫌な予感が……!?)

翔は、口のような化け物を見た。そして、少女に告げる。

少女「…?…どうしました?」

翔「おい!ここから逃げろ!」

少女「…へ?」

次の瞬間…

ガブッ!ブチブチ…ゴキャッ!

その化け物が、少女に襲いかかったのだ。少女は右の脇腹に傷を負い、倒れた……致命傷だった……

翔「!!??」

翔は少女に駆け寄る。

少女「はぁ……はぁ……」

少女は、弱り果てていた…傷口から、血が流れている……

少女「…逃げて…ください…」

少女は、苦しそうに言う。

翔(俺はまた…誰かを守れなかった、のか…)

少女「…は、やく……逃げて……」

しかし…

翔「バカ野郎、そんなこと……できるわけねぇだろ!!」

翔は、逃げようとしなかった。

少女「…私……死にたくない…死にたくない…」

少女は傷口をおさえ、弱々しく言う。

翔(くそっ!!どうすりゃいいんだよ、畜生!!)

その時…

???「ようやく見つけたぞ。」

1人の女性が現れた。

翔「!?」

少女「…貴女は…?」

少女は女性に問いかける。

???「お前は選ばれた。だから、決めるといい。」

謎の女性は、少女に言う。

少女「何を…ですか…?」

???「選択肢は2つある…“人形として惨めに生きる”か、“人間として尊厳を持って死ぬ”か。お前は、どちらを選ぶ?」

少女は……

少女「…私は…生きたい……だって…まだ…何もしてない……まだ、何も…できてない……だから…!」

“人形として惨めに生きる”ことを選んだ。

翔(この人、何者かは分からんが…コイツを任せるしかねぇか…)

翔は謎の女性に振り向く。

???「…?…!!」

???(…青空…!?)

謎の女性は、翔を見て少し驚いた。

翔「コイツを、助けてやってくれ…頼む…」

翔は謎の女性にそう言うと、ピグマリオン達の方に向きを変え……

翔「てめぇら……うぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!」

雄叫びを上げ、たった1人で…ピグマリオンの群れに突っ込んで行った。

???「青空!!」

翔「おおおおおおおおおおおお!!」

翔は口のような化け物『イーター』に飛び掛かり、右ストレートで思い切り殴った。そのイーターは激しく吹っ飛ばされた。翔はすぐに、もう一体のイーターに向かう。

翔「っ!!」ドゴォッ!

もう一体のイーターには、蹴りを繰り出した。蹴られたイーターは後方に勢いよく吹っ飛ばされた。

???「…青空…お前は本当に、勇敢な奴だ……」

謎の女性はピグマリオンの群れと戦う翔を見る。そして、鍵穴のついた『ハート型の何か』を少女の心臓に差し込む。すると、眩い光が発生し、少女は起き上がり、赤い瞳を輝かせた。黒いドレスに身を包み、少女は……『人形』として、蘇った。

???「目障りな蝶共だ。散らせ。」

謎の女性がそう言うと…

少女「…了解。」

少女は剣を持ち、青白い蝶達を次々と切り伏せていく。

翔「…!?」

翔(あいつ…助かったのか……けど、俺はアイツの仇を…取ってみせる!)

翔は少女を見たが、再びピグマリオン達の方に向きを変える。

そして…右腕を少し曲げて前に突き出し、左腕を曲げ、左手を脇腹の辺りに持ってくる。左の手のひらを上に向け、右の手のひらを正面に向ける。そして、爪を立てるように指を曲げ、狼を意識した『野性的な構え』を取り、腰をどっしりと落とした。

翔「…ぐぁぁああああ!!」

翔は雄叫びをあげ、ピグマリオン達目掛けて走りだし、殴る、蹴る等の格闘戦に近い戦い…更に、引っ掻く、噛みつく等の野性的な戦いで、ピグマリオンの群れを圧倒している。

少女は剣を振るい、ピグマリオン達を切っていく。しかし、ピグマリオン達は一向に減る気配がない。

???「全く…うじゃうじゃと…目障りなヤツらだ…そいつらを倒せ…」

謎の女性は少女に言う…しかし……

少女「何を…言っているんですか…?」

少女は困惑していた。先程の戦いが、まるで嘘のようだ。

少女「そ…そんな事いきなり言われても…!!私…できません…!」

少女の瞳の色は、元に戻っていた。

???「恐怖…だと…!?適合は上手くいったはずだ!」

焦り出す謎の女性。そこに、一体のピグマリオンが少女に襲いかかろうとする。

少女「い…いや…誰か…!!助け…!」

その時…

ドゴォッ!…ズダンッ!

翔が少女に襲いかかろうとしたピグマリオンを蹴りで吹っ飛ばし、少女の前に降り立った。

少女「…!」

翔「戦えねぇなら下がってろ!!」

翔は少女に言う。更に…

翔「そこにいるてめぇもだよ!俺の見える範囲に隠れてろ!」

謎の女性にも言う。

???「…青空。」

翔「早くしろ!!」

翔が怒鳴ると、謎の女性と少女は近くの瓦礫に隠れた。

翔「化け物共…てめぇらの相手は……この俺だァ!!」

翔はピグマリオン達に怒鳴り、再び野性的に構える。その時…

ズパァッ!

1人のポニーテールの少女が、翔の前にいたピグマリオンを一撃で叩き切った。更に、その少女に続いて、7人の少女達が降り立った。

翔「!?」

ミサキ「斑目所長。遅れてしまい、申し訳ありません。」

ポニーテールの少女『ミサキ』は言う。謎の女性は『斑目』というらしい…

斑目「よく来たな。」

レイナ「所長、翔君は!?」

斑目「大丈夫だ、怪我はない。」

謎の女性『斑目(まだらめ) セツナ』は、翔を見て微笑む。

翔「!?…???」

翔は状況が理解できなかった。

翔(アイツ、『斑目』っていったな……アイツだけじゃない、後から来た金髪…何故俺の名前を知っているんだ…?)

その時、一体のピグマリオンが吠えた。翔はピグマリオン達の方に向きを変え、野性的に構える。すると、後から来た8人の少女達は、

シオリ「私達も戦います。」

ヒヨ「よーし、いっくよー!」

ナナミ「はぁ…やれやれ…」

ユキ「…。」

シオリからユキまでの4人は、翔の右に横一列に並び…

ヤマダ「翔さんとの共同戦、燃えてきたっすねェ!!」

アヤ「翔に牙を向いたこと、後悔しなさい。」

レイナ「皆、準備は良い?」

ミサキ「勿論よ…翔さんの命、絶対に奪わせはしない!!」

ヤマダからミサキまでの4人は、翔の左に横一列に並んだ。

翔「…!?…!?」

翔(コイツら全員、俺の名前を知っているのか!?)

翔は左右交互に彼女達を見て、戸惑っていた。

斑目「青空!!彼女達はお前の味方だ!安心してくれ!!」

斑目は、翔に言う。

翔(…本当に味方だっつーなら、利用してやる……)

翔はピグマリオン達の方に向き直る。斑目は笑顔を見せた。

ヤマダ「1匹、2匹…新鮮なのがいるねえ。フヒヒ…やっちゃっていいのカナ?」

ヤマダはそう言うと、ニタッと笑う。

シオリ「新人の子もいるみたいだし、先輩として、お手本を見せなくてはいけませんね。」

シオリはそう言うと、微笑んだ。

翔(待てよ…コイツらどこかで…まさか…Dolls一周年記念ライブの!?)

そう…彼女達はDolls一周年記念ライブでいた国民的アイドル…『Dolls』である。

翔(間違いねぇ!コイツらは…って、今はそれどころじゃねぇか…)

構えを解いていた翔は、ピグマリオン達を見て、再び野性的に構え、腰を落とす。

ミサキ「戦闘、開始!」

そして、Dollsと翔はピグマリオン達に立ち向かっていく。桜色の髪の少女は、見守ることしかできなかった。

少女「つ、強い…」

Dollsと翔の戦いを目の当たりにした少女は、驚きを隠せなかった。

Dollsは『剣』、『ハンマー』、『ガン』等…それぞれの武器を振るい、翔は殴る、蹴る、引っ掻く等、何でもありの戦闘で戦う。その時…足を型どったピグマリオン『キッカー』一体が、翔に襲いかかった。

翔「…!!」

翔はキッカーに蹴りを繰り出した。キッカーと翔の脚がぶつかり合い……キッカーが上空に吹っ飛ばされた。キッカーは頭から地面に落ち、消滅した。

斑目「…青空…よく帰って来てくれたな…♪」

斑目は安心し、笑顔を浮かべる。

レイナ(やっぱり…翔君なのね♪)

ミサキ(間違いない…翔さんは、帰って来てくれた♪)

アヤ(翔、元気そうじゃない♪)

レイナをはじめとするDollsは、翔であることを確信し、笑顔を浮かべた。翔は蝶達と睨み合っている。少しして、助走をつけると…

ズダッ!ズガガガガガガガ!!

地面を蹴って、プロペラを意識した高速スピンを繰り出し、蝶達をあっさりと葬った。

翔(…戦える……俺だって、戦える…!)

翔は再び野性的に構える。

斑目「お前達!青空を全力で援護しろ!!」

Dolls「了解!」

Dollsは翔の近くに降り立ち、武器を構える。残りのピグマリオンは僅かである…翔は3匹のイーターの内、真ん中のイーターに目を向ける。ソイツは、桜色の髪の少女が着ていた服と同じ色の布切れを咥えていた。

翔「…!!」

翔は確信した。ソイツが、その少女の命を奪った犯人であることを……

翔「真ん中の化け物は、俺が殺る…!」

翔はDollsに言う。

レイナ「分かったわ。ミサキ、ユキ、翔君をお願い!」

ミサキ「ええ!」

ユキ「了解。」

翔が3匹のイーター目掛けて走りだすと、ミサキとユキは翔に続いて走りだした。残りのメンバーは他のピグマリオンの討伐を開始した。

翔は布切れを咥えていたイーターと戦い、ミサキとユキは、近くにいるイーターと戦う。

少女「あの人…もしかして、私の仇を取ろうと…」

少女は、イーターと戦う翔を見る。

翔「!!」ガシッ!

翔はイーターを捕らえると…

翔「痛みというものを、思いしれぇ!」ガブッ!

そのイーターに噛みついた。

ブチブチブチブチ……

翔「ぐぅぅぉぉおおおおおおおおおお!!」

ブチィッ!

そして、イーターを噛みちぎった。イーターは血を勢いよく吹き出した。

ヤマダ「おぉ、ワイルドな戦闘っすねぇ。ヤマダはそう言うのが、一番好みっす♪」

アヤ「言ってる場合!?翔を助けないと!」

レイナ「アヤ、大丈夫よ。」

アヤ「は、はぁ!?」

レイナ「見なさい。翔君のあの表情を…」

アヤはレイナに言われた通り、翔を見る。翔はイーターを真っ直ぐ捕らえ…怒りの表情を向けていた。

レイナ「翔君は絶対に負けないわ。だから…翔君を信じましょう♪」

アヤ「レイナ……分かったわ♪」

ヒヨ「翔さーん、がんばれー!!」

戦いを終えたレイナ達は、翔を見守る。ミサキとユキもイーターを倒し、翔を見守ることを決めた。

口元を血で真っ赤に染め上げた翔は、ハイキックでイーターを吹っ飛ばした。すかさず翔は腰をどっしりと落とすと、イーター目掛けて走りだし、ジャンプする。

翔「うぉぉぉおおおおおお!!!!」

翔はイーターに向かって飛び蹴りを繰り出した。その姿はまるで…『仮面ライダー』のようだった。

ドゴォォオオオオン!

翔の『ライダーキック』は見事、イーターに命中した。イーターは激しく吹っ飛ばされ、消滅し…ピグマリオン達は全滅した。Dollsは翔の勝利を確信し、微笑んだ。そして、桜色の髪の少女に歩み寄り、こう言った。

Dolls「ようこそ、『Dolls』へ。」

少女「…。」

少女は唖然としていた。少女はDollsの言葉を受け取った後、翔の元に駆け寄る。

少女「あ、あの!」

翔「…?」

翔は少女を見る。

少女「私の仇…取ろうとしてくれたんですよね…?」

翔は何も言わなかった。少女は、翔を見て微笑んだ。

翔(それにしても、あの化け物達は一体…何だったんだ…?)

1人考え事をする翔。すると…

レイナ「…翔君…?」

レイナが話しかけてきた。

翔「…。」

翔はレイナの方に振り向く。

レイナ「一周年記念ライブの時、貴方を怖がらせてしまって、ごめんなさい…」

レイナは翔に謝罪をする。

翔「…謝るな。」

レイナ「…!…♪」

レイナは翔の言葉を聞き、安心して微笑んだ。そして、彼女をはじめとするDolls(桜色の髪の少女以外)は言う。

シオリ&レイナ「翔君…♪」

アヤ「翔…♪」

他のメンバー「翔さん…♪」

Dolls「「「お帰りなさい♪」」」

しかし…

翔「…は?」汗

翔は困惑していた。

Dolls「…!?」

Dollsも困惑する。

アヤ「翔、ひょっとして…あたし達のこと…覚えてないの?」

アヤは翔に聞く。

翔「何言ってんだお前…俺達は初対面だろ?」

翔の返答を耳にしたDollsは確信した……

(彼は、自分達『Dolls』のことを、覚えていない。)

…ということを…。

斑目「少年、名前を聞かせてもらえるか?」

斑目は翔に言う。

翔「…青空 翔だが…」

翔は斑目に、軽く自己紹介をした。

斑目(やはり、青空だったのか。)

斑目「私は『斑目(まだらめ) セツナ』だ。…青空 翔…良い名前だな。」

翔「…は、はぁ…」

翔は困惑するが、何かを思い出した。

翔「あ…コイツを助けてくれて…ありがとう。」

翔は、桜色の髪の少女を助けた斑目にお礼を言った。

斑目「…サクラ…」

翔「…え?」

斑目「あの少女の名は、『サクラ』だ。」

斑目は言う。

サクラ「…『サクラ』…」

サクラは、自分の名を繰り返す。

翔「サクラって言うのか…」

翔は納得した。

斑目「青空。」

翔「…!?」

翔は警戒して、後退る。

斑目「心配するな、危害は加えない。」

斑目はそう言うも、翔は未だに警戒しっぱなしである。

斑目「口元、汚れてるぞ。」

斑目が優しく言うと、翔は後退るのをやめ、大人しくなった。斑目は翔に近づき、ハンカチで翔の口元の血を丁寧に拭き取っていく。

斑目「青空、怪我はないか?」

斑目は優しく微笑みながら、翔に聞く。

翔「…。」

翔は戸惑い、何も言えなかった。

レイナ(翔君…斑目所長のことも、覚えていないようね…でも、元気な姿を見られて、良かったわ…♪)

シオリ(可愛い一面も見れて、良かったです♪)

Dollsは、翔の元気な姿を見て微笑んだ。

斑目「終わったぞ。」

斑目は翔の口元の血を全て拭き取り、彼の頭を撫でる。

翔「……」

翔は戸惑ったまま、何も言わない。…ふと、前の世界での出来事が、脳裏に浮かぶ。翔の表情は、次第に青ざめていく。

斑目「…青空?」

翔(逃げろ……)

翔は斑目の手を振りほどき、Dollsと斑目に背を向けて走り出した。

サクラ「!青空さん!」

サクラは思わず、翔を呼び止めるが…彼女の声は届かず、翔はどこかへ走り去ってしまった。

 

翔が走り去り、斑目とDollsは少しの間、呆然としていた。

シオリ「翔君…私達のこと…覚えていないみたいですね…」

ヒヨ「でも、帰って来てくれたことにはかわりないよ!」

ヤマダ「翔さんがジブンらのことを覚えていなくても…ジブンは翔さんのこと、鮮明に覚えてるっすよ。」

ナナミ「私も覚えてます…!」

ユキ「私もです。」

ミサキ「私もよ!翔さんは私達にとって、命の恩人よ!忘れられるはずがない!」

レイナ「そうね。翔君は、私達がどれだけ嫌な顔をしても…心から振り向き、私達に寄り添ってくれたわ。だから、今度は私達が……翔君に、寄り添う番よ。」

サクラ以外のDollsは、『青空 翔』のことを鮮明に覚えていた。彼女達は過去に…翔に救われたのだから。

サクラ(私は翔さんとは初対面ですけど…皆さんは、翔さんと、どのような関係が…?)

サクラはただ1人、疑問を隠せずにいた。

 

 

 

翔が走り去った後…

???「転生者か。」

翔とDollsの戦いを見ていた、1人の男がいた。その男の左腕には、黒く鈍く輝く腕輪があった。

???「あんな奴よりもオレのほうが何万倍も強いぜ。それに、“レイナ”はオレの女だ。」

男は、怪しい笑みを浮かべた。彼こそが、マナーの悪い転生者『シャドウ』の1人である。

更に…

???「あんな雑魚、ラクショーに倒せそうだ…ヒヒッアイツを殺せば、“ユキ”はオレの物だ。」

別の場所にも、怪しい男が笑みを浮かべていた。彼の左腕にも、黒く鈍く輝く腕輪があった。彼も『ジャドウ』の1人である。彼らの目的とは一体……。

 

 

 

その頃、翔は……

自宅のマンションに帰って来ていた。

翔(あの化け物達といい、Dollsと斑目とかいい…訳分かんねぇよ……)

翔は1人、考え事をしていた。そんな彼に、女神がテレパシーで話しかけてきた。

女神(翔さん、お疲れ様です。先程の戦い、素晴らしかったですよ♪)

翔(女神様か……)

翔はそう言うとベッドに入り、眠りについた。

 

 

 

その頃、Dolls達は……

芸能事務所『ドールハウス』に戻っていた。

???「お帰りなさい、皆さん。」

茶髪でショートヘアの女性は、笑顔でDollsと斑目を出迎えた。その後、斑目と共にサクラに今後のことやドールハウスのことを説明した。Dollsはサクラを、寮に案内した。

Dollsが寮に戻った後…

???「斑目さん?」

斑目「カナ、お前に良い知らせがある。」

カナ「…良い知らせ、ですか?」

茶髪でショートヘアの女性の名は『南田(みなみだ) カナ』。ドールハウスに所属する特殊公務員である。

斑目「青空が、帰って来てくれたぞ。」

カナ「!!…本当ですか!?」

アヤ「本当よ♪」ヒョコッ

すると、アヤが顔を出した。アヤはスマホをカナに見せる。そこには…斑目に口元を拭かれている『青空 翔』の姿が写っていた。

カナ「…!!!!」

カナはその写真をまじまじと見つめる。

カナ「……翔、君……っ翔君!!」ポロポロ

カナは思わず泣き出し、翔が帰って来たことを心から喜んだ。

 

 

 

Dollsは、寮でサクラの歓迎会を行っていた。

アヤ「ただいま~♪」

そこに、アヤが戻ってきた。

ヤマダ「リーダー、どこ行ってたんすか?」

アヤ「カナさんの所よ。翔が帰って来たことを斑目と伝えたの。写真を見せてね♪」

アヤはスマホの写真を見せる。

ナナミ「いつの間に、撮ってたんですか…」

アヤ「まあね~♪カナさん、喜んでいたわ♪それも、泣いちゃうほど!」

シオリ「そうですか♪それは、良かったです♪」

アヤ「フフン♪さ、歓迎会の続き、やるわよ♪」

メンバー達は、サクラの歓迎会を楽しんだ。その後、翔に会いに行く日を決めた。初めに『チームB』、次に『チームC』、最後に『チームA』という順番で、翔に会いに行くことを決めた。しかし…明日、『チームB』のメンバーは、とある場所で…翔とバッタリ会うことになる。それは、チームBの3人も翔も知らない…。




いかがでしたか?今回はここまでです。
Dollsのメンバーもそうですが…ドールハウスの所長『斑目 セツナ』さんと、特殊公務員の『南田 カナ』さんも、翔のことを鮮明に覚えています。
次回は、1人目の『ジャドウ』が姿を現します。それと、DollsチームBのメンバーも登場します。
お楽しみに。
では、またね
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