〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
前回、翔に話しかけてきた桜色の髪の少女は、後に『Dolls』に加わる“あの方”です。
今回は、翔とDollsの戦闘シーンがあります。ですが、翔はまだ『仮面ライダー』には変身しません。更に……所長さんが登場します。
では、本編へどうぞ
次の日、とある寮にて……
Dollsは目覚め、リビングに集まっていた。しかし、皆眠そうである。
ナナミ「遂に…この日がやって来ましたね…」
ヒヨ「うん…翔さんに、会いに行く日だよね。」
レイナ「皆…よく眠れたかしら?」
レイナはそう言うも、か~な~り眠そうだ。
ナナミ「眠そうじゃないですか、レイナさん…」汗
ヒヨ「レイナちゃんこそ、よく眠れたの?」
レイナ「…正直…眠れなかったわ…」
レイナがそう言うと、
ミサキ「私もよ…」
シオリ「私もです…ふわぁ~……」
アヤ「あたしも、眠れなかった…1秒でも早く、翔に会いたかったから…」
ユキ「…いつもなら、眠れます……でも、昨日は…よく眠れませんでした…」
ヤマダ「ジブンも眠れなかったっすね…まぁ、ジブンは夜行性なんで…」
他のメンバー達も全員、眠れなかったようだ…。
レイナ「…そう。」
レイナは、口角を下げる。
レイナ(…翔君、早く会いたいわ…)
レイナはそう思う。それは、他のメンバーも同じであった。その時…
ビーッ!ビーッ!
突如、サイレンが寮に鳴り響く。
???『渋谷区ハチ公口付近にて、ピグマリオン反応あり!Dollsの皆さん、直ちに出動してください!』
直後、アナウンスが響く。この世界の化け物『ピグマリオン』が現れたのだ。
『ピグマリオン』…それは、無差別に人を襲う、意思を持たない異形の怪物。Dollsは、表では『国民的アイドル』だが…裏では、ピグマリオンと戦う『国家組織』なのだ。彼女達の裏の顔は、『ドールハウス』の関係者以外、誰も知らない。
レイナ「皆、行くわよ!」
アヤ「言われなくても!」
ナナミ「タイミング悪いですね…!」
シオリ「ピグマリオンの好きには…させません!」
ミサキ「何より、翔さんの命は…奪わせない!!」
ユキ「翔さん、待っててください…!」
ヤマダ「っしゃあ!!やってやるっすよォ!!」
ヒヨ「翔さん、今、行くよ!」
Dollsは目的地に向かう。ピグマリオンの出現により、予定は狂ったが…翔に会いに行くチャンスが生まれた。
その頃、とあるマンションにて……
翔は目覚め、朝食を済ませた後、街を歩き出す。
翔(…少しでも早く、この世界に慣れないとな…)
翔はこの世界に転生して間もないため、少し焦っていた。その時、
女神(翔さん。)
女神がテレパシーで、翔に話しかけてきた。
翔(…女神様?)
女神(焦らなくても大丈夫ですよ?ゆっくり慣れていきましょう?)
女神は優しく翔に言う。
翔(…そうか…ありがとう…)
しばらく歩き、翔は渋谷区ハチ公口付近にやって来た。
???「あ!貴方は!!」
翔「…!?」
びっくりして振り向くと、桜色の髪の少女がこっちに向かってきた。
翔(…昨日の…)
少女「あの、昨日は大丈夫でしたか?」
翔「…平気だ…」
少女「…よかったです。」
少女は安心した表情を浮かべる。その時…青白い蝶が翔の前を横切った。
翔「…?」
翔(何だ…今の蝶…何だか嫌な予感が……!?)
翔は、口のような化け物を見た。そして、少女に告げる。
少女「…?…どうしました?」
翔「おい!ここから逃げろ!」
少女「…へ?」
次の瞬間…
ガブッ!ブチブチ…ゴキャッ!
その化け物が、少女に襲いかかったのだ。少女は右の脇腹に傷を負い、倒れた……致命傷だった……
翔「!!??」
翔は少女に駆け寄る。
少女「はぁ……はぁ……」
少女は、弱り果てていた…傷口から、血が流れている……
少女「…逃げて…ください…」
少女は、苦しそうに言う。
翔(俺はまた…誰かを守れなかった、のか…)
少女「…は、やく……逃げて……」
しかし…
翔「バカ野郎、そんなこと……できるわけねぇだろ!!」
翔は、逃げようとしなかった。
少女「…私……死にたくない…死にたくない…」
少女は傷口をおさえ、弱々しく言う。
翔(くそっ!!どうすりゃいいんだよ、畜生!!)
その時…
???「ようやく見つけたぞ。」
1人の女性が現れた。
翔「!?」
少女「…貴女は…?」
少女は女性に問いかける。
???「お前は選ばれた。だから、決めるといい。」
謎の女性は、少女に言う。
少女「何を…ですか…?」
???「選択肢は2つある…“人形として惨めに生きる”か、“人間として尊厳を持って死ぬ”か。お前は、どちらを選ぶ?」
少女は……
少女「…私は…生きたい……だって…まだ…何もしてない……まだ、何も…できてない……だから…!」
“人形として惨めに生きる”ことを選んだ。
翔(この人、何者かは分からんが…コイツを任せるしかねぇか…)
翔は謎の女性に振り向く。
???「…?…!!」
???(…青空…!?)
謎の女性は、翔を見て少し驚いた。
翔「コイツを、助けてやってくれ…頼む…」
翔は謎の女性にそう言うと、ピグマリオン達の方に向きを変え……
翔「てめぇら……うぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!」
雄叫びを上げ、たった1人で…ピグマリオンの群れに突っ込んで行った。
???「青空!!」
翔「おおおおおおおおおおおお!!」
翔は口のような化け物『イーター』に飛び掛かり、右ストレートで思い切り殴った。そのイーターは激しく吹っ飛ばされた。翔はすぐに、もう一体のイーターに向かう。
翔「っ!!」ドゴォッ!
もう一体のイーターには、蹴りを繰り出した。蹴られたイーターは後方に勢いよく吹っ飛ばされた。
???「…青空…お前は本当に、勇敢な奴だ……」
謎の女性はピグマリオンの群れと戦う翔を見る。そして、鍵穴のついた『ハート型の何か』を少女の心臓に差し込む。すると、眩い光が発生し、少女は起き上がり、赤い瞳を輝かせた。黒いドレスに身を包み、少女は……『人形』として、蘇った。
???「目障りな蝶共だ。散らせ。」
謎の女性がそう言うと…
少女「…了解。」
少女は剣を持ち、青白い蝶達を次々と切り伏せていく。
翔「…!?」
翔(あいつ…助かったのか……けど、俺はアイツの仇を…取ってみせる!)
翔は少女を見たが、再びピグマリオン達の方に向きを変える。
そして…右腕を少し曲げて前に突き出し、左腕を曲げ、左手を脇腹の辺りに持ってくる。左の手のひらを上に向け、右の手のひらを正面に向ける。そして、爪を立てるように指を曲げ、狼を意識した『野性的な構え』を取り、腰をどっしりと落とした。
翔「…ぐぁぁああああ!!」
翔は雄叫びをあげ、ピグマリオン達目掛けて走りだし、殴る、蹴る等の格闘戦に近い戦い…更に、引っ掻く、噛みつく等の野性的な戦いで、ピグマリオンの群れを圧倒している。
少女は剣を振るい、ピグマリオン達を切っていく。しかし、ピグマリオン達は一向に減る気配がない。
???「全く…うじゃうじゃと…目障りなヤツらだ…そいつらを倒せ…」
謎の女性は少女に言う…しかし……
少女「何を…言っているんですか…?」
少女は困惑していた。先程の戦いが、まるで嘘のようだ。
少女「そ…そんな事いきなり言われても…!!私…できません…!」
少女の瞳の色は、元に戻っていた。
???「恐怖…だと…!?適合は上手くいったはずだ!」
焦り出す謎の女性。そこに、一体のピグマリオンが少女に襲いかかろうとする。
少女「い…いや…誰か…!!助け…!」
その時…
ドゴォッ!…ズダンッ!
翔が少女に襲いかかろうとしたピグマリオンを蹴りで吹っ飛ばし、少女の前に降り立った。
少女「…!」
翔「戦えねぇなら下がってろ!!」
翔は少女に言う。更に…
翔「そこにいるてめぇもだよ!俺の見える範囲に隠れてろ!」
謎の女性にも言う。
???「…青空。」
翔「早くしろ!!」
翔が怒鳴ると、謎の女性と少女は近くの瓦礫に隠れた。
翔「化け物共…てめぇらの相手は……この俺だァ!!」
翔はピグマリオン達に怒鳴り、再び野性的に構える。その時…
ズパァッ!
1人のポニーテールの少女が、翔の前にいたピグマリオンを一撃で叩き切った。更に、その少女に続いて、7人の少女達が降り立った。
翔「!?」
ミサキ「斑目所長。遅れてしまい、申し訳ありません。」
ポニーテールの少女『ミサキ』は言う。謎の女性は『斑目』というらしい…
斑目「よく来たな。」
レイナ「所長、翔君は!?」
斑目「大丈夫だ、怪我はない。」
謎の女性『斑目(まだらめ) セツナ』は、翔を見て微笑む。
翔「!?…???」
翔は状況が理解できなかった。
翔(アイツ、『斑目』っていったな……アイツだけじゃない、後から来た金髪…何故俺の名前を知っているんだ…?)
その時、一体のピグマリオンが吠えた。翔はピグマリオン達の方に向きを変え、野性的に構える。すると、後から来た8人の少女達は、
シオリ「私達も戦います。」
ヒヨ「よーし、いっくよー!」
ナナミ「はぁ…やれやれ…」
ユキ「…。」
シオリからユキまでの4人は、翔の右に横一列に並び…
ヤマダ「翔さんとの共同戦、燃えてきたっすねェ!!」
アヤ「翔に牙を向いたこと、後悔しなさい。」
レイナ「皆、準備は良い?」
ミサキ「勿論よ…翔さんの命、絶対に奪わせはしない!!」
ヤマダからミサキまでの4人は、翔の左に横一列に並んだ。
翔「…!?…!?」
翔(コイツら全員、俺の名前を知っているのか!?)
翔は左右交互に彼女達を見て、戸惑っていた。
斑目「青空!!彼女達はお前の味方だ!安心してくれ!!」
斑目は、翔に言う。
翔(…本当に味方だっつーなら、利用してやる……)
翔はピグマリオン達の方に向き直る。斑目は笑顔を見せた。
ヤマダ「1匹、2匹…新鮮なのがいるねえ。フヒヒ…やっちゃっていいのカナ?」
ヤマダはそう言うと、ニタッと笑う。
シオリ「新人の子もいるみたいだし、先輩として、お手本を見せなくてはいけませんね。」
シオリはそう言うと、微笑んだ。
翔(待てよ…コイツらどこかで…まさか…Dolls一周年記念ライブの!?)
そう…彼女達はDolls一周年記念ライブでいた国民的アイドル…『Dolls』である。
翔(間違いねぇ!コイツらは…って、今はそれどころじゃねぇか…)
構えを解いていた翔は、ピグマリオン達を見て、再び野性的に構え、腰を落とす。
ミサキ「戦闘、開始!」
そして、Dollsと翔はピグマリオン達に立ち向かっていく。桜色の髪の少女は、見守ることしかできなかった。
少女「つ、強い…」
Dollsと翔の戦いを目の当たりにした少女は、驚きを隠せなかった。
Dollsは『剣』、『ハンマー』、『ガン』等…それぞれの武器を振るい、翔は殴る、蹴る、引っ掻く等、何でもありの戦闘で戦う。その時…足を型どったピグマリオン『キッカー』一体が、翔に襲いかかった。
翔「…!!」
翔はキッカーに蹴りを繰り出した。キッカーと翔の脚がぶつかり合い……キッカーが上空に吹っ飛ばされた。キッカーは頭から地面に落ち、消滅した。
斑目「…青空…よく帰って来てくれたな…♪」
斑目は安心し、笑顔を浮かべる。
レイナ(やっぱり…翔君なのね♪)
ミサキ(間違いない…翔さんは、帰って来てくれた♪)
アヤ(翔、元気そうじゃない♪)
レイナをはじめとするDollsは、翔であることを確信し、笑顔を浮かべた。翔は蝶達と睨み合っている。少しして、助走をつけると…
ズダッ!ズガガガガガガガ!!
地面を蹴って、プロペラを意識した高速スピンを繰り出し、蝶達をあっさりと葬った。
翔(…戦える……俺だって、戦える…!)
翔は再び野性的に構える。
斑目「お前達!青空を全力で援護しろ!!」
Dolls「了解!」
Dollsは翔の近くに降り立ち、武器を構える。残りのピグマリオンは僅かである…翔は3匹のイーターの内、真ん中のイーターに目を向ける。ソイツは、桜色の髪の少女が着ていた服と同じ色の布切れを咥えていた。
翔「…!!」
翔は確信した。ソイツが、その少女の命を奪った犯人であることを……
翔「真ん中の化け物は、俺が殺る…!」
翔はDollsに言う。
レイナ「分かったわ。ミサキ、ユキ、翔君をお願い!」
ミサキ「ええ!」
ユキ「了解。」
翔が3匹のイーター目掛けて走りだすと、ミサキとユキは翔に続いて走りだした。残りのメンバーは他のピグマリオンの討伐を開始した。
翔は布切れを咥えていたイーターと戦い、ミサキとユキは、近くにいるイーターと戦う。
少女「あの人…もしかして、私の仇を取ろうと…」
少女は、イーターと戦う翔を見る。
翔「!!」ガシッ!
翔はイーターを捕らえると…
翔「痛みというものを、思いしれぇ!」ガブッ!
そのイーターに噛みついた。
ブチブチブチブチ……
翔「ぐぅぅぉぉおおおおおおおおおお!!」
ブチィッ!
そして、イーターを噛みちぎった。イーターは血を勢いよく吹き出した。
ヤマダ「おぉ、ワイルドな戦闘っすねぇ。ヤマダはそう言うのが、一番好みっす♪」
アヤ「言ってる場合!?翔を助けないと!」
レイナ「アヤ、大丈夫よ。」
アヤ「は、はぁ!?」
レイナ「見なさい。翔君のあの表情を…」
アヤはレイナに言われた通り、翔を見る。翔はイーターを真っ直ぐ捕らえ…怒りの表情を向けていた。
レイナ「翔君は絶対に負けないわ。だから…翔君を信じましょう♪」
アヤ「レイナ……分かったわ♪」
ヒヨ「翔さーん、がんばれー!!」
戦いを終えたレイナ達は、翔を見守る。ミサキとユキもイーターを倒し、翔を見守ることを決めた。
口元を血で真っ赤に染め上げた翔は、ハイキックでイーターを吹っ飛ばした。すかさず翔は腰をどっしりと落とすと、イーター目掛けて走りだし、ジャンプする。
翔「うぉぉぉおおおおおお!!!!」
翔はイーターに向かって飛び蹴りを繰り出した。その姿はまるで…『仮面ライダー』のようだった。
ドゴォォオオオオン!
翔の『ライダーキック』は見事、イーターに命中した。イーターは激しく吹っ飛ばされ、消滅し…ピグマリオン達は全滅した。Dollsは翔の勝利を確信し、微笑んだ。そして、桜色の髪の少女に歩み寄り、こう言った。
Dolls「ようこそ、『Dolls』へ。」
少女「…。」
少女は唖然としていた。少女はDollsの言葉を受け取った後、翔の元に駆け寄る。
少女「あ、あの!」
翔「…?」
翔は少女を見る。
少女「私の仇…取ろうとしてくれたんですよね…?」
翔は何も言わなかった。少女は、翔を見て微笑んだ。
翔(それにしても、あの化け物達は一体…何だったんだ…?)
1人考え事をする翔。すると…
レイナ「…翔君…?」
レイナが話しかけてきた。
翔「…。」
翔はレイナの方に振り向く。
レイナ「一周年記念ライブの時、貴方を怖がらせてしまって、ごめんなさい…」
レイナは翔に謝罪をする。
翔「…謝るな。」
レイナ「…!…♪」
レイナは翔の言葉を聞き、安心して微笑んだ。そして、彼女をはじめとするDolls(桜色の髪の少女以外)は言う。
シオリ&レイナ「翔君…♪」
アヤ「翔…♪」
他のメンバー「翔さん…♪」
Dolls「「「お帰りなさい♪」」」
しかし…
翔「…は?」汗
翔は困惑していた。
Dolls「…!?」
Dollsも困惑する。
アヤ「翔、ひょっとして…あたし達のこと…覚えてないの?」
アヤは翔に聞く。
翔「何言ってんだお前…俺達は初対面だろ?」
翔の返答を耳にしたDollsは確信した……
(彼は、自分達『Dolls』のことを、覚えていない。)
…ということを…。
斑目「少年、名前を聞かせてもらえるか?」
斑目は翔に言う。
翔「…青空 翔だが…」
翔は斑目に、軽く自己紹介をした。
斑目(やはり、青空だったのか。)
斑目「私は『斑目(まだらめ) セツナ』だ。…青空 翔…良い名前だな。」
翔「…は、はぁ…」
翔は困惑するが、何かを思い出した。
翔「あ…コイツを助けてくれて…ありがとう。」
翔は、桜色の髪の少女を助けた斑目にお礼を言った。
斑目「…サクラ…」
翔「…え?」
斑目「あの少女の名は、『サクラ』だ。」
斑目は言う。
サクラ「…『サクラ』…」
サクラは、自分の名を繰り返す。
翔「サクラって言うのか…」
翔は納得した。
斑目「青空。」
翔「…!?」
翔は警戒して、後退る。
斑目「心配するな、危害は加えない。」
斑目はそう言うも、翔は未だに警戒しっぱなしである。
斑目「口元、汚れてるぞ。」
斑目が優しく言うと、翔は後退るのをやめ、大人しくなった。斑目は翔に近づき、ハンカチで翔の口元の血を丁寧に拭き取っていく。
斑目「青空、怪我はないか?」
斑目は優しく微笑みながら、翔に聞く。
翔「…。」
翔は戸惑い、何も言えなかった。
レイナ(翔君…斑目所長のことも、覚えていないようね…でも、元気な姿を見られて、良かったわ…♪)
シオリ(可愛い一面も見れて、良かったです♪)
Dollsは、翔の元気な姿を見て微笑んだ。
斑目「終わったぞ。」
斑目は翔の口元の血を全て拭き取り、彼の頭を撫でる。
翔「……」
翔は戸惑ったまま、何も言わない。…ふと、前の世界での出来事が、脳裏に浮かぶ。翔の表情は、次第に青ざめていく。
斑目「…青空?」
翔(逃げろ……)
翔は斑目の手を振りほどき、Dollsと斑目に背を向けて走り出した。
サクラ「!青空さん!」
サクラは思わず、翔を呼び止めるが…彼女の声は届かず、翔はどこかへ走り去ってしまった。
翔が走り去り、斑目とDollsは少しの間、呆然としていた。
シオリ「翔君…私達のこと…覚えていないみたいですね…」
ヒヨ「でも、帰って来てくれたことにはかわりないよ!」
ヤマダ「翔さんがジブンらのことを覚えていなくても…ジブンは翔さんのこと、鮮明に覚えてるっすよ。」
ナナミ「私も覚えてます…!」
ユキ「私もです。」
ミサキ「私もよ!翔さんは私達にとって、命の恩人よ!忘れられるはずがない!」
レイナ「そうね。翔君は、私達がどれだけ嫌な顔をしても…心から振り向き、私達に寄り添ってくれたわ。だから、今度は私達が……翔君に、寄り添う番よ。」
サクラ以外のDollsは、『青空 翔』のことを鮮明に覚えていた。彼女達は過去に…翔に救われたのだから。
サクラ(私は翔さんとは初対面ですけど…皆さんは、翔さんと、どのような関係が…?)
サクラはただ1人、疑問を隠せずにいた。
翔が走り去った後…
???「転生者か。」
翔とDollsの戦いを見ていた、1人の男がいた。その男の左腕には、黒く鈍く輝く腕輪があった。
???「あんな奴よりもオレのほうが何万倍も強いぜ。それに、“レイナ”はオレの女だ。」
男は、怪しい笑みを浮かべた。彼こそが、マナーの悪い転生者『シャドウ』の1人である。
更に…
???「あんな雑魚、ラクショーに倒せそうだ…ヒヒッアイツを殺せば、“ユキ”はオレの物だ。」
別の場所にも、怪しい男が笑みを浮かべていた。彼の左腕にも、黒く鈍く輝く腕輪があった。彼も『ジャドウ』の1人である。彼らの目的とは一体……。
その頃、翔は……
自宅のマンションに帰って来ていた。
翔(あの化け物達といい、Dollsと斑目とかいい…訳分かんねぇよ……)
翔は1人、考え事をしていた。そんな彼に、女神がテレパシーで話しかけてきた。
女神(翔さん、お疲れ様です。先程の戦い、素晴らしかったですよ♪)
翔(女神様か……)
翔はそう言うとベッドに入り、眠りについた。
その頃、Dolls達は……
芸能事務所『ドールハウス』に戻っていた。
???「お帰りなさい、皆さん。」
茶髪でショートヘアの女性は、笑顔でDollsと斑目を出迎えた。その後、斑目と共にサクラに今後のことやドールハウスのことを説明した。Dollsはサクラを、寮に案内した。
Dollsが寮に戻った後…
???「斑目さん?」
斑目「カナ、お前に良い知らせがある。」
カナ「…良い知らせ、ですか?」
茶髪でショートヘアの女性の名は『南田(みなみだ) カナ』。ドールハウスに所属する特殊公務員である。
斑目「青空が、帰って来てくれたぞ。」
カナ「!!…本当ですか!?」
アヤ「本当よ♪」ヒョコッ
すると、アヤが顔を出した。アヤはスマホをカナに見せる。そこには…斑目に口元を拭かれている『青空 翔』の姿が写っていた。
カナ「…!!!!」
カナはその写真をまじまじと見つめる。
カナ「……翔、君……っ翔君!!」ポロポロ
カナは思わず泣き出し、翔が帰って来たことを心から喜んだ。
Dollsは、寮でサクラの歓迎会を行っていた。
アヤ「ただいま~♪」
そこに、アヤが戻ってきた。
ヤマダ「リーダー、どこ行ってたんすか?」
アヤ「カナさんの所よ。翔が帰って来たことを斑目と伝えたの。写真を見せてね♪」
アヤはスマホの写真を見せる。
ナナミ「いつの間に、撮ってたんですか…」
アヤ「まあね~♪カナさん、喜んでいたわ♪それも、泣いちゃうほど!」
シオリ「そうですか♪それは、良かったです♪」
アヤ「フフン♪さ、歓迎会の続き、やるわよ♪」
メンバー達は、サクラの歓迎会を楽しんだ。その後、翔に会いに行く日を決めた。初めに『チームB』、次に『チームC』、最後に『チームA』という順番で、翔に会いに行くことを決めた。しかし…明日、『チームB』のメンバーは、とある場所で…翔とバッタリ会うことになる。それは、チームBの3人も翔も知らない…。
いかがでしたか?今回はここまでです。
Dollsのメンバーもそうですが…ドールハウスの所長『斑目 セツナ』さんと、特殊公務員の『南田 カナ』さんも、翔のことを鮮明に覚えています。
次回は、1人目の『ジャドウ』が姿を現します。それと、DollsチームBのメンバーも登場します。
お楽しみに。
では、またね