〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。

久しぶりの投稿になります。

アタラクシアの開かずの扉を開き、そこから現れたピグマリオン達を始末したメンバー達は、デウスの案内の元、扉の先に向かう。そこで彼らを待っていたのは……

では、本編へ~どぅおうずぉ


第七十四話 待っていた彼女、その名は……

サクラ「ここが新しいフロア……第1層とは、あんまり変わりませんね。」

扉の先にあるフロアは、さっきまでいた第1層とはほとんど変わりはないが……

サクラ「でも、なんだか、寒気が……」

ユキ「……寒いです。寒くて、寒くて、凍えそう……」

どういうわけか、寒かった。

サクラ「ユキさん……大丈夫ですか?」

サクラはユキに声をかけるが、

ユキ「感じる……聞こえ…ます……」

会話が成立していない。どうやらユキは、何かを感じているようだ。

翔「何を感じるんだ?」

翔はユキに訊ねる。

ユキ「誰かが…泣いてる声……苦しいの…痛いの……助けてって……」

ミサキ「ちょ、ちょっとやめてよ。そんなの、あるわけないでしょ。」汗

ユキの言葉に、ミサキは動揺を示す。その時、

PPP--

通信機が鳴り、カナから連絡が入った。

カナ『その廊下の先に…生命反応があります。』

翔「…何?」

レイナ「生命反応?ピグマリオン反応ではなくって?」

カナ『ゴーレムの反応とも異なります。ストライカーでも妖魔でもありません。一体、こんなところに誰が----』

生命反応は、ピグマリオンでもなく、ゴーレムでもないそうだ……ましてや、ストライカーでも妖魔でもない。

シオリ「もしかしたら、人かもしれません。反応があるところへ向かいましょう。」

サクラ「……この先に…」

翔「行くか。」

メンバー達は、生命反応がある廊下を進んでいく。

翔(にしてもだ……こんな場所に人がいるなんて変だ……いや、さっき女神様が言ってたジャドウの可能性も考えられる……)

翔は考え事をしながら、メンバー達と奥へと進んだ。

 

 

 

少しして、問題の場所に着いた。そこは、赤紫の光に照らされ、辺りには十字架のようなオブジェクトが幾つもあり、瓦礫が転がっていた。

ナナミ「…広い場所に出てきましたね。」

更に……

ナナミ「って、なんですか、この臭い……」

腐敗臭や生臭い血の臭いが、この空間に立ち込めていた。

ミサキ「聞くまでもない。ここにたちこめているのは死の臭いよ。」

サクラ「でも、どこから……」

すると、

サクラ「あ…あそこをみてください!」

サクラが何かを見つけ、指差した。メンバー達はサクラが指差す方向に、目を向ける。そこにいたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い身体と薄紫色の長髪が特徴で、目から血のように赤い涙を流している少女だった。

???「……。」

翔「何なんだ……アイツ…?」

少女を見た翔は、警戒心を強める。

サクラ「こんなところに女の子が……!」

サクラは少女を見ると、

サクラ「す、すぐに助けなきゃ!」

少女の元に向かおうとする。すると、

デウス「…それ以上は近づかない方がいい。」

デウスがサクラを止めた。

サクラ「デウス、さん……?」

翔「サクラ、よく見ろ。奴は鋭い爪を持っている。下手に近づけば、何をされるか分からねぇぞ?」

翔はこの時だけ、デウスと同じ考えをしていた。

デウス「久しぶりだね。会いたかったよ、『パンドラ』。」

???「……。」

デウスはその少女を、『パンドラ』と呼んでいる。

デウス「忘れたのかい?…キミの名前は『パンドラ』だ。」

???「……ア」

デウス「パンドラ。」

その時…

パンドラ「……ア、ア、ア、ア、ア!」

パンドラが言葉にならない声を出したと思ったら……

パンドラ「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

姿が変わり、叫び声を上げた。

翔「姿が、変わった…!?」

ユキ「い……や……ダメ……ダメ……!」

アヤ「なんて悲鳴なの……!頭が割れそう…!」

N「っ!!…この悲鳴は、嫌いだわ…!!」

メンバー達はパンドラの悲鳴に、耳を塞いだ。

ブーッ!ブーッ!

カナ『EsGより緊急連絡!強大なピグマリオン反応を検出!』

斑目『なんだ、これは----!』

翔「コイツ……化け物だったのか!?」

検出されたピグマリオン反応は……パンドラであった。尚、悲鳴を上げるパンドラ。

斑目『異常事態発生だ!全員、ただちにそこから離脱しろ!』

斑目は指示を出すが……

カナ『ダメです!その異常体を守るように、周囲にピグマリオンが連続発生しています!』

どこからともなくピグマリオン達が現れ、退路を塞いでいく。

デウス「おはよう、パンドラ。そして、さよなら。」

翔「…?」

デウス「あますことなく--キミを救済しよう。」

翔(何を言ってるんだ…アイツ…?)

翔がデウスの言葉に疑問を抱いていると、

斑目『ピグマリオンを撃滅しろ!まずは退路を確保するんだ!』

斑目が指示を出した。

翔「わ、分かった!お前ら、行くぞ!!」

翔とN、Dollsは武器を取り出し、戦闘を開始した。デウスもゴーレムを召喚し、ピグマリオン達と戦わせた。勿論、パンドラとも戦う。

数分後、ピグマリオンを一通り倒せたものの……

パンドラ「ヴア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!」

アヤ「攻撃するそばから修復する…!キリがないわ!」

パンドラは自己修復ができるようだ。その証拠に、斬撃で与えた傷が治っていった。しかも…

ナナミ「っていうか理解不能です!なんですか、このデタラメな回復力!」

異常なまでのスピードで、傷が治っていくのだ。

ナナミ「デウス…!これもあなたの力なんですか!?」

ナナミはデウスを疑うも……

デウス「まさか。」

デウスはそれを否定している。

デウス「『再生』は、パンドラが持つ権能だ。ボクの『妄信』と同じように、ね。」

デウス曰く……この異常な回復力は、パンドラが持つ能力だそうだ。

アヤ「はぁ!?意味わかんないんだけど!」

混乱するアヤ。

斑目『このままでは消耗する一方だが…退路にはピグマリオンがいる--ここで、やるしかないのか--!』

斑目は、次第に焦り始める。

翔「くそっ!アイツに何か、弱点は無いのか…!?」

その時…

デウス「よく聞くんだ、翔。」

デウスが話しかけてきた。

翔「何だ!?」

デウス「パンドラはその“心臓”がある限り、無限に再生し続ける。」

翔「…何だと!?」

デウス「狙うなら心臓だ。心臓を狙って、その活動を弱めるんだ。」

翔「成る程…あれをぶっ壊せば良いんだな?」

デウス「おっと。絶対に止めてはダメだよ?」

翔「何?」

デウス「あれは……大事なものだからさ。」

翔「…ちっ。」

翔は舌打ちするが、

翔(コイツ、何か企んでるな……けど、今はコイツを信じるしかねぇ!)

パンドラを撃破するには、デウスを信じるしか選択肢は無かった。しかし、彼女は何かを企んでいる……翔はそんな気がしていた。

パンドラ「ヴア”ア”ア”ア”ア”ア”アッ!!」

悲鳴を上げるパンドラ。

翔「お前ら!!パンドラの弱点は心臓だ!心臓を狙え!!」

翔はメンバー達に指示を出す。

N「成る程、あそこが弱点ね!了解したわ!!」

ナナミ「わかりました!」

アヤ「OK!!」

混乱していたナナミとアヤは、やっと落ち着きを取り戻した。Nも鞭を振るって、パンドラを攻撃し続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

O「…ぐっ、くそが!!」

P「ったく、何なの…あの強さ…!」

その頃、JMR新宿駅では……OとPが悔しそうにしていた。

???「O、P、どうした?」(^U^)

そこに、張り付いた笑顔をした黒髪の男が現れた。この男の左腕にも、黒い腕輪がついている。

O「あ、R兄ぃ!」

P「に、兄さん!?」

現れた男の名は『転生者 R』……かつては張り付いたスマイルで数々のヒロイン達を虜にしてきたが、次第に怖がられ……ヒロイン達は彼から離れていった。彼は他の転生者から強奪した変身ベルトを悪用し、自分から離れていったヒロイン達を、次々と殺害……更に、他転生者や原作主人公、その転生世界に登場するサブヒロインやモブキャラ等、無差別殺人を起こし、幾多の転生世界を壊してきた。次々と別の世界に行っていた時、OとPと出会い、彼らと共に行動をし、悪事を働くようになったのだ。

R「二人ともボロボロじゃないか。何があったんだい?」

Rは張り付いた笑顔を崩さず、OとPに聞く。

O「て、転生者だ!転生者が現れた!!」

R「転生者?何か特徴は?」

P「左腕に、銀色の腕輪を身に付けてた。」

R「成る程……その転生者がどこに向かったか、わかるかい?」

O「多分だが……あの塔に向かったんじゃね?」

Oがそう言うと、

R「なら、そこに向かおう。」

と、Rは言う。

P「ちょ、兄さん!?それ本気で言ってんの!?」

R「私の可愛い兄妹をボロボロにしたんだ。だから、そのお礼をしないのは失礼だろう?」

Rはにこやか言うが、その張り付いた笑顔には闇を感じる。

O「へへっ、俺も奴に仕返ししねぇと気がすまねぇんだ。」

Oはニヤッと笑う。

P「…分かったわ。」

Pはため息を着く。そして、三人のジャドウ達は……アタラクシアに向かっていった。




いかがでしたか?今回はここまでです。

開かずの扉の先で待ってきたのは……『パンドラ』と呼ばれる不気味な少女だった。しかし、彼女は人間ではなく、化け物だ。

一方、OとPの前に、新たなジャドウ『転生者 R』が現れ、アタラクシアへと向かった。

(^U^)←この顔文字を見たライダーファンの皆様は……誰がモチーフになったのか、もうお分かりですよね?(^U^)

次回も、お楽しみに(^U^)

では、またお会い致しましょう(^U^)

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