〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。

スクスト2にて、『隼坂 翠』がストライカーとして仲間になってくれましたね(今更ですが)。

それと、次のCSM変身ベルトが、『アマゾンズドライバー(アルファ)』なんですよね。しかも、『ミリタントアマゾンズレジスター』も付属するみたいで……



さて、それらはひとまず置いとこ。
パンドラを撃破し、勝利したものの……喜べることではなかった。

では、本編へどうぞ


第八十話 浮かない勝利と翔の心情

戦いに勝利した翔達は、ドールハウスに帰還した。勿論、Nも一緒である。

カナ「みなさん、お疲れ様です。無事に戻ってきてくれて、よかっ……」

カナはメンバー達が無事であることを確認したが……

カナ「翔君、手が…!」

血だらけになった翔の両手を見て、言葉を失った。

愛「大変!翔君、すぐ手当てするね!」

カナ「片山さん、これを!」

カナは愛に救急セットを渡した。

愛「ありがとう、カナちゃん!」

愛は救急セットを受け取り、すぐに翔の手当てを開始した。

愛「どうしたの、その怪我…?」

愛は心配そうに翔に尋ねる。

翔「……許せねぇんだ……」

愛「…えっ?」

翔「俺らは…デウスに、初めから利用されていたんだ……俺は、それが許せねぇんだ……」

翔は左手の拳を強く握りながら言う。

翔「かつての俺は……ストライカー達に利用されていた……アイツらは、楽して手柄を得るために、俺を…元ストライカー達を、散々利用したんだ!!だから俺は、今回のことが……悔しくて仕方ない……!」

愛「…翔君。」

斑目「…青空。」

カナ「……。」

翔の言葉に、ドールハウス3巨頭は口角を下げる。

斑目「アタラクシアは第2層まで攻略した。初回の探索にしては、これ以上ない成果だ。」

斑目はメンバー達に言う。しかし……

サクラ「それはそうなんですけど……」

メンバー達は暗い顔をしていた。

ナナミ「ボスは金切り声でのたうちまわって苦しんで--その上、最後の主導権はデウスにとられて……しかも、あんな殺し方--」

ヤマダ「正直、後味はサイアクですよ。素直に喜べませんね。」

メンバー達の脳裏に、パンドラとの死闘が甦って来ていた。それだけではなく……

ヒヨ「パンドラちゃん……敵、なのに…なんだか、かわいそうだった……」

彼女の死も、脳裏に甦って来た。

シオリ「本当、大変な1日でした。さすがに、少しつかれましたね…」

メンバー達にも、疲れの色が出ていた。

斑目「アタラクシアの攻略は終了だ。連絡があるまで、通常業務に戻るんだ。」

斑目はアタラクシアの攻略を一先ず区切り、通常業務に戻るよう指示を出した。

カナ「今はデウスの出方を窺うほかにありませんから……」

カナは険しい表情を浮かべながら言った。

アヤ「ま、そうね。次こそは絶対ギャフンといわせてやるんだから!」

ミサキ「では、ひとまず、解散でいいですか?」

愛「そうだね。ひとまず、みんなはゆっくり休んでね?」

愛はメンバー達に優しく言った。

レイナ「明日からは通常業務ね。頭を切り替えて挑みましょう。」

レイナの言葉に、メンバー達はひとまず解散した。

ユキ「翔さん……痛そう……」

ユキの言葉に、メンバー達は翔の怪我を心配そうに見る。翔の両手は、包帯が巻かれているが、血が滲んでいた。

アヤ「翔…」

アヤは翔の側に寄ると、

アヤ「…痛かったよね…?」

翔の右手を両手で優しく包む。

翔「…痛みには慣れてる……」

翔は小さい声でそう言った。

シオリ「翔君は、本当に強いんですね…♪」

シオリも翔の側に寄り、彼の左手を優しく包んだ。

愛「うん、翔君は強いよ…♪」

愛は翔に優しく微笑む。

カナ「翔君…本当に痛い時は、痛いって言ってもいいんですよ?」

カナも優しく翔に語りかけるが、

翔「言っただろ、痛みには慣れてるって……」

翔に反論されてしまった。

カナ「そうでしたね、ごめんなさい…」

カナは翔の言葉を受け入れ、彼に謝罪した。

斑目「青空、今回もよく頑張ってくれた。」

斑目も優しく翔に語りかけ、彼を称えた。

N「……。」

N(ドールハウスの人達、本当に良い人達ばかりだわ……アタシ、何でこの人達にちょっかいを出したのかしら……)

ドールハウスの人達と翔のやり取りを見たNは、Dollsにちょっかいを出したことを、後悔していた。

愛「ねぇ?」

N「…っ!?は、はい!?」

愛「君は、皆の手助けをしてくれた人だよね?」

N「は、はい…アタシは、Nって言うの…」

Nは改めて、軽く自己紹介をした。その時、

翔「N、お前の手助けがあったおかげで、スムーズに任務を遂行できた。感謝する。」

翔がNに感謝の言葉を伝えた。

N「…ううん、お礼を言うのはアタシの方よ。」

Nは翔に言う。

N「こんなアタシでも……翔君は受け入れてくれたもの。だからこそアタシは、更正できたの。」

翔「それについては、お前の意志が本物だったからだ。俺は何もしちゃいねぇよ。」

N「それでも、これだけは言わせて頂戴……」

Nは翔に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

N「翔君、アタシを受け入れてくれて……アタシを信頼してくれて……ありがとう。」

お礼を言い、深々と頭を下げた。

翔「…フッ。」

翔は鼻で笑うと、

翔「お前、初めは悪質な奴だと思っていたが……態度を改めりゃ、普通の奴じゃねぇか。」

と、Nに言い、口角を上げた。

N「翔君、アタシを信頼してくれてるの……?」

翔「…少しな。」

翔はNにそう言うも、本当はとても信頼していた。

カナ「斑目さん。」

カナは微笑みながら、斑目に声をかける。

斑目「あぁ。N、お前の部屋を案内する。少し着いてきてくれ。」

N「へっ……良いんですか、所長さん?」

Nがそう言うと……

愛「ふふっ、翔君がこうしてN君を信頼しているから、ドールハウスも君を受け入れるよ。」

愛がNに微笑んだ。Nはドールハウス3巨頭に、お礼を言った。その後、斑目はNを彼の部屋に案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、見知らぬ空間にて……

デウス「必要なものはそろった。」

デウスが、そこにいた。

デウス「大丈夫だよ、パンドラ。キミの心臓は汚れていないから--」

彼女の目の前には、謎の巨大な影があった。

デウス「そろそろ、目覚めの時間だ。」

デウスは言う。

デウス「この神の箱庭に、凄惨なる産声を響かせようじゃないか----」

今、彼女がいる空間で……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かが目覚めようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドールハウスでは……

Nの部屋は翔の隣の部屋になった。

翔「……。」

翔は、自室で1人…考え事をしていた。

翔(デウスの奴、パンドラの心臓を使って何をするつもりだ…?)

その時……

コンコンッ……

ドアがノックされた。

N「翔君、Nよ?」

翔「入れ。」

翔がそう言うと、Nが入って来た。

N「ごめんなさい、疲れてるのに突然来て……」

翔「いや。」

翔はそう言うと、冷蔵庫から仮面サイダーを持ってきた。

翔「お前も飲むか?」

N「え、良いの?」

翔「あぁ、どれが良い?」

N「えっと……じゃあ、これで。」

Nが選んだのは、ドラゴンフルーツ味の仮面サイダーだ。

翔「…ドラゴンフルーツ味、結構美味いんだぜ?」

翔はNにサイダーを渡した。そして、キウイ味のサイダーを飲み始めた。

N「翔君は、仮面サイダー好きなの?」

翔「ん?…まぁな。てか、俺は仮面ライダーが大好きなんだ。」

N「そうなのね。」

翔「……なぁ、俺が昔いた世界の話、しても良いか?」

N「勿論よ。」

そして、翔はNに昔いた世界について語り始める。

翔「昔いた世界では、俺は『ストライカー』と呼ばれる少女達の隊長だったんだ。ストライカーってのは、『妖魔(オブリ)』と呼ばれる化け物と戦える奴らのことだ。」

N「…。」

Nは相槌を打ちながら、翔の話に耳を傾ける。

翔「初めは、ストライカー達と打ち解けられたんだが……時空管理局とグルを組んでいてな、俺はアイツらから……散々仕打ちを受けてきた。俺は、何故自分が仕打ちを受けているのか、全く分からなかった。アイツらを不快にさせるようなことをした覚えは無いし……」

N「…。」

翔「んで、数少ない味方のストライカー達から聞いたんだが……俺の前任の隊長が、とんでもねぇクズ野郎だってことを知ったんだ。ストライカー達はソイツから酷い仕打ちを受けていたらしいんだ……んで、その仕返しとして、俺に当たっていたんだ。」

N「…そ、そんな……翔君に何も罪は無いのに……!」

Nは彼の話に、心を痛めた。

翔「俺は、昔いた世界でも『仮面ライダー』だった。ストライカー達に裏切られた後に、変身できるようになったんだがな。」

ここで、翔は思わぬことを語る。それは、神様も女神も知らなかったことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「俺、仮面ライダーは大好きなんだ……けど……」

N「……け、けど?」

翔「別に…()()()()()()()()()()()って、心から思ってなかったんだ……」

N「……え、そうなの?」

翔「あぁ。まぁ、この世界に来るとき、『仮面ライダーに変身する力は、自力で身に付けたい。』って、神様に頼んだんだがな……」

翔は苦笑いしながら言う。しかし、すぐに口角を下げる。

翔「俺は怖かったんだ……また、変身ベルトの使い方を間違っちまうんじゃないかって……」

N「……。」

翔「前の世界では、それまで抑えていた負の感情が爆発して……ストライカーを殺そうとした……人の命を奪おうとした……」

N「……。」

翔「だから、『仮面ライダーに変身する力は、自力で身に付けたい』って、頼んだんだ。そんなファンタジックなこと…どうせ実現しないだろうって、思ってな……」

N「…で、でも…翔君には、その変身ベルトが…」

翔「あぁ。女神様は、俺が自分で身に付けたって言ってくれたけど……本当は、違うだろう……」

翔はアマゾンズドライバーを見て、口角を下げていた。

翔「……すまなかったな、こんな暗い話……」

N「気にしないで。翔君と話せて、嬉しかったわ。」

翔「そう思ってくれると、気が楽だ。」

N「えぇ、ありがとね、翔君。」

翔「…あぁ。こちらこそ…話を聞いてくれて、ありがとう。」

Nは翔にお礼を言い、翔の部屋を出て、自室に戻っていった。

女神(翔さん…)

そこに、女神がテレパシーを通じて翔に話しかけた。

翔(おう、女神様。)

女神(…気付いて、いたんですか?)

翔(気付いていたって言うより……自力で変身できる力を身に付けたなんて、あり得ねぇって思ってた。)

女神(……。)

女神は申し訳なさそうに、白状した。

女神(…翔さんが思っていた通り、あの変身ベルトは、私が貴方に与えた物です。)

翔(…そうだったのか。)

女神(…翔さんには、どうしても幸せになって欲しかったので……貴方自身が身に付けた力であると、貴方に嘘を言っていたんです……申し訳ありません、翔さん。)

女神は翔に謝罪する。

翔(別に、謝ることはねぇよ。)

翔は女神に言う。

翔(俺は、あんたに感謝している。)

女神(…えっ?)

翔(あんたは、俺の死を本気で悲しんでくれた…俺にもう一度、生きるチャンスをくれた…戦う手段をくれた…誰かを守る力をくれた……だから、ありがとう、女神様。)

翔にお礼を言われ、女神は驚いていた。すると、神様が翔に話しかける。

神様(翔、そんな思いがあったんだな。)

翔(…あぁ。)

神様(…すまなかったな、気付いてやれなくて……)

神様も申し訳なさそうに、翔に謝罪する。

翔(あんたも、謝ることはねぇよ。)

翔は神様に言う。

翔(あんたは、俺の話を聞いてくれた…俺が活躍できる機会をくれた……そして…俺にもう一度、生きるチャンスをくれた……ありがとう、神様。)

翔にお礼を言われた神様も、驚いた。

神様(…翔、1つ聞いて良いか?)

翔(…何だ?)

神様は、ずっと翔に聞きたかったことを聞く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様(翔、君は今……()()か?)

 

 

 

 

神様の言葉に、翔は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔(…あぁ。俺は今、()()だ。)

と、答えた。

神様(そうか、それなら良かった。)

翔(…あぁ。)

神様(では、頑張るんだぞ?無理のない範囲でな。)

神様はそう言うと、テレパシーを切った。

女神(翔さん、今日はごゆっくりお休みになってくださいね?)

女神もそう言うと、テレパシーを切った。

翔(…俺は今も、ストライカー達に追われている……けど、幸せだ……この幸せが、いつまでも続いて欲しい……)

心の中で、そう願う翔であった。




いかがでしたか?今回はここまでです。

仮面ライダーの共通点は、『なりたくてなった訳ではない。』……ということで、実は翔…本気で仮面ライダーになりたいとは、思っていなかった。理由は、かつてのように、変身ベルトの使い方を誤った方向に使ってしまうのではと恐れていたからであった。
また、翔の『アマゾンズドライバー』は、実は女神が翔に与えていた物であった。

最後の辺りで、神様の言葉に翔は、「幸せだ。」と答えていた。ありのままを受け入れられている彼は、初めて……幸せを感じることができていたのだった。



次回も、お楽しみに。

では、またね。
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