〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
今回は2人目のジャドウが姿を現します。そして、DollsチームCが登場します。…え?…何故Aから登場させないのか…ですか?それは……私の気分です。
では、本編へどうぞ
DollsチームBと出会って…2、3日が経った。翔はいつものように朝食を済ませた後、少しでもこの世界に慣れるべく、外出の準備をする。
神様(翔、そんなに焦らなくても良いんだぞ?)
神様は、テレパシーを通じて翔に話しかけてきた。
翔(分かってる。)
翔はそう言うも、内心…少し焦っている様子である。これを見た神様は、困ってしまう…。
翔(ところで神様。)
神様(…あっ、どうした?)
翔(左腕に黒い腕輪を身に付け、『B』と名乗る男を見かけたんだが…)
神様(奴はジャドウで間違いない。)
翔(やっぱり…DollsチームBの『レイナ』って奴に対し、『オレのレイナ』と……)汗
神様(本当に懲りてないな……)汗
翔の報告を聞いた神様は、呆れてため息をついた。
翔(…奴が犯した罪は一体……)
神様(奴は他転生者、更には原作主人公の悪い噂をでっち上げ、多くのヒロインを寝取った…しかも、その悪い噂は、全部奴の作り話だ。)
翔(…マジか…)
翔「Bの奴もそうだけど…それを信じた奴らも……正直、どうかしてる…」
神様(奴は君の悪い噂を、周囲に流している。)
翔(めんどくせぇ奴だ…)汗
神様(なぁに、心配はいらない。奴のその行為は通用しないからな。)
翔(…そうか。)
翔はテレパシーで神様と会話をした後、自宅のマンションを出て、街を歩くことにした。街を歩いていると、至るところに『Dolls』のポスターが目に入る。
翔(Dolls…相当有名なんだな……そりゃそうか、国民的アイドルって言われる程だからな…)
翔はそう思いながら街を歩いていた。途中、銀髪の髪の少女とすれ違った。
少女「…!」
その少女は思わず振り向いたが、翔の姿はどこにも見当たらない。
少女「…翔さん…」トトッ
その少女は小走りで、翔を探し始めた。
???「あ~もう!『ユキ』はどこに行ったのよ~!」
???「そんなに怒ってると、顔の皺が増えますよ~?ま、怒ってる時がリーダーらしいっすけどね~。」
???「な!?失礼ね!!」
2人の少女は、『ユキ』という人物を探して、街を歩いていた。
2人の少女が去って、数分後…
???「ユキ、オレのユキ!どこにいるんだぁ!?」
左腕に黒い腕輪を身に付けた1人の男が、鼻息を荒くしながら『ユキ』という人物を探していた。ソイツは周りから気味悪がられ、冷たい視線を向けられていた。だが、ソイツは周りが見えていないのか、そんな事はお構い無しのようだ。
???「待ってろよユキ!今から王子様が、迎えに行ってやるからなぁ!」
その頃、翔は……
翔「…ふぅ…」
一通り街を歩き、休憩のために海浜公園に来ていた。ここの海浜公園は、DollsチームBと出会った場所である。翔は海が一望できるベンチに座り、『仮面サイダー』を飲んでいた。
翔(まさか、この世界に来ても『仮面サイダー』が飲めるなんてな……しかも、『仮面ライダー鎧武』をモチーフにした、オレンジサイダーってな……最高じゃねぇか…)
翔はそう思いながら、サイダーを飲む。ふと、ウミネコ達が飛び回っている光景を見る。
翔「…。」
翔はウミネコ達を眺め、少しだけ羨ましさを感じ、それと同時に…
翔(ウミネコ達には仲間がいる。けど…俺には、仲間なんて……もういねぇからな……また、孤独か…)
孤独感を感じていた。
翔(でも、これでいいんだ…俺はもう……誰を信じたら良いのか…分かんなくなっちまったから…な……)
彼はある出来事で、身体にも精神にも重症を負い、誰を信じたら良いのか分からなくなってしまった。それどころか、かつての穏やかさも失い、冷たく暗い少年に変わり果ててしまった。それでも彼は……『自分よりも他人を思いやる優しさ』を失っていなかった。
翔「……。」
黙ってウミネコ達を眺め続ける翔。…ふと、左に人の気配を感じ、振り向くと……1人の少女が、隣に座っていた。銀髪が特徴の少女である。
翔「…!?」
若干驚く翔。その少女は…
少女「…翔さん…♪」
翔の名前を呼び、微笑んだ。
翔「…何だお前は…?」
翔は警戒して、少女に問う。
ユキ「…『ユキ』と申します。」
銀髪の少女『ユキ』は、軽く自己紹介をした。
翔「…何故俺を知ってる?」
ユキ「私、Dollsのメンバーです。サクラさんやレイナさんが、翔さんの話をしていました。」
翔「…そうか。」
翔はユキの話を聞いて納得すると、ベンチから立ち上がり、自販機に向かって歩いていった。そして、飲み物を2つ購入し、戻ってきた。
翔「どれがいい?」
翔が買ってきたのは『仮面サイダー』のチェリー味と、ピーチ味であった。ユキは…
ユキ「…これにします。」
ピーチ味を選んだ。
翔「お前、汗かいてるだろ?水分ぐれぇ摂れ。」
翔はユキの様子を見て言う。確かに、ユキは少し汗をかいていた。
ユキ「ありがとうございます…♪」
ユキは翔にお礼を言うと、微笑んだ。翔はさっそく、仮面サイダーを飲む。それを見たユキも、仮面サイダーを飲み始める。ユキはある程度飲んだ後、翔に寄りかかり、甘えようとするが…
翔「おい、引っ付くな。」
翔に拒まれてしまった。
ユキ「…ごめんなさい…」
ユキはすぐに翔から離れた。彼女は、翔の表情を伺う。
ユキ「…。」
ユキ(翔さん…悲しい表情を浮かべています……)
彼の表情は、とても悲しそうであった。更に、彼を観察すると……ウミネコの群れを見ていた。ユキは確信した。
ユキ(翔さんは…『孤独感』を、感じてしまっています……)
ユキは翔に何と声を掛けたら良いのか分からず、戸惑っていた。そこに……
???「あ、いたいた!」
???「いやぁ~やっと見つけたっすよ~ユキさん。」
2人の少女がこちらに向かって来た。1人はツインテールの髪型が特徴の少女で、もう1人は水色の髪が特徴で、気だるげな雰囲気な少女である。
ユキ「…アヤさん、ヤマダさん。」
ユキは2人の少女の名を呼ぶ。ツインテールの少女が『アヤ』 、水色の髪の少女が『ヤマダ』だ。
アヤ「全くもう、目を離した隙にす~ぐどっか行っちゃうんだから…」汗
ヤマダ「探すの大変だったんすよ…」汗
ユキ「…ごめんなさい。」
翔(子どもか…)汗
翔はそう思いながら、サイダーを飲む。
アヤ「…!…翔。」
ヤマダ「おぉ、まさかここで翔さんに会えるとは、運命なんすかねぇ~。フヒヒッ。」
翔(何言ってんだコイツ…)汗
翔は知らんぷりしてサイダーを飲んでいる。
アヤ「あたしは『アヤ』よ。よろしくね、翔♪」
ヤマダ「ども~『ヤマダ』っす。よろしくっす、翔さん♪」
アヤとヤマダは翔に軽く自己紹介をした。
翔「…青空 翔…」
翔も軽く自己紹介をした。
アヤ「翔。」
アヤは翔の側に寄り、彼の右隣に来てしゃがんだ。
アヤ「どうしたの、悲しそうな顔して。」
アヤは心配して、翔に訊ねる。
翔「どうもしてねぇよ…」
翔は突き放すように言う。
アヤ「それなら良いんだけど……体調とかは崩してない?夜はちゃんと眠れてる?」
翔「…お前に関係ねぇだろ……」
アヤ「関係ないで済ませないでよ~…」
翔「…うるせぇな…ほっとけよ…!」イラッ
翔はアヤに冷たく言い放った。
アヤ「あっ…ごめん…翔…」
翔「…。」
アヤはシュンとして、翔から離れた。
ヤマダ「アヤさん、まるでオカンっすね。」
ユキ「アヤさん、お母さんみたいです。」
アヤ「はぁ!?…違うわ!」
ヤマダ「フヒヒッ、オカンじゃなくて鬼っすねw」
アヤ「何ですって~!?」
DollsチームCは、こんな感じのやり取りをしている。翔はそんな彼女達を無視して、仮面サイダーを飲んでいた。
アヤ(『仮面サイダー』ね…今度あたしも飲んで見ようかしら?)
アヤは翔を見て、そう思った。
そんな彼らの様子を陰から見ている者がいた。
C(何だアイツ!?オレのユキに何をしたんだ!?)
彼は『転生者 C』、マナーの悪い転生者『ジャドウ』である。ちなみに、彼の推しのヒロインは『ユキ』である。
翔「…?」
翔(…誰か来てるな…ジャドウか?)
翔はジャドウの気配を感じていた。
翔(…後ろから分かりやすい位、殺気が出てるな。)
そして……
C「おい!テメェ!」
建物の陰から、Cが姿を現した。
翔「…?」
翔はベンチから立ち上がり、Cの方に振り向く。DollsチームCのメンバーは、翔の元に移動し、Cの方を向き、不機嫌そうな表情を浮かべ、Cを見る。
C「何なんだよテメェ!!」
翔「お前が何なんだよ。」汗
C「そんな事はどうでもいい!誰だテメェは!?」
翔「青空 翔、お前は?」
C「うるせぇ!オレのユキに何をしたんだ!?」
Cは名前を名乗ろうとしない。そんな彼の態度に、チームCのメンバーは呆れていた。
ヤマダ「おやおや、初対面の相手に名前を名乗れないんすか?」
アヤ「随分と失礼じゃない。」
ユキ「翔さんは、ちゃんと名乗っていました。」
C「…!?」
チームCのメンバーは、ゴミを見るような目でCに言う。
C「…Cだ。それより青空!オレのユキに何をした!?」
名前を名乗ってすぐに、感情的になるC。
翔「サイダーを奢った。そこの自販機で買ったんだ。」
翔は自販機を指差す。
C「まさか…そのサイダーに惚れ薬が入っていたんだろ!?」
翔「んな訳ねぇだろ、もしそうだったらコイツを作っているメーカーはとっくに捕まってるわ。もうちょいマシな推理しろよ、ど阿呆。」
C「んだとぉ!?」
翔「なら、このサイダーに惚れ薬が入っていると感じた根拠は何だ?」
C「そ、それは……」
翔「何にも言えねぇか…さっきのお前の発言は、お前の勝手な思い込みだ…自分の思い込みは根拠にはならねぇよ。根拠っつうのは、物事等の決め手となる明確な事実のことだ。」
C「…っ!!」
Cは翔の言葉攻めに、反撃できなかった。
アヤ「てかアンタ、何が『オレのユキ』よ…気持ち悪い…」
アヤは冷たい視線をCに向ける。
C「えっ!?…ア、アヤ…?」
アヤ「気安く名前を呼ばないで貰える?」
ヤマダ「つーか、まだ付きまとってたんすか?マジ鬱陶しいっす…」
ヤマダもCに冷たい視線を向ける。
C「ストーカーとは心外な!オレは君たちの身に何か起きないかいつも陰から見守っているだけなんだ!これは君たちのためなんだよ!」
ヤマダ「結局ストーカーじゃないっすか。てか、そういうのいらねぇっす…」
C「うぐっ…!」
Cの表情が青ざめる。
ユキ「…。」
ユキは翔の後ろに隠れており、Cに敵意を向けていた。
C「そ、それよりユキ!ソイツから離れてオレの元に来るんだ!オレと君は結ばれる運命なんだよ!」
Cは訳のわからないことを言い、ユキを説得(?)するが…
ユキ「私、貴方のこと…嫌いです。」
無駄だった。
アヤ「残念だったわね。ユキはアンタよりも翔の方が良いのよ。ま、あたしもだけどね♪」
ヤマダ「ジブンも翔さんが良いっすね♪アンタのように欲望にまみれた奴よりも、純粋な翔さんの方が何万倍も良いっすよ。」
チームCは翔の側にいて、Cの元に行こうとする意志が全く感じられない。
C「そ、そんなの…納得いくかぁぁああああああああああ!!」
Cは発狂すると、
C「死ねぇ青空ァァアアアアアアアア!!」
構えも取らず、翔に襲いかかった。そして、
ドカッ!
C「げぶぁあっ!」
翔に顔面を蹴られ、宙を舞い、背中から地面に落ちた。
C「ぐっ…!!くそがぁぁああああああ!!」
Cは起き上がると、ポケットからナイフを取り出し、再び翔に襲いかかる。翔はCの腹部に蹴りを入れる。案の定、Cは翔の蹴りの餌食になり、後方に吹っ飛ばされ、背中から地面に叩きつけられた。更に…
C「ぐぶっ…しまった、ナイフが…!」
Cの手からはナイフが離れていた。
C「こうなったらぁ!」
Cはスタンガンを取り出し、再び翔に襲いかかるが……翔は回し蹴りでCの右手を蹴る。Cの右手からスタンガンが離れ、スタンガンは海に落ちていった。丸腰となったCは、翔の連撃の餌食となり、もはや反撃すらできなかった。…と、周りのDollsファンが何事かと集まって来た。
翔(ヤベ、人が集まって来ちまった…)
翔は若干心配するが…
アヤ「皆!あの黒い腕輪の男、またあたし達のストーカーをしてるの!そこに、翔が助けに来てくれたの!」
アヤが声をはって演説をする。
ファン達「アヤちゃんの言うことは絶対だ!」「黒い腕輪の男、まだ懲りてねぇのかよ!」「銀の腕輪のお兄さん、ストーカー男をやっつけてくれ!!」
アヤの演説が効いたのか、Dollsファン達は、翔を応援する。
C「んなっ!?」
C(そんな…オレが応援される筈なのに、オレはモテモテの筈なのに……何で…何でアイツが…!?)
Cは状況を理解できずにいた。
C(そうか…皆、青空に洗脳されているに違いない!…だったらオレが、皆を救ってやる!)
頭の中で意味不明な妄想をしながら、Cは立ち上がる。
翔「…。」
翔は構えを取らず、静かに待ち構える。
C「うぉぉおおおおおおお!!」
Cは翔目掛けて走り出すと、右の拳を大きく振りかぶった。翔はそれを避けると、カウンターでCを攻撃した。そして、怯んだCの足を蹴って転ばせ、起き上がろうとするCの背中に踵を落とした。
C「!!??」
Cは声を出せず、地面に叩きつけられた。翔は一旦、Cと距離を取る。Cはヨロリと起き上がると…
C「皆…!…コイツを、サツに通報しろ!…コイツが、いきなりオレに、襲いかかって来たんだぁ!」
翔を指差し、濡れ衣を着せようとする。しかし…それはヤマダに阻止される。
ヤマダ「なに被害者面してるんすか?アンタがいきなり翔さんに襲いかかったんでしょ?」
C「…!!」
ヤマダの発言に、Cの表情がみるみる青ざめていく。
ヤマダ「分かりやす…」
ヤマダはCを見て呆れた。
ユキ「この場に、貴方の味方はいません。」
ユキがCにそう言うと…
ファンF「ヤマダ氏の目は誤魔化せねぇぞ!」
ファンG「てめぇ、いつまでチームCに付きまとってんだよ!」
ファンH「ユキちゃんの言うとおり、この場にお前の味方なんていねぇからな!」
ファンI「お前のその青ざめた顔を見れば、お前が嘘をついていることなんてすぐに分かるんだよ!」
Dollsファン達も、Cに口々に言う。
C「…!!…くそぉぉおおおおおお!!」
ヤケクソになったCは、翔目掛けて走り出す。翔はCの腹部にハイキックを繰り出した。
C「ぐぶぉぁあああああ!ぐえっ…」
吹っ飛ばされたCはゴミ箱に頭からダイブして、戦闘不能になった。
翔「はぁ…」
Cに勝利した翔は、ため息をついた。その後、Dollsファン達から拍手、感謝を受けたが、翔は……何も言わずにその場を去った。
チームC「…。」
DollsチームCのメンバーは、去っていく翔が見えなくなるまで、彼の背中を見届けた。
アヤ(ありがとう、翔…♪)
ユキ(翔さん、ありがとうございます…♪)
ヤマダ(翔さんには、マジで感謝っすね…♪)
DollsチームCは去っていった翔に、優しく微笑んだのであった。
その日の夜…
翔は自宅のマンションで、Cの情報を整理していた。
翔(Cと名乗っていた男の左腕には黒い腕輪がついていたな。奴もジャドウで間違いないな。『ユキ』って奴を『オレのユキ』って言ってたな…)
翔は呆れている様子であった。
翔「アイツは物じゃないし、選ぶ権利だってあるだろうに…」汗
そう呟き、1人考え事をする翔であった。
後日、翔はDollsファン達から信頼され、一部のファン達からは『兄貴』と呼ばれるようになったのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
ここで『転生者 C』について、少し紹介します。
転生者 C…ジャドウの1人。彼は、自分推しのヒロインが自分の物にならないと気が済まないという、何とも身勝手な性格の転生者。幾多の転生世界では、他転生者や原作主人公がヒロインと関わることを邪魔した挙げ句、自分はヒロインを寝取り、最悪の場合…他転生者、更には原作主人公を殺害し、転生世界を崩壊へと導いた。
いきなりヤバい奴が登場したな…って、私は思いました(笑)。
次回は、ドールハウスに所属する、あの“お姉さん”の出番です。ジャドウも少しだけ登場します。お楽しみに。
では、またね