〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
絶望を目の当たりにした青空 翔。そんな彼に、ドールハウスの関係者や、彼の友人達は必死で呼び掛けるが……
では、本編……どうぞ……
大切な仲間が倒れ、絶望に埋もれる寸前に追い詰められた翔。
翔(嘘だ……)
斑目『青空!おい、青空ァ!!』
斑目は通信機から翔を呼ぶも……彼には、斑目の声は届いていなかった。
斑目『即時退避だ!お前まで失うわけにはいかん!!』
翔「……。」
翔(嘘だ、嘘だ……こんなの……)
翔は項垂れる。彼の腹部には、コンドラーコアが壊れたアマゾンズドライバーが巻かれている。翔はドライバーの左グリップを捻ってみるも……
翔「……おい、動けよ……」
反応しない。そして、もう一度捻ってみる。
《……》
翔「動け……動けよ…………
動けっつってんだろぉ!!」
何度も捻っても、アマゾンズドライバーは反応しない。コンドラーコアが破壊され、使い物にならなくなってしまったのだ。
斑目『おい!聞こえないのか、青空ァ!!』
斑目は喉が潰れるほどの声で、必死で翔に対して呼び掛ける。しかし、彼には声が届くことはない……
一海「いってて……っ!!」
紫「うぐっ……っ!?」
友香「くっ!……っ!?」
諒芽「くっそぉ……っ!!」
一海達も、変身が解けていた。彼らは大した怪我はしていないものの、目の前の光景を見て……言葉を失う。
一海&紫「「翔!!」」
友香「翔さん!!」
諒芽「翔ちん!!」
地面に膝をつき、項垂れている翔に……一海達は駆け寄った。
一海「翔!おい、翔!!」
紫「翔!私が分かるか!?翔!!」
友香「翔さん!?聞こえてますか、翔さん!!」
諒芽「翔ちん!大丈夫か、翔ちん!!」
彼らは翔に呼び掛けるも……
翔「……。」
翔には、彼らの声すら…届いていない。
デウス「……。」
デウスはそんな彼らの様子を見て、大袈裟に首を傾げる。
デウス「--やっぱり、気に食わない。致死の一撃だったはず。なぜ、生き残っている……?」
N「いってぇ……腰がァ……っ!!?」
Nも何とか起き上がり、立ち上がった。そして、目の前の光景に言葉を失った。Dollsは誰一人、立ち上がる気配はなく……そんな彼女達を前に、仮面ライダーアマゾンデルタに変身できなくなった翔が、絶望し……項垂れていた。
一海達「翔!おい、おいってば!!」「翔!翔!!」「翔さん!!翔さん!!!!」「翔ちん!何か言ってくれよ、翔ちん!!」
斑目『青空!青空ァ!!』
カナ『翔君!!翔君!!』
蜜璃『翔君!!大丈夫!?』
深雪『聞こえてますか、翔君!?』
元ストライカー『隊長さん!!』『隊長…!』『隊長サン!隊長サンってば!!』『隊長さん!返事して!?』
絶望に埋もれる寸前に追い詰められた翔に、必死に声をかける一海達とドールハウスの関係者と元ストライカー達。だが……彼らの声は、翔に届いている様子は全く感じられない。
N「…冗談じゃないわ……こんなのって……!!」
Nが震えていると、
デウス「----まぁ、いいさ。キミ、翔を始末するんだろう?」
R「はい。」(^U^)
デウス「なら、今がチャンスじゃないのかい?」
R「えぇ、感謝します。」
デウスがRに声をかけ、Rはグレイブラウザーを握り、ゆっくりと翔に近付く。
N「ちょっと!一海ちゃん、紫ちゃん、友香ちゃん、諒芽ちゃん!そっちに行ったわよ!!」
Nは必死で一海達に呼び掛けるも、一海達には届いていない。
R「……終わりだ、青空 翔。」
Rはそう言うと、翔目掛けて走りだし、グレイブラウザーを振り上げた。
一海達「「「「っ!!?」」」」
一海達が気が付いた時には、Rは翔にグレイブラウザーを振り下ろしていた。
ザシュッ!!
一海達「「「「っ!!!!」」」」
N「がはっ……!!」
斬られたのは翔ではなく、Nだった。Rが走り出す前に、Nは翔の元に走り、彼の身代わりとなったのだ。背中を斬られたNは、血を吐いて……地面に倒れた。
諒芽「N!!くっそぉ!!」
諒芽は前輪シューターを持ち、Rを殴り飛ばした。
R「ぐわっ!……っ!!!!!!」
Rからは張り付いた笑顔が消え、鬼のような形相になる。
R「何故邪魔をしたぁぁぁああああああああああ!!」
そして、グレイブバックルを展開し、仮面ライダーグレイブへと変身する。
諒芽「翔ちんを……俺のダチを死なせてたまるかぁぁぁああああああ!!」
《アクセル》
諒芽「変…身!!」
諒芽はアクセルメモリを起動させ、アクセルドライバーに挿し込み、右のハンドルを捻った。
《アクセル》
ベルトからはバイクのモーターのような轟音が響き、諒芽は『仮面ライダーアクセル』へと姿を変えた。そして、『エンジンブレード』を構え、グレイブと激突する。
グレイブ「邪魔をするなぁぁぁあああああああ!!」
アクセル「黙れ!!俺のダチに手ェ出そうとしやがって!!死んで詫びろぉぉおおおおおおおお!!」
グレイブのグレイブラウザーと、アクセルのエンジンブレードがぶつかり合い、火花を散らす。
デウス「おやおや、彼もまた……不安定だねぇ。」
デウスは逆上したグレイブを見て、微笑んでいた。
陽奈「あ、たいちょーはっけーーん!!」
デウス「…ん?」
デウスが後ろを振り向くと、そこには……ストライカーチーム『プロキオン・プディング』の5人と、『降神 陽奈』、『降神 小織』がいた。
天音「やっと見つけたわ。さ、アタシ達と一緒に来なさい?」
陽奈「陽奈達に隠れて浮気してたんだから、その責任…取ってもらうよ?」
ストライカー達は武器を構える。
紫「嘘だろ…こんな時に、ストライカー共…!」
一海「くっそぉ!!俺らが相手だ!!」
友香「翔さんが落ち込んでいるのを狙うなんて……許しません!!」
紫はスクラッシュドライバーを、一海はマッハドライバー炎、友香はゲネシスドライバーを装着し、
3人「「「変身!!」」」
《ワレルッ!クワレルッ!クダケチルゥッ!クロコダイルイィィンロォォオオオグ!オォォォォルルルァァアアアアアッッ!!……キャァァアアアアア!》
《ライダー!チェイサー!》
《ピーチエナジーアームズ》
仮面ライダーに変身した。
ローグ「一海、翔を頼む!」
マリカ「ストライカー達は私達がやります!」
チェイサー「あぁ、分かった!」
ローグとマリカはストライカーの相手をし、チェイサーは翔を守ることに専念した。
陽奈「ねぇ、そこのお嬢ちゃん?邪魔だけはしないでよね?」
陽奈はデウスに言う。
デウス「邪魔をするつもりは無いよ。連れて行きたければ連れて行くといい。」
デウスはストライカー達に言った。
天音「元からそのつもり、よっ!!!!」
天音はローグとマリカ目掛けて走りだす。他のストライカー達も天音に続いて走り出した。
天音「うおぉぉりぃぃいいやぁぁぁああああああああ!!」
ローグ「ふっ!!」ガキィンッ!
天音の大剣を、ローグは『スチームブレード』で受け止めた。そして、剣を弾き…
ローグ「はぁっ!!」ズパッ!
天音「ぎゃあっ!!」
真野「天音…っ!!」ジャカッ!
マリカ「させません!!」
真野が銃を構えると、マリカはソニックアローから矢を放ち、真野を攻撃する。
遥「陽奈ちゃん!小織ちゃん!早く隊長さんを!!」
小織「うん。」
陽奈「ほーい!」
小織と陽奈は、ローグとマリカの相手をプディングの5人に任せ、翔の元へ向かう。
チェイサー「来やがったか…!」
しかし、翔の近くにはチェイサーがいる。
陽奈「って、また邪魔者?」
小織「どいて、殺すよ?」
陽奈と小織は武器を構え、チェイサーを威圧する。
チェイサー「どかねぇよ。翔は今、幸せなんだ……俺はダチとして、翔の幸せを守る!!」
チェイサーはブレイクガンナーを持ち、銃口を小織と陽奈に向ける。
小織&陽奈「「っ!?」」
焦った降神姉妹は、矢と光弾を放つ。
チェイサー「ふんっ。」ズドドドドーーーー!!
チェイサーはブレイクガンナーから弾丸を放ち、矢と光弾を防いだ。
陽奈「はっ?えっ…?……な、何で!?」
チェイサー「俺は幾多の仮面ライダー達に鍛えられたんだよ。」
小織「あり得ない……っ!!」パシュパシュッ!!
チェイサー「無駄だ。」ズドドドドーーーー!!
小織が更に放った矢も、チェイサーは物ともせず、全て撃ち落とした。そこに……
ヴォォオオオオオンッ!……
愛「っ!?」
クリム「そ、そんなバカな…!?」
愛とクリム・スタインベルトが到着する。そして、目の前の無惨な光景に息を飲んだ。
チェイサー「片山先生、ベルトさん!翔とNを!!」
チェイサーに声をかけられ、急いで翔とNの元に向かう愛とクリム。
愛「翔君!!N君!!」
クリム「二人とも、しっかりするんだ!!」
翔「……。」
N「うぅっ……か…片、や…ま……さ、ん……」
Nは背中を斬られており、苦しそうにしている。
愛「N君!すぐに手当てするね!!」
愛はNの手当てを開始する。
N「アタ、シ……の……こ、と…は……いい、わ……翔、く…ん……を……」
愛「そうはいかないよ!!君がいないと、あたし寂しいよ!Dollsや元ストライカーの皆だって!斑目所長やカナちゃん、蜜璃ちゃん、深雪ちゃん…それに、ルリちゃんだって……翔君だって、寂しいよ!!」
愛は目に涙を浮かべながらも、懸命にNの手当てを急ぐ。しかし、ここには医療器具が無いため……充分な手当てをするのは困難である。
クリム「翔!君がしっかりしなくてどうする!?」
クリムは翔に声をかけつづける。
翔「……。」
クリム「Dollsが戦えないときに、何故君は戦わないんだ!?」
翔「……。」
クリム「…翔!!」
翔「……れ。」
クリム「っ!?」
翔「黙れ!!」
翔はクリムに怒鳴る。
翔「クリム・スタインベルト…お前ごときに、仲間を守れなかった無力さ、仲間を失った悲しみなんぞ、分かるわけねぇだろ!!」
翔は感情的になり、クリムに怒鳴りたてる。
クリム「落ち着くんだ、翔!Dollsはまだ死んだとは限らないだろう!!彼女達を仲間だと思うなら、彼女達が生きていることを信じ…そして、最後まで彼女達を守るんだ!」
翔「……!」
クリムの言葉に、翔はハッとする。
翔「……俺は……」
クリム「翔、彼女達を救えるのは君だけだ!私もついてる!!」
翔「…クリム・スタインベルト、お前……」
翔はゆっくりと立ち上がった。
チェイサー「翔、俺もいるぜ☆」
翔「…!?」
振り向くと、チェイサーに変身した一海が左手でサムズアップしていた。
ローグ「私もいるぞ、翔!」
ローグ(紫)も翔にサムズアップする。
マリカ「翔さん、私もついてます♪」
マリカ(友香)は翔に軽く手を振る。
アクセル「翔ちんの大大大親友である、俺もいるぜぇ!!へへん!」
アクセル(諒芽)は翔の近くに来て、彼の左肩に手を添えた。
N「翔、君……あな、た…は……一人、じゃ…ない、わ……」
Nは苦しそうにしながらも、翔に声をかけた。
翔「……。」
翔は目を閉じる。
陽奈「たいちょーってば!!」
チェイサー「っ……」イラッ…
チェイサーはブレイクガンナーから弾丸を放った。
陽奈「ちょっ、アブナイじゃん!!」
チェイサー「翔が絶望から立ち上がろうとしてんだ!水をさすんじゃねぇ!!」
天音「くっ……翔、アタシ達と来なさい!!」
いつみ「こっちは大変なんだよ!」
紗々「私達、ずっと寂しいんです~!」
喚くプディングのメンバーに、
マリカ「黙りなさい!」
《ピーチエナジースカッシュ》
ローグ「これ以上、貴様らに構っている暇など無い!」
《クラックアップフィニッシュ!》
マリカとローグは必殺技を撃ち込み、戦闘不能にさせた。
グレイブ「ふっ…ふっふっふっ、良い場面だ、感動的だな。だが、無意味だぁぁああああああああ!!」
グレイブはラウザーにカードを読み込み、アクセル目掛けて走りだす。
アクセル「無意味なんかじゃねぇ…」
《エンジン!マキシマムドライブ》
アクセル「俺たちの友情は、無意味なんかじゃねぇぇえええええええ!!」
アクセルはエンジンブレードで、走って来たグレイブを切り裂いた。
ズパァァアアアアアアッ!!
グレイブ「ぐああああぁぁぁぁぁぁ!」
グレイブは吹っ飛ばされる。更に、グレイブバックルを破壊され、変身が解け……Rの姿に戻った。
R「ぐっ……ああぁぁ……そんな…!」
Rは変身ベルトを破壊され、軽く絶望していた。
O「見つけたぞ、R!!」
そこに、OとPが現れる。
R「O、P……助けてくれ…!」
P「助けてくれ?…ふざけんじゃないよ!!あたしらを見捨てたくせに、自分がピンチになった途端に助けてとか、随分都合が良いよねぇ!?」
この時、OとPは…Rへの気持ちは、完全に冷めていた。そんな彼らをよそに、デウスは戦闘不能になったDollsに近付く。
ザッ……
そんな彼女の前に、翔が立ち塞がった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
目の前で仲間が戦闘不能になり、絶望に埋もれそうになった翔だが、一海達やドールハウスの関係者、元ストライカー達が声をかけつづけ、最後はクリム・スタインベルトの説得で、絶望から立ち上がった。
次回も、お楽しみに。
では、またね