〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。

絶望から立ち上がった翔は、戦闘不能になったDollsの前に立つ。その時……


じゃあ行きますか~?本編どうぞぉ~


第百十五話 奇跡に足る熱量

デウスがDollsに歩み寄った時、翔が彼女の前に立ち塞がった。まるで、『ここは通さない』と言っているように……

デウス「そこを退け。」

翔「…俺に命令をするな。」

デウス「彼女達はもう動くこともできないだろう。さあ、今から返してもらうよ。ボクたちの心臓を。だから、退くんだ。」

デウスは翔に言う。

翔「……退かねぇよ。」

デウス「やれやれ、頑固だなぁ……彼女達はもう死んでいるに等しいんだ」

翔「黙れ。」

翔はデウスを睨みながら言う。

翔「……ぜってぇ渡さねぇ。」

デウス「勘違いしないでくれよ。これは略奪じゃない。返却だ。」

翔「そんなことは関係ねぇ。Dollsとして過ごした時間は、皆のものだ。」

翔の言葉に、デウスからは笑顔が消える。

翔「てめぇには、ぜってぇ渡すわけねぇだろ。」

翔は真顔でデウスに言う。

デウス「人形たちはもう、動けない。そもそも、その執着に意味はない。」

デウスは笑顔で翔に言う。

デウス「人形たちは死んでいるんだ。心臓を挿した時から、ずっと。だから、キミのその執着はさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただの『妄信』なんだよ。」

デウスは口角を下げ、険しい顔を浮かべた。

翔「…くっ……クククク……」

デウス「……?」

翔「クッフッフッハッハッハッハッハッハッハ、アハハハハハハハハハハ!!」

突如、笑い出す翔。

デウス「…何がおかしいんだい?」

翔「てめぇの言ってることだよ。」

デウス「…何?」

翔「妄信なんかじゃねぇ、現実だ!!」

翔から笑顔が消える。

デウス「…救いがたいね。でも、だからこそ、救ってみせよう。」

デウスは翔に言う。

デウス「その妄信の中で生きたいなら、永遠に夢を見ているといい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ボクが眠らせてあげる。」

デウスの身体からフィールが溢れ出す。

翔「……。」

翔(終われるかよ……こんなところで……

 

やりてぇこと…やらなきゃいけねぇこと…9人には、山ほど残ってんだ…こんなところで、終わってたまるかよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コイツら(Dolls)を、終わらせてたまるか!!)

 

 

 

翔「上等だクソチキン野郎!!殺せるモンなら殺してみろォ!!」

翔は壊れたアマゾンズドライバーを捨て、クリム・スタインベルトとシフトブレスを装着する。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔の目の前が、眩い光に包まれた。

 

 

???『その意思--確かに受け取ったわ。』

 

翔「……!?」

気が付くと、翔は……夢で見た、あの幻想的な楽園に来ていた。

クリム「こ、ここは一体…!?」

突然訳の分からない世界に飛ばされ、混乱するクリム。彼らの目の前には、銀髪の女性が立っている。

???「……おめでとう。」

翔「またかよ……お前、何故……!」

???「アナタに心より言祝ぎを。心よりの、おめでとう、を。」

女性は、翔に微笑む。

翔「何言って----てか、デウス…!奴を止めねぇと!!おい、早くこっから出せ!俺は戻んねぇといけねぇんだ!!」

翔は女性に怒鳴る。

???「落ち着いて。これから話すことを聞いて。」

女性は翔に言う。

翔「ちっ……んだよ!?」

???「今、この瞬間をもって----アナタと人形たちの交流は奇跡に足る熱量を獲得しました。」

翔「……奇跡だと?」

クリム「どういうことだね?」

女性の言葉に、疑問を抱く翔とクリム。

???「アナタと人形たちの培ってきたフィール。私には想像もつかないほどの熱量をもったフィール…」

翔「何のことd----」

その時……翔の脳裏に、Dolls達と過ごした時間が蘇って来る。この世界に降り立ち、彼女達と初めて出会った時……

翔(これは……記憶……?いや、それだけじゃない…感情が……流れ込んでくる……)

???『なんて----膨大で----なんと暖かい----優しい感情----』

ドールハウス3巨頭と出会った時……Dolls達に心を開けず、罵倒した時……クリスマス会を通じ、彼女達に心を開いた時……巡回任務を共にした時……浄化ライブでの一時……ハワイアンズで青春を味わった時……

全ての記憶から、感情が溢れて来ている。

翔「これは…今までの……俺とDolls達の、記憶……それが奇跡を起こす……お前は、そう言っているのか……?」

翔は女性に問いかける。

???「胸を張ってください。アナタ達の感情が、奇跡を起こします。」

女性は翔に優しく言った。

翔「お前は……いったい……ぐっ----」

そこで、翔の視界が真っ暗になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デウス『ボクが思うに“少女”なんて宇宙で最も不安定だ。

 

安定しない感情、安定しない能力、移ろい、たゆたい、可変的で、不確定なもの……

 

--なぜなんだ?なぜ、そんなものに心臓を消費するんだ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔(……ああ。

 

 

そうか。

 

 

--そういう、ことだったのか。

 

 

何故、アイツら(Dolls)は強いのか。

 

 

それは、きっと----)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翔は再び…あの楽園に召喚される。

 

 

 

翔「……ありがとう。お前のおかげで----」

???「……。」ニコッ

女性は翔の近くに歩み寄り、

???「これを、受け取って。」

あるものを手渡す。

翔「これは……カギ?」

???「そう、カギ。奇跡の扉を開くカギ。」

翔「……奇跡の扉を、開く鍵。」

翔は小さな鍵を見る。

翔「不思議なもんだ……今なら、分かるような、気がする……」

その時…翔の視界を、更に眩しい光が包んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『いってらっしゃい。さあ、時を戻しましょう。

 

 

アナタのその手で----

 

 

扉を、開いて----』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翔は決戦の地へと戻って来た。

チェイサー「っ!?…翔。」

翔「戻って、来たか…」

彼の左手には、あの小さな鍵が握られていた。

デウス「----なんだ、今のは。」

疑問を抱くデウスだが、翔の左手にある鍵の存在に気付く。

デウス「いや、待つんだ。その手にある、カギは----」

翔(コイツをどう使うか……俺の身体は……不思議とそれを知っている--)

翔「テアトル……展開!!!!」

翔は鍵を上空に掲げる。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ……キランッ……

 

 

 

 

 

 

 

パァァアアアアアアアアアーーーー!!!!

 

ドアの鍵が開く音が聞こえたと思ったら、次の瞬間……Dollsが開く結界『テアトル』が展開する。それも、今までのテアトルよりも、断然大きい。そして、辺りにはあの楽園のような、幻想的な空間が広がった。

PPP--

斑目『青空、どうした!?応答を--』

カナ『ま、斑目さん…池袋に…巨大なテアトルが--』

斑目『なんだと--!』

突然の出来事に、斑目もカナも混乱している。

ローグ「な、何なんだ…これは……!?」

マリカ「一体、何が起こって…!?」

アクセル「うほぁぁああああああ、何じゃこりゃぁぁあああああああああ!!?」

チェイサー「翔……お前なのか、この空間を生み出したのは……?」

ローグ、マリカ、アクセル、チェイサーも混乱していた。

N(あぁ、アタシは今……夢でも見てるのかしら……?)

愛「しょ…翔、君……?」

O「おい、一体何なんだ!?」

P「もう訳が分からないよ!!」

R「……。」

Nは希望を抱き、愛、O、Pは混乱し……Rは呆然としていた。

デウス「……まさか。これほどの加護を降ろせるほど、キミと人形が感情を積み重ねてきたのか--!」

デウスには、先程の勝ち誇ったような勢いは消えていた。

デウス「なぜ、なぜだ。なぜ、こんなことが----」

遂には、混乱し始める。

翔「さぁ、始めるぞ……デウス。」

デウス「っ!?」

デウスが振り向くと、そこには……戦士の瞳を宿した翔が立っていた。

翔「幕引きをすんのはてめぇじゃねぇ--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--俺たちだ!!」




いかがでしたか?今回はここまでです。



何か、空白だらけになっちまったような気がしないこともない。いや、空白が多いな、うん……

次回も、お楽しみに。

ではでは、オヤスミ~
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