〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
絶望から立ち上がった翔は、戦闘不能になったDollsの前に立つ。その時……
じゃあ行きますか~?本編どうぞぉ~
デウスがDollsに歩み寄った時、翔が彼女の前に立ち塞がった。まるで、『ここは通さない』と言っているように……
デウス「そこを退け。」
翔「…俺に命令をするな。」
デウス「彼女達はもう動くこともできないだろう。さあ、今から返してもらうよ。ボクたちの心臓を。だから、退くんだ。」
デウスは翔に言う。
翔「……退かねぇよ。」
デウス「やれやれ、頑固だなぁ……彼女達はもう死んでいるに等しいんだ」
翔「黙れ。」
翔はデウスを睨みながら言う。
翔「……ぜってぇ渡さねぇ。」
デウス「勘違いしないでくれよ。これは略奪じゃない。返却だ。」
翔「そんなことは関係ねぇ。Dollsとして過ごした時間は、皆のものだ。」
翔の言葉に、デウスからは笑顔が消える。
翔「てめぇには、ぜってぇ渡すわけねぇだろ。」
翔は真顔でデウスに言う。
デウス「人形たちはもう、動けない。そもそも、その執着に意味はない。」
デウスは笑顔で翔に言う。
デウス「人形たちは死んでいるんだ。心臓を挿した時から、ずっと。だから、キミのその執着はさ。
ただの『妄信』なんだよ。」
デウスは口角を下げ、険しい顔を浮かべた。
翔「…くっ……クククク……」
デウス「……?」
翔「クッフッフッハッハッハッハッハッハッハ、アハハハハハハハハハハ!!」
突如、笑い出す翔。
デウス「…何がおかしいんだい?」
翔「てめぇの言ってることだよ。」
デウス「…何?」
翔「妄信なんかじゃねぇ、現実だ!!」
翔から笑顔が消える。
デウス「…救いがたいね。でも、だからこそ、救ってみせよう。」
デウスは翔に言う。
デウス「その妄信の中で生きたいなら、永遠に夢を見ているといい。
…ボクが眠らせてあげる。」
デウスの身体からフィールが溢れ出す。
翔「……。」
翔(終われるかよ……こんなところで……
やりてぇこと…やらなきゃいけねぇこと…9人には、山ほど残ってんだ…こんなところで、終わってたまるかよ……
コイツら(Dolls)を、終わらせてたまるか!!)
翔「上等だクソチキン野郎!!殺せるモンなら殺してみろォ!!」
翔は壊れたアマゾンズドライバーを捨て、クリム・スタインベルトとシフトブレスを装着する。その時……
翔の目の前が、眩い光に包まれた。
???『その意思--確かに受け取ったわ。』
翔「……!?」
気が付くと、翔は……夢で見た、あの幻想的な楽園に来ていた。
クリム「こ、ここは一体…!?」
突然訳の分からない世界に飛ばされ、混乱するクリム。彼らの目の前には、銀髪の女性が立っている。
???「……おめでとう。」
翔「またかよ……お前、何故……!」
???「アナタに心より言祝ぎを。心よりの、おめでとう、を。」
女性は、翔に微笑む。
翔「何言って----てか、デウス…!奴を止めねぇと!!おい、早くこっから出せ!俺は戻んねぇといけねぇんだ!!」
翔は女性に怒鳴る。
???「落ち着いて。これから話すことを聞いて。」
女性は翔に言う。
翔「ちっ……んだよ!?」
???「今、この瞬間をもって----アナタと人形たちの交流は奇跡に足る熱量を獲得しました。」
翔「……奇跡だと?」
クリム「どういうことだね?」
女性の言葉に、疑問を抱く翔とクリム。
???「アナタと人形たちの培ってきたフィール。私には想像もつかないほどの熱量をもったフィール…」
翔「何のことd----」
その時……翔の脳裏に、Dolls達と過ごした時間が蘇って来る。この世界に降り立ち、彼女達と初めて出会った時……
翔(これは……記憶……?いや、それだけじゃない…感情が……流れ込んでくる……)
???『なんて----膨大で----なんと暖かい----優しい感情----』
ドールハウス3巨頭と出会った時……Dolls達に心を開けず、罵倒した時……クリスマス会を通じ、彼女達に心を開いた時……巡回任務を共にした時……浄化ライブでの一時……ハワイアンズで青春を味わった時……
全ての記憶から、感情が溢れて来ている。
翔「これは…今までの……俺とDolls達の、記憶……それが奇跡を起こす……お前は、そう言っているのか……?」
翔は女性に問いかける。
???「胸を張ってください。アナタ達の感情が、奇跡を起こします。」
女性は翔に優しく言った。
翔「お前は……いったい……ぐっ----」
そこで、翔の視界が真っ暗になった。
デウス『ボクが思うに“少女”なんて宇宙で最も不安定だ。
安定しない感情、安定しない能力、移ろい、たゆたい、可変的で、不確定なもの……
--なぜなんだ?なぜ、そんなものに心臓を消費するんだ。』
翔(……ああ。
そうか。
--そういう、ことだったのか。
何故、アイツら(Dolls)は強いのか。
それは、きっと----)
そして、翔は再び…あの楽園に召喚される。
翔「……ありがとう。お前のおかげで----」
???「……。」ニコッ
女性は翔の近くに歩み寄り、
???「これを、受け取って。」
あるものを手渡す。
翔「これは……カギ?」
???「そう、カギ。奇跡の扉を開くカギ。」
翔「……奇跡の扉を、開く鍵。」
翔は小さな鍵を見る。
翔「不思議なもんだ……今なら、分かるような、気がする……」
その時…翔の視界を、更に眩しい光が包んだ。
???『いってらっしゃい。さあ、時を戻しましょう。
アナタのその手で----
扉を、開いて----』
そして、翔は決戦の地へと戻って来た。
チェイサー「っ!?…翔。」
翔「戻って、来たか…」
彼の左手には、あの小さな鍵が握られていた。
デウス「----なんだ、今のは。」
疑問を抱くデウスだが、翔の左手にある鍵の存在に気付く。
デウス「いや、待つんだ。その手にある、カギは----」
翔(コイツをどう使うか……俺の身体は……不思議とそれを知っている--)
翔「テアトル……展開!!!!」
翔は鍵を上空に掲げる。その時……
ガチャ……キランッ……
パァァアアアアアアアアアーーーー!!!!
ドアの鍵が開く音が聞こえたと思ったら、次の瞬間……Dollsが開く結界『テアトル』が展開する。それも、今までのテアトルよりも、断然大きい。そして、辺りにはあの楽園のような、幻想的な空間が広がった。
PPP--
斑目『青空、どうした!?応答を--』
カナ『ま、斑目さん…池袋に…巨大なテアトルが--』
斑目『なんだと--!』
突然の出来事に、斑目もカナも混乱している。
ローグ「な、何なんだ…これは……!?」
マリカ「一体、何が起こって…!?」
アクセル「うほぁぁああああああ、何じゃこりゃぁぁあああああああああ!!?」
チェイサー「翔……お前なのか、この空間を生み出したのは……?」
ローグ、マリカ、アクセル、チェイサーも混乱していた。
N(あぁ、アタシは今……夢でも見てるのかしら……?)
愛「しょ…翔、君……?」
O「おい、一体何なんだ!?」
P「もう訳が分からないよ!!」
R「……。」
Nは希望を抱き、愛、O、Pは混乱し……Rは呆然としていた。
デウス「……まさか。これほどの加護を降ろせるほど、キミと人形が感情を積み重ねてきたのか--!」
デウスには、先程の勝ち誇ったような勢いは消えていた。
デウス「なぜ、なぜだ。なぜ、こんなことが----」
遂には、混乱し始める。
翔「さぁ、始めるぞ……デウス。」
デウス「っ!?」
デウスが振り向くと、そこには……戦士の瞳を宿した翔が立っていた。
翔「幕引きをすんのはてめぇじゃねぇ--
--俺たちだ!!」
いかがでしたか?今回はここまでです。
何か、空白だらけになっちまったような気がしないこともない。いや、空白が多いな、うん……
次回も、お楽しみに。
ではでは、オヤスミ~