〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



Nが亡くなり、悲しみに暮れている翔の前に、あの女性が現れる。この回で、幻想的な楽園の主の名前が、明らかに……!?

本編行きま~す。どぅぞ


第百二十話 庭園の記憶とNとの思い出

翔が目を開けると……また、あの幻想的な楽園に来ていた。楽園には心地よい風が吹き、花々の花びらが舞っている。

翔「……。」

翔は辺りを見回すが、誰もいない。

翔「…おい、いるんだろ?出てこいよ。」

翔がそう言うと、彼の前にあの女性が姿を現した。

???「お帰りなさい。」

翔「お帰りなさいだぁ?バカ言ってんじゃねぇ、ここは俺の家じゃねぇだろうが。」

翔は女性に悪態をつきながら言う。

???「それもそうね。でも……この庭が、アナタの役に立って嬉しいわ。」

女性は翔に言う。

翔「まぁ、今回ばかりは、礼を言う。…力を貸してくれて、ありがとう。」

真顔ながらも、女性にお礼を言う翔。

???「私は力なんて貸してないわ。ただ、私の庭園を貸しただけ。全てはアナタと人形たちが積み重ねてきた感情の賜物。でも、そうね……」

翔「……?」

???「お礼を言われるのは……なんだか嬉しい。」

そう言って微笑みを見せる女性。

翔「単刀直入に聞く。」

???「…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「お前が--『EsG』なんだな?」

 

翔は女性に言う。すると……

???「……ふふ。今日は楽しいお話ができそう。」

と、女性は笑った。

翔「質問に答えろ。どうなんだ?」

???「EsGは名前ではありません。私が作り上げた、この空間そのものの名前。」

翔「…何だと?」

???「『ES・GARDEN』--またの名を『果ての庭園』。」

彼女曰く……EsGというのは、翔が今いる空間自体の名前であり、正式名称は『ES・GRIDMAN(果ての庭園)』というらしい。

マキナ「私は此処の管理を務める者。名前は--

 

 

 

 

 

 

 

 

--マキナ。」

漸く、名前を名乗った女性。『マキナ』……それが、彼女の名前だ。

翔「マキナ……」

マキナ「アナタがデウスの名を呼んでいるのを聞いて、少しうらやましくなっちゃった。」

翔「……。」

翔(…コイツ、デウスのことを知ってるのか……?)

マキナ「あとで、あの子を呪っておこうかしら。」

マキナは、何やら不機嫌そうな顔をしていた。

翔「お前は本当に何者なん----」

その時……

マキナ「名前を、呼んで。」

と、マキナは翔にお願いしてきた。

翔「…は、はぁっ?」

いきなりお願いされ、困惑する翔。

翔「…マ、マキナ…?」汗

戸惑いつつも、マキナの名を呟く翔。すると……

マキナ「そう、もっと……」

マキナは翔の目の前にいた。

翔「っ!?」

ビックリした翔は、手が出てしまう。

 

ゴッ!

 

マキナ「痛っ!?」

翔の手は、マキナの頭に命中した。

翔「きゅ、急に近づくんじゃねぇよ!!ビックリするだろ!?」

翔は軽く過呼吸を起こしながら、マキナに怒る。

マキナ「ご、ごめんなさい!だから、もっと名前を呼んで!!」

翔「分かった、分かったから!!マキナ!!」

慌ててマキナの名を叫ぶ翔。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プツンッ……

 

 

 

 

 

翔の視界が真っ暗になった。

 

翔「って、ちょっと待て!まだ、お前に聞きてぇことが----」

マキナ『時間なら、またいつでも。ずっと、そばにいるのだから。あ、叩いてしまったことは、気にしないで。私が悪かったのだから。』

翔「お前は--お前達は--いったい、何者なんだよ----!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「っ!?」ガバッ!

翔が目を覚ますと、そこは……ドールハウスの医務室だった。

深雪「目が覚めましたか?」

翔「っ!?」

声が聞こえた方を振り向くと、そこには深雪と蜜璃が心配そうな表情で、翔を覗き込んでいた。

蜜璃「翔君、ドールハウスに戻ってきた途端に倒れちゃったから……大丈夫?どこか痛いところとか無い?」

蜜璃は翔に訊ねる。

翔「…大丈夫だ、心配かけたな。」

翔はそう言うと、ベッドから降りる。

蜜璃「寝てなくて大丈夫?」

翔「平気だ……それより、Nは…?」

翔の質問に、深雪と蜜璃は思わず…言葉を飲んだ。

深雪「N君なら、あそこに……」

深雪の視線の先には、棺があった。翔は棺の方に行き、覗き窓を見る。そこには……優しい顔をしているNの遺体があった。

翔「……。」

翔は目を閉じ、俯いてしまう。深雪と蜜璃は、翔の背中を擦ったりして、静かに彼を慰めた。

 

 

 

その頃、ドールハウスにある観測室では……

 

翔が不在の状態で、話が行われていた。ちなみに、翔を不在にさせたのは、斑目だ。悲しみに暮れている中では、話の内容が耳に入って来ない……それなら、気持ちを整理する時間が必要だろう、という判断だ。

斑目「皆、改めて…タロスとの戦い、ご苦労だった。」

斑目は翔以外のメンバー達に言う。

斑目「あのとき、あの巨大テアトルの中で何が起こったかは、未だ以て不明だ。」

一海達「「「「……。」」」」

愛「……。」

巨大テアトルの中で起きていたことは、一海達と愛だけは知っていた。だか、口に出そうとは思っていなかった。

斑目「しかし、お前達が掴み取った戦果は、確かなものとして残っている。」

カナ「タロスの骸から、大量のサンプルとパンドラの心臓の回収に成功しました。現在、総力をあげて解析に当たっています。」

タロスの死骸からは、おびただしい数のサンプル…更には、あの“パンドラ”の心臓までも、回収されたのだった。今は、解析班が解析している最中だそうだ。

サクラ「あの…1つ、いいですか?」

ここで、サクラが口を開く。

サクラ「デウスさんの目的は、私たちのギアだって……」

ヒヨ「確かに…言ってた。それに、パンドラちゃんの心臓って……」

シオリ「パンドラの心臓は、まるでギアのように動いていました。」

そして、シオリは斑目に質問をぶつける。

シオリ「…“ギア”とは何なのですか?このギアは本来、誰のものなのですか…?」

その質問に、斑目は……

斑目「ドールに関しては未だに謎が多い。そういうもの、としか説明ができないな。」

と、言った。彼女でも、まだ分からないことが多いそうだ。

 

 

 

斑目「今は、まだ、な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かに、色々と話していないことはある。だが、それをここで言うつもりはない。時が来たら必ず話す。今は--断じて、その時期ではない。」

斑目の言葉に、カナは険しげな顔をした。

サクラ「…わかりました。斑目さんを信じます。」

ナナミ「私は納得いかないですけど…まあ、今のところは空気読んでおきます。それに、翔さんがここにいませんし、私たちだけ知るのも、何だか嫌な気がします。」

斑目の言葉に、メンバー達は複雑な様子だか……渋々ながらも、納得した。

斑目「----助かる。」

斑目はメンバー達に言う。

斑目「現在、池袋の汚染度を調査中だ。結果がでるまでは、1度、解散とする。」

斑目はメンバー達に解散を促した。メンバー達は解散し、観測室から出た。メンバー達全員が退出したことを確認したドールハウス3巨頭は、医務室へと向かった。

 

 

 

その頃、医務室では……

 

翔はNの遺体から離れず、ずっと近くにいた。

コンコンッ……

深雪「はい。」

斑目「斑目だ、カナと片山もいる。」

深雪「どうぞ。」

深雪がそう言うと、ドールハウス3巨頭が医務室に入った。室内には、Dollsと元ストライカー達、更に一海達もいた。

翔「……。」

翔はずっと、俯いたままだ。そんな彼の元に、愛が向かう。

愛「……翔君。」

翔「……。」

愛「……ごめんね……N君を…助けられなくて……」

翔に謝罪をする愛。

翔「……。」

未だに、黙っている翔。

斑目「……青空。」

Dolls「…翔さん…」「翔君……」「……翔…」

元ストライカー「隊長さん…」「…隊長殿…」「隊長サン…」

カナ「…翔君……」

一海達「翔……」「翔さん…」「…翔ちん。」

メンバー達は、酷く落ち込む翔を心配していた。

翔「……Nの奴、『オカマ』とか『オネェ』って言うと、すっげぇ怒ってたよな……」

愛「…うん。」

翔の話に、メンバー達は耳を傾ける。

翔「……任務にも協力してくれて、めちゃくちゃ助かったよ……」

愛「…うん。」

翔「…色んな表情を、俺たちに見せてくれた……けど……」

翔は顔をあげると、メンバー達の方に振り向く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「……笑っている顔しか、浮かんで来ねぇんだ……」

 

 

 

 

 

翔は寂しそうな顔をしながら言った。彼の頭には、Nの色んな笑顔だけが浮かんで来ていた。

 

 

N『ホント!?…や、やったわ……やったやった!!やったわぁぁああああああ!!』

翔に受け入れられた時に、見せた笑顔……

 

 

N『あぁ、遂に…青春を味わえるのね♪』

 

 

N『…えぇ。アタシ、ずっと夢だった青春を味わうことができたもの……悔いは無いわ。』

 

 

N『本当に良かったわ!また、行きたいわね。』

ハワイアンズで青春を楽しんだ時に、見せた笑顔……そして……

 

 

N『…翔君……こんな、アタシを……受け入れて、くれて……ありが…と……う…………』

Nの最期の笑顔……

 

 

 

悲しみに暮れる翔からは、Nの笑顔が離れずにいた。

翔「俺……Nが死んだのが……未だに、受け入れられねぇ……何で、Nが……」ポロポロ……

翔は再び涙を流す。

愛「…翔君…っ!!」ギュッ!

そんな彼を、愛は抱きしめることしかできなかった。他のメンバー達は、かける言葉が見つからず、黙り込んでしまっていた。

 

 

 

Nの葬儀はドールハウスで行われ、ドールハウスの関係者、ルリ、元ストライカー達、一海達……そして、翔はNの死を痛み…そして、悲しんだのであった。




いかがでしたか?今回はここまでです。



ドラマ『信長協奏曲』の要素を入れました。皆さん、どこだかわかりましたか?


次回も、お楽しみに。
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