〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
この物語の1つ前の物語にタイトルを書き忘れ、慌ててタイトルを書きました(笑)。いやぁ、失敗失敗…たはは……汗
この物語を書き終えた後に、浄化ライブの後日談を投稿します。
では、どうぞどうぞ……本編へ
マキナ『もうすぐ。
もうすぐだから。
もうすぐ、一緒に----
この庭園で見届けましょう。
きっと、アナタが求める結末が、そこに、あるはずだから--
さあ、あきらめましょう
何もかも、全て------』
翔「……?」
翔(……この匂い……俺の部屋の、匂いだ……)
翔「……。」
翔が目を覚ましたのは、ドールハウスにあるマイルームであった。目で部屋を見渡すと、アマゾンやプレミアムバンダイで購入した仮面ライダー関連のグッズがあった。更に、近くには斑目とカナと愛の『ドールハウス3巨頭』の姿があった。
翔「……?」ムクッ…
翔はベッドから身体を起こした。それに気付いた3人は、翔の方に振り向いた。
斑目「青空。目が…覚めたか?」
翔「斑目、さん……南田、さん……片山さんも……」
翔は目をぱちくりしながら3人の顔を伺う。
斑目「…私が分かるか。それは何よりだ。」
翔「俺……」
カナ「池袋の浄化ライブ終了後、倒れて…3日間、眠り続けていたんです。」
翔「何だって…?」
カナの言葉に、翔は少し驚いた。
愛「色々あって、無理し過ぎちゃったのかも知れないね……」
斑目「いや、私が焦りすぎていた。」
斑目はそう言うと……
斑目「青空…君の負担をかえりみず、無茶をさせたこと……すまなかった。」
と、翔に謝罪した。
翔「謝んじゃねぇよ。最終的に判断したのは、俺なんだから。」
翔は斑目にそう言った。
斑目「当面の間、Dollsはアイドル活動に専念させる。」
カナ「マネージャー業務は、私と片山さんが代理で務めます。翔君はゆっくり静養してください。」
翔「そこまでされると、何だか悪いだろ……」
翔はそう言うが……
愛「気にしないで?あたし達は、翔君が元気になって欲しいからさ。」
と、愛は彼に微笑んだ。
翔「……悪いな、迷惑かけちまって……」
斑目「…謝ることはない。君がいなければ、渋谷も池袋も、奪還は為し得なかった。」
斑目は翔に言う。
斑目「こちらのことは気にせず、体調を戻すことだけを考えてくれ。」
翔「……。」
翔は少し黙った後、こう言った。
翔「…1つ気になることがあるんだが。」
3人「「「…?」」」
翔「今回、池袋を奪還出来たのは……一海達やNの協力があったからだ。それだけは覚えといてくれよ。」
翔の言葉に、3人は「分かった。」と頷いた。
カナ「では、私たちは失礼しますね。」
愛「翔君、ゆっくりしててね?」
そして、ドールハウス3巨頭は翔の自室から出ていった。
翔「……。」
1人になった翔は、
翔(3日も寝てたとはな……情けねぇ話だ……)
と、思わずため息をついてしまった。
翔(アイツら、どうしていることやら……)
その頃、翔の自室前では……
アヤ「……で、どうする?」
DollsチームCのメンバーが来ていた。
ヤマダ「いや、どうするって。看病するために来たんでしょーが。」
アヤ「いや、恥ずかしいじゃん!」
ユキ「じゃあ…私がいきます。いちばんのり……」
ユキがドアノブに手を追いたその時、
ナナミ「ちょっと待った。やはり、こういうのは質より量。」
チームBのメンバーがやって来て、ナナミが待ったをかけた。
ナナミ「全員で押しかければ、翔さんも悪い気がしないのでは?」
ナナミはそう提案する。
ヒヨ「いーねー!」
ヒヨはナナミの提案に賛成しているようだ。
ヒヨ「ぜーいんでいってさ!寝ないで、ずーっとお話したいな~♪」
ナナミ「病人相手に何て鬼畜な。」汗
レイナ「それでは、翔君がかわいそうよ。」
流石に先程のヒヨの提案は、メンバー達は乗り気では無かった。そこに、
ミサキ「何してるの、アナタたち。」
ミサキが姿を現す。更に…
シオリ「あら。ミサキさん。ミサキさんこそ何しに?」
サクラ「ミサキさんも、翔さんが心配で来たんですよね?」
シオリとサクラも姿を現した。
ミサキ「……たまたま通っただけ。」
すぐに否定するミサキだが……
レイナ「あら、でも、昨日もこのあたりにずっといたような……」
ミサキ「ねつ造しないで。ずっとはいないでしょ!ずっとは。……まぁ、翔さんが心配なのは事実だけど……」
レイナの言葉に、思わずボロが出た。
レイナ「…いたことは認めるのね。まあ、私もそうなのだけれども。」
サクラ「やっぱり、ヒヨちゃんの提案通り。みんなで、お見舞いしましょうよ!」
翔「……?」
翔(何だか騒がしいな……誰だ?)
翔は出入口のドアが気になり、視線を向ける。ドアの向こうからは、Dollsの声が聞こえてくる。
サクラ「せーのでいきますよ!」
翔(…何だ?)汗
サクラ「せーの!」
ガチャッ……
この後、Dollsが翔の見舞いに訪れ、少しだけ嬉しく思った翔なのであった。
その頃、観測室では……
斑目「…で、青空の状況は。」
カナ「現在の平均体温は35.2度。心拍数も、各臓器の活動も、弱っています。」
何やら、斑目とカナが翔についての話をしている。
カナ「片山さんの所見では、ただの疲労とは考えられない、と……」
斑目「…“存在強度”の低下、だな。」
ボソッと呟く斑目。
カナ「存在強度…?」
斑目「少女がドールになるとき、その存在は世界から抹消される。青空に起きていることは、恐らくそれと同じだ。進行はそれよりもずっと緩やかだがな。」
カナ「なら、このまま進行すれば翔君の存在は--」
斑目「消滅する、可能性が高いな。」
斑目は重い口を開きながら言う。
カナ「そんな……折角、帰って来てくれたのに…!」
斑目「…当然、その事態だけは絶対に避けなければならない。私も、もう……青空を、失いたくないからな……」
カナ「引き続き調査を進めます。」
斑目「調査をするなら、オフラインにしろ。」
カナ「オフラインで、ですか?でも、EsGの演算に頼らないと----」
斑目「--何も聞かずに、そうしてくれ。」
カナ「……わかりました。」
カナは観測室から出ていく。1人になった斑目は……
斑目「マキナ……
お前の思う通りにはさせない。」
と、恨めしそうな声で呟くのであった。
その頃、暗い音の無い世界では……
デウス「……。」
ここには、デウスが身を潜めている。
デウス「……はぁ。」
彼女は1人、ため息をつく。
デウス「虚無とは、こういう気持ちか。これだけ生きてて、まだ学ぶことがあるとはね。」
Dolls、翔、一海達に負け……デウスは悔しさを拭えずにいたのだ。
デウス「うるさい。」
この空間には彼女だけなのに……何故か、うるさいと言い出す。
デウス「--うるさいな。いつまでもしゃべるなよ。」
まるで、誰かと会話をしているようだ。
デウス「わかってる。やるさ、ちゃんとやる。ちゃんとやれる。」
彼女はいったい……誰と話しているのか。
デウス「----腹が立つな。
どうせいつもみたいに、“あの庭”で薄気味悪い笑みを浮かべてるんだろう?
--マキナ。」
何と、彼女はマキナと会話をしていたようだった。
デウス「次は覚えておくんだね。ボクの属性は憤怒。この怒りを、決して忘れないからね。」
彼女の表情は、恨めしそうな怒りに満ちていた。
???「全く困ったものですな。
デウスとマキナ……アレらが自由にのさばっておりまして--
隠ぺいするこちらの身にもなっていただきたいものですなあ。
ええ--ええ……プロジェクトの推移は順調です。
必ずや、ご期待に沿えることでしょう。」
とある男が、誰かと話している。
???「もちろんです、“総理”。
では、今日もよい1日を。」
ピッ……
???「--さて、そろそろ頃合いか。総仕上げを始める時だな。
一手一手詰めてきた……ようやく、貴様にチェックをかけられる。
これ以上、東京を貴様の好きにさせたりはせんよ。
----“斑目 セツナ”。」
いかがでしたか?今回はここまでです。
次回からは、池袋浄化ライブ終了後の話を、所謂“後日談”を書いていきます。
お楽しみに~