〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
さて、翔達には旅行に行って貰いましょうかね。
翔「おいおい、お前が決めてんのか?」
やさぐれショウ「いやぁ、だって……」
翔「だってなんだよ?」
やさぐれショウ「翔だってさ、いろんなとこ…行ってみたくない?」
翔「…別に……」汗
やさぐれショウ「ほら、秋と言えばさ……温泉、入りたくない?」
翔「…温泉か、まぁ…そうだな。」
やさぐれショウ「そんなわけだ!温泉、行ってらっしゃい!」
翔「はぁっ!?おい、ちょっと待てって!!」
やさぐれショウ「本編行きまーす!!どうぞぉー!」
今更だが、今の季節は秋だ。食欲の秋、芸術の秋、やさぐれの秋等々、様々な秋がある。……え?やさぐれの秋って何だってか?それは……
今あてくしが考えました(笑)。
ドールハウスにて……
翔「……。」
自室にて、翔はスマホであるのもを見ていた。
翔(……温泉か……ハワイアンズにあったような、あんな感じなんかね……)
風呂が大好きな翔は、温泉に興味を示していた。
翔(…お、そろそろ診察か……)
翔は席を立つと、医務室へと足を運んだ。
医務室にて……
蜜璃「あ、翔君♪」
翔「よぉ、待たせたか?」
蜜璃「ううん、大丈夫だよ。」
蜜璃と深雪にもすっかり心を開いた翔は、彼女達の定期診察を躊躇うことなく受けるようになった。
深雪「ここ最近、体調はどうですか?」
翔「大丈夫だ。」
深雪「良かったです。この調子を維持するためにも、一緒に頑張りましょうね、翔君♪」
翔「あぁ。」
診察が終わり、医務室を出る翔。
愛「あ、翔君翔君♪」
そこに、愛がやって来る。
翔「…?」
愛「実はね、Dollsの皆にここの温泉をレポートして貰う仕事をゲットして来たんだ♪」
愛は1枚のポスターを翔に見せる。
翔「…これは……」
それは、さっき翔がスマホで見ていた『草津温泉』のポスターだった。
愛「それでね、お仕事が終わったら草津を観光しながら、旅館に泊まろうと思ってるんだけど……翔君もどう?」
翔「どうって……そもそも、仕事は何日かけてやるんだ?」
愛「仕事自体は1日だけなんだ。初日で仕事を済ませて、次の日とその次の日で観光するって感じ。」
翔「ふーん……」
愛「翔君には、皆の用心棒をお願いしたいんだ。」
翔「…分かった。」
翔は愛の提案を飲み込み、温泉に行くことにした。
3日後……JMR上野駅に集合した。その後、特急に乗車し、長野原草津口駅を目指した。駅に着くと、シャトルバスに乗り換え、レポートする温泉がある旅館へと向かった。
サクラ「わぁ~!ここが、今日レポートする温泉なんですね!」
露天風呂に来たサクラは、周りを見回しながら言う。
シオリ「広くて、景色がきれいで、趣もあって…とっても素敵な温泉ですね。」
露天風呂から見える景色は、絶景である。
シオリ「温泉に入るの、すごく楽しみです♪」
待ちきれない様子のシオリとは対象的に……
サクラ「はい……たしかに、楽しみですけど--」
サクラは何故か緊張している。
シオリ「サクラさん?どうかしましたか?」
その理由は……
サクラ「そ、その……私達が、温泉に入るところを、撮影するんですよね……?」
ミサキ「そうよ?それがどうかしたの?」
サクラ「それって、すごく恥ずかしい気がして……」
どうやら、温泉に浸かる様子を撮影されるのが恥ずかしいようだ。
ミサキ「裸で入るわけじゃないんだから、恥ずかしがることでもないわよ。」
サクラ「で、でもぉ……」
ミサキはサクラに言うも、サクラはまだ恥ずかしさが抜けていないようだ。
ミサキ「恥ずかしがってたら仕事にならないわ。」
サクラ「そ、そうですけどぉ……」
そんなサクラに、シオリはこう言った。
シオリ「サクラさん、もっとポジティブに考えましょう?『無料で温泉に入れるなんてラッキー♪』という気の持ちようで…ね?」
サクラ「無料で、温泉に……」
シオリ「リラックスですよ、リラックス♪」
サクラ「は、はい…!そうですよね…!リラックスできるように、頑張ります…!」
シオリの声掛けが効いたのか、サクラは緊張がほぐれたようだ。
ミサキ「それでは翔さん。私たちは準備があるので、失礼します。」
シオリ「着替えてきますね。」
翔「あぁ、行ってこい。」
チームAの3人は、準備のため…露天風呂から脱衣場に移動した。
翔「……。」
翔は露天風呂を見回す。
翔(…良い場所だな、ここ……)
景色はキレイで、所々には紅葉の木が植えられている。紅葉した楓の葉が舞い落ちる。
ヒヨ「ねーねー翔さん?ぼーっとして、どうかしたの?」
景色に見とれる翔に、ヒヨが話しかけた。
翔「いや……」
ナナミ「ほら、ヒヨさん。私たちも行きますよ。」
そんなとき、ヒヨはナナミに呼ばれた。
ヒヨ「はーーーい!」
そして、脱衣場へと向かった。
翔(さて、これから撮影が始まる訳だが……)
翔は警戒心を強める。
翔(アイツらが温泉に入る様子を覗こうとする阿呆共に、要注意する必要がありそうだ……)
いつも以上に警戒心を強める翔だが……
スタッフ1「…?しょ、翔君?どうかした?」
スタッフに声をかけられる。
翔「どうもしてねぇよ。」
スタッフ1「ホ、ホント……ほら、何だか怖い顔してたから…」
翔「…あぁ、すまん。温泉に浸かるDollsを覗こうとする阿呆が現れるんじゃねぇのかって思ってなぁ……」
翔は警戒心を解いて、スタッフに言う。
スタッフ1「な、成る程……」
翔「ま、そん時は……俺がその阿呆をぶっ潰す。」
スタッフ1「うん、頼りにしてるよ。」
スタッフ1はそう言って、撮影の準備に取り掛かった。
数分後……
ミサキ「翔さん、着替えてきました。」
翔「…おぉ…っ!?」サッ…
翔はすぐに目を反らした。何故なら、ミサキがバスタオル姿でいるからだ。
ミサキ「どうして目を反らすんですか?」
翔「…察しろよ。」汗
ミサキ「隠すべきところは隠されているのですから、問題はありません。」
翔「俺が気にするわ!!」
ミサキにツッコミを入れる翔だが……
翔「…って、サクラはどうした?」
その場にサクラがいないことに気付く。
サクラ「こ、ここにいます……」
サクラは脱衣場からひょっこりと顔を覗かせる。
シオリ「どうやら、恥ずかしいみたいです……」
翔(…だろうな。)汗
ミサキ「サクラ、翔さんを待たせないで。おとなしく出てきなさい。」
翔「いや、別に待ってねぇよ!?」汗
ミサキにツッコミを入れる翔だが、
サクラ「は、はい……」
サクラはしずしずと出てきた。
サクラ「ど、どうでしょうか……?」
翔「いや、どうって聞かれても困るんだけど……」汗
翔はそう言うも、3人から目を反らしたままだ。
サクラ「そ、そうですよね…!す、すみません…!」
翔「謝るこたぁねぇよ。」
翔(正直、目のやり場に困るとしか言いようがねぇ…)汗
翔は『男の子』である……目のやり場に困っているからこそ、彼女達から目を反らしているのだった。いくら若い女性が苦手であっても、気になることは気になるのだ。
翔(ま、脱げても大丈夫な仕様になってるのは理解しているが……あんまり見られても、気持ち悪いだけだろ……)
シオリ「翔君?どうかしましたか?」
翔「別に、何でもねぇよ。」
シオリにそう言うも、未だ3人から目を反らしている翔。
シオリ「あの、翔君。つかぬ事をお聞きするんですが……」
翔「…何だよ?」
シオリ「翔君は、誰と温泉に入りたいですか?」
シオリの質問に、翔は……
翔「は、はぁっ!!?ちょっ、おま…ちょおま…急に何なんだよ!?俺に、俺にそんな質問をすんな!!!!」
喉が潰れる程の大声を出し、テンパっていた。
翔「っ!?」サッ…
そしてすぐに3人から目を反らした。
レイナ「シオリ、あんまり翔君をいじめちゃダメよ?」
シオリ「少し意地悪なことを聞いちゃいましたね…ごめんなさい、翔君…」
翔「もう良いよ…」汗
目を反らしたまま、シオリに言う翔。
シオリ「あ、見てください翔君。髪型が変わってるんですよ?」
チームAの3人は後ろを向いた。
シオリ「今、後ろを向いているので見ても大丈夫ですよ?」
翔「…ったく。」汗
翔は少しだけ3人に目を向けた。
シオリ「どうでしょうか?私たちは低い位置で結んでいるんですよ。」
翔「…まぁ、良いんじゃねぇの?」
翔はそれだけ言うと、またすぐに目を反らした。
ヒヨ「翔さん!こっちも見て見てー!お団子だよ~!お団子~!」
ナナミ「って…翔さん?どうして後ろを向いているんですか?」
ナナミは翔に訊ねる。
翔「状況から察しろよ…」汗
少し不機嫌そうに言う翔。
ナナミ「翔さんになら、見られても大丈夫ですよ?」
翔「俺は大丈夫じゃねぇよ!!」
翔はナナミにツッコミを入れた。
レイナ「ふふっ、翔君にはSERVICEしなくっちゃよね♪」
翔「何のサービスだよ!?」汗
翔(あぁ、ツッコミ入れんの疲れてきた……)汗
少しだけ疲れの色を見せる翔に、更なる追い撃ちが……
ユキ「翔さんは、うなじ……見たいですか…?」
翔「はぁっ!!?お前も何言って……ッ!?ヤベ…」サッ…
ツッコミを入れる際、ついユキの方を見てしまう。案の定、彼女もバスタオルに身を包んでいたため、翔は慌てて目を反らした。
ユキ「…どうぞ。」
ユキは後ろを向き、翔にうなじを見せる。
翔「いや、どうぞじゃねぇよ!!お前ら何してんのか分かってんのか!?」
アヤ「何って、撮影前に翔にサービスしてるんじゃない。」
翔「だから何のサービスだよ!!?」
アヤ「えっ、いや、ほら……あたし達は今、バスタオル姿じゃない?」
翔「そうだけど!!」
ヤマダ「あ、うなじは別料金っすけど。翔さんには、タダで見せますよ♪」
翔「金を取るなぁっ!!」
ツッコミを入れ続ける翔は、喉がカラカラになっていた。その後、撮影が始まり、翔は見回りのためその場を後にした。
???「確か、Dollsの撮影がある旅館は……この辺りか。」
1人の男は、地図を見ながら草津の街中をふらついていた。
???「まだやってるかな…?」
???(Dollsの……特に、シオリンのあんな姿や、こんなに姿……早く見たいぜ!!ボクのパパは、偉いんだぞ!ニシシッ。)
男は心の中でそう思っていたが、その欲望は気持ち悪い笑顔という形で、顔に表れていた。男は周囲の人達から冷たい目を向けられているが、本人はそれに気付いていないようだ。
???(いざと言うときは、コレを使えば良い……ボクって天才だ。)
男はポケットに隠してあるデッキをチラ見した。そして、Dollsの撮影が行われている旅館へと、足を運んでいく。
いかがでしたか?今回はここまでです。
秋と言えば、やっぱり温泉に限りますよね?え?そんな事はない……?そ、そうかい……
次回も、お楽しみに。