〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。今回のこの前書きは、翔との会話は挟んでません。何せ……


























翔の大切な存在を奪った張本人が現れるんですから……

では、本編に行きましょう。どうぞ


第百四十話 偽りの親

「あっ、見つけた!!」

 

突然、40代ぐらいの男女が話しかけてきた。彼らは、派手な格好をしている。

翔「……っ!?」

翔には、彼らに見覚えがあった。

男「ずっと探していたんだぞぉ~?」

女「あぁ、本当に…本当に良かったわぁ~!!」

翔の姿を見て、喜びを露にする男女。

愛「えっと……」

愛が困惑していると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「…何しに来たんだ?」

 

翔が口を開いた。その声は、とてつもなく冷たく低い声だった。

愛「しょ、翔君?」

愛は翔を見て、

男女「「はへっ?」」

男女は間抜けな声を出して、困惑する。

翔「今更何しに来たんだって聞いてんだよ!!」

翔は鬼のような形相をして男女に怒鳴る。

愛「……まさか…」

愛はそんな翔と男女のやり取りを見て、あることを推測する。

愛(この人達……翔君の“本当の両親”じゃないかもしれない……)

翔「貴様ら……一体どういうつもりだ!?」

男「き、貴様だと?父親に向かって何てこと言うんだ!?あぁっ!?」

女「そうよ!!アタシはあんたの母親なのよ!?それなのに何なの、その態度は!?」

翔「黙れ!!俺の本当の両親を殺した挙げ句……何が父親だ!?何が母親だ!?そもそもお前らは、1度でも親らしいことしたのか!?」

翔のこの言葉で、愛は確信した。この男女は、翔の両親ではないことを……

愛「あの。」

男「あぁっ!?」

女「何よ!?」

男女は感情的だが、愛は怯むことなく男女に問い詰める。

愛「貴方達は本当に彼の親なんですか?」

彼女の問い詰めに、

男「そうだ!!」

女「当たり前でしょ!?」

と、男女は言う。

愛「でしたら、息子さんの名前を今この場で言ってみてください。」

女「は、はぁっ!?何でここで」

愛「本当に彼の親なら、息子さんの名前ぐらい言えるでしょう?」

男女「「……。」」

愛の言葉に、あからさまに顔を青ざめる男女。

愛「どうしたんですか?確認しますが、息子さんの名前は言えますか?」

男「あ、当たり前だろ!?」

女「そ、そうよ!!」

愛「なら、早く言ってくださいよ?」

愛はそう言うも、男女は中々喋らない。

翔「おい、本当の両親なら……俺の名前ぐらい、分かるだろ?分からねぇなんて言わせねぇぞ?」

翔がそう言うと……男女は遂に口を開き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男「そ、そうだ!!お前は『太郎』だろう!?」

女「ち、違うわ!貴方の名前は『次郎』よ!!」

 

彼らはその場で思い付いた適当な名前を言う。そんな彼らに、翔は呆れてため息を着く。

翔「全然ちげぇよ。ま、そりゃそうだろうな……俺はお前らに名前で呼ばれたことなんざ1度もねぇし。」

男女「「うっ!?」」ギクッ

翔の言葉に、青ざめる男女。

翔「俺は……『青空 翔』だ。」

翔はバイクの運転免許を見せる。

翔「あ、このやり取りは録音してっから、言い訳なんざ通用しねぇぞ?」

翔の一言に、更に青ざめる男女。

愛「貴方達、翔君の親じゃありませんね?」

愛がそう言った次の瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女「うるさいわね!!アタシはこのグズの母親なのよ!?赤の他人のあんたが口を挟むんじゃないわよ!!大体、コイツの本当の両親は金持ちで有名だったから、殺して金貰って豪遊したけどね、アタシらはこのゴミを育ててやったんだぞ!?なら母親じゃない!!!!」

 

女は発狂しながら支離滅裂な言動をした。その直後、

???「ここに居やがったか。」

黒いスーツを着ており、何やらヤクザっぽい見た目の男達が現れた。

男「うげっ!?しゃ、借金取り!?」

どうやら、黒いスーツの男達は借金取りらしい。

女「ね、ねぇ!?お母さんを助けて頂戴!?翔ちゃん!!お願い!!」

女は涙目になりながら翔に助けを求めてきた。しかし……

翔「俺の本当の両親を殺したクズが……気安く俺の名前を呼ぶんじゃねぇよ!!そんなクズに垂らす蜘蛛の糸なんざねぇ!!」

当然ながら、翔は彼らを助けるという選択肢は無い。

男「なっ!?お、おい!!育ててやった恩を忘れたのか!?」

翔「お前らに育てられた覚えなんてねぇ!!」

そうこうしている内に、男女は男達に囲まれる。

女「そ、そうだわ!!ねぇ、お金頂戴?息子なんだから母親を助けるのは当然よね?ね?お願い!」

翔「何回言ったら分かるんだ!?俺の本当の両親を殺したクズに垂らす蜘蛛の糸はねぇって言っただろうが!!」

女「そんなこと言わないで?ね?お願いよぉ~!!」

男「そうだ!金を寄越せぇー!!」

あまりにもしつこい男女に、翔は段々イライラし始める。

借金取「おい、兄ちゃん?」

翔「あっ?」

借金取「この2人は、兄ちゃんの親なのか?」

借金取りの質問に、

翔「違う。あんたらがここに来る前のコイツらのやり取り、聞くか?」

と、答え…録音した音声を大音量で流し始めた。

借金取「へぇ、兄ちゃんの本当の両親を殺したなんてなぁ…コイツァ黙っちゃおけねぇなぁ?おい、連れていけ!!」

音声を聞いた借金取り達は、男女を車に担ぎ込む。

男「おい!!翔、父を助けろ!!」

女「翔ちゃん!!お願いよぉ、助けて!!ねぇ!!」

顔を涙と鼻水でグシャグシャにしながら、翔に懇願する男女。翔はそんな彼らに背を向け……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「去らばだ、偽りの親……地獄を楽しめ、永遠にな。」

 

彼らにサムズダウンした。結局、男女は借金取りに連れていかれた。

愛「…翔君。」

翔「帰るか。」

翔と愛はバイクに乗ると、ドールハウスへと帰って行った。

 

 

 

その後……

 

翔の両親を自称するあの男女について……男はギャンブルから抜け出せず、莫大な資金を危ない所から借りてまでギャンブルに金を注ぎ込んでいた。女の方は、複数の男と不倫し、男達の妻達から莫大な慰謝料を請求され、支払いを無視していた。だが、裁判をされたことで、払わざるを得ない状況に立たされ…危ない所から金を借りてまで慰謝料を払ったものの、未だに払えていない。

そんな彼らは、借金取りから追われながら生活していたが……たまたま翔を見つけ、彼に借金を払って貰い、挙げ句の果てには……翔に寄生しようと企んでいたことが分かった。しかし、翔にあっさりと見捨てられ…計画は全て台無しになった。そして、どこか分からない異国で強制労働させられていることをニュースで知った。

翔「……。」

全てを奪った張本人に出会ってしまい、翔は終始機嫌が悪かった。

 

コンコンッ……

 

愛『翔君、愛だよ?』

翔「……。」

愛「入っても良いかな?」

翔「……あぁ。」

翔の部屋に、買い物袋を下げた愛が入って来た。

翔「…何だ?」

愛「今から、翔君に良い物を作ろうと思ってね。」

翔「…良い物?」

愛「うん♪ちょっとキッチン借りるね?」

愛はそう言うと、キッチンに移動し、料理を始めた。

翔「何か手伝うことはねぇか?」

愛「大丈夫だよ。ゆっくりしてて?」

愛は鼻歌を歌いながら、料理を作っている。数分後……

愛「さて、出来たよ。」

愛は出来上がった料理を皿に盛り付け、翔の元に持ってくる。

翔「…何だそれは?」

愛「あたしの得意料理『豚の角煮』だよ。」

翔「…ほぅ。」

愛「翔君は、これ初めて食べる?」

翔「…そうだな。」

愛「そっか。」

翔「…ちょっと待ってろ。」

翔は席から立ち上がり、2つの茶碗にご飯を盛った。

翔「誰かとこうして食事するのは、何だか久しいな。」

愛「ごめんね、ご飯までいただいちゃって。」

翔「気にする必要はねぇ、俺が勝手にやっただけだ。」

その後、翔は愛と夕食を共にした。

翔「…っ!?」

愛「…どうかな?」

翔「…う、美味い……!これ、好き…」

愛「良かった♪」

初めて食べる豚の角煮に、翔は終始舌を巻いていた。

愛(翔君、本当に良い顔して食べるね……作り甲斐があるな♪)

美味しそうに角煮とご飯を頬張る翔を見て、愛は優しく微笑んでいたのであった。




いかがでしたか?今回はここまでです。



えっと……翔の本当の両親を殺害した男女を出しました。派手な格好をしたDQNです。

翔「あぁ…最高に美味かった。」
やさぐれショウ(ひとまず、翔は落ち着いたみたいだな……てか、翔を落ち着かせることができるのって…愛さんぐらいだよね?今までからして…)

やさぐれショウ「じ、次回もお楽しみに。」
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