〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
翔「指輪の魔法使いって……あのライダーか?」
やさぐれショウ「うん、まぁ……」
翔「何だよ?あのライダーなんだろ?」
やさぐれショウ「そうなんだけど……あのライダーに登場するライダーの1人って言った方が正しいかな?」
翔「……ふーん。」
やさぐれショウ「じゃ、行ってみようか。本編どうぞ」
ドールハウスにて……
この日は休日であり、ドールハウスの関係者も元ストライカー達も身体を休めていた。だが、専属医は定期的にDollsや元ストライカー達の診察がある。
深雪「異常無しですね。最近、何か気になることはありますか?」
雪枝「いえ、特にありません。」
深雪「分かりました。もし、気になった事がありましたら、いつでも連絡してくださいね♪」
雪枝「はい、ありがとうございました♪」
蜜璃「うん、今回も異常無しだね。」
モニカ「ありがとー、蜜璃せんせー♪」
蜜璃「どういたしまして♪」
ドールハウスに来てから、元ストライカー達は心身共に健康でいられるようになっていた。
蜜璃「元ストライカーの皆、個性的で可愛いっ!」
深雪「皆良い子達ですね♪」
この日も、皆は心身共に異常無しであった。
蜜璃「よし。」
業務を終えた蜜璃は、趣味であるスイーツ作りに入ろうと思った。
蜜璃「……あれ?」
ふと、鏡に映った自分を見てみると……
蜜璃「…これ、何だろう?」
腹部に、何やら手のような何かがあった。蜜璃はそれを外そうとするが、どういうわけか外れない。
蜜璃「み、深雪ちゃぁぁああああああん!!」
蜜璃は慌てて深雪の元に向かった。
蜜璃「深雪ちゃん!!」
深雪「あら、蜜璃さん。どうしました?」
蜜璃「大変なんだよ深雪ちゃん!!これ、これ!!」
蜜璃は腹部にある手の形をした何かを見せる。
深雪「蜜璃さんもですか。」
蜜璃「…へっ?」
深雪は立ち上がると……
深雪「私にも、手の形をした何かが……」
腹部にある手の形をした何かを見せた。
蜜璃「深雪ちゃんも!?」
深雪「こんな時は……」
蜜璃「こ、こんな時は……?」
深雪「…翔君に聞いて見ましょう♪」
蜜璃「しょ、翔君に?う、うん、分かった!」
深雪と蜜璃は翔を探しに行った。
その頃、翔は……
翔「……。」
屋上の庭園で、のんびりしていた。
翔「……ん?」
その時、誰かが階段を上がってくる音が聞こえて来た。出入口の方に視線を向けると……
ガチャッ……
蜜璃「あ、いたいた!」
深雪「翔君、ゆっくりしているのに申し訳ありません。」
何やら慌てた様子の蜜璃と深雪がやって来た。
翔「どうした?」
蜜璃「翔君に聞きたいことがあってね。」
翔「俺にか?」
翔がそう言うと、コクッコクッと頷く蜜璃と深雪。
翔「…んで、何が聞きてぇんだ?」
深雪「はい、それがですね…」
深雪は白衣をパッと広げる。それと同時に顔をそらす翔。
深雪「あ、ちゃんと服は着てるので大丈夫ですよ。」
深雪の言葉を聞いた翔は、深雪と蜜璃の方に顔を向ける。
翔「……それは?」
蜜璃「気が付いたら、こんなのがお腹に着いてたの。それに、外れないし……」
翔「……。」
翔は深雪と蜜璃の右手を見ると、中指に1つの指輪があった。
翔「…右手の指輪をかざしてみな。」
蜜璃「えっ?こ、こう?」
蜜璃が指輪をかざしてみると……
《ドライバーオン!》
音声が響き、鐘のような音がなり、《ナウ》という音声と共にベルトが巻かれた。『仮面ライダーウィザード』の変身ベルト『ウィザードライバー』似た形状だが金色部分が赤く、指先が爪状になっている。
翔「胡蝶さん、あんたもやってみな?」
深雪「あ、はい。」
深雪は戸惑いながらも、指輪をかざしてみると……やはり、蜜璃と同じベルトが巻かれた。
翔「……やっぱりか。」
蜜璃「えっ、何々!?」
翔「ソイツは変身ベルトだ。」
深雪「これ、変身ベルトなんですね。何に変身出来るんですか?」
深雪は翔に問い掛ける。
翔「白い魔法使いドライバーこと、『ワイズドライバー』……『仮面ライダーワイズマン(白い魔法使い)』や『仮面ライダーメイジ』に変身ができる。ただし、今は無理だが。」
蜜璃「そ、そうなの?」
翔「あぁ、まだ変身するための指輪がねぇからな。」
深雪「変身するにあたっても、指輪が必須なんですね。」
翔「そうだ。必殺技を発動する時も、指輪がいる。」
翔の話を聞いた深雪と蜜璃は、ある程度納得した。
蜜璃「うーん、変身するための指輪がないから……どうしようも無いな~……」
深雪「この変身ベルトの使い方、聞いておけば良かったですね。」
蜜璃「あ……」汗
深雪の言葉に、蜜璃は今更思い出したような声を出す。
深雪「ですが、使い方を理解しても……指輪が無いので……」汗
蜜璃「それもそうだね……」
深雪「えぇ……あら?」
ふと、デスクの引き出しを開けた深雪は……1つの指輪を取り出す。
深雪「この指輪……ありましたっけ?」
それは、青色の宝石が埋め込まれ、3本の銀色の爪が特徴の指輪だった。
蜜璃「それ何?」
深雪「分かりませんね…何の指輪でしょうか?」
蜜璃「あ、私のところにもあった。」
蜜璃が取り出したのは深雪と同じ指輪だが、緑色の宝石が埋め込まれている。
アヤ「深雪さん、蜜璃さんいる~?」
そこに、アヤがやって来た。
蜜璃「あ、アヤちゃんどうしたの?」
アヤ「ヤマダが麺類ばっか食べてて、食事バランスを改善するように言って欲しくて……はぁ。」
深雪「あらあら、それは大変ですね。分かりました、近々お伝えしておきます。」
アヤ「お願~い!って、あれ?そのベルトは…?」
アヤは深雪と蜜璃の腹部に巻かれているベルトを見る。
蜜璃「アヤちゃん、これ…どうやって使うのか分かる?」
アヤ「えっと、変身するためのウィザードリングはある?」
深雪「うぃざーどりんぐ?……これのことですか?」
深雪が青色の宝石の指輪を見せると、
アヤ「そう、それ!!」
と、アヤが反応した。
蜜璃「えっと、まずはどうすれば良いのかな?」
アヤ「まず、その『メイジウィザードリング』を左手にはめて。」
蜜璃「うん!」
蜜璃と深雪は左手に『メイジウィザードリング』をはめる。
アヤ「次に、バックル左右のレバーを上下に動かして、手形の向きを変えてみて。」
深雪と蜜璃はアヤの言うとおりにし、ドライバーの手形の向きを左手の向きに変える。その時……
《シャバドゥビタッチヘンシン!シャバドゥビタッチヘンシン!》
一定のリズムで、変身待機音が響き出す。
深雪「何だか、賑やかな変身ベルトですね。」
アヤ「あははは……えっと、次に左手にはめたメイジウィザードリングを手形にかざせば変身できるわ。あ、『変身!』っていう掛け声は忘れないでね♪」
蜜璃「う、うん!」
アヤの説明を聞いた深雪と蜜璃は……
深雪「変身。」
蜜璃「へ、変身!」
と、掛け声をし、メイジウィザードリングを手形にかざした。
《チェンジ……ナウ》
深雪と蜜璃は左下から出現した魔方陣を潜り、仮面ライダーに変身した。
アヤ「『仮面ライダーメイジ』ね、深雪さんと蜜璃さんが変身したライダーよ。」
『仮面ライダーメイジ』……『仮面ライダーウィザード』に登場する仮面ライダーで、量産型ライダーの立ち位置にいる。だが、量産型ライダーでありながらも、使用する魔法が強く、『ファントム』と同等に戦えるため、かなりの高スペックの持ち主なのだ。後ろには尻尾があるのと、左腕が巨大な爪『スクラッチネイル』になっているのが特徴だ。
メイジ(青)「仮面ライダーメイジですか。」
メイジ(緑)「えぇぇえええ!?何々、どうなってるのぉぉぉおおおおおお!?」
メイジ(青)に変身したのは深雪。メイジ(緑)に変身し、戸惑っているのが蜜璃である。あの後、無事に変身が解けた深雪と蜜璃だったが、嫌な予感を察知し、外出していった。
その頃、翔はというと……
久しぶりに渋谷をふらついていた。
翔(相変わらず賑わっているな……)
周囲の様子を伺いながら歩いていると……
ズギュンッ!
翔「っ!?」ズドォンッ!
翔の近くで何かが爆発した。突然の出来事に、周囲の人々は騒ぎ出す。
ズギュンッ!ズギュンッ!
翔「っ!!」
翔は側転やバク転で飛んで来るレーザーを避けながら、撃ってくる犯人を探す。
翔(くそっ、どこにいる!?)
ふと、古いビルの非常階段の目を向けると……
翔「っ!!」
翔(いた!)
ニヤニヤしながらこちらを伺う陽奈と無表情の小織がいた。小織はおもむろにパトリ端末に、何かを呟き始める。
翔(まさか…増援を呼ぶつもりか!?)
そう思ったのもつかの間……
あおい「探したぞ、隊長。」
ストライカーチーム『ショコラーデ・ミラ』の4人が姿を現した。
翔「…しつけぇ野郎共だなぁ?」
翔は冷静を装うが……
翔(完全に油断した……非常階段にいる狙撃主が武器を構えてやがる……下手に動けねぇ…!)
内心、焦っていた。
栞「どうやら、貴方の孤独な生活はここまでのようね。」
夕依「大人しく、私たちの元に来て下さい。」
チカ「今度は、チカ達が笑う番だね!!」
翔「…黙れ黙れ黙れ!!」
あおい「いくら声をあげても、君を助ける者はいない。さぁ、帰ろうか。」
ストライカー4人は、ゆっくりと翔に近付いてくる。
翔「……。」ザッ…
翔が少し後ずさった次の瞬間、
スッ……
栞が右手をあげ、翔に突き出した。
翔「…!?」
栞「…あら?」
栞は非常階段の方に目を向ける。そこには、戦闘不能になった陽奈と小織の姿があった。
栞「…へ?ウソ…一体誰が?」
その時……
《ジャイアント…ナウ》
どこからともなく魔方陣が現れ、そこから巨大な手が伸びてきて、ストライカー4人を思い切り叩いた。
翔「…な、何だ!?」
「翔君、大丈夫!?」
翔「っ!?」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえ、振り向くと……
翔「胡蝶さん、七草さん……?」
深雪と蜜璃が走って来ていた。腹部には、変身ベルト『ワイズドライバー』…いや、『メイジのベルト』を装着している。
深雪「お怪我はありませんか?」
翔「…大丈夫だ。てか、そのベルト…」
蜜璃「ここは、私たちに任せて!」
翔「…お、おぉ。」
翔は後ろに下がった。
あおい「なっ!?き、貴様ら、あの時の…!!」
深雪「覚えていてくださって、感激ではありませんね……今回の私たちは、一味違うんですよ?」
深雪と蜜璃はメイジのベルトの左右にあるレバーを上下に動かし、ドライバーの手形の向きを左手の向きに変える。その時……
《シャバドゥビタッチヘンシン!シャバドゥビタッチヘンシン!シャバドゥビタッチヘンシン!シャバドゥビタッチヘンシン!》
ドライバーからは一定のリズムで変身待機音が響き始める。
蜜璃「いくよ、深雪ちゃん!!」
深雪「はい、蜜璃さん。」
蜜璃と深雪は左手に『メイジウィザードリング』を装着すると……
深雪&蜜璃「「変身。」」
と、呟き、ドライバーの手形にかざす。
翔「…まさか…!」
《チェンジ……ナウ》
鐘のような音が響き渡ると、深雪と蜜璃の左下から魔方陣が出現し、2人を包んだ。魔方陣から出てきたのは……表面部分は研磨されていない原石を思わせるフェイスに、肩から突き出た大きな角、左腕の巨大な鉤爪「スクラッチネイル」が特徴の仮面ライダーだった。
翔「か、仮面ライダー…メイジ!?」
深雪は『仮面ライダーメイジ(青)』、蜜璃は『仮面ライダーメイジ(緑)』へと姿を変えたのだ。
メイジ(青)「私たちも、仮面ライダーデビューしちゃいました。」
メイジ(緑)「まだまだ、よく分からないけど…私、頑張るね!」
メイジ(青)とメイジ(緑)は翔にそう言うと、ストライカー達の方に向きを変え、構えを取った。
チカ「えぇっ!?あの人達も変身しちゃったよ!?」
あおい「心配は無用だ……相手は2人、こっちは4人…数は私たちの方が上回っている。」
夕依「そうですね!」
ストライカー達も構えを取る。メイジ(青)とメイジ(緑)は同時に走り出す。
夕依「やぁっ!」
夕依はシキガミを召喚し、向かわせるが……
メイジ(緑)「うおぉぉりゃぁぁああああああ!!」ドゴォォオオオッ!!
メイジ(緑)のスクラッチネイルによって、あっさりとやられた。
メイジ(青)「はいっ!」ドカッ!
夕依「くっ!?」
その後、夕依はメイジ(青)の飛び蹴りで吹っ飛ばされた。
あおい「くそっ!」
メイジ(青)「遅いですよ?はっ!」ガッ!
あおい「っ!?」
メイジ(青)は持ち前のスピードで、素早くあおいを捕らえると……
メイジ(青)「そぉれっ!」ブォッ!
背負い投げで投げ飛ばした。
栞「やっ!はっ!それっ!」ピュッ!ピュッ!ピュッ!
栞がメイジ(青)に矢を放つ。しかし……
キンッ!ガッ!ガキンッ!
メイジ(青)はスクラッチネイルを使って矢を弾き飛ばした。
メイジ(青)「…フフフ♪」
栞「っ!?」
メイジ(青)が栞に笑って見せると…栞は怯み、攻撃してこなかった。
チカ「それそれそれぇっ!」
チカは大筒から花火玉を打ち出す。
メイジ(緑)「わわっ!?おっと!」
近くで爆発する花火を、メイジ(緑)は避け続ける。
チカ「な、何で当たんないのぉ!?」
夕依「くっ、うぅ……」
チカ「ねぇ夕依ちゃん!シキガミは出せないの!?」
夕依「シキガミを出すには、結構力を使うんです……」
チカ「そ、そんなぁっ!」
シキガミを召喚し、夕依の身体は悲鳴をあげていた。
メイジ(緑)「…はぁっ、はぁっ……ふぅ、何とか攻撃に当たらなかったぁ…」
メイジ(緑)は汗を拭うようなリアクションをしながら言う。
メイジ(青)「蜜璃さん、そろそろトドメを刺しましょうか。」
メイジ(緑)「うん、そうだね!」
2人のメイジはドライバー左右のレバーを上下に動かし、手形を右手の向きに変える。
《ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!》
一定のリズムで音声が響き始めた後、右手にはめた指輪をドライバーの手形にかざす。
《イェス!ブリザード……アンダスタンドゥ?》
《イェス!サンダー……アンダスタンドゥ?》
メイジ「「はぁぁああああああああ!!」」
メイジ(青)は魔方陣から冷気と共に氷の塊を栞とあおいに飛ばし、メイジ(緑)は魔方陣から電撃をチカと夕依に飛ばした。
ストライカー「「「「きゃぁぁあああああああああああああああ!!」」」」
2人のメイジの必殺魔法を受けたストライカー達は、呆気なく戦闘不能になった。
メイジ(青)「全く、本当に非常識でしつこいんですね……そんなだから翔君に嫌われるんですよ。」
メイジ(緑)「ストライカー達は、可愛くないっ!!」
翔「……。」
メイジ(緑)「あ、翔君!やったよ、私たち勝ったよ!!」
翔「…あぁ。」
メイジ(青)、メイジ(緑)は変身を解き、元の姿に戻った。
深雪「私たちも、仮面ライダーになっちゃいましたね。」
蜜璃「そうだね。何だか疲れたし、帰って甘い物食べよ♪」
翔「…んじゃ、帰るか。」
翔が歩きだそうとすると、
深雪「あ、翔君。ここは私たちに任せてください♪」
翔「…あ?」
深雪と蜜璃はドライバーの手形を左手の向きに変えた直後、右手の向きに変え、指輪をかざす。
《テレポート……ナウ》
そして、翔の近くに寄る。
翔「…何をするつもりだ?」
蜜璃「この『テレポートウィザードリング』を使って、一気にドールハウスに帰るんだ♪」
3人の姿は光に包まれ、その場から姿を消した。
翔「うおっ!?」
蜜璃「とうちゃ~く♪」
深雪「便利ですね、この魔法♪」
渋谷からドールハウスに瞬間移動してきた3人は、ドールハウスに入っていく。
愛「あ、翔君!!どこ行ってたの!?」
翔「…散歩だ。」
愛「怪我とかは無い!?」
翔「平気だ。胡蝶さんと七草さんもいたからな。」
翔の言葉を聞いた愛はホッとした。
愛「あれ?深雪ちゃんと蜜璃ちゃん……そのベルトは?」
蜜璃「よ、よく分かんないんだけど……」
深雪「私たちも、仮面ライダー始めました♪」
愛「…えっ?そうなの?」汗
翔「俺が証言する。」
その後、4人は蜜璃の手作りスイーツをじっくり味わい、ちょっとしたお茶会を楽しんだのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
翔「まさか…胡蝶さんと七草さんが変身するとはなぁ……予想外だった。」
「私もびっくりしました。」
「それと、左手のこれ……武器としては良いと思うんだけど、何だか少しだけ不便な気がする……」
翔「おい、また変身してんのか?」
メイジ(青:深雪)「どうですか、翔君?」
翔「どう?……まぁ、様になってんじゃねぇの?」汗
メイジ(緑:蜜璃)「戸惑ってる翔君も、可愛いっ!!」
翔「……。」汗
やさぐれショウ「ということで、深雪さんと蜜璃さんが仮面ライダーデビューする回でした~。」
やさぐれショウ「次回も、お楽しみに~」