〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
やさぐれショウ「あぁ、今年ももうすぐ終わりだね。」
翔「…そうだな。」
やさぐれショウ「翔は、残りの日数でやりたいことはある?」
翔「…俺は、信頼している皆と共に過ごしたい。それだけだ。」
やさぐれショウ「…成る程、了解した。」
やさぐれショウ「じゃ、本編行ってみよう。どうぞ」
12月31日……この日は、大晦日である。
この日、Dollsはイベントでの仕事でてんてこ舞いであった。仕事を済ませ、ドールハウスに戻った時には、既に日は傾いていた。
ヤマダ「あぁ~…やぁっと終わった~。さて、今年最後のレイドバトルでもやりましょ~かね?」
サクラ「ヤマダさん?帰ったら、ドールハウスを大掃除するんですよ?」
ヤマダ「うげっ……」汗
ナナミ「うぅ……掃除番長、再来ですか……」汗
サクラ「何か言った、ナナミちゃん?」
ナナミ「あっ、いえ…何でもないです!ハイ……」
ドールハウスに帰った後は、元ストライカー達、深雪、蜜璃と共に大掃除をすることを約束していた。
翔「……。」
翔(自宅マンションを失ってから、ドールハウスには世話になった……せめてもので、な…)
そう思いつつ、翔は心の中でやる気を燃やし始めていた。
ドールハウスに着いた時は、17:30になっていた。
蜜璃「お帰り、みんな♪」
深雪「少し休憩してから、大掃除を始めましょう♪」
ドールハウスに戻ってきたメンバー達を、蜜璃と深雪は迎えた。
アヤ「ううん、この後すぐに始めようと思ってるわ。」
ヤマダ「うえぇ…深雪さんのお言葉に甘えるとしましょうよぉ~…」
ヤマダはアヤに言うが、
アヤ「それはd」
翔「ダメだ。」
アヤに割り込み、翔がヤマダに「ダメ」と言う。
翔「大変なことは先にやっちまった方が、後々楽になる。そのままにしてりゃ、気分もあまりよくねぇだろ?」
ヤマダ「…確かに、そうっすね……」
翔の言葉に、ヤマダの表情は真剣になる。翔の説得もあり、ヤマダは珍しく気合いを込めていた。
アヤ「翔、ヤマダを説得してくれてありがと♪」
翔「気にするな。」
その後、ドールハウスの大掃除が始まった。主に、サクラの指導であちこちを掃除していく。
サクラ「深雪さん、棚の上にも埃が乗っていると思うのでこれを使ってください!」
深雪「は、はいっ!」汗
サクラ「蜜璃さん、ここのスペースにいくつか収納ボックスを設置したので、資料等はここにしまってください!」
蜜璃「お、分かった!」
サクラ「むむむ……隙間に残っている埃が目に付きますよね。」
ナナミ「うう…見えちゃうと、耐え難いですね…掃除機かけます…」汗
サクラ「なら、ついでに照明の上とか棚の裏側もまとめて掃除しておきましょう。」
雪枝「さ、サクラさん…すごく張り切ってる……」汗
幸子「それに、指示も的確です。」
サクラはテキパキと動きながらメンバー達に指示を出していく。そのため、部屋はあっという間にキレイになった。その後、シミュレーションルーム、レッスン場、観測室、元ストライカー達の女子寮、事務所等々……だが、
翔「自分の部屋は自分で掃除する。」
翔の部屋はやらなかった。翔の部屋以外の掃除が終わると、
翔「サクラ、お前も来い。」
翔はサクラを呼び、自室に入っていった。
サクラ「えっと、翔さん…?」
翔「お前の強み、ここでも生かしてくれよな?んで、これはどう掃除すりゃ良いんだ?」
翔は手持ちのDX 変身ベルトを見せながらサクラに聞く。
サクラ「エイムズショットライザーやザイアスラッシュライザーは、この除菌シートでキーをセットするスペースを磨きましょうか?」
翔「ふむ……」
サクラ「メテオドライバーはスライドトリガーで天球儀が回転するので、そこに除菌シートを当てましょう。」
サクラの提案を飲み込んだ翔は、変身ベルトを磨き始める。
翔「意外と汚れが取れるんだな。」
サクラ「こういう小さなスペースを掃除するとなりますと、多少の抵抗はうまれますよね……」
翔「まぁ、そうだな。」
その後、サクラの手伝いもあり、自室の隅々も掃除し終えた。
サクラ「…ふぅ、翔さんの部屋も更にキレイになりましたね♪」
翔「あぁ、ここまでスッキリしたのはお前のお陰だ。感謝する。」
サクラ「ふぇっ!?……え、えへへへ…♪///」
翔にお礼を言われ、頬を赤く染めるサクラ。
愛「あ、翔君お帰り~♪」
翔「おぉ。」
愛「あれ?サクラちゃん、顔を赤くしてどうしたの?」
翔「…さぁな。」
寮に戻ってきた翔は、すぐそこの絨毯に胡座をかいて座った。
モニカ「さ~て、掃除も終わったし……この後どうするの?」
翔「決まってんだろ…大晦日と言えば……あれだろ、南田さんよぉ?」
カナ「へっ!?…あ、あぁ……はい、あれ、あれですね!」アセアセ
急に振られ、焦るカナ。
斑目「青空、“あれ”って一体何だ?」
斑目が翔に聞くと、翔はリモコンを手に取り、TVをつけ、チャンネルを変えた。それは、大晦日恒例のあの番組だ。
翔「…これだ。」
その番組は…『絶対に笑ってはいけない』シリーズだ。ちなみに、録画も済ませてある。メンバー達は夕飯の準備をし、番組が始まるのを、今か今かと待っていた。数分後……
TV『我々の感情の一つであるもの…それは、“笑い”……もし、それが奪われたら……』
番組が始まった。メンバー達は年越しそばを啜りながら、番組を見る。見ているうちに…いつの間にか、自分達も参加していた。必死で笑いを堪える者、クスクスと笑う者、堪えきれずお腹を抱えて大笑いする者……メンバー達の楽しそうな笑い声は、翔の心を癒すのには十分だった。
深雪「翔君。」
翔「…?」
深雪は翔の右隣に座る。
深雪「こうして皆で笑って過ごすのは、楽しいですね。」
翔「…そうだな。『笑う門には福来る』ってか?」
深雪「ふふっ、その通りですね♪」
深雪は微笑む。
蜜璃「翔君、左隣座って良いかな?」
翔「…良いぞ。」
蜜璃は翔の左隣に座った。
蜜璃「何だか新鮮だな~、皆と笑って過ごすのは。」
翔「……。」
かつての深雪と蜜璃は、潰れた大病院では酷い扱いを受けていたため……こうして、大勢で笑って過ごすことはなかったのだ。
蜜璃「この時間は、本当に幸せ……私、翔君達と出会えて良かったよ。」
翔「何だよ…急にどうした?」
蜜璃「ここ、居心地も良いし…ここでの仕事は、やりがいを感じるんだ。」
深雪「私もです。皆は可愛くて良い子達ですし、愛さんとお話する時間も増えましたし……何より、翔君と一緒に過ごす時間は楽しいです。」
深雪と蜜璃は、笑顔を浮かべていた。
蜜璃「だからね…翔君、本当にありがとう♪」
深雪「刺激的な日常、楽しい日常を過ごせました。翔君、ありがとうございます♪」
深雪と蜜璃にお礼を言われた翔は、何故お礼を言われたのか分からなかったが……
翔「…むしろ、こっちが礼を言う立場だ。俺らの心身をケアしてくれて、ありがとう。本当に助かっている。」
と、真顔で深雪と蜜璃にお礼を言い、口角を上げた。
深雪「…翔君…♪」ウルッ…
蜜璃「そう思ってくれてたんだね、嬉しいっ!!」ポロッ…
深雪は目に涙を溜め、蜜璃は思わず涙を溢した。しかし、その表情は嬉しそうだった。その後、『笑ってはいけない』を見て、大晦日をメンバー達と笑って過ごしたのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
翔「南田さん、大爆笑してたな。」
やさぐれショウ「えっ、そうなの?」
翔「あぁ。あの人、お笑い番組とかが大好きなんだと……」
やさぐれショウ「そうなんだ。」
翔「お前も、今年もお疲れ様だな。」
やさぐれショウ「おぉ、ありがとう。」
やさぐれショウ「次回も、お楽しみに~!ではでは、良いお年を~」