〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



翔「前回は、ティエラの野郎が来やがったな。」
やさぐれショウ「そうだね。未だに懲りてないようでまぁ……全く、親の顔が見てみたいわ!!」
翔「何言ってんだお前?ソイツの親にあってどーすんだよ?」
やさぐれショウ「…貴殿方はどんな教育をしてきたんだって言いたい。」
翔「言っても無駄だろうよ…」
やさぐれショウ「……そっか。」

やさぐれショウ「さて、本編行きます。どうぞ」


第百五十九話 目覚める者たち

翔が池袋駅前に着いた頃には、既にメンバー達も集まっていた。

アヤ「みんな、お疲れ様ー!」

シオリ「渋谷は無事、はぐれピグマリオンの討伐を終えました。」

レイナ「チームBもPERFECTよ。1匹の狩り漏らしもないわ。」

どのチームも、全てのはぐれピグマリオン殲滅に成功したようだ。

サクラ「はぐれピグマリオン…強いことは強かったんですけど、その…」

ミサキ「はっきり言って、敵じゃない。途中、妖魔も乱入してきたけど、肩慣らしにもならなかったわ。」

サクラ「ですよね…!」

翔「妖魔の乱入があったのか?」

翔がそう言うと、

一海「まぁな。だが、俺らが全員ぶっ飛ばしたぜ!」

と、一海が言う。

翔「…そうか。」

紫「そんな顔をするな、翔。数が多くても、それほどの脅威では無かったのだから。」

険しげな顔をする翔に、紫は言う。

ヤマダ「確かに。期待したより低難度だったっすね。運営の調整ミスかと思いましたよ。」

ヤマダはニヤッと笑う。

シオリ「それだけ私たちが強くなっているということですよ。」

ヒヨ「うんうん!ヒヨもそーおもった!」

シオリとヒヨは、笑顔を見せる。

ナナミ「それにしても、疲れました。久しぶりに戦ったせいですね、きっと。」

ナナミがそう言うと、

ミサキ「最年少が、情けないこと言わないで。」

と、ミサキが厳しく言う。

ユキ「……おやすみなさい。」

ミサキ「もう…!貴女まで…」

マイペースなユキに、困惑するミサキ。

翔「……。」

翔(ミサキの奴……何か、様子がおかしい気がする……)

翔は目で、ミサキの様子を伺っている。

ナナミ「そんなにつっかからないでください。…皆さん、疲れているんですよ。」

ナナミが言うように……

アヤ「あたしも、結構足にきちゃった。今日はウロウロせずに、もう帰ろ!」

レイナ「そうね、もうすぐ新曲のインストアライブだもの。ゆっくり休んで、お肌のケアもしないと。」

ヒヨ「はやくかえって、おやつたーべよ♪」

他のメンバー達にも、疲れの色が見えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミサキ「……なまぬるい。

 

ミサキはボソッと呟いたが……

翔「……。」

彼女のこの一言を、翔だけは聞き逃さなかった。

翔「…ミサキ。」

ミサキ「…いえ、何でもありません。任務完了です。戻りましょう。」

何とか誤魔化そうとするミサキだが、

翔(…コイツ、何かあるな?)

翔は彼女の変化を、薄々感じていた。

友香「私たちも、帰りましょう。」

諒芽「そうだな。翔ちーん、またな~。」

翔「…あぁ。」

一海達を見送った翔とDollsは、ドールハウスに戻っていく。

ミサキ「……。」

翔「……。」

ミサキ「……。」

翔「…ミサキ。」

ミサキ「…は、はい?」

翔「…ちょっと良いか?」

翔は足を止める。

レイナ「どうしたの、翔君。」

翔「お前たちは先に戻ってろ。」

シオリ「ですが」

翔「良いから戻れ。」

半ば強引にミサキ以外のメンバーをドールハウスに戻らせた翔は……

翔「立ち話も疲れるだろう、そこのベンチで話そうぜ。」

と、ミサキをベンチに誘った。そして、お互いがベンチに座った後、

翔「…お前は、自分が強くなったって感じてるか?」

と、翔はミサキに聞く。

ミサキ「はい。はぐれピグマリオン討伐は……正直、肩慣らしにもなりません。」

翔「そうか。だが、妖魔の乱入もあったみてぇだな?」

ミサキ「一海さんの協力もあったので、苦ではありませんでした。」

翔「…そうか。」

ミサキの話を聞いた翔は、目を閉じる。

ミサキ「……翔さん?」

翔「…ミサキ、お前に1つ警告しておく。」

翔は目を開き、ミサキの方を向く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「自分の強さに、ぜってぇ餓えるな。」

 

翔は続ける。

翔「ミサキ、確かにお前は強い。だが、これだけは覚えておけ……強さに餓えてしまえば、周りが見えなくなる。最悪の場合……大切なモノを失うことだってあるんだ。」

ミサキ「……。」

翔「もう一度言っておく……自分の強さに、決して餓えるなよ?」

ミサキ「……。」

翔「分かったのか?分からなかったのか?…どっちだ?」

ミサキ「…分かりました。」

翔「…さて、戻るか。急に呼び止めて悪かった。」

ミサキ「…いえ。」

その後、翔とミサキはドールハウスに戻った。

 

 

 

翔「斑目さん、遅れてすまな--」

事務所に入ると、

???「……。」

スーツ姿の男の姿があった。

斑目「……ご苦労。どうしたんだ?」

翔「少し道草食ってた。」

斑目「そうか。お前たち、はぐれピグマリオン討伐、随分早かったな。」

レイナ「ええ、討伐は美しく完了したわ。それより、そちらの方は…?」

レイナは謎の男を見ながら言う。

???「斑目君……これが今の君の部下たちか。」

斑目「…ああ、そうだ。」

???「資料では見ていたが…本当にあどけない少女たちだなあ。」

謎の男はそう言うが……翔は警戒心を強めている。

翔(…何者だ、コイツ…?)

ミサキ「あ、あの…小鳥遊防衛大臣、ですよね…?」

ミサキは男に聞く。

小鳥遊「君は、『No.1ドールのミサキ』だね。」

ミサキ「私のこと、ご存知なんですか!?」

小鳥遊大臣の言葉に、ビックリするミサキ。

小鳥遊「国防に関する重要事項だ。資料は一通り、目を通しているよ。君の戦闘能力は秀でている。なにより任務遂行能力がピカイチだ。」

小鳥遊大臣の絶賛に、少し照れるミサキ。

小鳥遊「君が『今の立場』でなければ、是非とも女性初の幕僚長を目指して欲しいところだよ。」

ミサキ「あ、ありがとうございます…!」

緊張しながらも、小鳥遊大臣にお礼を言うミサキ。

ミサキ「ですが私はドールという立場に、誇りを持っています。“ドールにしかできない、大切な任務”に…!」

小鳥遊「…フラれてしまったな。」

小鳥遊大臣は少し残念そうに言うと、

小鳥遊「だが、職務に誇りを持つことは大事なことだ。その年で、本当にしっかりしている。」

と、ミサキを褒めた。

ミサキ「あ、ありがとうございます!」

再び小鳥遊大臣にお礼を言うミサキ。

小鳥遊「…おっと、時間だな。斑目君、それでは失礼するよ。」

去ろうとする小鳥遊大臣に、

斑目「先ほど話にあったドールハウスと自衛隊の連携だが--こちらとしても歓迎したい。脅威に立ち向かうために足並みは揃えたい。」

と、伝えた。

小鳥遊「受け入れてくれて感謝する。しかし、斑目君----」

小鳥遊大臣は、斑目にこう言った。

小鳥遊「相変わらず、君は敬語が使えないね。私は気にしないが、いずれ出世に響くぞ。」

斑目「あいにく、出世には興味がない。」

斑目は小鳥遊大臣に言い返した。

小鳥遊「……それは失礼した。」

小鳥遊大臣は、ここで話題を変える。

小鳥遊「君たち『Dolls』も…確か、もうすぐ新曲が発売だとか?」

彼の言葉に、ビックリした顔をするミサキ。

ヒヨ「ひよっ!?おじさん、そんなことまで知ってるのー!?」

ヒヨも驚きながら言う。

小鳥遊「自衛隊や庁内にも、君たちのファンは多い。オジサンはオジサンなりに、若者についていこうと必死なんだよ。」

アヤ「やだ…なんか嬉しいじゃん…?」

サクラ「はい…!政府の偉い方が、Dollsを応援してくださってるなんて…」

シオリ「新曲が出たら、お送りさせていただきますね。」

小鳥遊「ああ、楽しみにしているよ。」

防衛大臣に絶賛され、嬉しそうな顔をするDolls。

翔「……。」

翔(丸め込まれやがって……)汗

そんな彼女達に……翔は少し呆れ、ため息をついた。

小鳥遊「さ、今度こそ帰るよ。ドールハウスの諸君と会えて光栄だ。」

小鳥遊大臣はそう言うと、事務所から出ていった。

翔「……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドールハウスの玄関にて……

 

小鳥遊「あれが……『Dolls』ねえ----」

そう呟く小鳥遊大臣。

翔「……。」

すると、玄関から翔が出てきた。

小鳥遊「おや?」

翔「……。」

目で小鳥遊大臣を見る翔。

小鳥遊「君は…『マスター』だね。彼女たちの。」

翔「ちげぇな……俺はここで保護されているだけだ。」

翔は小鳥遊大臣の方に、向きを変える。

翔「…何故ここに来た?確か、明日から施行される新法案が、何か--」

小鳥遊「君は--」

翔「…?」

小鳥遊大臣は、翔にこう聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小鳥遊「彼女たちを…『少女』たちを、どう思う?」

 

それに対して、翔は……

翔「Dollsの皆のことか…?……ま、幸せになって欲しいもんだよ。…それを知ってどうする?」

小鳥遊「……なるほど。」

小鳥遊大臣は……

小鳥遊「--おめでとう。君の願いは叶うだろう。」

と、言うと…口角を上げた。

翔「…は?」

困惑する翔に、

小鳥遊「ふふ…有能な政治家は、有能な予言者になり得る。」

と、小鳥遊大臣は言う。

小鳥遊「今私が作った。至極、名言だろう?」

翔「……。」

翔は何も言わなかった。

小鳥遊「では、失礼するよ。君たちに幸運があらんことを。」

小鳥遊大臣はそう言うと、ドールハウスから去っていった。

翔「……。」

1人取り残された翔は……小鳥遊大臣の姿が見えなくなると……

 

翔「……何が名言だ、くだらん。」

 

と、冷たく吐き捨てた。

翔(…アイツ、何か裏がありそうだ……それに、妙な胸騒ぎもする……鬱陶しい程に……)

これまで以上に、嫌な予感を感じ始める翔……彼が感じた予感は、的中するのか……それとも、的中しないのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マキナ「空が啼いている。風が啼いている。鳥が啼いている。命が啼いている----

 

 

 

……そう、生まれるのね。」

庭園の中で、マキナは1人呟く。

マキナ「吐瀉物ではなく、肢体から生まれ出ずる異形の命----

 

人類の前に現れる、第3の敵。

 

英雄・『青空 翔』……どうか、私に見せてちょうだい。

 

この絶望を前に、貴方と人形たちがどんな感情を育んでゆくのか----

 

楽しみね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--嗚呼、楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の言う“第3の敵”とは、一体……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とある廃旅館では……

 

昇「みんな、居るな?」

昇が、ストライカー達を大広間に集めた。

昇「僕らは、青空隊長を連れ戻すために、何度か行動を起こしたね?だけど、幾度も失敗してきた……」

彼の言葉に、ストライカー達は全員「何を今更……」と言うような表情を浮かべている。

昇「だが、今から僕が考えた作戦を説明する。よく聞いてくれ!」

昇は、ストライカー達に作戦を説明し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昇「良いかい?青空隊長は、困っている人を放っておけない性格だ……子どもや老人に手を差し伸べる様子も目撃されているそうだよ。それに、彼にの近くにはDolls達がいる。そこでだ……彼が1人で行動するのを狙うんだ。それだけじゃない……例えば、子連れ親子を人質にすれば、彼は絶対に食い付くはず…できれば、赤ちゃんを抱いた人がベストだ。そして、その親子と引き換えに、青空隊長を連れ戻すんだ。勿論、彼が拒否すれば…みんなの好きにすれば良いさ。」

 

それは、翔の優しさを利用して…彼を連れ戻そうという魂胆だった。

ストライカー達「…なるほど。」「それは、良い考えかもしれないわね。」「そっか、隊長は優しいからな……」

ストライカー達も、昇の作戦に……今回だけは賛成した。

昇(青空隊長なら……ここまで壊れてしまったストライカー達の更正に、力を貸してくれるかもしれない……僕は、彼女達を救いたいんだ…!!)




いかがでしたか?今回はここまでです。



この回にて、白河 昇が立てた作戦内容が明らかになりましたね。彼らの作戦は……果たして、成功するか……失敗するか……

次回も、お楽しみに~
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