〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
今回は、翔とミサキの回でございます。
普段は規律や効率を優先し、感情に振り回されるような行動をしない彼女だが、翔の前では…………
では、どうぞ
この物語は、サクラがDollsに加入し、翔がDollsに心を開く前の物語……
とあるマンションにて……
翔は、『アマゾンズドライバー』を磨いていた。数十分かけて磨き終え、特にやることが無くなった翔は……外出した。
その頃、ドールハウスにある女子寮にて……
サクラ「あ、ミサキさん。」
ミサキ「少しジョギングしてくるわ。」
ミサキがジョギングに行く準備をしていた。肩の包帯は、まだ取れていない。
ミサキ「サクラ、少しいいかしら?」
サクラ「はい、もちろんです!」
ミサキ「2日前に、翔さんと話をしたそうね。」
サクラ「あ、はい。」
ミサキ「翔さんと接する際、サクラはどんな事に気をつけていたの?」
サクラはうーんと考え、こう言った。
サクラ「いきなり否定をしないこと、目線の高さ、それと…感謝をすること、ですね。あ、それと……翔さんが黙っていても、決して怒らないでください。翔さんは、話に耳を傾けてくれていますから。」
ミサキ「成る程…ありがとう、サクラ。」
ミサキはサクラにお礼を言うと、寮を出た。
その頃、翔は……
いつものように、街を歩いていた。街中では、彼の評判は広がり、ひそひそ話が聞こえる。街の人達は、彼を良く評価しているが……
翔(…頼むから、そっとしといてくれよ……)
翔はひそひそ話をされるのが、嫌なのである。前の世界では、食堂で食事を取っていると…彼を見ながらひそひそ話をされることが、毎日続いた。それ以降、彼はひそひそ話をされるのが、嫌になってしまった。うるさい…黙れ…やめてくれ……そう言いたくなるのを堪え、彼はその場を離れた。そして、とある海浜公園に着いた。ここには、人の姿はあまりなく、彼はこの場所を気に入っている。いつも座っているベンチに座り、1人海を眺める翔。そこに…
ミサキ「…?翔さん?」
ミサキがやって来た。翔は目でミサキを見るが、すぐにまた海の方に目を向けた。
ミサキ「隣、失礼しますね。」
翔「…。」
ミサキは翔の右隣に座る。
ミサキ「お1人なんですか?」
翔「……だったら何だ?」
翔は海を眺めながら答える。
ミサキ「1人で寂しくないんですか?」
翔「…あぁ。」
ミサキ「…そう。」
ミサキは相づちを打つ。ミサキは翔の方に身体を向けているが、翔はミサキには目もくれず、黙って海を眺めている。
ミサキ(翔さんは帰って来てくれた……私は、彼に触れたい、触れてほしい…)
思わずミサキは、翔の右手に手を伸ばす。しかし…
翔「…触るな…!」
翔はそう言うと、右手を引っ込めてしまう。
ミサキ「あ…ごめんなさい…」
翔に怒られ、ミサキはシュンとしてしまう。
ミサキ(翔さんに嫌な思いをさせてしまった…何をしているの私……何がNo.1ドールよ…)
ミサキは黙って、自分を責めてしまっていた。すると…
翔「…なぁ。」
翔がミサキに話しかけて来た。
ミサキ「!?…何かしら、翔さん。」
ミサキは翔に優しい笑顔を見せる。
翔「…お前は、何故俺に話しかけて来た?」
翔はミサキに顔を向けていた。
ミサキ「翔さんと、話をしたいからよ…♪」
翔「…そうか。」
ミサキの返答を聞いた翔は、海の方に顔を向けた。ミサキは、積極的に翔に話しかける。
ミサキ「翔さん、何か趣味はありますか?」
翔「…。」
質問に答えようとせず、黙ったままの翔。
ミサキ「あ、あの…答えていただけると…」
翔「…その質問に答える義理はねぇ。」
翔にそう言われ、ミサキは黙り込んでしまう。翔はベンチから立ち上がると、その場を立ち去ろうとする。
ミサキ「あの、翔さん!」
ミサキに呼び止められ、足を止める翔。しかし、彼はミサキの方に振り向かない…それでも、ミサキは……
ミサキ「翔さんと話が出来て、嬉しかった…ですから……ありがとうございました、翔さん♪」
優しさに満ちた爽やかな笑顔を、翔に向けてお礼を言った。翔は何も言わず、立ち去って行った。ミサキは、翔の姿が見えなくなるまで、彼を見送った。
ミサキ(本当にありがとうございました…翔さん…♪)
ミサキは、翔と話が出来たことに喜びを感じていた。
翔が立ち去って数分後……
A「やぁ、ミサキ。」
Aがやって来て、ミサキに話しかけて来た。
ミサキ(折角いい気分でいたのに…最悪ね…)
ミサキは、不機嫌そうな顔をしながらAの方に振り向く。
A「あんな“クズ”といるより、オレといた方が楽しいだろ?今から遊びに行こうぜ♪」
Aはイケメンスマイルを見せながら、ミサキに言う。
ミサキ「翔さんが…クズ…?」
ミサキの声のトーンが低くなる。
A「だってアイツ、ミサキのことを嫌ってるみたいだしさ。あんな“カス野郎”なんて見捨ててさ、オレといようぜ。」
Aはニヤニヤしながら言う。そんなAの態度にミサキは…
ミサキ「ふざけるな!!」
とうとう、堪忍袋の緒が切れた。
A「んなっ、…ミ、ミサキ!?」
ミサキ「さっきから翔さんの悪口をニヤニヤしながらグチグチグチグチと…本当にクズなのは、貴方でしょ!!翔さんがこの場にいないことを良いことに、翔さんの悪口を!!」
ミサキは、左手でAの胸ぐらを掴むと…
グググググ……
軽々とAを持ち上げた。
A「わぁああ!?ちょ、ミサキ!!冗談だ!冗談だから、離してくれ!!」
Aは“冗談だ”と言うが、それは火に油を注ぐに過ぎなかった。
ミサキ「冗談?そう言えば許されるとでも思ったのかしら?」
A「っ!?」
Aの表情が、みるみる青ざめていく。
ミサキ「翔さんのことを何も分かっていないくせに、翔さんの悪口を言うなぁぁああああああああ!!!!」
堪忍袋の緒が切れたミサキは、Aに怒鳴りたてた。そして……
ミサキ「…ライダー、パンチ…はぁぁああああああああ!!」
ドゴォォオオオッ!
Aの腹に右ストレートを放ち、Aを思い切り吹っ飛ばした。
A「んぶふぅぅううううううう!!」
Aはミサイルの如く、後方に勢い良く吹っ飛んでいき、姿が見えなくなった。
ミサキ「…翔さんの悪口を言う者、翔さんに危害を加えようとする者が誰であろうと…私は、絶対に許さない…」
ミサキは目を閉じ、そう呟く。その後、何事もなかったかのように、ランニングを再開するのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
最後、まさかのAが出現…そのAの腹に、ミサキの『ライダーパンチ』という名の右ストレートが炸裂し、Aはミサイルの如く、吹っ飛んでいったとさ(笑)。
次回は、翔とシオリの回になります。お楽しみに。
では、またね