〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



害特、オートギア、シレーヌの進化……様々な展開が起こり、Dollsと翔の仲が、次第に悪くなっていく方向へと進んでいく。そんな中、彼の身体にも…原因不明の異変が起きている……そんな中、深雪と蜜璃の前に謎の人物が現れる。

では、本編へどうぞ


第百七十四話 蝕むモノと最後の希望

ドールハウスに戻ったDollsは、ギスギスしていながらも、翔の説得で休むことになった。

 

一方、翔は再び医務室に来て、診察を受けていた。

愛「う~ん……」

翔の担当医である愛は、顕微鏡を覗き、翔の異変の原因を掴もうとしていた。

蜜璃「どう、愛ちゃん?」

愛「…まだ分からないな……」

翔の細胞を採取して顕微鏡で覗いてみたものの、分からないままだった。

翔「…少し時間を置いてみたらどうだ?何か変化が起こるかもしれねぇし……」

愛「…そうだね、そうしてみよっか。」

翔の提案で、少し時間を潰した後にもう一度見てみることになった。

翔「そうだ…バースドライバーはどうしたんだ?」

深雪「鴻上ファウンデーションの方に回収してもらって、修理してもらっています。いつ直るかは、分かりませんが……」

翔「…そうか。」

破壊されたバースドライバーに関しては、鴻上ファウンデーションで修理を行うそうだ。バースバスターは破壊されず、そのまま残っている。セルメダルも、まだ沢山ある。

愛「ねぇ、翔君?」

翔「…?」

愛「身体が苦しくなった時、何をしたら治まったか覚えてる?」

翔「…そうだな……七草さんが持ってたハンバーガーを食ったら、苦しくなくなった。」

愛「ふんふん……あ、メモ取っても良いかな?」

翔「あぁ。」

愛は翔の言葉を一語一句聞き逃さず、メモを取っていく。深雪や蜜璃の証言では、翔が苦しさを感じたとき、彼の目が赤く濁っていき、声も変わっていくそうだ。愛がメモを取り終えたところで……

翔「そろそろ見てみたらどうだ?」

採取した翔の細胞を顕微鏡で見てみる。すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛「…え?…何これ……」

 

最初は何も異変は無かったのだが……一部の細胞が赤黒くなり、糸のようなモノを伸ばし、他の細胞を蝕んでいっているのだ。

愛「深雪ちゃん、蜜璃ちゃん、見て!」

愛に声をかけられ、深雪と蜜璃も顕微鏡を覗く。

深雪「翔君の身体の異変の原因は…これ……?」

蜜璃「細胞が……」

深雪と蜜璃も、見た光景に言葉を失っていた。

翔「何が見えるんだ?」

翔は深雪と蜜璃を退かし、顕微鏡を見てみる。

翔「…何だよこれ?」

赤黒い細胞が、他の細胞を飲み込んでいく光景に、翔も言葉を失う。その時……

 

ドクン……

 

翔「…ッ!?」

 

ドクン…ドクン……

 

翔「ガッ……ア、アアァァ……ッ!!」

翔は胸部をおさえ、苦しみ始める。

愛「翔君っ!!」

翔「ガアァァ…ヴッ、アアァァッ……!!」

彼の目が、血のように赤く濁っていく。

蜜璃「翔君、ちょっと待っててね!」

蜜璃は慌ててハンバーガーを取りに行く。このときのために、余分に買っておいたのだ。

深雪「大丈夫ですか、翔君!?」

翔「アァッ…!……オ、俺ヲ…コうそク、してクレェ……!」

愛「…えっ…?」

翔「ハやグ…オレが、俺ジャ…ナクナル、マエニ……!!」

愛「…分かった…!」

深雪「愛さん。」

愛「深雪ちゃん、翔君を…」

愛と深雪は翔をベッドに縛り付けた。

翔「アアアアアァァァァァッ!!」

翔は喉が張り裂けるような雄叫びを上げて……

 

プシュゥゥゥウウウウウウッ!

 

謎の蒸気に包まれる。

深雪「……!」

愛「……!」

次に、深雪と愛が見たモノは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔?「……。」

ベッドにいたのは、血のような赤く濁った目を見開き、顔には赤い涙のようなモールドが浮かび上がっており、口には鋭い牙があり、更に両手の爪が鎌のように鋭く尖った生命体だった。

愛「…翔、君……?」

 

 

 

翔?「…ガアァァアアアアアアアアッ!!

 

 

 

翔と思われる生命体は、愛と深雪に対し、威嚇をしている。

蜜璃「翔君、持ってきた……よ……」

買ってきたハンバーガーを持ってきた蜜璃も、目の前の光景に言葉を失い、ハンバーガーの入った紙袋を落としてしまった。そこから落ちたハンバーガーを見た翔?は……

 

翔?「ウゴオォォアアアアアアアッ!!」ガッ!ガタッ!

 

まるで、「寄越せ」と言うように暴れていた。

愛「…っ!!」スッ…

愛はハンバーガーを拾うと、翔?の元に向かう。

深雪「愛さん、危ないですよ!?」

蜜璃「あ、愛ちゃん!!」

愛「大丈夫!」

愛は翔の前で屈むと……

愛「翔君、愛だよ。あたしが分かる?」

と、彼に優しく声をかける。

翔?「ヴゥッ、ヴガァァアアアアアッ!!」

愛「辛いよね、苦しいよね?…でも、あたし達がついてるから、ね?」

翔?に対し、優しい笑顔で声をかける愛を見た深雪と蜜璃も……

 

 

 

深雪「翔君、私『胡蝶 深雪』もついています!一緒に頑張りましょう♪」

蜜璃「私『七草 蜜璃』も、翔君の側についてるよ!私も、頑張るから!!」

 

翔?に声をかけた。3人が声をかけつづけたことが幸いしたのか……

翔?「ガァッ!……!?…………。」

次第に大人しくなってくる翔?。

翔?「……ガ…ガダ、ヤマ…ザン……」

愛「…なぁに?」

翔?「……オレハ……」

愛「大丈夫、大丈夫だから…はい、これ♪」

愛はハンバーガーを、翔に差し出す。

翔「……!!」ガブッ

翔はハンバーガーにかぶりついた。彼の目からは、大粒の涙が溢れていた。半分程食べた時には、彼の身体は元に戻っていた。

深雪「翔君、今ほどきますね?」

深雪と蜜璃は、翔の身体のロープをほどき、彼を解放した。

翔「…お、俺……!」

混乱しているのか、頭を抱えている翔。

 

キュッ……

 

そんな彼を、愛は優しく抱きしめる。

翔「っ!?……片山さん、あんた…左腕が……」

愛「平気、大したことないから心配しないで?」

愛はそう言うも、痛みを堪えているのか左腕は僅かに震えていた。それを見た翔は、目を閉じ……涙を流す……愛はそんな彼を優しく抱きしめ、深雪は翔の右手を優しく包み、蜜璃は翔の背中を擦った。

 

 

 

あれから、2ヶ月が経過した。Dollsは芸能活動に集中したのだが、ミサキとヤマダが調子を発揮できずにいたため、苦戦していた。それでも、メンバー達は力を合わせて、乗り越えていた。愛も必死にリハビリをし……骨折した左腕は、見事に完治した。翔は検査入院のため、医務室のベッドにいた。そんな彼の見舞いに、元ストライカー達がやって来てくれる。一海達は、ビデオ通話でオンライン見舞いをしてくれていた。

ある日、買い物を終えた深雪と蜜璃が街を歩いていたところ……

???「失礼します、少しお時間よろしいですか?」

書生のような恰好をした黒い短髪の少年が声をかけてきた。

深雪「…?…はい、大丈夫ですよ?」

登史郎「あの、自分は『登史郎(としろう)』と言う者です。突然申し訳ありません。」

『登史郎』と名乗るその少年は、深雪と蜜璃をとある場所に案内する。

蜜璃「えっと、登史郎君…だったよね?」

登史郎「はい。」

蜜璃「一体、どこに行くの?」

登史郎「珠美様のところです。」

登史郎が深雪と蜜璃を案内したのは、他の家が見当たらない海の近くにある古い一軒家だった。

登史郎「珠美様、登史郎です。」

登史郎がドアに声をかけると……

 

ガチャッ……

 

ドアから、和服を着た黒髪の若い女性が姿を現した。

???「登史郎、彼女達が……」

登史郎「はい、『胡蝶 深雪』様と『七草 蜜璃』様です。」

登史郎がそう言うと……

 

珠美「そうですか。初めまして、私は『珠美(たまみ)』と申します。」

 

『珠美』と名乗る女性は、深雪と蜜璃に軽く自己紹介した後、2人に対して家にあがるよう促した。

 

 

 

深雪と蜜璃も軽く自己紹介した後、珠美と登史郎は話を始める。

珠美「胡蝶さん、七草さん…突然ここに連れてきてしまい、申し訳ありません。」

まず、珠美は深雪と蜜璃に謝罪をした。

深雪「い、いえ…それは大丈夫なんですが……」

蜜璃「それで、どのようなご用件で…?」

蜜璃の言葉を聞いた登史郎は、2つのアタッシュケースを取り出し、深雪と蜜璃の前に置く。ケースを開くと……そこに、スラッシュライザーとショットライザーと思わしきアイテムと、バックルが入っていた。

蜜璃「登史郎君…これは……?」

蜜璃が問いかけると……

登史郎「これは……X、Y、『Z』の3人を倒す力です。」

と、登史郎は言う。

深雪「X、Y、Z……それって、まさか……」

珠美「はい、『仮面ライダーザモナス』と『仮面ライダーゾンジス』……そして、『仮面ライダーバールクス』に変身する力を持っている者達です。」

深雪「ザモナス、バールクス……っ!?…ゾンジスって、確かあの時……!!」

深雪には、ゾンジスに見覚えがあった。突如翔に襲いかかり、駆けつけた自分達にも襲いかかってきた謎の仮面ライダーだ。

珠美「見覚えや聞き覚えが、ありますか?」

深雪「はい。」

深雪はザモナスが友人と戦ったことやゾンジスと戦ったあの日の出来事を、事細かに珠美に話した。

珠美「…成る程、そうでしたか。」

そして、珠美は深雪と蜜璃にあることを話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

珠美「ザモナス、ゾンジス、バールクスの3人に…平成ライダーの力は、通用しません。

 

珠美の言葉に、深雪と蜜璃は困惑したが…戦ったあの日を思いだし……漸く、理解した。次に、登史郎が語り始める。

登史郎「僕は…あの3人が憎い…!…ライダーの力を悪用し、仲間の命を奪い…平気な面を浮かべているアイツらが…憎くてたまらない!!平成ライダーの力が通用しないことが分かって、この『スラッシュアバドライザー』と『ショットアバドライザー』を珠美様と設計した。だけど……僕らには、適合しなかった……」

登史郎の目から、涙が溢れていた。アタッシュケースに入っているアイテムは『スラッシュアバドライザー』と『ショットアバドライザー』……所謂、変身ベルトだ。本当は、登史郎と珠美が使う予定だったが…ベルトが適合せず、変身ができなかったのだ。そのため、結局…泣き寝入りするしかなかった。そこで、アバドライザーの適合者を探しに、この世界にやって来たのだ。そこで見つけたのが、深雪と蜜璃だった。

珠美「奇妙な怪物達と戦う貴女達を拝見させていただきましたが…見事な連携でした。お互いを信頼しあっているようですね。」

珠美はそう言うと……

珠美「この『スラッシュアバドライザー』と『ショットアバドライザー』を、貴女方に託します。」

深雪に『スラッシュアバドライザー』を、蜜璃に『ショットアバドライザー』を渡した。深雪と蜜璃は「装着してみてください」と登史郎に促され、装着を試みたところ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《アバドライザー》

 

アバドライザーは、2人の腹部に巻き付き、装着された。深雪と蜜璃に適合したのだった。それを見た珠美は……

珠美「お互いを信頼しあっている貴女方なら…この力を正しく使えるでしょう……そして、英雄『青空 翔』さんを手助けしてください…最後の希望『アバドン』の力で…!」

と、深雪と蜜璃に告げた。

登史郎「お願いします…どうか、どうか……X、Y、Zの3人を…始末してください……!!」

登史郎は床におでこを当てて、土下座をして深雪と蜜璃に懇願した。

 

深雪「…顔をあげてください、登史郎君。」

 

深雪の言葉に、登史郎は顔をあげ、深雪と蜜璃を見る。

深雪「私も、ザモナスとゾンジスには怒りしかありません……大切な友人を傷付けたこと、絶対に許せません。」

蜜璃「翔君に苦しい思いをさせたからには…黙ってなんかいられないよ!」

登史郎「……!!」

深雪「引き受けさせてください。」

蜜璃「私も、引き受けさせてもらって良いかな?」

深雪と蜜璃の言葉に……

 

登史郎「…あ、ありがとうございます……ありがとうございます!!」ボロボロ

 

登史郎は大粒の涙を流し、2人に頭を下げた。その後、深雪と蜜璃は変身手順を教えてもらうため、一旦外に出る。

珠美「まずは、手に持っているキーを起動してください。」

珠美の指示で、深雪と蜜璃は『クラウディングホッパープログライズキー』のボタンを押し、起動させる。

 

《ヒット!》

 

珠美「次に、キーをアバドライザーに装填して開いてください。」

深雪と蜜璃は、起動させたプログライズキーをアバドライザーに装填する。

 

《オーソライズ》

 

音声が響いた直後、変身待機音が響き始める。深雪と蜜璃がキーを展開したところで、珠美は彼女達にに言う。

珠美「最後に、トリガーを引くことで変身できます。」

珠美の言葉を聞いた深雪と蜜璃は……

 

深雪&蜜璃「「変身!」」

 

と言った後、アバドライザーのトリガーを引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《シンクネットライズ》

 

音声が響くと、深雪と蜜璃は何やら赤い円盤のようなエフェクトと黄色い蛍光色のような筒状のエフェクトに包まれた。そのエフェクトが消え、現れたのは……

 

灰緑色のメインカラーに髑髏のような顔…更にパイプのような意匠を持つメカニカルな外見が全身に施されており、黄色い複眼を輝かせる仮面ライダーと思わしき姿だった。それぞれの個体はマフラー風のパイプ及び、右肩が固有の色となっている。1人は赤、もう1人は青だ。

 

クラウディングホッパー!

"An attack method using various group tactics."》




いかがでしたか?今回はここまでです。



深雪と蜜璃が新たな戦士に変身しましたが、本格的に登場するのは、もう少し後です。その前に、登場させたいキャラがいますのでね……しばし、お待ちを……

次回も、お楽しみに
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