〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
突然の出来事から一夜明けて……Dollsはすっかり変わってしまった。
では、本編へどうぞ
次の日の朝……
翔「……よぉ、お前ら。」
寮には、翔とDollsの姿があった。
ユキ「……おはようございます。」
ヒヨ「翔さん、おはよう!」
ナナミ「やれやれ……ようやく起床ですか。みなさん、呑気なものですね。」
翔「…お前もな?」
翔がDollsの様子を伺うと、彼女達は何やら集まっているようだった。
翔「てか……朝から集まってどうした?」
翔は彼女達に尋ねる。
レイナ「先日は色々あったから…これからのことをミーティングしていたの。」
先日……突如言い渡された『戦闘行為禁止』……任務は『アイドル活動』のみ……これにより、メンバー達は混乱に包まれた。
シオリ「墨田区スカイタワーに現れた新たなる敵、シレーヌ。」
アヤ「それから、私たちを助けてくれた自衛隊の最新兵器『オートギア』ね。」
レイナ「そして、自衛隊の長--小鳥遊防衛大臣からDollsな戦闘活動が禁止されたこと。」
翔「…そうだな。話さなけりゃいけねぇこと、山ほどあるな。」
大きな話題は、これだけではない……
アヤ「後、翔の異変も……」
翔の身体に、原因不明の異変が起きているのだ。突如、鼓動と共に表れる身体中の苦しみ……そして、目が赤く濁り、理性を失う……しかし、ダブチを食べると、何故か元に戻る。現在分かっていることは、翔の身体の中にある謎の細胞が……他の細胞を次々と侵食していくことぐらいだ。
翔「俺の身体を気にしてる暇はねぇだろ?」
アヤ「で、でも…!」
翔「大丈夫だ…俺は地獄のような痛みを幾度も乗り越えて来てんだ……こんなの、大したこたぁねぇよ。」
翔は表情を崩すことなく言った。
ヒヨ「あ……テレビ……」
テレビを見てみると、ニュースが報道されているのだが……
アナウンサー『--続いて、墨田区で起こった、ガス爆発事故に関する続報です。』
スカイタワー付近で起こったあの悲劇は、『ガス爆発事故』と、事実とは異なる内容で報道されている。
リポーター『悲惨な事故から5日。現場付近の立ち入りは厳しく制限されています。にぎわう観光スポットで発生し、100名以上の死傷者が出たこの事故。現場では自衛隊による懸命な復旧活動が続けられており--』
翔「……。」
翔(…何だ、このフザけた報道は?)
事実とは異なる内容に、腹を立てる翔。
アヤ「ガス爆発、か……そういうことにしてるんだ。」
サクラ「小鳥遊さん、さすがですね……まるであんな事件が無かったみたいに--」
ヒヨ「だけど……」
ヒヨはポツリと言う。
ヒヨ「たくさんの人が傷ついた…ヒヨたち…守れなかったんだね…」
ヒヨの言葉に、口角を下げるメンバー達。
ヒヨ「それも…家族の人には、本当のことも言えないなんて……ひどいよね……」
サクラ「ヒヨちゃん……」
事実が揉み消されているため、家族の無念を完全に晴らすことは難しい……そう思うと、複雑な気持ちになるメンバー達。
レイナ「…ところで、ミサキとヤマダは?今日はまだ、顔を見ていないわ。」
今気付いたことだが、ミサキとヤマダの姿が見当たらない。
シオリ「ミサキさんは、夜遅くまで外でトレーニングをしていたみたいで…」
翔「……。」
昨夜、ミサキがZに襲われそうになったことを、翔は黙っていた。
ナナミ「ヤマダさんは--言うまでもないでしょう。」
ナナミの言葉から察するに……
翔(ヤマダの場合、自室でゲーム三昧ってとこか……)
と、翔は思った。
レイナ「それは……美しくないわね。」
そう言って、ジト目になるレイナ。
ナナミ「全くですよ。戦闘禁止は決定事項なんですから。ぶんむくれてふて寝とか、小学生レベルです。おふたりには、大人の対応を求めたいですね。翔さんみたいに……」
メンバー達は困ってしまっていた。
ヒヨ「んー…でも、ヒヨもなんにもすることなくなって。体もなんだかだるくって、ずーっとテレビ見てるよ…」
サクラ「…そうだね。新曲お披露目ライブも中止になって…何をしたらいいのか、私もわからなくなって…」
普段の日常から外れてしまったメンバー達は、いつもの調子が出ず……更に、新曲お披露目ライブも中止になり、物事に無気力になりがちなメンバーもいた。
レイナ「やることがあるから、やるのではなく…必要だから、やるのよ。」
レイナはメンバー達に言う。
レイナ「このままでいいはずがないわ。ふたりを呼んできて----」
そこに……
コンコンッ…ガチャッ……
カナ「あの…失礼します。」
カナがやって来た。
翔「…何だ?」
翔が用件を尋ねると……
カナ「斑目さんから、全員事務所に来るようにと…急ですが、すぐに集合してください。」
どうやら、斑目から連絡があるようだ。
サクラ「あ、あの…私、ミサキさんとヤマダさん、呼んできます!」
サクラはメンバー達に言うと、
サクラ「翔さんも、一緒に…!」
翔に同行を求めた。
翔「…あぁ。」
翔はサクラと共に、まずはヤマダを呼びに行った。
コンコンッ……
サクラ「あの、ヤマダさん…?」
サクラはドア越しからヤマダに声をかけるが、彼女からは返事が帰ってこない。聞こえてくるのは、ゲームの音のみ……
サクラ「斑目さんから集合するようにと……」
サクラは諦めずにそう伝えるも……やはり、返事が無い。
翔「…サクラ、ここは俺に任せろ。」
サクラ「あ、すみません…翔さん……」
翔はヤマダの部屋のドアの前に立つと……
翔「ヤマダ、俺だ。」
と、声をかけた。すると……
ヤマダ『…んあ、なんすか?』
返事が帰って来た。
翔「サクラが言ったのもそうだが……俺はお前の顔が見てぇんだが……出てこれるか?」
翔がそう言うと……
ガチャ……
ヤマダ「お、翔さんじゃないっすか。サクラさんも、どうしたんすか?」
ヤマダが自室のドアを開き、顔を出した。
翔「集合だそうだ。俺も行こうと思ってんだが……お前もどうだ?」
ヤマダ「翔さんが行くなら、ヤマダも行くっすよ。」
ヤマダはそう言うと、ゲームを中断し……準備を済ませて、部屋から出てきた。
サクラ「後は、ミサキさんですね。」
翔「そうだな。」
ヤマダ「んじゃ、呼びに行くっすか?」
翔「あぁ。」
次に、ミサキを呼びに行くため、彼女を自室前に向かった。
コンコンッ……
翔「ミサキ、居るか?」
翔がドア越しから、声をかける。
ミサキ『…はい。』
部屋の向こうからは、ミサキの声が聞こえてきたが……
翔(…生き生きしてねぇな。)
その声から、彼女の元気が無いことは確かだった。
サクラ「あの、斑目さんから事務所に集合するようにと……」
ヤマダ「翔さん、ミサキさんの顔も見たいそうですし…顔ぐらい見せたらどうっすか?」
サクラとヤマダも声をかける。少しして、部屋のドアが開き、ミサキが出てきた。
翔「急で悪いな。」
ミサキ「翔さんが気にすることではありません。さ、行きましょう。」
意外にも、素直に応じたミサキにサクラは驚いていた。こうして、翔はサクラ、ミサキ、ヤマダと共に、事務室に向かうのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
普段の日常が奪われたことにより、メンバー達は生き生きしていなかった……
次回も、お楽しみに