〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
新曲披露ライブは中止になったものの……Dollsに新情報が…それは……
では、本編へどうぞ
事務所には、ドールハウス3巨頭、深雪と蜜璃、V、元ストライカー達の姿があった。
斑目「急に呼び出して済まない。」
斑目はメンバー達に言う。真剣な表情になるメンバー達だが……
ミサキ「……。」
ヤマダ「……。」
ミサキとヤマダは居心地が悪いのか、黙り込んでいた。
翔「用件は何だ?」
無表情を貫きつつ、斑目に尋ねる翔。
斑目「シレーヌの出現により中止となっていた新曲披露ライブだが……政府からの開催の要請もあり、こちらで検討を重ねた結果----」
メンバー「「「……。」」」
斑目「小規模なライブ--“ミニライブ”を開催することが決定した。」
それを聞いて、喜びの声をあげるレイナ。
レイナ「MARVELOUS!すばらしいわ!こんな時だからこそ、自粛するのではなく行動に出る。」
サクラ「新曲は、バラードですよね!」
今回、Dollsが歌う曲は『バラード』である。
ヒヨ「あの事件でケガした人たちが、少しでも元気になってくれたら…!」
ヒヨの言葉に、更に真剣な顔をするメンバー達。
シオリ「それで……場所は、どちらに…?」
斑目「予定通り、墨田区。開催予定日は、3日後だ。」
どうやら、ミニライブは墨田区で開催されるそうだが……カナは口角を下げていた。
ミサキ「墨田区ですって……!」
思わず抗議しようとするミサキだが、
翔「まだ話は終わってねぇんだよ!」
翔の言葉で大人しくなった。
翔「続けろ。」
斑目「ただし、中心地から外れた場所にライブ会場を特設する。」
斑目の説明に……
ヤマダ「要するに、連中の展開してる近場でフィール集めだけしてろと。」
ヤマダは不満をぶつける。斑目はため息をつき……
斑目「そうは言っていない。墨田区の復興を支援するという意味で--」
と、説明しようとするが……
ミサキ「現場にはまだ血の跡だって残ってる。それなのに、ライブ?復興支援?
……悪い冗談。でなければ、あまりにも悪趣味です。」
ミサキが斑目の話を遮り、抗議する。
ヤマダ「これには激しく同意っす。」
ヤマダもミサキと同じ意見であった。ミサキとヤマダが抗議したことで、その場にいるメンバー達は口角を下げる。
ヤマダ「ジブンらを現場から追っ払っといて、ずいぶんとまあ都合のいい話っすな。」
翔(ヤマダの気持ちは、まぁ分からなくもねぇ……けど、だったら何をするってんだ?戦いが禁止されてる状況の中……)
心の中でそう思う翔。
アヤ「ヤマダ。そーゆー言い方、やめなさい。」
アヤはヤマダに注意する。
アヤ「ライブだって、あたしたちDollsの大事な任務には違いないんだからね?」
ヤマダ「……。」
アヤ「ライブでフィールを集めて----」
ヤマダ「そんでその回収したフィールを、根こそぎあのロボット共にぶっ込むワケっすよね?」
ヤマダの言葉に黙るアヤ。
ヤマダ「それ、こっちになんかいいことあるんすか?見返りゼロのフィール回収ドレイじゃねーっすか!」
アヤに怒鳴り散らすヤマダ。
アヤ「もう、いい加減にして!!」
アヤは声をあげてヤマダに怒る。
アヤ「どんな事情があったとしても、Dollsはアイドルじゃん!アイドルが、歌って踊ってライブする。それがなんかおかしい!?」
しかし、ヤマダはアヤに反論する。
ヤマダ「少なくともジブンは、フツーのアイドルになった覚えはねえっすよ。リーダーはそれでいいんすか?歌って踊ってライブしてりゃ満足っすか!?」
アヤ「そ、それは----」
ヤマダの反論に、アヤは口ごもってしまう。
レイナ「…ヤマダ。勘違いしないで。」
そんな彼女に代わって、レイナがヤマダに言う。
レイナ「私たちは、自分の満足のために歌っていたわけではないはずよ。戦いを楽しむ気持ちは否定しない。それはゲームでもシミュレーターでも、好きに満たしなさい。」
レイナの言葉を聞いたヤマダは……
ヤマダ「おっ……なるほどなるほど…言質いただきっす。」
何やら思い付いたようで……
ヤマダ「…ミサキさん。気晴らしに一戦、どーっすか?」
と、ミサキを誘う。
ヤマダ「シミュレーターを鬼ムズ超難度に調整して、思いっきりやっちゃうってのは。」
彼女の誘いにミサキは……
ミサキ「……そうね。付き合うわ。」
少し間を開けたが、誘いに乗った。
サクラ「ミサキさん、ヤマダさん……」
その時……
ユキ「…わたしも、行きます。」
と、ユキが言った。突然のことにサクラは驚き…
翔「…は?」
翔は思わず、間抜けな声を出してしまう。
アヤ「ちょっ…ユキまで…!」
翔「おい、どういうつもりだ?」
ユキ「ミサキさんもヤマダさんも辛そうだから…私はそばにいたい、です……」
ユキはそう言うと、ミサキとヤマダの後を追って事務所から出ていってしまった。
翔「お、おいっ!!」
翔が呼び止めても、3人は事務所に戻って来ることは無かった。
翔「…アイツら。」チッ…
思わず、舌打ちをする翔。
斑目「……まだ話の途中なのだがな。」
翔「俺がアイツらに伝えておく…念のため、もう一度簡潔に説明しろ。」
翔は斑目に言う。
斑目「ライブは3日後。構成も何も決まっていない。いまは個人の心情より、ライブの成功が優先だ。」
シレーヌにより、心に傷を負った者は大勢いる。そして、Dollsのパフォーマンスを楽しみに待っている者も大勢いるのだ。
レイナ「ええ…こんなときだからこそ、中途半端なパフォーマンスは見せられない。」
だからこそ、Dollsのリーダー達は動き始める。
レイナ「シオリ、アヤ。リーダーミーティングよ。その後は各チームに分かれてレッスンを。ゼンマイ練習にすると、また収集がつかなくなるわ。」
アヤ「…そうね、了解。」
シオリ「翔君、申し訳ありません。そういうわけですので…」
シオリは翔に謝罪しつつ……
シオリ「シミュレーターの様子を、見てきていただけますか…?」
と、翔に頼んだ。これに対して、翔は……
翔「謝ってんじゃねぇよ、お前は何も悪くねぇんだから……承知した。無茶をするなと、注意しとく。」
シオリの頼みを聞き入れた。
アヤ「ほんっと、困ったヤツら…!本当にごめんね、翔。」
申し訳なさそうに言うアヤ。
翔「お前もだ、何も悪くねぇんだから謝んな。」
翔はアヤにそう言うと、シミュレーションルームへと向かった。
V「あ、ちょっと待って…!」
Vは慌てて翔の後を追いかける。
深雪「あの……」
ここで、深雪がメンバー達に言う。
深雪「私も、翔君のところに行って良いですか?正直、心配なので……」
蜜璃「あ、あの…私も、良いですか?」
蜜璃も深雪に続いて言う。
斑目「あぁ、頼む。」
斑目が許可したことで、深雪と蜜璃は翔とVの後を追って、シミュレーションルームに足を運んだ。
元ストライカー(隊長さん、大丈夫かな……?)(何だか、最近笑顔が消えてしまったな……)(Dollsのみなさんも、何だかギスギスしてるし……)(大丈夫だと、良いんだけどね……)
今の状況に、元ストライカー達も不安を感じるのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
自分の好きなことが奪われると、こんなにも感情がコントロールできなくなることって、あるんですね。改めて感じさせられた回でした(個人的な感想)。
次回も、お楽しみに