〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウっす。



いやぁ、アバドライザーは最高だ!!

それは置いといて……レッスンを意欲的に取り組めないメンバー達が現れた。戸惑うメンバー達を差し置いて、ライブの時はヒシヒシと迫りつつある。バラバラになったメンバー達を見た翔も、次第に戸惑いを見せる。

では、本編へどうぞ


第百九十話 不協和音

今日は事務所に、Dollsのメンバー全員が揃った。

レイナ「EXCELLENT!全員、揃ったわね。」

アヤ「なんとかね……」

シオリ「無理矢理、でしたけど……」

揃った理由として、半ば無理矢理メンバーを連れてきたのだ。そのため、不機嫌そうな顔をするメンバーもいる。

レイナ「いいのよ。全員いることが何より大事。」

メンバー達がここに呼ばれた理由、それは……

 

レイナ「なぜなら今日は、新曲披露目ミニライブの、全体構成を決める期限なんだもの。」

 

今日が、ライブ構成決定の期限だからだ。

レイナ「今日決定した構成を元に、照明や舞台効果のスタッフが動くことになるわ。」

アヤ「色々なことは一旦忘れて、みんな、気合い入れて決めるわよ!」

アヤはメンバー達に言う。

ヒヨ「う、うん!ヒヨ、がんばるよー!」

ヒヨが気合いを込めたところで、シオリが資料を配り始める。

シオリ「では、まずは草案をまとめた資料を配ります。」

次々とメンバー達の手元に届けられる資料。一部メンバーが、資料を見てビックリする。

 

ナナミ「げっ……曲数、10曲!?」

 

なんと、ミニライブで披露する曲は10曲もあった。その中の一つが、今回の新曲だった。

サクラ「あ、あの…これってミニライブなんですよね…?」汗

困惑しながらチームリーダー達に尋ねるサクラ。

レイナ「ええ、そうよ?」

レイナはそうサクラに返した。

ユキ「…いつものライブと、あんまり、変わりません。」

アヤ「チッチッチ。」

アヤは右の人差し指を左右に降った後、こう言った。

 

アヤ「確かに曲数は多めだけど、各チーム単独曲が3曲ずつ。最後に全員で新曲やって、フィナーレってワケ。」

 

アヤの言葉から……チームA、チームB、チームCの単独曲を3つずつの合計9曲…最後はメンバー全員で披露する新曲を入れて10曲だと分かる。

ヒヨ「うわわわわ…!むずかしい曲ばっかりだー!」

資料に目を通し、再び驚くヒヨ。

ミサキ「…レイナ。あなたがこの構成を考えたの?」

ミサキはレイナに問い掛ける。

レイナ「ええ、そうよ。」

レイナはミサキに言う。

レイナ「いまの状況で、最も観客を沸かせることのできる構成のはず。」

これに対してミサキは……

 

ミサキ「無茶苦茶よ。こんな複雑なプログラム…こなせるはずがない。」

 

と、言う。レッスンも真面目に、本気で取り組む彼女が…こうして弱音を吐くのは珍しい。とはいっても、いつも通りの日常が奪われているのだから、弱気になってしまうのも無理はないだろう。

レイナ「いいえ、できるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員が本気で取り組めばね。」

ミサキ「……。」

レイナ「少し前の貴女なら「できない」、なんて言わなかったはずよ。」

ミサキ「…言うわね。貴女。」

レイナの言葉を聞いたミサキは、悔しそうな…恨めしそうな顔をしてレイナを睨む。

ヒヨ「れ、レイナちゃん…」

ナナミ「どうしたんですか、レイナさん。そんな言い方…らしくないですよ…」

アツくなるレイナに、戸惑いを見せるヒヨとナナミ。

レイナ「……。」

レイナが黙り込むと、シオリはこう言った。

 

シオリ「…できないと思う方は、この場で言ってください。そのためのミーティングですから。」

 

しかし、「できない」と言う者は、誰一人現れなかった。

アヤ「確かに、この構成なら盛り上がることは間違いない。だけどチーム別の曲が多いから、誰かが欠けたら成り立たないわ。」

アヤの言うように、チーム別の曲は……メンバーが一人でも欠けてしまっては、話にならない。

サクラ「大丈夫…ですよね……?」

不安な気持ちを隠せないサクラ。

 

ミサキ「……。」

ヤマダ「……。」

 

ミサキとヤマダは言葉を発することなく……ただただ、黙っていた。

レイナ「…意見がないなら、これで決定よ。ただし、責任はきちんと果たしてもらう。」

レイナはメンバー達に厳しく言った。そして……

レイナ「私は、信じているから。貴女たちの強さを、美しさを。」

最後は、優しくメンバー達に言う。

レイナ「ミニとは言え、大切な新曲披露ライブ。全身全霊で、取り組みましょう!」

一同「「「はい…!」」」

レイナの言葉に、ミサキとヤマダ以外のメンバー達は返事をした。こうして、ミーティングは終わったのだが……

シオリ「……。」

シオリは「大丈夫なのだろうか…」と言うような、心配そうな顔をしていた。その時……

 

翔「…ちょっと良いか?」

 

翔が口を開いた。

レイナ「どうしたの、翔君?」

翔「俺からも、お前達に言いてぇことがあるんだよ……なに、説教なんかじゃねぇさ。」

翔はメンバー達の目を見た後、言いたかったことを言い始める。

 

翔「俺から見ても、このプログラムには無理があるって思う。だが、お前達はその無理があるプログラムを、何度も乗り越えて来た、そうだろ?」

 

メンバー「「「……。」」」

 

翔「何故お前達が乗り越えられたか、分かるか?」

翔の言葉に、メンバー達は考え始める。

翔「難しく考える必要はねぇ…簡単なことだ。」

ヒヨ「かんたんな、こと…?」

翔「あぁ。それはな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……お前らが、真剣に、本気で取り組んできたからだ。」

 

翔は続ける。

 

翔「まぁ、途中でダラける奴も現れたが…それでも、途中から本気で取り組んでいた。分からねぇことや困ったことがあれば、全員で助け合って、悩み、苦しみ…最後は笑って……そうやって全員が真剣に、本気になったから、今のお前達があるんだ。それだけは、決して忘れるなよ?」

翔の言葉を、メンバー達は全員、黙って聞いていた。

 

翔「…俺だって、お前達を信じている。」

 

翔はメンバー達に笑顔を見せる。メンバー達が見た翔の笑顔は優しかったが……不思議と、どこか悲しげなモノに見えた。

翔「俺からは以上だ。」

翔はそう言うと、メンバー達に背を向けて、事務所から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、翔は夜の公園にやって来ていた。

 

翔(化け物と戦うドールとしてのDolls、アイドルとしてのDolls…今までは、どれも全力で9人のバランスが取れていた。だが、突如として一方を奪われた今--)

翔は俯く。

 

翔(……アイツらの気持ちが、バラバラになっちまった。)

 

その時……

 

???「…翔君。」

背後から聞き覚えのある声がしたため、振り向くと……

翔「…シオリか?」

シオリ「はい、シオリです♪」

シオリが立っていた。

シオリ「静かに考え事をしたいとき、私もここに来るんです。」

どうやら彼女、考え事があってここに来たようだ。

翔「…そうか。」

シオリ「お一人のほうが、考えがまとまりますか…?」

翔「気を使う必要はねぇよ……」

翔はそう言うと…

 

翔「話を聞いてもらえると、ありがたい。」

 

と、シオリに言った。

シオリ「……翔君も、戸惑っていますよね。」

翔「…まぁな。」

シオリ「私も、です。」

翔「……。」

シオリ「もう、戦わなくていいと安堵している自分と…なぜ私はここにいるんだろうっていう、不安と…」

 

翔「…Dollsって、なんなんだ。」

 

翔は語り出す。

翔「お前は以前、オートギアと同じ駒だと言っていたな。だが…俺はそう思わない。」

翔の言葉に、口角を下げるシオリ。

翔「アイツらは、駒なんかじゃねぇ。生き、悩み、泣き、笑い…お前達が傷つかなくて済むのは、俺にとっても嬉しい。だが……

 

 

 

 

 

……運命から解放されるだなんて、あり得ねぇ……」

 

シオリ「……。」

 

翔「…すまん。考えがまだまとまってねぇんだ……」

口角を下げる翔。

シオリ「……いいんです、翔君。」

そんな翔に、シオリは優しく言葉をかける。

シオリ「どんな結論になったとしても、私は…いいえ、多分、『私たち』は--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--翔君についていく。」

 

翔「……。」

シオリ「だから、まずは翔君の本当の気持ちを…ゆっくりでいいんです。固めてください。」

月明かりに照らされるシオリの笑顔は、美しく…優しいモノだった。

翔「…シオリ……」

翔は少しだけ黙り込み……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「…考えておく。」

 

と、告げた。

シオリ「はい♪では、ドールハウスに戻りましょう。皆さんが心配していると思いますので。」

翔「…あぁ。」

そして、翔はシオリと共に、ドールハウスへと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天音「んで、ターゲットは見つかったの?」

リョウコ「それが…全然見つかんないんだ……」

天音「はぁっ!?何やってんのよ、それじゃあ翔を連れ戻せないじゃない!!」

イミナ「っせぇな!そう簡単に見つかりゃ苦労はしねぇっての!!」

その頃、とある廃旅館では……翔を連れ戻したいがあまり、ストライカー達が何やら揉めているようだった。

昇「やめろ!こんなことして何になる!?」

昇が止めに入ったことで、ストライカー達の口論はピタリと止んだ。

昇「青空隊長を連れ戻す方法は簡単なことなんだ…そう焦ることはない。」

真野「確か……子連れの大人を人質にして、隊長に脅しをかけるんでしたよね?」

昇「そうだ。青空隊長は優しい性格だ……罪のない人間を放っておけないはずだよ。」

遥「うん!隊長さんはすっごーく優しいからね!!」

 

昇(もうすぐだ……もうすぐ、彼女達は救われる……!彼女達を救うには、青空隊長が必要不可欠なんだ……ご対面まで、もう少しの辛抱だ…!)




いかがでしたか?今回はここまでです。



戸惑っているのは、ドールハウスだけではなく……裏切り者達もだった。だが、戸惑う理由は違う……裏切り者達はただ、獲物を捕らえることで…戸惑っていた。



新たに星10の評価をくださった『宇治松切歌』さん、星8の評価をくださった『後州人』さん、ありがとうございます!



次回も、お楽しみに
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