〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
ライブ開催の時間が迫る中、ウォームアップを始めようとした矢先……ピグマリオンの邪魔が入った。到着が遅い害特の代わりに、やむを得ず出撃したDollsと翔だったが……
では、本編へどうぞ
出撃したDollsと共に、現れたピグマリオンを薙ぎ倒した翔。
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カナ『戦闘終了しました。気をつけてください、まだ反応は残っています。』
一先ず、戦闘は終わったものの…ピグマリオン達はまだ殲滅できていない。
ミサキ「他愛もない。」
ミサキは言う。
ミサキ「やっぱり……私たちはまだ戦える……」
シオリ「……とりあえず、この周辺のピグマリオンは掃討完了ですね。」
あくまでも、彼女達が討伐したのは会場周辺の一部にすぎない。
カナ『まだ反応は残っているようです。いくつかの反応が検出されています。』
そのため、他の反応はまだ残ったままである。
PPP--
斑目『まったくお前たちは……』
その時、通信機から斑目の声が聞こえてきた。
翔「斑目さんか……」
斑目『組織において命令違反がどういう意味になるか、わかっているのか?』
通信機からメンバー達に言う斑目。
シオリ「放置しておけば、ライブ会場が危険にさらされていたかもしれません。緊急事態でしたから…小鳥遊さんも、理解してくださるはずです。」
シオリは斑目に言う。しかし…
斑目『そこは問題ではない。』
斑目はメンバー達にこう言った。
斑目『戦闘活動は禁止されているが、防衛活動そのものが禁止されているわけではない。』
ナナミ「だったら、結果オーライということで。うまく辻褄を合わせておいてください。」
ナナミがそう言うと…
斑目『お前たちはわかっていない。』
斑目は声をあげた。
斑目『物事には手順というものがある。行動をする前に、考えるということができないのか?』
ミサキ「その間に誰かが犠牲になったら、斑目所長に責任がとれるんですか?」
ミサキは斑目に反論するも……
斑目『責任をとるために私がいる。思いあがるなよ?』
斑目のこの言葉に、とうとう黙り込んでしまった。
斑目『青空、ドールたちを統率しろ。最近、目に余るぞ。』
斑目は翔に言う。
翔「…悪かったよ。」
不機嫌そうに謝罪する翔。
翔「つーかさぁ、害特の連中は一体何やってんだよ?こういうライブ会場付近に、ある程度の部隊を配置しておくとか、何でそんな事もできねぇんだよ?」
斑目『それは私ではなく、害特の隊員達に言っておけ。』
翔「あんたにも言っとく…物事には手順があるんだろ?だったら、今みてぇなことも少しは想定したらどうだ?」
翔の言葉に、斑目はため息をつく。そして……
斑目『ミサキ、ヤマダ。これで命令違反は2回目だ。3度目はないと思え。』
と、言い残し、通信を切った。
ミサキ「……。」
ミサキは沈黙を貫き…
ヤマダ「……フヒヒ。」
ヤマダは何故か笑う。
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カナ『ピグマリオン反応、接近!ライブ会場付近に向かっています!』
溝が広がるDolls達に、残酷にもピグマリオンの魔の手が伸びてくる。
翔「…またか。」
V「お兄さん、私はまだ行けるよ。」
翔「…あぁ、今度は俺とお前で」
その時…
ミサキ「ちょうどいいわ。今、気が立っていたところよ。」
ヤマダ「キヒヒヒヒ!久々の実戦!楽しませてもらうっすよ~!」
ミサキとヤマダは再び、出撃していってしまった。そんな2人を、ユキは追い掛けていく。
翔「あっ、おい!」
V「ちょ、ちょっと、待って!」
翔とVと残ったメンバー達は慌ててミサキとヤマダとユキを追い掛けた。
ミサキとヤマダとユキは、既にピグマリオン達との戦闘を始めていた。
翔「ちっくしょぉぉおおおおお…!!」
V「…っ!!」
翔は『仮面ライダーアマゾンデルタ』に、Vは『仮面ライダーディケイド』に変身し、ピグマリオンを迎え撃つ。
ディケイド「ふっ!」ズダァンッ!ズダァンッ!
ディケイドはライドブッカー(ガンモード)から、銃弾を放ち、ピグマリオンに風穴を空ける。
アマゾンδ「っらぁ!そらよぉっ!」ドゴォッ!バキィッ!
アマゾンデルタは肉弾戦を挑み、ピグマリオン達を次々と吹っ飛ばす。
ディケイド「くっ、これじゃあキリがない…!」
ディケイドはライドブッカーからライダーカードを取り出すと……
《カメンライド…ヒビキ》
『仮面ライダー響鬼』へと姿を変える。その後、『
ヤマダ「ほぼ全ての平成ライダーの力が使えるディケイド…流石はチートライダーっすなぁ!」
ミサキ「そうね。」
ディケイド(響鬼)の戦いを見て、関心を示すヤマダとミサキ。
アマゾンδ「V!地面に『ヒビキオンゲキコ』を着けて清めの音を叩き込め!」
ディケイド(響鬼)「分かった!」
ディケイド(響鬼)はライダーカードを取り出し、ネオディケイドライバーに読み込む。
《ファイナルアタックライド・ヒヒヒヒビキ》
音声が響いた直後、『ヒビキオンゲキコ』が出現し、地面に張り付いた。ディケイド(響鬼)は『音撃棒 烈火』を構え、
ディケイド(響鬼)「ふっ!」ドンッ!ドンッ!ドンッ!
清めの音を響かせ始める。
ディケイド(響鬼)「やぁっ!」ドンドンドンドンッ!
ディケイド(響鬼)がオンゲキコを叩く度に、ピグマリオン達は次々と消滅していく。
ディケイド(響鬼)「ふっ!はっ!はああぁぁっ!ふっ!」ドンッ!ドンッ!ドンドンドンッ!ドォンッ!ドォンッ!
尚、オンゲキコを叩き、清めの音を響かせるディケイド(響鬼)。
ディケイド(響鬼)「やぁぁああああっ!!」ドォォオオオオンッ!
最後の音を響かせた直後、周辺のピグマリオンが全て消滅した。
サクラ「す、凄い…!」
アヤ「あんなにいたピグマリオン達が、あっさり…!」
ナナミ「流石、仮面ライダー響鬼ですね。」
ディケイド(響鬼)の清めにより、ピグマリオンの殲滅に成功した。
ナナミ「あっ、レイナさん、時間が……」
レイナ「……!」
ヒヨ「あと5分で、ライブ、始まっちゃう!」
だが、時間は既に…ライブ開催5分前になっていた。
アマゾンδ「V、よくやってくれた。」
ディケイド(響鬼)「お兄さんの判断のおかげ。」
PPP--
カナ『自衛隊の合流が完了しました。みなさん、お疲れ様です!』
戦いが終わった時、自衛隊が到着したようだ。
アマゾンδ「…ちっ、今頃かよ。」
アマゾンデルタは舌打ちすると、変身を解き、翔の姿に戻った。ディケイド(響鬼)も変身を解き、Vの姿に戻る。
レイナ「翔君、ここまでよ。あとは害特に任せましょう。」
翔「…あぁ。おい、会場に戻るぞ。」
翔はメンバー達に号令をかける。だが……
ミサキ「…冗談でしょう?」
ミサキは納得していなかった。
ミサキ「いま目の前の敵を放って、歌って踊れと?」
そんなミサキに、レイナは…
レイナ「観客は私たちのパフォーマンスを待っている。それを放り出して戦えっていうの?」
と、ミサキに反論する。
シオリ「シレーヌを倒すためには、オートギアの力が必要--そのためには、フィールを確保する…この理屈、間違っていますか?」
シオリがミサキに問いかけると、ミサキは……
ミサキ「間違ってる…!」
と、声を荒げた。
サクラ「て、敵の数は、ずいぶん減りました。あとは、害特の方に任せても……」
ミサキ「--ピグマリオンは私の敵よ!」
サクラの言葉を全く聞かないミサキ。
サクラ「ミサキさん……」
ヤマダ「同感っす。」
ヤマダもミサキに便乗する。
翔「ミサキ、ヤマダ!もう戦いは終わったんだ!早くしねぇと、ライブ開催の時間になっちまうぞ!今、自分が何をすべきなのか考えておけって言ったはずだ!自分の視点だけでなく、客観的な視点から考えろ!」
翔はミサキとヤマダを説得するも……
アヤ「あー、もう!こんなこと言ってる間に開演時間過ぎちゃうよ!?」
ただ、時間だけが過ぎていく。
アヤ「やるならやる、やらないならやらない!はっきりしてよ!」
アヤはミサキとヤマダに言う。しかし……
レイナ「…アヤ、もうはっきりしているわ。」
レイナにとって……結果は分かっていた。
翔「……!?」
翔(おい、まさか……)
翔は嫌な予感を感じるが……それはすぐに、現実となる。
レイナ「ミサキ、ヤマダ。ふたりは今日のライブ、出なくていい。思う存分、ピグマリオンを狩りなさい。」
翔「…は?」
レイナの言ったことを理解できず、困惑する翔。
翔「…お、おい……」
そして、ミサキとヤマダの方を向く。
ミサキ「……。」
ヤマダ「…願ったり、っす。」
翔「……え?」
ヤマダの言葉を聞き、渇いた声を出す翔。
ミサキ「……いくわよ、ヤマダ。」
ミサキがそう言うと、翔は漸く理解する。
翔の中では、何かが渦巻いていた。
メマイがする…
吐き気がする…
胸が痛い…
息が苦しい…
ミサキ「……。」
ヤマダ「……。」
俯いている翔を見るミサキとヤマダ。
サクラ「でも、レイナさん…!今回の構成は、全員の力が必要だって…!」
レイナ「中途半端な気持ちでステージに立つなら、それはマイナス。」
サクラ「…っ!」
レイナの言葉に、サクラはビックリして言葉を失う。
レイナ「いないだけならゼロ。そちらのほうが、マシだわ。」
すると……
ユキ「あの……」
ユキはメンバー達にこう言った。
ユキ「私も…残ります。」
翔「…っ!?」
翔(嘘だろ……?)
アヤ「ユキ…!?何で、あんたまで……あれだけ練習したじゃない……!」
ユキの言葉に、衝撃を受ける翔とアヤ。
ユキ「ひとりより、ふたり……ふたりより、さんにん、です……ふたりだけを…残せないです……もう失うの、嫌だから……」
どうやらユキ……ミサキとヤマダを放っておけないようだ。
レイナ「…そう、残念だわ。」
レイナは口角を下げる。
レイナ「貴女のソロを楽しみにしているファンも、多かったでしょうに。」
翔「……っ!!」
翔は悲しい顔をして、右手で頭をおさえる。
V「お兄さん……」
フラッとした翔を、Vが支える。
ユキ「……いってきます。」
ユキはミサキとヤマダの元に向かう。
翔「……。」
翔はゆっくりと顔をあげる。その顔は、強い怒りに満ち溢れていた。
翔「…嘘だったのかよ…!?」
3人「「「……。」」」
ミサキ、ユキ、ヤマダは翔の顔を見る。
翔「……ライブは必ず成功させるって、言ったよな?……約束は守るって…言ったよなぁ!?
あれは嘘だったのかよ!約束が
ミサキ、ユキ、ヤマダに約束を破られ……翔は感情を抑えられず、怒りを爆発させた。
翔「お前達のライブを楽しみにしている奴らは大勢いる!ルリちゃんだって、お前達のライブを楽しみにしている……それなのに、お前達は…ソイツらの想いを踏みにじるのか!!」
そして、遂に……
翔「ミサキ、ユキ、ヤマダ……お前達には失望した。」
約束を破ったミサキとユキとヤマダに、翔は失望してしまった。
3人「「「……!?」」」
翔からの言葉に、3人は言葉を失った。
サクラ「しょ、翔さ」
翔「うるせぇ!お前に喋ってねぇんだよ…」
サクラ「…っ!」
翔は再び、ミサキとユキとヤマダに顔を向け……
翔「そんなに戦場に行きたけりゃ、勝手に行ってろ!お前達が命の危険に晒されようが、俺は知らん!お前達なんざ、どこへでも行っちまえ!!」
と、怒鳴ると同時に冷たい言葉をぶつけた。
3人「「「……。」」」
中々動かない3人に、翔は冷たく言い放つ。
翔「何だよ…早く行けよ?」
ユキ「翔、さn」
翔「行けっつってんだろぉ!!」
翔は3人に怒鳴った。怒鳴られたミサキとユキとヤマダは、思わず目に涙を浮かべる。そして……
3人「「「…っ!!」」」ザッザッザッザッザッ……
戦場へと、走って行ってしまった。振り返ることなく……
残されたメンバー達は、呆然としていた。しかし…
レイナ「急いで会場に戻りましょう。開演押しが許されるのは5分までよ!」
レイナは切り替えて、メンバー達に呼び掛ける。
アヤ「ちょ、ちょっと待って…!」
だが、ここで問題が発生していた。
アヤ「3人抜けて、どうやってライブを成立させるの…?」
9人の内、3人が抜けてしまったため…その3人のパートをどうやって補うのか……それでも、
レイナ「今から編成を変えるわ。…大丈夫、私たちならできる。」
アヤ「…わかったわ。腹、くくってやるわよ!」
限られた時間の中で、構成を考え始める。今の彼女達に、ライブをしない選択肢はない……状況がどうであれ、やるしかないのだ。
レイナ「問題はチームごとのライブね。そこの穴をどう埋めるか……」
アヤ「チームAのミサキの穴は、あたしが埋める。その代わり、ユキとヤマダの穴はレイナとシオリに頼める?」
シオリ「はい、わかりました。」
レイナ「もちろんよ。リーダーの底力、見せましょう!」
構成は決まった。後は、ライブを行うのみ……
翔「……。」
翔は約束を破られたことにショックを受け、暗い顔をしていた。
PPP--
斑目『内輪もめしている時間が無駄だ。青空はライブ組に同行しろ。阿呆ども3人は、こちらでバックアップをする。』
翔「っ!!」
レイナ「翔君、これ以上は美しくないわ。これで決まったわ。」
すると翔は……
翔「黙れぇぇえええええ!!」
ブゥンッ、バキィッ!!
腕を振り上げたかと思うと、持っていた通信機を地面に叩き付けた。そのせいで、通信機の一部が破損してしまい、使い物にならなくなってしまった。
シオリ「あっ、翔君!!」
翔「ヴヴゥゥァァアアアアアアアアァァァァ!!」
そして、地面に膝を着くと、大空に向かって声をあげた。
V「皆さん、お兄さんは私に任せて早く行って。」
Vはメンバー達に言う。
レイナ「…分かったわ、V。翔君を、お願いね。」
レイナはそう言うと、メンバー達を鼓舞する。
レイナ「ぶっつけ本番だけれど…いまのDollsのBESTを尽くしましょう。」
そして、
レイナ「さあ、行くわよ!」
ライブ会場へ、足を運んだ。その時……
妖魔「「「!!!!」」」
どこからともなく妖魔が現れた。更に……
X「青空 翔を潰すなら、今だよね。」
Y「退け!奴を潰すのはオレだぁ!!」
XとYまで乱入してきた。
V「っ!!」
V(こんな時に…!)
その時、翔はゆっくりと立ち上がる。そして、
翔「V、会場に戻って南田さんにこの事を伝えろ!」
Vに伝言を託す。
V「でも」
翔「早くしろ!お前が戦ったところで、負けることは確実だ!!」
V「そうかもしれないけど…それじゃあお兄さんが」
翔「俺ならアイツらに対抗できる!早く行け!!」
V「……わ、分かった…!」
Vは会場へと走っていった。
X「っはは、やぁっと1人になったか。」
Y「必ず貴様を潰す、覚悟するんだな!」
XとYはジクウドライバーを装着する。
翔「……邪魔はさせん。」
翔はアマゾンズドライバーの『アクセラーグリップ』を捻り……
翔「…っ!ウオォォオオオオオッ!!ッアァマゾォンッ!!」
仮面ライダーアマゾンデルタへと、姿を変えた。Xは仮面ライダーザモナスに、Yは仮面ライダーゾンジスへと姿を変える。そして、両者は互いに走り出した。
その頃、ミサキとユキとヤマダは……
会場付近のピグマリオンと戦っていた。その内、会場から観客の歓声が聞こえてくる。
ヤマダ「あー…始まったっぽいっすねー…」
ミサキ「…敵に集中して。さっきから、命中率が下がってる。」
ヤマダ「ミサキさんこそ、やたらと被弾してるっすけど。」
今の3人は、服もボロボロで…身体には傷もできていた。
ミサキ「久々の実戦だから…なまってるのよ…」
ヤマダ「……そーなんすかね。ジブンは、どーもテンションが……」
ヤマダは戦闘になったとき、普段なら絶好調なのだが……今回ばかりは、調子が上がらない。それは、ミサキもユキも同じ……
ユキ「……敵、来ます。」
そんな3人に、ピグマリオン達は容赦なく襲いかかろうとしている。
ヤマダ「おっと、シューチューシューチュー……」
3人は武器を構え、戦闘体勢に入る。
ヤマダ「んじゃ、殺りますか。殺って、殺って、殺りまくるっすよ!」
そして、ピグマリオン達を殲滅すべく、走り出した。
いかがでしたか?今回はここまでです。
遂に、Dollsがバラけてしまった。ショックを受けた翔は、様々な負の感情に飲まれていくことになる。
次回も、お楽しみに
誤字脱字報告、ありがとうございます。