〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



今回の主役は、ドールハウス専属医の1人『胡蝶 深雪』です。彼女が『奇跡の三大女医』と呼ばれるようになった背景とは…また、彼女が秘めている悲しみとは……

では、本編へどうぞ


第百九十五話① SAD STORY『胡蝶 深雪』

こんにちは、私の名前は『胡蝶(こちょう) 深雪(みゆき)』です。今から、私の過去について、ちょっとお話させていただきます。

 

 

 

私は、小学校高学年の頃……両親を事故で失くし、保護者がいない状況でした。そんな中で面倒を見てくれる親戚等が誰1人いなかったため、当時中学生だった姉と2人で生活していました。私は小学生で、姉は中学生だったので働くことは出来ず……近所の農家さんに行き、畑仕事のお手伝いをして、野菜などを少し分けて貰っていました。そんな生活をしていく中で、姉は中学を卒業……卒業してすぐ、居酒屋に就職しました。私は働く姉の負担を少しでも減らすべく、家事や料理等、家のことをやっていました。もちろん、勉強と両立してですよ?姉はどんなに疲れていても、いつも笑顔を絶すことはありませんでした。

 

姉「ただいま~♪」

深雪「お帰りなさい、姉さん。」

姉「ただいま、深雪♪」

 

姉さんの笑顔はとても優しく、見ていると不思議と不安が消えていきます。姉さんはいつも優しかったので、私はそんな姉さんが大好きでした。ただ……いつも無茶をするので、時より体調を崩すこともありました。

 

深雪「姉さん!姉さん、いつも無茶をしないでと言ったじゃない!!」

姉「ごめんなさいね、深雪…」コホッコホッ…

深雪「ちゃんと治してね?はい、これお粥。あ、今冷えピタ貼るからね。」

姉「ありがとう、深雪♪」

 

姉を看病していたことが、医療業界に興味を持つきっかけになりました。調子を取り戻すと、姉は私にお礼を言ってくれました。私は、それが嬉しかった……

 

姉「私にとって深雪は、お医者さんね♪」

深雪「い、医者?…私が…?」汗

姉「えぇ、家のこともやってくれるし、私が体調を崩した時は丁寧に看病してくれるし…だから姉さん、安心して働けるわ♪」

深雪「……姉さん。」

姉「そんな顔しないで?姉さんは深雪が笑った顔が好きだな♪」

 

姉さんが私を『お医者さん』と言ってくれたことで、当時中学生だった私は医者になることを決意しました。学校の図書室で医療に関する本をひたすら読み、休日も近くの図書館で医師の国家試験の過去問を解いたり……もちろん、学校の勉強もやって、とにかく勉強の毎日でした。学校生活でも、姉さんを心配させたくなかったので、勉強は常に学年トップを維持していました。勉強だけではなく、部活は体力をつけるために運動部(剣道部)に所属していました。部活でも姉さんを心配させないよう、全国大会優勝等の好成績をおさめていました。そんな生活が続いていく中、中学3年生を迎えた頃……悲劇が訪れました。

 

姉さんが突如、体調を崩し…倒れてしまったんです。病院で診て貰ったところ……『末期癌』と言う診断結果を突き付けられました。この時の姉さんは、まだ15歳でした……私は医者の話が耳に入って来ず、ずっと放心状態でした。

 

姉さんが癌?…そんなはずはない……

 

これは夢だ……悪い夢だ……

 

初めは、現実を受け入れられずにいましたが……どんなに現実から目をそらしても、塗り変わることはありませんでした。

 

何で姉さんが……

 

姉さんが、私が…一体…何をしたって言うんだ……

 

神様…どうしてですか?どうして、どうして姉さんが…苦しまなければいけないんですか?

 

次第に現実を受け入れるようになり……いえ、現実を受け入れざるを得ませんでした。この時、私は生まれたて初めて神様を恨みました。日に日に窶れていく姉さんを見るのは、本当に辛かったです。

 

姉さんと別れたくない…

 

もっと姉さんと一緒にいたい……

 

私は姉さんのことで様々な不安にかられ、学校の授業が全く耳に入って来ず、修学旅行等のイベントの計画を立てる際も、ずっと上の空でした。まあ、修学旅行は行かなかったんですけどね……

 

姉「深雪、修学旅行はどうしたの?」

深雪「姉さんが苦しんでいるのに、修学旅行どころじゃないよ!」

姉「私のことは気にしなくて良いのよ?」

深雪「それは出来ない!姉さんは私の唯一の家族だもん!!私は…何も出来ない自分が、憎い……!」ポロポロ…

 

私は涙が堪えられず、姉さんの前で泣いてしまった……これでは、姉さんが心配してしまう…自分は何をやっているんだ……そう思っていたら、姉さんが私に声をかけてくれました。

 

姉「深雪、泣きたい時は泣いても良いのよ?」

深雪「…っ!?…ね、姉…さん……?」

姉「今まで不自由な思いをさせたわね…でも、深雪は……文句1つ言わず、頑張ってたもの……辛かったよね?」

深雪「……姉さん…」

姉「でも、深雪なら大丈夫よ……だって、貴女は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女は、私『胡蝶(こちょう) 真冬(まふゆ)』の自慢の妹だもの…♪」

 

姉さんのこの言葉で、私は遂に…声を上げて泣きました。姉さんは、そんな私を優しく抱き締め、私が泣き止むまで頭を撫でてくれました。それからは、姉さんと過ごせる一時を大切にしつつ、学業に励んでいました。高校は全寮制の有名私立高校にトップで合格し、特待生として学費が免除になりました。それを姉さんに報告すると、姉さんは号泣して喜んでくれました。中学も無事に卒業し、姉さんと病室で写真を撮りました。それが……姉さんとの、最後のやり取りになりました。

数日後、姉さんは昏睡状態になり……静かに息を引き取りました。享年『19』歳……お通夜の日、姉さんの職場の人達が来ていて、私に声をかけてくれました。そして、1つの封筒を私に差し出しました。中に入っていたのは、お金でした。それも、300万はありました。そして、1通の手紙が……そこには、

 

『深雪へ

 

いつも家のことをやってくれてありがとう。深雪と一緒に過ごせる時間は、至福の時だったわ。この封筒に入っているお金は、大学に入った時に使ってね?深雪なら、素敵なお医者さんになれるわ!だって深雪は、可愛いもの!それに、私の自慢の妹だもの!姉さんはずっと、深雪のことを応援しているわ。頑張ってね。

 

胡蝶 真冬より』

 

と、姉さんの文字で私への応援メッセージが書いてありました。それを見た私は、その場で泣き崩れました。もう、姉さんと会えない……そう思うと、余計に寂しくなり…涙が止まらなかったです。

姉さんが亡くなってから数週間後、私は勉強に部活にアルバイトに……とにかく、忙しい高校生活を送っていました。ちなみに、アルバイト先は…かつて姉さんが働いていた居酒屋でした。面接を受けてすぐに採用され、戦力として働きました。居酒屋の店員の皆さん好い人達ばかりで…

 

「もし就職厳しかったら、うちにおいで。」

 

と、言ってくれました。ただ……高校では、身内がいないことを理由に、いじめにあっていました。上履きが隠されたり、椅子に画ビョウがつけられたり、居ないもの扱いされたり……学校の先生に相談しましたが……

 

先生「そんな事で口々言ってんじゃねぇよ、俺なんかもっと酷かったんだぞ?」

 

と言われ、全く話になりませんでした。

 

深雪「……。」

先生「何だその顔は?親でも呼んでみろよ、なぁ?…あぁ、お前には親がいないんだったなぁ?」

 

その先生は、私に身内がいないことを知っていたため、このように見下されることは日常茶飯事でした。

 

先生「お前、医者を目指してんだったっけな?」

深雪「…そうですが?」

 

すると、その先生はいきなり笑いだしたと思ったら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生「お前みてぇな貧乏人は、医者になることなんざ無理だ。そもそも、大学に行くこと自体も無理だ。卒業したらすぐに働けよ。貧乏人に夢も希望もねぇんだよ、いい加減現実見ろよな?

 

と、あからさまにバカにした様子で言ってきました。こう言われた時、私はコイツを本気で殺してやろうと思いました。姉さんの応援を、今までの私と姉さんを否定されたような感じがしたので……ですが、ここでこんなクズに手を出せば、私もクズになってしまう。なので、私はこのクズ教員やいじめグループとのやり取りを、スマホでこっそり録音していました。そして、校長に抗議すべく……それを持って行きました。しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長「いやね、胡蝶さん……みんなはまだ子供なんですから、これくらいの悪ふざけぐらい大目に見ましょうよ?ね?まだまだ遊びたい盛りなんですし。それに、○○先生も悪気があって言った訳ではないですし……」

 

どうやら校長は…ことなかれ主義で、この問題をなあなあで済ませようとしていたことが分かりました。それを聞いた私は……

 

深雪「そうですか……加害者を庇うんですね?でしたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…貴方とのやり取りの録音を、警察に提出しますね?」

 

警察に届け出ることにしました。すると校長は顔を真っ青にし……

 

校長「そ、それは困ります!!」

 

と、声を荒げた。

 

深雪「それがそちらの方針なんですよね?なら、堂々としていれば良いじゃないですか?」

校長「それでも、いじめグループの生徒達も、○○先生にも、更生の予知はあるはずです!胡蝶さん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…貴女個人の勝手な行動で彼らの未来を奪わないでくれ!!」

 

……は?

 

私個人の勝手な理由……?

 

彼らの未来を奪うな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深雪「笑わせないでください。彼らの未来を奪うな?……本当は、自分たちのためでしょう?問題を大事にしたくないだけですよね?貴方の考えなんて、見え見えですよ?」

校長「…ッ!!」

深雪「隠していたって、いつかはバレるんですよ……というわけなので、こちらは警察に提出させていただきますね?では…」

校長「ま、待つんだ胡蝶さん!!」

 

去っていく私を、校長は慌てて追いかけてきます。

 

深雪「あ、先に教育委員会に訴えます。それに彼らに更生の予知があると感じた根拠は何ですか?」

校長「そ、それは……」

深雪「話になりませんね。」

 

その後、私は集めた元に証拠を教育委員会に訴え、警察に届け出ました。その結果……いじめグループは退学、私を見下していたクズと、今までの問題をなあなあで済ませようとした校長はクビになった。数日後、新しい校長と先生がはいってきました。新しい校長も先生も良い先生でした。あ、退学していったいじめグループ…他の生徒といじめていて、それも……自殺寸前にまで追い詰められていたと知った時は言葉を失いました。私は被害者の親御さんから、これでもかと思うぐらいに感謝されました。ですが…学校の生徒達は私を避けるようになっていました。ただ、1人を除いて……

 

女生徒「あ、あの…!」

深雪「はい?」

恵美「私『神崎(かんざき) 恵美(めぐみ)』って言います!その…私、胡蝶さんと仲良くしたいなぁ…なんて……」

深雪「……。」

恵美「…だ、ダメ?」

深雪「…ありがとうございます、神崎 恵美さん。私でよろしければ、是非。」

恵美「…ホント!?やったぁ!!じゃあ、これから宜しくね、深雪ちゃん!」

深雪「はい、よろしくお願いしますね、恵美さん♪」

 

高校生になった私は、初めて友人が出来ました。名前は『神崎 恵美』さん……とても明るく、優しい友人でした。3年間、同じクラスでしたが……ある日、恵美さんが亡くなったとの話を、学校で聞かされました。どうやら恵美さん……生まれつき心臓が弱く、病気にかかりやすい身体だったようでした。死因は『急性心不全』だと……親も失い、姉も失い、更には友人までも失った私は……もう、何が何だか分からなくなり、寮に帰ってからはただただ…泣いてばかりいました。ですが、泣いても何にもならなかったので……ひたすら勉強を頑張り、東京都にある有名医療大学に、一般入試で合格しました。もちろん、特待生になったため、学費が免除になりました。高校を卒業した後は、不動産屋で安いアパートを借り、そこで一人暮らしをしていました。大学ではそれなりに友人もでき、充実した生活をおくれました。現場実習を、国家試験を乗り越えた私は……研修医となり、勉強の日々が続きました。とにかく技術や知識を身に付けることに必死だった私は、22歳を迎えた頃、すぐに現場に投入されました。手術をしても治らないだろうと言われていた患者の手術を担当し、結果は成功……他にも、重い病気で苦しむ子ども達にも寄り添い、気が付けば……医療業界から『奇跡の三大女医』と呼ばれるようになりました。ですが、別の総合病院に移動になった時…とあるヤブ医者に濡れ衣を着せられ、医療業界から追放され、絶望のどん底にいました。

 

そんな時、国家機関である『ドールハウス』からスカウトされ、面接を受けることになりました。結果は合格……私はドールハウスの専属医となりました。面接が終わった後、斑目 セツナ所長と愛さんから真実を聞かされました。ドールハウス専属医を増やそうと提案したのは、斑目所長ではなく……何と、『青空 翔』君だったと……翔君のことは、愛さんからよく話を聞いていたので、知っていました。まさか、私たちを絶望から引き上げてくれたのが、彼だったことに衝撃を受けました。翔君に会いに行った時、最初に感じた印象は……とても、優しそうな子でした。ですが、彼……とある事情で、心に深い傷を抱えているそうです。愛さんから注意事項を受け、私も翔君と関わっていくことになりました。関わっていくうちに、翔君は「ヤブ医者をぶっ潰しに行かないか?」と提案してきました。私は驚きましたが、それでも翔君は自分の意思を曲げることはなく……私は、翔君の提案に乗りました。結果……ヤブ医者に仕返しをすることに成功しました。

 

それがきっかけで……今度は私が、翔君の手助けをしたいと感じるようになりました。翔君からも信頼され、私は翔君と過ごす時間が楽しく感じるようになりました。

 

愛さんが仮面ライダーとして戦っていることは知っていましたが、まさか……私も『仮面ライダー』になると思っていませんでした。ライダーになったことで翔君を守りやすくなったと感じています。まぁ、別になりたくてなった訳ではありませんが……

 

 

 

私は、翔君に危害を加えようとする者が誰であろうと、容赦はしません。

 

翔君を守るために、私は戦います……

 

『医者』として……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『仮面ライダー』として…!!




いかがでしたか?今回はここまでです。



今回は『胡蝶 深雪』が抱える悲しみや、ドールハウス専属医になった経緯等を書きました。

次回は、『七草 蜜璃』が主役になります。

お楽しみに
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