〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



寂しさに飲まれていた翔は、バラバラになったDollsと向き合おうとせず、戦いに逃げていた。しかし、愛に叱られ、ヒヨの涙を見て、Dollsと向き合うことを決心し、動き出した。

では、本編へどうぞ


第二百六話 架け橋となれ

夜が明けた時、翔は再びドールハウスにある庭に足を運ぶ。そこには、ミサキの姿があった。

翔「ミサキ。」

翔が声をかけると、ミサキは驚いて振り向いたが…すぐに翔に背中を向ける。

ミサキ「翔さん……今はちょっと----」

翔「チヒロに会いに来たのか?」

翔の言葉に、

 

ミサキ「----!」

 

驚いて言葉を失うミサキ。

ミサキ「…カナさんですね。余計なことを……」

翔「……。」

ミサキ「彼女のことに軽々しく触れるのは…翔さんといえども…」

翔「俺は、チヒロのことも…Dollsの過去のことも知らねぇ。お前は…チヒロのこと、好きだったんだな。」

真顔でミサキに語りかける翔。

ミサキ「……答える必要はありません。そんなことを聞きにここへ?」

翔「違ぇな、俺が聞きてぇことは別にある。」

翔はミサキの目をじっと見つめ……

 

翔「ミサキ…お前は何のために戦う?」

 

…と、彼女に問う。ミサキは少しの間、黙ったが…

 

ミサキ「----敵を、敵を倒すため。」

 

と、答える。

翔「ほぅ…敵を倒して、それで?」

ミサキ「ピグマリオンを一匹残らず倒して…それで……そしたら……」

翔が更に細かく問うと、次第にミサキの口数が減ってきた。

ミサキ「誰も……誰も死なないから。」

弱々しく答えたミサキに、翔は……

 

翔「死なねぇ…か……」

 

と、ボソッと言う。

ミサキ「こ、これに何の意味が……!私は失礼しまs」

ミサキは立ち去ろうとしたが……

 

翔「まだ話は終わってねぇ!!

 

翔が怒鳴ったことで、

 

ミサキ「ひっ……!?」ビクッ

 

ミサキは足を止める。

翔「逃げるな、ミサキ!…ちゃんと教えてほしいんだよ。」

翔は再びミサキの目を見つめ…

 

翔「お前は、何故戦う…?」

 

と、再び問う。

ミサキ「……。」

何も言えず、黙り込むミサキ。少しして、ポツリポツリと語り始める。

 

ミサキ「わ、私は----怖い。

 

いつか、彼女のように…誰かが、いなくなってしまうことが----

 

だから、守らなきゃ……

 

私は強くならなきゃ、いけないのよ!」

 

翔「……。」

 

ミサキ「それが、私なの!彼女を死なせてしまった、私の責任なの!」

 

感情的になりつつも、答えたミサキ。

翔「チヒロが、そう言ったのか…?」

翔が聞くと、ミサキは再び黙り込む。そして……

 

ミサキ「彼女は……チヒロは……」

 

弱々しい声で、話し始める。

 

ミサキ「ミサキちゃん、強くなってって…

 

いつか守りたいものができた時に、それを守れるくらい----

 

強く--って……」

 

その後…

 

ミサキ「私の……守りたいもの……」

 

考え事を始めた。

翔「……。」

翔(…コイツ…大事なモノを見落としていやがったか……)

そう思った翔は…

翔「俺はお前に『自分の守りてぇモンが何なのか、考えろ』って言ったはずだ……どうだ、何か分かったか?」

…と、ミサキに聞く。

ミサキ「…それは……」

何も答えられないミサキ。

 

翔「ちっと言葉が足りなかったな……」

ミサキ「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「今、この場所に…お前が守りてぇモンはねぇのか?」

 

翔がそう聞くと、ミサキはハッとした顔をして驚いた。

翔「…どうなんだ?」

そして……

 

ミサキ「……あり、ます。」

 

と、答えた。

翔「言ってみろよ、何でも良いから。」

翔がそう声をかけると、

 

ミサキ「シオリ…アヤにレイナ…ユキと…ヤマダも…ヒヨに…ナナミに……サクラもいて…」

 

ミサキは少しずつ、自分が守りたいものを翔に伝え始めた。

 

ミサキ「アイドルとしてレッスンをして--

 

戦いではお互いに背を預ける----

 

くだらない話でお茶をして……

 

戦いのために、切磋琢磨する----」

 

翔「……。」

 

ミサキの言葉に、黙って耳を傾ける翔。

 

ミサキ「私たちの……日常。それが……それが--私の、守りたいもの。」

 

ミサキの守りたいものが見つかったことを理解した翔は、口角をあげた。

翔「あるじゃねぇか…お前にも、守りてぇモンが。」

ミサキ「……は、はは。」

翔が口角をあげたことで、ミサキも釣られて口角をあげる。

ミサキ「そんな簡単なこと……どうして、気づけなかったんだろ……」

翔「…良いじゃねぇか、こうして気付けたんだからよ。」

翔はそう言うと、

 

翔「……ありがとな、話してくれて。」

 

ミサキにお礼を言い、真顔に戻った。

翔「皆、同じ気持ちがあって…それがすれ違っていただけだ。」

ミサキ「……そう、なの?」

翔「あぁ、だから…心配すんな。」

ミサキ「翔さん……」

何か言いたげなミサキだが……

 

翔「行ってこい、ミサキ。今のお前なら…きっと大丈夫だ。」

 

と、翔はミサキに告げ、背を向ける。そして、彼女の前から立ち去っていく。しかし……

 

翔「ッ!?」ゴフッ!!

 

口元を右手でおさえ、咳をする。右手を見ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…そこには、真っ赤に染まったシミがあった。

ミサキ「翔さん…!」

それを見たミサキは、翔に駆け寄ろうとするが……

 

翔「何をしている…!?…守りてぇモンが見つかったんだろ、そこに行かなくてどうする!?」

 

と、翔はミサキに厳しく言う。

ミサキ「で、でも」

翔「行けぇ…ッ!!」ゴホォッ!ゴホッ!

再び血を吐き出す翔。

翔「俺だって…この世界の住人を守らなきゃいけねぇんだ……」

そう言ってゆっくりと立ち上がる翔。そして、全身の痛みを堪えながら…ゆっくりとその場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミサキ「……翔さん!!」

 

翔「…っ!?」

翔が振り向くと、ミサキは目に涙を浮かべていた。

 

ミサキ「私は、翔さんを…失望させてしまった……なのに、どうして…どうしてここまでしてくれるの…?」

 

ミサキは翔に聞く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「…自分で、考えたらどうだ?」

 

翔はそれだけ告げると、ミサキの前から去っていった。ミサキは翔を見送った後、すぐに他のメンバー達の方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう、答えは出たのね。

 

では、よき旅路を。

 

貴方の旅路に、絶え間なく、光の祝福がありますように----」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニ穂「むっ、なんだこれは…?」

ストライカーの1人であるニ穂は、何やら一部の部品が壊れた何かを拾い上げる。

楓「それ、もしかして…通信機?」

楓が通信機と思われる物の裏を見てみると、そこには『Doll House』という文字が刻まれていた。

ニ穂「ドールハウス…これって、翔がいた場所じゃないか!!」

依咲里「とにかく、そちらを持っていましょう。」

華賀利「はぅん…隊長様……早く、早く会いたいですわ……ウフフフ♪」

楓「後は、人質を探して…隊長さんを待つのみ……」

ニ穂「あぁ、翔は独自で人命救助を行っているそうだ……人質を出せば、必ず食い付くだろう。さぁ、赤ん坊を連れた母親を探すぞ。」

翔が叩きつけた通信機を拾ったストライカー達は、人質の捜索を再開した。

 

 

ただ、彼を連れ戻すために…




いかがでしたか?今回はここまでです。



翔はミサキに寄り添い、一緒に行くのではなく……寄り添い、彼女の背中を押したのだった。

次回も、お楽しみに
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