〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



シレーヌが進化し、オートギアが乗っ取られた害特は混乱していた。そんな中、人々を救助し続ける翔の前に…奴らが姿を現す。

では、本編へどうぞ


第二百八話 希望の光が消える時……

ミサキの背中を押した翔は、害特が救助し損ねた人々を救出していた。

 

翔「…ッ!!」ズキッ…

 

全身の痛みと戦いつつ、現れた妖魔を消し去り、再び人命救助を行う。全員の救出が完了すると、翔は次のエリアへと足を運ぶ。

 

翔(……まだだ…まだ、俺は…倒れるわけには、いかねぇんだ…!!)

 

足を引き摺りながら、次のエリアへ向かう翔。もはや…彼の身体は、ボロボロだった。それでも、弱音を吐かず…ただ、この世界の人たちを1人でも多く、助けるため…彼は足を止めない。

 

ヘルメス(翔、もう辞めるんだ!!)

 

そんな彼を見て、心配に思ったヘルメスは、彼に声をかける。

ヘルメス(そのドライバーを使い続けたせいで、君の身体はボロボロだ!このままでは、最悪…命を落とすかもしれないんだぞ!?)

しかし……

 

翔(それがどうした…俺は…この世界が、好きなんだよ……この世界を守るなら、命散らしたって構わねぇ……)

 

翔は聞く耳を持たない。

ヘルメス(君が死んでしまえば、Dollsが悲しむぞ!?それだけではない…この世界は、もう……)

翔(黙れっ!!)

ヘルメスの言葉を遮る翔。

 

翔(妖魔が、ストライカー達が滅びねぇ限り…俺は……死なねぇ!!)

ヘルメス(……翔。)

 

翔の剣幕に、ヘルメスは黙り込む。

翔(隊長を辞めた時…俺は……守れる命すら、守れなかったんだ……だから、だから……もう、ぜってぇ…)

 

翔「足を止めて、たまるかぁぁああああ!!

 

翔がそう叫ぶと……

 

誰か、誰かぁ!

 

微かに女性の声が聞こえてきた。更に……

 

おぎゃあっ!おぎゃあっ!

 

赤ちゃんの泣き声も聞こえる。聞こえてくる声を頼りに、進んで行くと……一つの瓦礫の山にたどり着いた。女性の声と赤ちゃんの泣き声は、この瓦礫の山から聞こえてきていた。

翔「待ってろ、すぐに助ける!!」

翔は息をきらせながらも…一つ一つ、確実に瓦礫を退かしていく。数分後……

翔「ッ!!」

翔(見つけた…!)

瓦礫の山には空洞があり、そこには赤ちゃんを抱いた母親と思わしき女性の姿があった。赤ちゃんは火がついたように、激しく泣いている。

翔「おい、大丈夫か!?」

女性「あ、ありがとうございます…!」

翔は赤ちゃんと母親を引き上げ、救出に成功した。

女性「あの、大丈夫ですか…?」

ぐったりしている翔を心配する母親。

翔「…平気だ…それより、その子は…あんたの子どもか?」

女性「はいっ!『大地(だいち)』って言います!」

『大地』…その赤ちゃんの名前であり、救出した女性はその赤ちゃんの母親だった。翔は、赤ちゃんに近付くと……

 

翔「よく、頑張ったな。」

 

と、赤ちゃんに笑顔を見せた。

 

赤ちゃん「…エヘヘッ♪」

 

赤ちゃんは泣き止み、笑顔を見せた。

翔「この先に、害特の避難施設がある。俺が案内してやる。」

母親「はい、ありがとうございます。」

翔は赤ちゃんと母親を、避難施設へ案内を開始しようとしたその時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワッ!

 

母親「きゃっ!?」

翔「ッ!?」

母親の前を何かが横切り、

 

ガシッ!

 

赤ちゃん「おぎゃあっ!おぎゃあっ!」

母親「っ!?大地!!」

赤ちゃんが拐われた。その直後……

 

 

 

「動くな。」

 

 

 

上空から声が聞こえ、見上げると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、赤ちゃんを抱いたニ穂の姿があった。

翔「っ!!」

そんなニ穂を見た翔は…

 

翔「やめろっ!その赤ん坊に何も罪はねぇ!!」

 

思わず声をあげた。ニ穂の腕の中では、赤ちゃんが激しく泣いている。

 

「赤ちゃんだけではありませんよ?」

 

翔「何っ!?」

振り向くと、母親は楓に捕まっており…杖を突き付けられていた。

翔「おい、卑怯だぞ!!赤ん坊と母親を離せ!!」

依咲里「解放してあげても構いませんが…条件があります。」

依咲里は翔の前に降り立つ。

翔「…何だ、早く言え…!」

華賀利「あぁ、愛しい愛しい隊長様ぁ…やっと、会えましたわぁ~!」

翔「早く言えよ!!」

ニ穂「その優しさ、変わってないな……」

ニ穂は翔に言う。

 

ニ穂「ならば、我々の指示に従って貰おう。」

翔「…何だと?」

ニ穂「もし、我々の指示に従えないと言うのなら……この赤ん坊とそこの母親がどうなるか、分からないぞ?」

翔「…ッ!!」ギリリッ…

 

ニ穂の脅迫染みた言葉に、翔は言葉を失う。赤ちゃんは泣き続け、母親は怯えていた。それを見た翔は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「…分かったよ……分かったから、お前達の指示に従う…だから、赤ん坊と母親の命を助けろ!!」

 

己を犠牲にすることを選んだ。その瞬間……

 

依咲里「はっ!」ズギュンッ!

 

ズドォンッ!

 

翔「がっ!?」

 

依咲里が翔に光線を放ち、翔は吹っ飛ばされ、地面を転がった。起き上がると、

華賀利「痛いぞぉ!?アッハハハ!!」ドゴッ!

翔「ぐあっ!?」

華賀利に蹴られ、依咲里の元に移動させられる。

 

ガシッ!

 

依咲里に羽交い締めにされる翔。

翔「おい、離s」

ニ穂「翔、この赤子がどうなっても良いのか?嫌なら大人しくしていろ。」

翔「…ッ!!くそがぁっ!!」

人質を取られ、抵抗できない翔。これでもし、抵抗すれば…赤ちゃんと母親は……そう考えると、余計に抵抗できなかった。

華賀利「隊長様、貴方の断末魔…キキタイナ♪」

翔「ッ!?」

 

ドゴォッ!ボコォッ!ゴスッ!バキィッ!

 

翔「ぐっ!うっ!?ぐあっ!?がはぁっ!!」

 

依咲里に羽交い締めにされ、更には華賀利に一方的に攻撃され、翔は抵抗できず……ただ、攻撃に耐えるしかなかった。依咲里が手を離すと……

華賀利「アッハハハハ♪」ドガァッ!

翔「ぐあああぁぁぁ…がはっ!ぐあっ……」

華賀利の飛び蹴りが翔に炸裂し、翔は地面を転がった。それを見た楓は母親を突き飛ばすように離し、ニ穂は赤ちゃんをパッと離した。

 

母親「ッ!!大地ぃぃいいいい!!」

 

母親は落下する赤ちゃんを受け止めようと走ったが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガツゥウウンッ!

 

赤ちゃん「うぎゃああっ!うぎゃああっ!

 

赤ちゃんは地面に叩き付けられ、喉が張り裂けるような声で泣き叫んだ。

母親「大地!大地!!」

母親は赤ちゃんを抱え、パニックを起こしていた。

翔「…ッ!!?」

翔(コイツら…!!)

意識が朦朧とする中、翔が最後に見た光景は……泣き叫ぶ赤ちゃんを抱いてパニックになった母親を見下すように嗤うストライカー達の姿だった。そして…意識を手放した。

 

 

 

華賀利「うっふふふ、隊長様…ツ・カ・マ・エ・タ♪」

気絶した翔を、華賀利は抱える。

ニ穂「アハハハハ!!上手くいったな、遂に…遂に翔を、連れ戻せたぞぉぉおおおおお!!」

狂ったように笑い始めるニ穂。その時……

 

 

 

《ヒット!クラウディングホッパー!》

 

 

 

2人の仮面ライダーアバドンが、姿を現した。だが、今のストライカー達に、もはや恐れるモノは無いに等しい。

二穂「ふっ、その武器を降ろせ。でなければ、コイツの首が落ちるぞ?」

ニ穂はニヤニヤしながら、大剣の刃を翔の首元に寄せた。

アバドン「「っ!!」」

流石のアバドン達も、ストライカー達に攻撃できず……武器を降ろしてしまった。その瞬間……

 

ズドォンッ!ズドォンッ!

 

アバドン「「っ!?」」

母親「いやぁぁああああああ!!」

 

アバドン達と母親と赤ちゃんの目の前に、爆発が発生した。その隙に、ストライカー達は空へ飛び立っていく。

 

アバドン(赤)「…そ、そんな……翔君が…!!」

アバドン(青)「い、今は…早く赤ちゃんとお母さんを!!」

ストライカー達を逃がしたアバドン達は、赤ちゃんと母親を避難施設へ連れていくしか無かった。

 

 

 

翔「……?」

翔が気が付くと、何故か身体が宙を浮かんでいた。よく見ると、自分はストライカーに抱えられていると理解した。墨田区にはシレーヌの歌声が響き渡っている。更に……

 

翔(オートギアが…!!)

 

暴走したオートギアが、街中で暴れまわっていた。そして、自分は2度と関わりたくないと思っている『裏切り者』達に、捕らわれてしまった。

 

 

 

この世界は、絶望に支配されようとしていた。




いかがでしたか?今回はここまでです。



とうとう、翔はストライカー達に捕まってしまった。彼女達は、もはや…翔を連れ戻すためなら、手段すら選ばなくなってしまうほど、狂っていた。

次回も、お楽しみに
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