〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

269 / 551
やさぐれショウです。



ストライカー達に捕まった翔は、拠点としている廃旅館に監禁されてしまう。そこで、ドールハウスの関係者達も元ストライカー達も知らなかった驚きの事実が発覚する。それは……

では、本編へどうぞ


第二百十話 『青空 翔』という者

ザザザ…ザザーー…

 

『…空っ!…青空、応答してくれ!!』

 

壊れたはずの通信機から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。昇がその通信機を取ると、映像にある人物が映し出された。通信機は、壊れていなかったのだ。

 

斑目『青空!青空!』

 

ドールハウス所長、『斑目 セツナ』だった。カナ、愛、DollsとVの姿もある。

 

昇「これはこれは、ドールハウスの皆さん。」

斑目『なっ!?…き、貴様は…!?』

昇「初めまして、私はストライカー達の隊長、『白河 昇』です。」

昇は通信機越しから自己紹介すると……椅子に座って俯いている翔を見せた。

メンバー『『『ッ!!?』』』

そんな彼を見て、ドールハウスの関係者達は言葉を失った。

 

昇「青空隊長はストライカー達の更正に、協力してくださることになりました。今までありがとうございました。」

 

ニヤニヤしながら言う昇。すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「ふざけるな!!誰が協力するか、あぁっ!?」

 

翔が顔を上げ、昇に抗議した。

ストライカー「隊長さんもご冗談が上手いんですね♪」「ったく、素直じゃないなぁ♪」

ストライカー達は虚ろな目を向けながら翔に笑いかける。

翔「黙れ黙れ黙れぇ!!」

そんなストライカー達を嫌がり、暴れる翔。

カナ『ちょっと、翔君が嫌がっているじゃないですか!!』

愛『これのどこが協力的なの!?あんた、頭おかしいんじゃないの!?』

カナと愛も昇に抗議するが……

 

昇「青空隊長は素直じゃないだけですからw」

 

と、昇は聞く耳を持たない。

 

翔「おい、お前達!!こんな奴の言葉を鵜呑みにすんな!!」

 

ドールハウスの関係者達に言葉を投げる翔。

 

昇「あ、そうそう……貴女方に、青空隊長の正体を教えてあげましょう。」

昇の言葉に…

翔「…は?」

翔は困惑し、

斑目『青空の正体だと!?何を言っている、青空は青空だ!!』

斑目は抗議する。昇は1枚の資料を持って来て、まず…翔に見せた。

 

翔「ッ!?」

 

そこに書いてあったのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『実験体 No.0006 青空 翔』

 

と、デカデカと書かれており、続きには……

 

『彼には他の隊長と違い、特殊な『アマゾン細胞』を植え付けた。しかし、どんなに待っても覚醒することがない……そこで、我々は彼に対して、多大なストレスを与えることにした。まず、ストライカー達を利用し、彼の心身を痛め付けると…細胞が覚醒寸前になったことがわかった。これを続けてみることにしたが……青空 翔が辞職願を出したことで、使い物にならないと判断……まぁ、代わりはいくらでもいる。またモルモットを探せばいい。』

 

と、時空管理局の研究結果と思われる文が書かれていた。

翔(アマゾン細胞だと…!?…何だよ、それ……)

驚いて言葉を失う翔。

愛『翔君、どうしたの!?翔君!!』

愛が翔に呼び掛けても、彼は反応を示さない。

愛『翔君に何を見せたの!?』

昇「あぁ……これですか?」

昇はドールハウスの関係者にも、例の資料を見せた。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昇『青空 翔さんは…人間ではありません。

 

 

 

タンパク質を求めて行動する人喰いの化け物……

アマゾン』なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昇の言葉に、ドールハウスの関係者達は言葉を失う。しかし……

 

ミサキ『貴方に翔さんの何が分かるの!?』

ナナミ『翔さんは人喰いなんかじゃありません!!』

ヤマダ『ざけんなよ?翔さんを侮辱しやがって!!』

 

メンバー達はそれを否定するが……

 

翔(…俺は…人間じゃ、ない……?)

 

翔は、それを否定できずにいた。何故なら…その資料は間違いなく『時空管理局』の資料であったからだ。

昇「貴女達がいくら否定しても、青空隊長本人は否定していないみたいですが?」

昇は笑いながら言う。

アヤ『翔、こんな奴の言うことなんて、あたしは信じないから!!』

ヒヨ『翔さん!!』

Dollsは翔に言葉をかけるが……

 

 

 

翔「いや、こればっかりは…事実みてぇだ……

 

 

 

翔がそう言うと、メンバー達は黙ってしまった。

翔「おい白河…アマゾンって何なんだ…!?時空管理局は、一体何をしていたっていうんだ……!?」

翔が昇に問い詰めると、昇はペラペラと語り出した。

 

 

 

かつて、時空管理局では『隊長』という人材が不足していた。そこで、彼らは全国の高等学校で成績が学年トップの生徒を探し、彼らを隊長として迎えることを計画……それと同時に、『妖魔(オブリ)』を効率よく殲滅するため、生物兵器を開発していた。それが『アマゾン』である。開発した『アマゾン細胞』を人間に打ち込み、ストライカー達と共に妖魔と戦うための兵器として利用することを、彼らは企んだ。だが、ただ人間に打つのではなく、高い知能を持つ人間に打ち、戦いと軍略を両立できるほどの高度な知能を持ったアマゾン達を産み出そうと言う考えに陥った。

そして、次々と学年トップの生徒を引き抜き、ストライカー達の隊長にしていった。その中に、翔もいた……高校生になったばかりだった彼も、成績は学年トップであり、時空管理局に目をつけられた。そして、半ば無理矢理時空管理局に連れていかれ、何も知らないまま気絶させられ……アマゾン細胞を打ち込まれてしまったのだ。そう、どのチャンネルのストライカー達の隊長は全員…知らない間に化け物にされていたのだ。つまり……

 

時空管理局は、隊長という存在を実験体として、兵器として利用していたのだ。

 

 

 

翔「……。」

昇の話を聞いた翔は、呆然としていた。

昇「どうですか?」

翔「……けるな…」

昇「…?」

 

 

翔「ふざけんじゃねぇぇえええええ!!

 

 

自分も知らなかった驚愕な事実に、翔は声を荒げ、怒鳴り立てる。

 

翔「お前達のせいで…お前達のせいでぇ!!

俺の人生はめちゃくちゃだぁぁああああああ!!

 

怒り狂った翔は喉が張り裂けるような勢いで声をあげ、ジタバタと暴れだす。

ストライカー「隊長さん、暴れないで!!」「落ち着いてくださいまし、隊長様!!」

翔「離せぇぇえええええ!!」

ストライカー達に抱き付かれ、かえって荒くなる翔。ストライカー達を殴り、蹴り、引っ掻き、噛み付き……ストライカー達から束縛されるだけでなく、しつこくされていることに翔は腹を立て、ただただ大声を上げて暴れていた。だが、ストライカー達にとって…それは、救いとなってしまっていた。

 

斑目『白河 昇、今すぐ青空を解放しろ!!』

 

斑目は昇に言う。

昇「それはできません。彼にはストライカー達の更正を手伝って貰うんですから。それに、話聞いてました?彼は人間じゃないんです…その人間を喰らう化け物なんですよ?そんな彼を解放しろだなんて、おかしくないですか?」

昇はそれを拒否し、ドールハウスの関係者達を嘲笑うかのように言う。

翔「触るなぁ!ドケェ!!ジャマダ!!キエロォォオオオオオオオオオオ!!」

発作を起こした翔は、赤い目を光らせ、しつこく迫ってくるストライカー達を攻撃し、拒絶反応を示していた。それに、翔は怖かった……

 

自分が人間ではなく、人喰いの『アマゾン』であることが……

いつか、ドールハウスの関係者や一海達を喰らってしまうんじゃないかと…

 

考えただけでも、怖かった。しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナ『今さら翔君が何であろうと関係ないわ!!

 

レイナが声をあげると、他のメンバー達も声をあげる。

 

サクラ『そうです!翔さんは、かつて私たちに心を閉ざしていても、力になってくれたんです!!』

 

シオリ『ファンの皆にも、老人や子ども達にも優しく接し、笑顔にしてくれたんです!!』

 

ヒヨ『ピグマリオンやおぶりから、たっくさんの人たちを守ってきたヒーローなんだよ!!』

 

ミサキ『それだけじゃない!バラバラになってしまったDollsが1つになったのも、全部翔さんのおかげ!!例え、私たちに失望しても…そっと背中を押してくれたもの!!』

 

ヤマダ『翔さんは化け物なんかじゃねぇ、仮面ライダーなんだよ!!人類を守るために戦う、英雄なんだよぉ!!』

 

ナナミ『時に優しく、時に厳しく接してくれたからこそ、今の私たちがあるんです!!私が、少しずつ素直になれているのも、翔さんが背中を押してくれたおかげです!!』

 

ユキ『翔さんが優しく見守ってくれたから、私たちは安心できるんです…翔さんは、たくさんの感情を教えてくれました…!!』

 

アヤ『翔と過ごす時間は、あたし達の一生の宝物!!翔からは生きていくために大切なことを、数え切れない程教わった!!翔は、あたし達にとって……大切な人なんだから!!』

 

Dollsからの温かい言葉を聞いた翔は、

 

翔「…~ッ!!」ボロボロ

 

恐怖から解放されたのか、安心したのか…大粒の涙を流し、泣いていた。

 

斑目『そういうことだ、白河 昇…我々に貴様の挑発なんぞ、通用しない。思い上がるなよ?』

昇「~ッ!!」

 

斑目の言葉に、悔しそうに歯を噛み締める昇。

昇「では、僕は貴女達に2つの選択肢を与えましょう…!」

斑目の言葉を聞いて、悔しさを噛み締めた昇は…更に、ドールハウスの関係者達を挑発する。そして、とんでもない選択肢を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京の人々を見捨てて、青空隊長を助けるか…

 

青空隊長を見捨てて、東京の人々を助けるか…

 

 

 

昇「さぁ、どちらにしますか?ククククッ…」

 

メンバー『『『っ!?』』』

 

昇の選択肢に、ドールハウスの関係者達は迷いの表情を見せる。

昇「あれあれ、僕の挑発なんぞ通用しないんじゃないんですかぁ~?」

勝ち誇ったようにニヤニヤする昇。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「おい!俺に構わず行け!!」

 

翔が声をあげた。

 

ミサキ『翔さん…!!』

翔「何を躊躇っている?…未知なる脅威から人々を守り、東京を解放する……それが、お前達『Dolls』の役目だろ!!」

レイナ『…翔君…!』

翔「俺は大丈夫だ…だから、お前達の助けを求めている大勢の人々の元に向かえ!!」

アヤ『で、でも…!!』

翔「行けぇぇえええええええええ!!

翔は声を荒げ、メンバー達に言う。そして……

 

 

翔「今のお前達なら、何者にも負けねぇ……必ず、シレーヌをぶっ潰せる……俺は、お前達を信じているからな。」

 

 

と、優しく微笑んだ。

 

レイナ『…翔君……分かったわ…!』ウルッ

 

レイナは目に涙を浮かべる。翔に背中を押され、Dollsはシレーヌが待ち構える墨田区へ向かうことにした。

斑目『青空…約束する!必ず、助けに向かう!だから、もう少しだけ…待ってて欲しい…!!』

翔「……。」

斑目は翔に言う。昇は乱暴に通信を切ると、翔に近付く。

 

昇「青空隊長!!貴方はドールハウスに見捨てられたんです!!アヒャヒャヒャヒャ!!どうですかぁ!見捨てられた気分はどうですかぁ!?アヒャヒャヒャヒャあぶぇっ!?」

 

ドゴォッ!

 

狂ったように笑いながら顔を近付けてきた昇の顔面を、翔は思い切り殴った。

 

翔「何で『すぐに助けに来ない』=『見捨てる』ってことになるんだ?…お前は本当に何も分かってねぇな?」

昇「……ふぇ?」

翔「物事には手順が存在すんだよ、行動する前に考えることもできねぇのか?」

昇「……。」

翔「調子乗ってんじゃねぇぞ、猿野郎が…!」

翔は昇を睨むと、舌打ちしてそっぽを向いた。

 

昇「…みんな、何をしているんだ!?早く、青空隊長に尽くすんだよ!!」

 

昇はストライカー達にそう告げ、部屋から出ていった。ストライカー達は慌てて翔に尽くそうとする。一部メンバーは部屋を出て食事の準備を…一部メンバーは翔の側にいて、彼に話しかけたりした。翔はごねにごね続け…ストライカー達から尽くされることを、ひたすら拒み続けた。

 

 

 

翔(俺はミサキとユキとヤマダに失望し、バラけたDollsに向き合おうとすらしなかった……

 

それだけじゃねぇ……洗脳が解けたヒロイン達を攻撃し、一海達にもひでぇこと言ったり、攻撃したりして来たんだ……

 

勝手に孤独になって、その結果……コイツらに連れ去られ、俺が化け物であったことを告げられちまった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……『因果応報』とは、このことか……

 

……皮肉な、モンだな……)




いかがでしたか?今回はここまでです。



青空 翔……元は人間だったが、時空管理局によって『アマゾン』という化け物にされていたのだ。それは、今日まで知らなかった事実であった……

次回も、お楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。