〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
ストライカー達に捕まった翔は、拠点としている廃旅館に監禁されてしまう。そこで、ドールハウスの関係者達も元ストライカー達も知らなかった驚きの事実が発覚する。それは……
では、本編へどうぞ
ザザザ…ザザーー…
『…空っ!…青空、応答してくれ!!』
壊れたはずの通信機から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。昇がその通信機を取ると、映像にある人物が映し出された。通信機は、壊れていなかったのだ。
斑目『青空!青空!』
ドールハウス所長、『斑目 セツナ』だった。カナ、愛、DollsとVの姿もある。
昇「これはこれは、ドールハウスの皆さん。」
斑目『なっ!?…き、貴様は…!?』
昇「初めまして、私はストライカー達の隊長、『白河 昇』です。」
昇は通信機越しから自己紹介すると……椅子に座って俯いている翔を見せた。
メンバー『『『ッ!!?』』』
そんな彼を見て、ドールハウスの関係者達は言葉を失った。
昇「青空隊長はストライカー達の更正に、協力してくださることになりました。今までありがとうございました。」
ニヤニヤしながら言う昇。すると……
翔「ふざけるな!!誰が協力するか、あぁっ!?」
翔が顔を上げ、昇に抗議した。
ストライカー「隊長さんもご冗談が上手いんですね♪」「ったく、素直じゃないなぁ♪」
ストライカー達は虚ろな目を向けながら翔に笑いかける。
翔「黙れ黙れ黙れぇ!!」
そんなストライカー達を嫌がり、暴れる翔。
カナ『ちょっと、翔君が嫌がっているじゃないですか!!』
愛『これのどこが協力的なの!?あんた、頭おかしいんじゃないの!?』
カナと愛も昇に抗議するが……
昇「青空隊長は素直じゃないだけですからw」
と、昇は聞く耳を持たない。
翔「おい、お前達!!こんな奴の言葉を鵜呑みにすんな!!」
ドールハウスの関係者達に言葉を投げる翔。
昇「あ、そうそう……貴女方に、青空隊長の正体を教えてあげましょう。」
昇の言葉に…
翔「…は?」
翔は困惑し、
斑目『青空の正体だと!?何を言っている、青空は青空だ!!』
斑目は抗議する。昇は1枚の資料を持って来て、まず…翔に見せた。
翔「ッ!?」
そこに書いてあったのは……
『実験体 No.0006 青空 翔』
と、デカデカと書かれており、続きには……
『彼には他の隊長と違い、特殊な『アマゾン細胞』を植え付けた。しかし、どんなに待っても覚醒することがない……そこで、我々は彼に対して、多大なストレスを与えることにした。まず、ストライカー達を利用し、彼の心身を痛め付けると…細胞が覚醒寸前になったことがわかった。これを続けてみることにしたが……青空 翔が辞職願を出したことで、使い物にならないと判断……まぁ、代わりはいくらでもいる。またモルモットを探せばいい。』
と、時空管理局の研究結果と思われる文が書かれていた。
翔(アマゾン細胞だと…!?…何だよ、それ……)
驚いて言葉を失う翔。
愛『翔君、どうしたの!?翔君!!』
愛が翔に呼び掛けても、彼は反応を示さない。
愛『翔君に何を見せたの!?』
昇「あぁ……これですか?」
昇はドールハウスの関係者にも、例の資料を見せた。そして……
昇『青空 翔さんは…人間ではありません。』
タンパク質を求めて行動する人喰いの化け物……
『アマゾン』なんです。
昇の言葉に、ドールハウスの関係者達は言葉を失う。しかし……
ミサキ『貴方に翔さんの何が分かるの!?』
ナナミ『翔さんは人喰いなんかじゃありません!!』
ヤマダ『ざけんなよ?翔さんを侮辱しやがって!!』
メンバー達はそれを否定するが……
翔(…俺は…人間じゃ、ない……?)
翔は、それを否定できずにいた。何故なら…その資料は間違いなく『時空管理局』の資料であったからだ。
昇「貴女達がいくら否定しても、青空隊長本人は否定していないみたいですが?」
昇は笑いながら言う。
アヤ『翔、こんな奴の言うことなんて、あたしは信じないから!!』
ヒヨ『翔さん!!』
Dollsは翔に言葉をかけるが……
翔「いや、こればっかりは…事実みてぇだ……」
翔がそう言うと、メンバー達は黙ってしまった。
翔「おい白河…アマゾンって何なんだ…!?時空管理局は、一体何をしていたっていうんだ……!?」
翔が昇に問い詰めると、昇はペラペラと語り出した。
かつて、時空管理局では『隊長』という人材が不足していた。そこで、彼らは全国の高等学校で成績が学年トップの生徒を探し、彼らを隊長として迎えることを計画……それと同時に、『
そして、次々と学年トップの生徒を引き抜き、ストライカー達の隊長にしていった。その中に、翔もいた……高校生になったばかりだった彼も、成績は学年トップであり、時空管理局に目をつけられた。そして、半ば無理矢理時空管理局に連れていかれ、何も知らないまま気絶させられ……アマゾン細胞を打ち込まれてしまったのだ。そう、どのチャンネルのストライカー達の隊長は全員…知らない間に化け物にされていたのだ。つまり……
時空管理局は、隊長という存在を実験体として、兵器として利用していたのだ。
翔「……。」
昇の話を聞いた翔は、呆然としていた。
昇「どうですか?」
翔「……けるな…」
昇「…?」
翔「ふざけんじゃねぇぇえええええ!!」
自分も知らなかった驚愕な事実に、翔は声を荒げ、怒鳴り立てる。
翔「お前達のせいで…お前達のせいでぇ!!
俺の人生はめちゃくちゃだぁぁああああああ!!」
怒り狂った翔は喉が張り裂けるような勢いで声をあげ、ジタバタと暴れだす。
ストライカー「隊長さん、暴れないで!!」「落ち着いてくださいまし、隊長様!!」
翔「離せぇぇえええええ!!」
ストライカー達に抱き付かれ、かえって荒くなる翔。ストライカー達を殴り、蹴り、引っ掻き、噛み付き……ストライカー達から束縛されるだけでなく、しつこくされていることに翔は腹を立て、ただただ大声を上げて暴れていた。だが、ストライカー達にとって…それは、救いとなってしまっていた。
斑目『白河 昇、今すぐ青空を解放しろ!!』
斑目は昇に言う。
昇「それはできません。彼にはストライカー達の更正を手伝って貰うんですから。それに、話聞いてました?彼は人間じゃないんです…その人間を喰らう化け物なんですよ?そんな彼を解放しろだなんて、おかしくないですか?」
昇はそれを拒否し、ドールハウスの関係者達を嘲笑うかのように言う。
翔「触るなぁ!ドケェ!!ジャマダ!!キエロォォオオオオオオオオオオ!!」
発作を起こした翔は、赤い目を光らせ、しつこく迫ってくるストライカー達を攻撃し、拒絶反応を示していた。それに、翔は怖かった……
自分が人間ではなく、人喰いの『アマゾン』であることが……
いつか、ドールハウスの関係者や一海達を喰らってしまうんじゃないかと…
考えただけでも、怖かった。しかし……
レイナ『今さら翔君が何であろうと関係ないわ!!』
レイナが声をあげると、他のメンバー達も声をあげる。
サクラ『そうです!翔さんは、かつて私たちに心を閉ざしていても、力になってくれたんです!!』
シオリ『ファンの皆にも、老人や子ども達にも優しく接し、笑顔にしてくれたんです!!』
ヒヨ『ピグマリオンやおぶりから、たっくさんの人たちを守ってきたヒーローなんだよ!!』
ミサキ『それだけじゃない!バラバラになってしまったDollsが1つになったのも、全部翔さんのおかげ!!例え、私たちに失望しても…そっと背中を押してくれたもの!!』
ヤマダ『翔さんは化け物なんかじゃねぇ、仮面ライダーなんだよ!!人類を守るために戦う、英雄なんだよぉ!!』
ナナミ『時に優しく、時に厳しく接してくれたからこそ、今の私たちがあるんです!!私が、少しずつ素直になれているのも、翔さんが背中を押してくれたおかげです!!』
ユキ『翔さんが優しく見守ってくれたから、私たちは安心できるんです…翔さんは、たくさんの感情を教えてくれました…!!』
アヤ『翔と過ごす時間は、あたし達の一生の宝物!!翔からは生きていくために大切なことを、数え切れない程教わった!!翔は、あたし達にとって……大切な人なんだから!!』
Dollsからの温かい言葉を聞いた翔は、
翔「…~ッ!!」ボロボロ
恐怖から解放されたのか、安心したのか…大粒の涙を流し、泣いていた。
斑目『そういうことだ、白河 昇…我々に貴様の挑発なんぞ、通用しない。思い上がるなよ?』
昇「~ッ!!」
斑目の言葉に、悔しそうに歯を噛み締める昇。
昇「では、僕は貴女達に2つの選択肢を与えましょう…!」
斑目の言葉を聞いて、悔しさを噛み締めた昇は…更に、ドールハウスの関係者達を挑発する。そして、とんでもない選択肢を出した。
『東京の人々を見捨てて、青空隊長を助けるか…』
『青空隊長を見捨てて、東京の人々を助けるか…』
昇「さぁ、どちらにしますか?ククククッ…」
メンバー『『『っ!?』』』
昇の選択肢に、ドールハウスの関係者達は迷いの表情を見せる。
昇「あれあれ、僕の挑発なんぞ通用しないんじゃないんですかぁ~?」
勝ち誇ったようにニヤニヤする昇。その時……
翔「おい!俺に構わず行け!!」
翔が声をあげた。
ミサキ『翔さん…!!』
翔「何を躊躇っている?…未知なる脅威から人々を守り、東京を解放する……それが、お前達『Dolls』の役目だろ!!」
レイナ『…翔君…!』
翔「俺は大丈夫だ…だから、お前達の助けを求めている大勢の人々の元に向かえ!!」
アヤ『で、でも…!!』
翔「行けぇぇえええええええええ!!」
翔は声を荒げ、メンバー達に言う。そして……
翔「今のお前達なら、何者にも負けねぇ……必ず、シレーヌをぶっ潰せる……俺は、お前達を信じているからな。」
と、優しく微笑んだ。
レイナ『…翔君……分かったわ…!』ウルッ
レイナは目に涙を浮かべる。翔に背中を押され、Dollsはシレーヌが待ち構える墨田区へ向かうことにした。
斑目『青空…約束する!必ず、助けに向かう!だから、もう少しだけ…待ってて欲しい…!!』
翔「……。」
斑目は翔に言う。昇は乱暴に通信を切ると、翔に近付く。
昇「青空隊長!!貴方はドールハウスに見捨てられたんです!!アヒャヒャヒャヒャ!!どうですかぁ!見捨てられた気分はどうですかぁ!?アヒャヒャヒャヒャあぶぇっ!?」
ドゴォッ!
狂ったように笑いながら顔を近付けてきた昇の顔面を、翔は思い切り殴った。
翔「何で『すぐに助けに来ない』=『見捨てる』ってことになるんだ?…お前は本当に何も分かってねぇな?」
昇「……ふぇ?」
翔「物事には手順が存在すんだよ、行動する前に考えることもできねぇのか?」
昇「……。」
翔「調子乗ってんじゃねぇぞ、猿野郎が…!」
翔は昇を睨むと、舌打ちしてそっぽを向いた。
昇「…みんな、何をしているんだ!?早く、青空隊長に尽くすんだよ!!」
昇はストライカー達にそう告げ、部屋から出ていった。ストライカー達は慌てて翔に尽くそうとする。一部メンバーは部屋を出て食事の準備を…一部メンバーは翔の側にいて、彼に話しかけたりした。翔はごねにごね続け…ストライカー達から尽くされることを、ひたすら拒み続けた。
翔(俺はミサキとユキとヤマダに失望し、バラけたDollsに向き合おうとすらしなかった……
それだけじゃねぇ……洗脳が解けたヒロイン達を攻撃し、一海達にもひでぇこと言ったり、攻撃したりして来たんだ……
勝手に孤独になって、その結果……コイツらに連れ去られ、俺が化け物であったことを告げられちまった……
……『因果応報』とは、このことか……
……皮肉な、モンだな……)
いかがでしたか?今回はここまでです。
青空 翔……元は人間だったが、時空管理局によって『アマゾン』という化け物にされていたのだ。それは、今日まで知らなかった事実であった……
次回も、お楽しみに