〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

281 / 551
やさぐれショウです。



高射砲のエネルギーチャージがストップし、絶望に飲まれそうになるミサキ。しかし、そんな彼女の背中を押したのは……

では、本編へどうぞ


第二百十二話 全てを感情にのせて

シレーヌが墨田区に歌声を響かせる中……

 

ヴォオンッ……ヴォオンッ……

 

ミサキ「まだ……まだなの……!?」

 

PPP--

 

カナ『チャージ85%、86%、87%……88%、89%、90%……』

高射砲のチャージは、まだ終わっていない。そして…

 

カナ『ダメです!出力限界です!これ以上は----』

 

とうとう、チャージに限界が訪れた。

ミサキ「ダメ……ッ!90%から、進まない…!」

チャージは90%となり……後、10%でシレーヌに十分届く。だが、何故か90%でチャージが止まってしまったのだ。

ミサキ「どうして……!?」

その原因は……

 

小鳥遊『EXAMを破壊した時に、フィールを放出してしまったせいか……』

 

どうやら、EXAMを撃破した際……フィールが漏れてしまったようだ。

小鳥遊『しかし、補助をしようにも今からでは、間に合わない----』

EXAMの高射砲を撃つには、通常のオートギアよりも…莫大な量のフィールが必要なのだ。それを補助するとなっても、今からでは到底間に合わない。

ミサキ「そんな…!」

小鳥遊『……やむを得ん。』

残された選択肢は1つ…それは……

小鳥遊『90%の出力なら、その地点からならギリギリでシレーヌまで到達する。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小鳥遊『撃つしかあるまい……!

 

一か八か、撃つしかない…とのことだ……だが…

ミサキ「ッ……!」

ミサキには迷いがあった。

ミサキ「でも、もしも届かなかったら……届いても、その出力でシレーヌに致命傷を与えられるの…?」

今の状態なら、シレーヌに届くのはギリギリであると小鳥遊大臣は言っていたが……必ずしも、シレーヌに届くとは限らない……仮に届いたとしても…シレーヌに十分なダメージを与えられるという保障は、何処にもない。

ミサキ「違う…!そんな不確かな作戦に、命を賭けるなんて…私のやり方じゃない…!」

何より……確実な方法が無い中で、命を賭けること自体に、迷いがあった。

ミサキ「もっと、他のやり方が----」

 

 

 

翔「……。」

翔(アイツ、迷ってるな……)

そのミサキの様子を、翔は見ていた。そして…

 

翔「モシュネ、モルガナ、ミネルヴァ…ちょっと良いか?」

 

モシュネ達とモルガナ、ミネルヴァにあることを頼んだ。

翔「…というわけだ、ここを…任せても良いか?」

翔の言葉に対して、一海達と元ストライカー達、小春と翠は……

 

一海「あぁ、任せろ!」

紫「承知した。」

友香「わかりました!」

諒芽「おう!」

ほたる「確かに、任されました!」

雪枝「隊長さん、ミサキさんをお願いします。」

小春「了解です!」

翠「OK!」

 

躊躇うことなく、承諾した。それを聞いた翔はモシュネ達に乗り、とある高層ビルの屋上に向かった。

 

翔「よし、ここで良い。」

翔達がやって来たのは、ミサキがいる高層ビルとは別の高層ビルの屋上だ。

モルガナ「何をするつもりですか?」

翔「俺のフィールを、ミサキに届ける。通信機がぶっ壊れた今、こうするしかねぇんだ……」

翔はそう言うと、自分の身体の正面で腕をクロスさせ、集中し始める。すると…彼の腕に纏われているフィールが、天の川のような光の帯を描き、ミサキの方へと飛んでいく。だが……

 

翔「ぐあっ……ッ!!」

 

翔にかかる負担が大きく、彼はとうとう倒れてしまう。

モルガナ「隊長さん!!」

ミネルヴァ「青空隊長!!」

モシュネ「た、隊長さん!!」

倒れた翔に駆け寄るモルガナとミネルヴァとモシュネ。

翔「……まだだ…!!」

翔はヨロリと立ち上がり、再びミサキにフィールを送り始める。

翔(ミサキ…ミサキ……!)

 

 

 

その頃、ミサキは……

 

ミサキ「くっ、どうしたら……」

ミサキ(翔さん、お願い……助けて……!)

不安に包まれ、今にも絶望しそうだ。その時…彼女の近くで、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ミサキ…ミサキ……聞こえるか?)

 

ミサキ「っ!?」

ミサキ(この声は……翔、さん……)

その声は、紛れもなく……青空 翔の声だった。

翔(お前の感情を、フィールに変えろ。)

ミサキ「私の、感情を……?」

翔(足りねぇ分は--ミサキ、お前自身が補え。)

ミサキ「……!」

ミサキ(でも、それじゃあ…あの時と、同じ……)

翔(ミサキ、お前ならできる。)

ミサキ「感情を……燃やす…………」

ミサキは黙り込んでしまう。そんな彼女の背中を押すかの様に、翔の声が聞こえてくる。

翔(お前にだって、守りてぇモンがあるんだろ?いや…守らなければいけねぇ存在が、あるんだろ!?それが分かってるお前なら、ぜってぇできる!それと……)

ミサキ「……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう--

また、1つになってくれて----

 

ミサキ「…ッ!?…翔さん。」

翔(お前の守りてぇモンも、お前が守らなければいけねぇ存在も…俺が一緒に守ってやる!!だから……頑張れ、ミサキ!!)

その時…ミサキの胸部に、ほのかな温かみが表れ始める。ミサキは目を閉じると……

 

 

ミサキ「私は……

 

私の名前は『ミサキ』!

 

…敵を倒したい。強くなりたい。

 

No.1でいたい。だって、No.1でいれば--

 

一番先頭で戦える。

 

一番危険な任務を背負える。

 

私の力で、みんなを守れる。

 

それが私の、存在意義。

 

そう思ってた。」

 

自分の想いを口にし始め、目を開く。

 

 

だけど--違う。

 

 

ミサイル「守られていたのは私の方。

 

傷つくのを怖がってたのは私の方。」

 

ミサキの周りに光が集まって来て、彼女の身体を包み始める。

 

ミサキ「私は、チヒロの言葉を盾に…

 

…戦うことに逃げていた。

 

私、私は----!」

 

その時…

 

ミサキ「私は!

 

ミサキのドレスの胸部にあるハート型の宝石が光出し、彼女の衣装が変わった。覚醒人形のドレスに身を包んだミサキに、沢山のフィールが流れてくる。すると、先程まで止まっていた高射砲のチャージが、急激なスピードでエネルギーをチャージし始める。

 

ミサキ「私は、みんなと一緒にいたい。

 

この先も、ずっと、ずっとこうして。

 

歌でも、踊りでも、

 

もちろん、戦いでも……!

 

そう…私が戦う意味は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切な人を、もうこれ以上--

 

誰も失わないために---!!!

 

『これ以上、大切な人を誰も失わせない』…それこそが、ミサキの戦う意味であった。

 

PPP--

 

カナ『すごい……!97、98、99……100%、突破!

 

チャージ…完了です!!もしかして…翔君が…ううん、きっと…翔君が!!』

 

斑目『青空…よくやってくれた。

 

お前は、正しい答えを出した。』

 

カナも斑目も微笑んでいた。

 

小鳥遊『開いた口がふさがらないとは、このことか…

 

ドールに、こんな運用方法があるとは……』

 

小鳥遊大臣も驚いて、言葉を失っていたが……その表情は、嬉しそうな表情だった。

 

 

 

ミサキ「翔さん…ありがとうございます……!!」

 

翔『礼を言うのは、俺の方だ。』

 

その時…翔の幻がミサキの隣に現れた。

翔『ありがとな、ミサキ。』

ミサキ「…ッ!」ウルッ……

ミサキは目に涙を溜めていた。

ミサキ「翔さん、命令を。

 

今の私なら、必ず届くはずだから。」

翔『…あぁ。』

翔の幻は、ミサキの左肩に右手を置くと、歌声を響かせるシレーヌへと、向きを変える。

 

 

シレーヌ……これで、終わりだ。

 

そして、ミサキの方に顔を向け、

 

 

 

撃て。

 

 

 

と、ミサキに告げた。

ミサキ「了解です、翔さん。」

ミサキは翔に微笑むと、シレーヌの方に向く。

 

ミサキ「曇天に舞う、醜い歌姫。

 

この一撃で、大地を舐めろ----」

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミサキ「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

雄叫びと共に、高射砲をシレーヌ目掛けて発射した。

 

 

ピカッ……ズッドォォオオオオオオンッ!!

 

 

高射砲から放たれた光線は、真っ直ぐシレーヌへと飛んでいく。そして、シレーヌに到達すると……

 

 

カッ…ズドォォオオンッ!ドッゴォォオオオオオオオオオンッ!!

 

 

大爆発を起こし、シレーヌを包んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「……ッ!!…ヴッ!?ゴハァッ!!」ビチャッ!

 

フィールを使って念力を起こした翔は、とうとう地面に倒れ、血を吐いた。

モシュネ「隊長さん!」

モシュネ達は翔を包み込み、下へと降りていく。モルガナとミネルヴァもモシュネ達の後を追って、下へと降りる。

 

紫「翔、大丈夫か!?」

既にボロボロな翔だったが、更にボロボロになっていく翔を見て、メンバー達は驚いた。

一海「翔、もう休んだ方が良い!!このままじゃ、お前が死んじまう!!」

 

翔「まだだ!!

 

声を荒げる翔。

翔「俺には、まだ……やるべき、ことが…あんだよ……!!」

蜜璃「やるべき、こと…?」

深雪「それって何ですか、翔君?」

翔がやるべきことは、2つあった。それは……

 

 

翔「Dolls(アイツら)の、勝利を…見届ける、こと……それと……

 

 

…仮面ライダー、バールクスを……Zを…ぶっ潰す、ことだ!」

 

1つは『Dollsがシレーヌに勝つ瞬間を見届ける』こと…

 

もう1つは……

 

 

平成ライダーの力が通用しないという、強大な力を持つ最後のジャドウ…『転生者 Z』を、この世界から追い出すことだった。

 

やるべきことが分かった今、メンバー達は翔と共に、スカイタワー付近へと移動を開始した。




いかがでしたか?今回はここまでです。



昨日から、私は『新社会人』になりました。大袈裟かもしれませんが「諦めたら、全て終わりなんだな。」と感じられた日でもありました。

この物語では、『挫けそうな時、支えてくれる仲間がいる』ということを、知って欲しいという願いで書きました。



※『フィール念力』……纏ったフィールを使い、遠くにいる者と会話が可能。また、これを使って敵に攻撃することもできる。
但し、発動者にかかる負担は大きく、最悪の場合……命を落とす可能性もある。

参考…『ウルトラセブン』の『ウルトラ念力』



次回も、お楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。