〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



遂に、浄化ライブの日がやって来た。翔が居ない中、Dollsはライブに挑んでいく。それは、被災した墨田区のため、全ての客のため…そして、共に戦って来た彼のために……

では、本編へどうぞ


第二百十七話 墨田区浄化ライブ

墨田区浄化ライブ当日……

 

Dollsはいち早く、ライブ会場に到着した。だが、そこに……翔の姿は無い。

 

レイナ「みんな。いよいよ墨田区浄化ライブの開幕よ。」

シオリ「いつも通り、客席は満員御礼です。……嬉しいものですね。」

アヤ「珍しくヤマダも振り覚えたし!本番もリハ通り、思いっきり弾けて--」

すると……

 

ミサキ「……ちょっと、いい?」

 

ミサキが口を開いた。

アヤ「あら。珍しいわね。どうしたのよ、ミサキ。」

アヤがミサキに聞くと、ミサキは口角を下げる。

ミサキ「い、今だから言うわ。

 

--みんな、ごめん…なさい。」

 

気まずそうにしながらも…メンバー達に謝罪するミサキ。

レイナ「フフ……何のこと?」

ミサキ「い、意地悪しないでよ!」

ミサキはレイナに少し怒ると、また気まずそうな表情を見せる。

ミサキ「前のライブを……

 

私のわがままで欠席してしまったこと。

 

私が、みんなの努力を…

 

無駄にしてしまったこと……

 

本当に、ごめんなさい。」

ポツリポツリと、自らの過ちを話し、再びメンバー達に謝罪するミサキ。

ミサキ「それだけじゃない。今回は私のせいで皆に迷惑をかけたわ。」

すると、レイナは厳しい顔を浮かべ…

 

レイナ「謝るだけなら誰でもできるわ。

 

……誠意を見せてくれないと。」

 

と、ミサキに言う。

サクラ「あ、あわわわ……レイナさん、もういいじゃないですか!」アセアセ

慌ててレイナを宥めようとするサクラだが、

ミサキ「ええ、もちろんそのつもり。」

と、ミサキは真剣な表情をレイナに向ける。

ミサキ「アイドルの失態はアイドルで返す。」

次に、メンバー達の方へ向きを変え、

 

ミサキ「みんなには、今までで最高のパフォーマンスを見せると約束する。」

 

と、決意を語った。

レイナ「MARVELOUS!」

レイナの言葉に、少しビックリするミサキ。そんな彼女に、レイナはこう言った。

レイナ「ミサキの『M』は『MARVELOUS』のMね!」

そして…

 

レイナ「…今から、編成を変えるわ。」

 

編成を変えると言い出す。

アヤ「げえ……今から!?」

レイナの言葉に驚くアヤ。

レイナ「私が歌う予定だった新曲のソロナンバーがあるわ。

 

ミサキ、それは貴方が歌いなさい。」

どうやら、大きく編成を変えるのではなく…ほんの一部を変えただけのようだ。これに対し、ミサキは……

 

ミサキ「ええ、引き受けるわ。」

 

躊躇うこと無く、すぐに引き受けた。

レイナ「ふふ…即答ね。でも受けてくれるって…信じてたわ。」

レイナは微笑むと…

 

レイナ「やりなさい。

 

今日は貴女が、センターよ。」

 

…と声をかけ、ミサキの背中を押した。レイナに背中を押されたミサキは、より一層真剣な顔になる。

ミサキ「ヤマダ、本番まであと10分。歌練、付き合いなさい!」

ヤマダ「いや~…ジブン、本番前は瞑想という名の仮眠を……

 

…って、言いたいとこっすけど……翔さんのため、やってやるっすよ!!」

ミサキ「そうと決まれば、行くわよ。」

ヤマダ「アイアイサー!」

すると、その様子を見ていたユキも、口を開いた。

ユキ「私も……さぼたーじゅしたので……何か、手伝います。」

ミサキ「助かる。ありがとう、ユキ。」

ユキ「…ミサキさん。わたし、楽しみにしています。」

ユキの言葉に、

 

ミサキ「…ええ。私も、楽しむわ!」

 

と、ミサキは輝く笑顔を見せた。そして、本番まで残り僅かな中……納得するまで練習を行った。

 

 

 

そして、『墨田区浄化ライブ』が始まった。9人揃ったDollsがステージ上に登場すると…途端に大歓声が上がった。この日の9人のパフォーマンスは、どこか特別なようだった。

蜜璃「あれ…なんで、ミサキちゃんがレイナちゃんのソロを歌ってるの?」

違う編成に、疑問を抱く蜜璃。

ルリ「えー!?そうなの?ルリ、ぜんぜん、気づかなかったよ!」

深雪「そうなんですか?」

ルリ「だって、ミサミサ……いままでで、いっちばん楽しそうなんだもん!」

ルリの言葉を聞いた深雪と蜜璃は、ステージ上で歌うミサキの表情を伺うと……

 

深雪「あら、本当ですね。」

蜜璃「ホントだ、すっごく楽しそう♪」

 

ミサキは心から楽しそうな表情を見せていた。

カナ「ミサキさん…自分の殻を破りましたね。」

ステージ上でパフォーマンスを披露するDollsを見守りながら、カナは言う。

深雪「あの戦いがあるから…今、ミサキさんはこうして輝いているんですね…」

カナ「アイドルだけではたどりつけない場所。ドールだけではたどりつけない場所----

 

これが、翔君とみんなが出した結論なんですね。」

深雪「…間違っているでしょうか?」

カナ「……まさか。見てください、あのミサキさんの顔。」

ミサキの表情を見ると……その楽しそうな顔は、未だに崩れていない。

カナ「あれが----

 

何よりもその答えですよ。」

深雪「そうですね。」

深雪は微笑み、ライブを見守る。

 

ルリ「ねぇねぇ、翔お兄ちゃんは?」

 

ルリの質問に、一瞬言葉を詰まらせるカナと深雪。

 

蜜璃「翔お兄ちゃんはね、疲れちゃってドールハウスでお休みしてるんだ。」

 

蜜璃が対応したことで、ルリは納得した。カナ、深雪、蜜璃は翔がいない寂しさを堪えながら、ライブを見守り続けた。

 

ミサキ(翔さん……私は今、とても楽しいです……

 

アイドルも、戦うことも……全てが、楽しい……

 

楽しい場所に、連れてきてくれて……

 

私たちと一緒に、歩んでくれて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ありがとう、翔さん!)

 

墨田区浄化ライブは大成功に終わり、訪れた客は皆…笑顔でいたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果ての庭園では……

 

マキナ「第3の敵が堕ちた。」

マキナが1人、シレーヌが倒されたのを見届けていた。

 

マキナ「これで、“あの人”は駒を1つ前へ。

 

人形たち全ての感情、非常に堪能させてもらったわ。」

 

彼女の言う…『あの人』とは……

マキナ「それにしても。

 

最後に見せた。

 

人形による感情の焼却----

 

望外(ぼうがい)の観測ができたわ。

 

後で、お礼を言わなくっちゃ。」

そう言って、微笑みを見せるマキナ。

マキナ「槍の穂先の輝きは鈍い。

 

まだ、時間が必要ね----」

そう言って口角を下げるマキナは……

 

マキナ「退屈だわ。嗚呼、退屈。

 

本当に本当に本当に本当に退屈。」

 

…と、不満を口にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マキナ「…『青空 翔』、会いたいわ。

 

今度は……どんな話をしようかしら。」

 

マキナは、再び翔と会うのを楽しみにしていた。

 

マキナ「そういえば…かめんらいだぁー(?)が好きだったわね……フフフッ、嗚呼…翔と話をするのが、楽しみだわ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小鳥遊「今回は私の失態です。…申し訳ございません。」

 

電話越しの相手に謝罪をしている小鳥遊大臣。

 

小鳥遊「とはいえ、想定内です。むしろ好都合といえます。

 

オートギアの有用性が疑問視されたことにより、次の手が打てます。」

 

電話を終えた小鳥遊大臣が向かった場所は……何やら地下と思われる場所……そこには、巨大なカプセルと思わしき何かがあり、中には1人の少女と思わしき姿があった。

 

小鳥遊「……不思議だね。」

 

カプセルの中の少女に語りかけるように呟く小鳥遊大臣。

 

小鳥遊「彼女たちを見ていると、君に逢いたくなってしまった。」

 

いや、カプセルの中の少女に…小鳥遊大臣は話しかけていた。だが、少女からは何の反応も無い。

 

小鳥遊「A因子、感情炉----

 

全ては君のお陰だ。

 

……愛しているよ。

 

だからこそ、この復讐に口づけを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…『エクス』……

 

私の、妻よ----

 

『エクス』……このカプセルの中で眠っている少女の名前と思われる。

 

小鳥遊「さあ、続けよう。」

 

 

これは、私の復讐の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デウス「あるところに、3人のテンシがいました。」

 

誰もいない地下の真っ暗闇の空間で、デウスは何やら語り出す。

 

デウス「ひとりは図太く地上に居残り、

 

もうひとりは安寧の死へと逃げ込み。

 

そして、ひとりは全てをあきらめて…自分だけの世界にひきこもりましたとさ。」

 

何か意味ありげに語るデウス。

 

デウス「デウス、エクス、マキナ……

 

機械仕掛けのテンシたち。

 

さあ、最後に笑うのは誰でしょう?

 

……なーんて、ね。」

 

デウスがいる空間にはただ……紫色の小さな灯りと……怪しく光る紫色の複眼と思わしき光が見えるだけだった。




いかがでしたか?今回はここまでです。



最後の場面、何かめちゃくちゃになっちゃった気がするな……ま、いっか。

次回も、お楽しみに
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