〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
遂に、浄化ライブの日がやって来た。翔が居ない中、Dollsはライブに挑んでいく。それは、被災した墨田区のため、全ての客のため…そして、共に戦って来た彼のために……
では、本編へどうぞ
墨田区浄化ライブ当日……
Dollsはいち早く、ライブ会場に到着した。だが、そこに……翔の姿は無い。
レイナ「みんな。いよいよ墨田区浄化ライブの開幕よ。」
シオリ「いつも通り、客席は満員御礼です。……嬉しいものですね。」
アヤ「珍しくヤマダも振り覚えたし!本番もリハ通り、思いっきり弾けて--」
すると……
ミサキ「……ちょっと、いい?」
ミサキが口を開いた。
アヤ「あら。珍しいわね。どうしたのよ、ミサキ。」
アヤがミサキに聞くと、ミサキは口角を下げる。
ミサキ「い、今だから言うわ。
--みんな、ごめん…なさい。」
気まずそうにしながらも…メンバー達に謝罪するミサキ。
レイナ「フフ……何のこと?」
ミサキ「い、意地悪しないでよ!」
ミサキはレイナに少し怒ると、また気まずそうな表情を見せる。
ミサキ「前のライブを……
私のわがままで欠席してしまったこと。
私が、みんなの努力を…
無駄にしてしまったこと……
本当に、ごめんなさい。」
ポツリポツリと、自らの過ちを話し、再びメンバー達に謝罪するミサキ。
ミサキ「それだけじゃない。今回は私のせいで皆に迷惑をかけたわ。」
すると、レイナは厳しい顔を浮かべ…
レイナ「謝るだけなら誰でもできるわ。
……誠意を見せてくれないと。」
と、ミサキに言う。
サクラ「あ、あわわわ……レイナさん、もういいじゃないですか!」アセアセ
慌ててレイナを宥めようとするサクラだが、
ミサキ「ええ、もちろんそのつもり。」
と、ミサキは真剣な表情をレイナに向ける。
ミサキ「アイドルの失態はアイドルで返す。」
次に、メンバー達の方へ向きを変え、
ミサキ「みんなには、今までで最高のパフォーマンスを見せると約束する。」
と、決意を語った。
レイナ「MARVELOUS!」
レイナの言葉に、少しビックリするミサキ。そんな彼女に、レイナはこう言った。
レイナ「ミサキの『M』は『MARVELOUS』のMね!」
そして…
レイナ「…今から、編成を変えるわ。」
編成を変えると言い出す。
アヤ「げえ……今から!?」
レイナの言葉に驚くアヤ。
レイナ「私が歌う予定だった新曲のソロナンバーがあるわ。
ミサキ、それは貴方が歌いなさい。」
どうやら、大きく編成を変えるのではなく…ほんの一部を変えただけのようだ。これに対し、ミサキは……
ミサキ「ええ、引き受けるわ。」
躊躇うこと無く、すぐに引き受けた。
レイナ「ふふ…即答ね。でも受けてくれるって…信じてたわ。」
レイナは微笑むと…
レイナ「やりなさい。
今日は貴女が、センターよ。」
…と声をかけ、ミサキの背中を押した。レイナに背中を押されたミサキは、より一層真剣な顔になる。
ミサキ「ヤマダ、本番まであと10分。歌練、付き合いなさい!」
ヤマダ「いや~…ジブン、本番前は瞑想という名の仮眠を……
…って、言いたいとこっすけど……翔さんのため、やってやるっすよ!!」
ミサキ「そうと決まれば、行くわよ。」
ヤマダ「アイアイサー!」
すると、その様子を見ていたユキも、口を開いた。
ユキ「私も……さぼたーじゅしたので……何か、手伝います。」
ミサキ「助かる。ありがとう、ユキ。」
ユキ「…ミサキさん。わたし、楽しみにしています。」
ユキの言葉に、
ミサキ「…ええ。私も、楽しむわ!」
と、ミサキは輝く笑顔を見せた。そして、本番まで残り僅かな中……納得するまで練習を行った。
そして、『墨田区浄化ライブ』が始まった。9人揃ったDollsがステージ上に登場すると…途端に大歓声が上がった。この日の9人のパフォーマンスは、どこか特別なようだった。
蜜璃「あれ…なんで、ミサキちゃんがレイナちゃんのソロを歌ってるの?」
違う編成に、疑問を抱く蜜璃。
ルリ「えー!?そうなの?ルリ、ぜんぜん、気づかなかったよ!」
深雪「そうなんですか?」
ルリ「だって、ミサミサ……いままでで、いっちばん楽しそうなんだもん!」
ルリの言葉を聞いた深雪と蜜璃は、ステージ上で歌うミサキの表情を伺うと……
深雪「あら、本当ですね。」
蜜璃「ホントだ、すっごく楽しそう♪」
ミサキは心から楽しそうな表情を見せていた。
カナ「ミサキさん…自分の殻を破りましたね。」
ステージ上でパフォーマンスを披露するDollsを見守りながら、カナは言う。
深雪「あの戦いがあるから…今、ミサキさんはこうして輝いているんですね…」
カナ「アイドルだけではたどりつけない場所。ドールだけではたどりつけない場所----
これが、翔君とみんなが出した結論なんですね。」
深雪「…間違っているでしょうか?」
カナ「……まさか。見てください、あのミサキさんの顔。」
ミサキの表情を見ると……その楽しそうな顔は、未だに崩れていない。
カナ「あれが----
何よりもその答えですよ。」
深雪「そうですね。」
深雪は微笑み、ライブを見守る。
ルリ「ねぇねぇ、翔お兄ちゃんは?」
ルリの質問に、一瞬言葉を詰まらせるカナと深雪。
蜜璃「翔お兄ちゃんはね、疲れちゃってドールハウスでお休みしてるんだ。」
蜜璃が対応したことで、ルリは納得した。カナ、深雪、蜜璃は翔がいない寂しさを堪えながら、ライブを見守り続けた。
ミサキ(翔さん……私は今、とても楽しいです……
アイドルも、戦うことも……全てが、楽しい……
楽しい場所に、連れてきてくれて……
私たちと一緒に、歩んでくれて……
……ありがとう、翔さん!)
墨田区浄化ライブは大成功に終わり、訪れた客は皆…笑顔でいたのだった。
果ての庭園では……
マキナ「第3の敵が堕ちた。」
マキナが1人、シレーヌが倒されたのを見届けていた。
マキナ「これで、“あの人”は駒を1つ前へ。
人形たち全ての感情、非常に堪能させてもらったわ。」
彼女の言う…『あの人』とは……
マキナ「それにしても。
最後に見せた。
人形による感情の焼却----
後で、お礼を言わなくっちゃ。」
そう言って、微笑みを見せるマキナ。
マキナ「槍の穂先の輝きは鈍い。
まだ、時間が必要ね----」
そう言って口角を下げるマキナは……
マキナ「退屈だわ。嗚呼、退屈。
本当に本当に本当に本当に退屈。」
…と、不満を口にする。
マキナ「…『青空 翔』、会いたいわ。
今度は……どんな話をしようかしら。」
マキナは、再び翔と会うのを楽しみにしていた。
マキナ「そういえば…かめんらいだぁー(?)が好きだったわね……フフフッ、嗚呼…翔と話をするのが、楽しみだわ♪」
小鳥遊「今回は私の失態です。…申し訳ございません。」
電話越しの相手に謝罪をしている小鳥遊大臣。
小鳥遊「とはいえ、想定内です。むしろ好都合といえます。
オートギアの有用性が疑問視されたことにより、次の手が打てます。」
電話を終えた小鳥遊大臣が向かった場所は……何やら地下と思われる場所……そこには、巨大なカプセルと思わしき何かがあり、中には1人の少女と思わしき姿があった。
小鳥遊「……不思議だね。」
カプセルの中の少女に語りかけるように呟く小鳥遊大臣。
小鳥遊「彼女たちを見ていると、君に逢いたくなってしまった。」
いや、カプセルの中の少女に…小鳥遊大臣は話しかけていた。だが、少女からは何の反応も無い。
小鳥遊「A因子、感情炉----
全ては君のお陰だ。
……愛しているよ。
だからこそ、この復讐に口づけを。
…『エクス』……
私の、妻よ----」
『エクス』……このカプセルの中で眠っている少女の名前と思われる。
小鳥遊「さあ、続けよう。」
これは、私の復讐の物語。
デウス「あるところに、3人のテンシがいました。」
誰もいない地下の真っ暗闇の空間で、デウスは何やら語り出す。
デウス「ひとりは図太く地上に居残り、
もうひとりは安寧の死へと逃げ込み。
そして、ひとりは全てをあきらめて…自分だけの世界にひきこもりましたとさ。」
何か意味ありげに語るデウス。
デウス「デウス、エクス、マキナ……
機械仕掛けのテンシたち。
さあ、最後に笑うのは誰でしょう?
……なーんて、ね。」
デウスがいる空間にはただ……紫色の小さな灯りと……怪しく光る紫色の複眼と思わしき光が見えるだけだった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
最後の場面、何かめちゃくちゃになっちゃった気がするな……ま、いっか。
次回も、お楽しみに