〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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新社会人のやさぐれショウです。



墨田区の浄化に成功したDollsは、長期休暇を得ることができた。更に、ドールハウスに大勢の仲間が加わった。だが……

では、本編へどうぞ


第二百二十一話 一緒に頑張ろう

墨田区の浄化に成功して、1週間が経とうとしていた。

 

 

 

新しくドールハウスにやって来たモルガナとモシュネ達、小春と翠とミネルヴァはドールハウスの人達に自己紹介を済ませた後……事務作業を元ストライカー達から教わっていた。モシュネ達はすぐに覚え、苦戦する者の手助けをした。どのメンバー達も、覚えが早く……仕事をさせても問題無い程のレベルになった。

 

そして……

翔「……。」

戦いが終わり、力尽きた翔は……一向に目覚める気配が無い。

愛「……。」

そんな彼を心配し、愛は四六時中…翔の側を離れられずにいた。

 

 

 

今から約、4日程前……

 

中々意識を取り戻さない翔を見て、愛は焦っていた。

 

 

このまま翔君が目覚めなかったらどうしよう……

 

もし、翔君が死んでしまったらどうしよう……

 

どうしよう……

 

どうしよう……

 

ドウシヨウ…

 

ドウシヨウドウシヨウドウシヨウドウシヨウ

 

翔君がいなくなっちゃったら、あたし…あたし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、そうじゃない……

 

あたしは医者……

 

あたしは…翔君の、お姉ちゃん……

 

だから、だから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしが、翔君を…助けなきゃ…!!

 

 

 

この日から、愛は不眠不休で…翔のケアを開始したのだった。誰にも頼ることはせず、ただ…1人で……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今では…目の光は消え、髪の毛もボサボサに傷み……肌も少し荒れていた。

 

愛「…翔君。」

翔「……。」

 

いくら愛が話しかけても、翔は反応を示さない。それでも愛は…翔にたくさん話しかけた。

愛「今日は空が晴れてて、いい天気だよ?」

翔「……。」

愛「外には小鳥がいるね。」

翔「……。」

愛「お日様の光、温かいよ?」

翔「……。」

愛は話しかけるだけではなく……時より手を握ったり、彼の頭を優しく撫でたりもした。しかし…それでも翔は何も反応しない。

愛「……グスッ。」ポロッ…

次第に、愛の目から涙が落ちる。

愛「…翔君…ッ!!」ポロポロ

そして、とうとう泣き出してしまった。

 

 

 

深雪「…愛さん。」

蜜璃「ねぇ、深雪ちゃん…愛ちゃん、このままじゃ……」

深雪「……壊れてしまいますよ……」

蜜璃「斑目所長に相談しに行かない?私、愛ちゃんを放っておけないよ…!」

深雪「…そうしましょうか。」

そんな愛を心配した深雪と蜜璃は、すぐに斑目の元に向かい、このことを相談した。

斑目「…やはりそうか……」

深刻そうな顔をする斑目。

深雪「所長、知ってたんですか?」

斑目「あぁ……話しかけても、青空が寂しがる…青空が1人になってしまう…自分が助けなければ……と、言っていた……」

カナ「翔君が目を覚まさなくなってから、愛さん……すっかり元気が無くなってしまいました……でも、翔君が悪い訳では無いんですけどね…」

口角を下げながら言う斑目とカナ。

カナ「私も声をかけては見ましたが…愛さん、見向きもしなかったんです……深雪さん、蜜璃さん…愛さんのこと、おまかせしてもよろしいですか?」

蜜璃「わかった。」

深雪「わかりました。」

斑目「済まない…力になれずに……」

蜜璃「い、いえっ!!」

深雪「お話聞いてくださるだけでも、ありがたいです。」

深雪と蜜璃は事務室を出ると、すぐに愛の所へと向かった。

 

 

 

コンコンッ……

 

愛「…はい?」

蜜璃『愛ちゃん、蜜璃だよ?』

深雪『私、深雪もいます。』

愛「…入って。」

愛がそう言うと、蜜璃と深雪が医務室に入ってきた。

愛「翔君、深雪ちゃんと蜜璃ちゃんが来てくれたよ。」

愛は眠っている翔に優しく言葉をかける。だが、意識を失っている翔は、特に何も反応を示すことは無かった。

愛「…深雪ちゃんも蜜璃ちゃんも、どうしたの?」

蜜璃「どうしたの?じゃないよ…!」

深雪「どうしたのは、私たちの台詞です。」

蜜璃「愛ちゃん…こんなにボロボロになって……」

ボロボロになっていく愛を心配する深雪と蜜璃だが……

 

愛「あたしの身体はどうだっていい…翔君は、あたしが助けないといけないから……」

 

と、愛は譲らない。

深雪「どうしてそう思うんですか?」

深雪がそう問いかけると……

 

愛「はぁっ!?深雪ちゃんは翔君が心配じゃないの!?」

 

と、愛は感情的になる。

深雪「私も翔君が心配です。」

それでも深雪は、冷静に愛に言う。

深雪「自分の身体はどうだっていいって思うのはどうしてですか?」

すると、愛は……

 

愛「だって、だって……あたしが休んでいる間に…翔君の、体調が…急変しちゃうんじゃないかって……そうなったら、あたしの…あたしのせいで……」ポロポロ

 

と、涙を流し始める。

蜜璃「辛いの?」

愛「グスッ…うんっ…!」

蜜璃「…そうだよね……でもさ、愛ちゃんは翔君の背中を押したんだよね?」

愛「…え?」

蜜璃は愛に言う。

蜜璃「初めて翔君を叱った時だよ。」

蜜璃は愛が翔に叱った時の言葉を言う。

 

蜜璃「寂しい時ぐらい、平気って言わないでちゃんと寂しいって言って?

 

辛い時には『辛い』って、痛い時には『痛い』って言ってよ。

 

辛い時に『辛い』って言えないと、いつか…人の痛みが分からない人になっちゃうよ?」

 

愛「…っ!!」

蜜璃「愛ちゃん、少しは私たちのことも頼ってよ。ほんの少しでも良いから……何でもかんでも1人で抱え込もうとしないで?」

深雪「愛さんが元気じゃなかったら、きっと翔君も…悲しんでしまいますよ?」

蜜璃と深雪の言葉を聞いた愛は、深雪と蜜璃に言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛「翔君は…強いから、決して弱音を吐かない!

 

でも、本当は…誰よりも、辛い思いをしてると思うの!!

 

誰よりも、寂しい思いをしてると思うの!!

 

お願い…深雪ちゃん、蜜璃ちゃん……

 

 

 

…翔君を、助けて…!!」

 

それは、『翔のケアを手伝って欲しい』と…彼女なりのSOSだった。

 

深雪「勿論です♪」

蜜璃「うん、一緒に翔君を助けよう!!」

 

愛のSOSに応じた深雪と蜜璃は、笑顔を見せる。そして、翔の元に向かい……

 

蜜璃「翔君が元気になれるよう、私たちも頑張るね!」

深雪「微力ですが、私たちも協力します。ですから、一緒に頑張りましょう、翔君♪」

 

翔を励ましつつ、『一緒に歩んでいく』という思いを、翔に伝えた。

愛「ズズッ…ありがとう……深雪ちゃん、蜜璃ちゃん…!!」

再び涙する愛。

 

コンコンッ……

 

その時、医務室の戸がノックされた。

 

深雪「は~い。」

 

ミサキ「あ、あの…ミサキ、です……」

戸の向こうから聞こえてきたのは、ミサキの声だった。

深雪「どうぞ。」

医務室に入ってきたのは、ミサキとユキとヤマダの3人だった。

蜜璃「3人ともどうしたの?」

蜜璃は3人に尋ねる。

ユキ「あの……私たちにも、何か…お手伝いできること、ありますか……?」

ヤマダ「その…翔さんが痛い思いしてんの……ジブンらのせいでも、ありますので……」

ミサキ「お願いします、愛さん、深雪さん、蜜璃さん……私たちも、翔さんの力になりたいんです…!…どんな些細なことでも、何でもします…!!」

ユキもヤマダもミサキも、真剣な表情を愛達に向けている。

深雪「…そうですね……ミサキさん達には、翔君のことを小春さん達に教えていただきたいのですが、よろしいですか?」

深雪の言葉に、3人は「はいっ!」と躊躇いもなく答えた。

深雪「小春さんと翠さんとミネルヴァさんに教えていただきたいのは…『翔君が嫌いなこと』…『翔君が好きなこと』ですね。『翔君の隊長時代のこと』は、元ストライカーの皆さんが教えてくださっているので、大丈夫です。」

新しく入ってきた小春と翠とミネルヴァに、翔について教えて欲しいと、深雪は3人に頼んだ。蜜璃はすぐに、小春と翠とミネルヴァを医務室に呼んだ。呼んですぐに、医務室に到着する小春と翠とミネルヴァ。

 

ミサキ「改めて…私は『ミサキ』、DollsチームAのメンバーよ。」

ユキ「DollsチームCのメンバー、『ユキ』です。」

ヤマダ「同じくDollsチームCのメンバー、ダラドルの『ヤマダ』っす。」

 

改めて小春達に自己紹介するミサキとユキとヤマダ。

 

小春「『湊 小春』です、よろしくお願いします。」

翠「わたしは『隼坂 翠』だよ、よろしくね。」

ミネルヴァ「私は『ミネルヴァ』、よろしくね。呼びにくかったら『ミネル』で構わないよ。」

 

小春、翠、ミネルヴァも改めて自己紹介を済ませる。

 

ミサキ「私たちからは、翔さんが嫌いなことと翔さんが好きなことを教えるわ。」

小春「は、はいっ!…あっ、メモしても良いですか?」

ヤマダ「良いっすよ。」

小春、翠、ミネルヴァがメモを構えたところで、3人は話し始める。

 

 

 

ユキ「翔さんは…『裏切り行為』や『束縛をされること』…『しつこくされること』が、嫌いです……後は、若い女の人が苦手です。」

 

ヤマダ「翔さん…『仮面ライダー』とか『ライダーマシン』とかが大好きなんすよね。」

 

ミサキ「後、『温泉』とかも大好きよ。」

 

3人の言葉を一語一語聞き逃さず、メモを取っていく小春達。

ヤマダ「ま、こんな感じですね。深雪さん、どうっすか?」

深雪「OKです。」

ヤマダ「ありがとうございやす。」

ユキ「何か…聞きたいことは、ありますか?」

その時、小春が挙手をした。

小春「裏切り行為って、具体的にどんなことですか?」

ヤマダ「あぁ、例えば…『ドタキャンされること』とか、『約束を破ること』っすね。」

小春「はい、ありがとうございます。」

ヤマダからの返答をメモしていく小春達。

ミサキ「他に聞きたいことはある?」

次に挙手したのは翠だ。

翠「隊長ちゃんは『仮面ライダー』とか『ライダーマシン』とか『温泉』が好きって言ってたけど……他に何か好きなことってあったりする?」

ミサキ「そうね…皆が楽しそうにしているのを見たり聞いたりすることが好きね。」

翠「はーい、ありがとう♪」

ミサキ「他に聞きたいことはある?」

次にミネルヴァが挙手をした。

ミネルヴァ「青空隊長に接する時、何か意識していることはあったりするかな?」

ミサキ「話す時には、翔さんの視界に入って、少し離れた場所から話すように……話が終わった時は、『話してくれてありがとう』と、お礼を言うようにしているわ。」

ミネルヴァ「ありがとう。」

小春達がメモを終えたところで、愛が話を始めた。

 

 

 

愛「みんなも聞いてると思うけど……

 

翔君には心の病気があるの……

 

だから、信頼関係を構築するには物凄く時間が掛かると思う…色々戸惑ったりすることもあると思う……

 

それでも、諦めないで翔君と向き合っていけば、いつか……

 

翔君は心を開いてくれるから…

 

あたし達も、サポートするし、一緒に頑張ってこ?」

 

愛の言葉に、メンバー達は「はいっ!」と返事をした。

その後、小春は愛の助手に…翠は深雪の助手、ミネルヴァは蜜璃の助手となった。そして…蜜璃はアマゾン細胞の研究を含め、朝の7時から夕方の18時までの間、翔のケアを……夕方18時から朝の7時までの間、深雪が翔のケアを担当することになった(アマゾン細胞の研究も含む)。愛はたまに深雪らのサポートを担当することになった。




いかがでしたか?今回はここまでです。



悩みに悩んで書いた物語が、こちらでした。小春達が、翔がアマゾンであることを知るのは、少し先になります。

次回も、お楽しみに
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