〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



やっと…やっと、翔が目覚めてくれたよ…!本当に良かった!
……安心したのもつかの間、ドールハウスのメンバー達は…彼の身に起きた新たなる異変に気付くことになる。その異変とは……

では、本編へどうぞ


第二百二十九話 芽生えてしまった恐怖

翔が目を覚ましたことに安心し、喜びを露にするドールハウスのメンバー達。

愛「翔君、今からベッド起こしても良い?」

翔「…あぁ、頼む。」

愛はリモコンを操作し、翔が寝ているベッドを起こした。

翔「……。」

翔は僅かに、首を動かし…メンバー一人一人の顔を見る。

 

翔「……こんなに…来てくれたのか……」

 

翔が笑顔を見せると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナナミ「うっ……翔、さん……翔さぁん…っ!!」ポロポロ

シオリ「…ひっく……翔君…っ!!」ポロポロ

雪枝「よ、良かった…です……隊長さん…っ!!」ポロポロ

 

その笑顔に…思わず涙を流す者が現れた。

 

斑目「…青空……本当に、よく…頑張ってくれた……ありがとう……!!」

斑目は翔にお礼を言い、涙を流した。

愛「…あ、ちょっと待ってて!」

何かを思い出したのか、医務室から出ていく愛。

翔「…なぁ……新しく、ここに来てくれた奴は…今、いるか……?」

翔がそう言うと、モルガナ、モシュネ、小春、翠、ミネルヴァが翔の近くにやって来る。小春と翠とミネルヴァは翔に配慮し、モルガナとモシュネの後ろに立った。

翔「…モルガナ……」

モルガナ「は、はい。」

翔「…ありがとな……来てくれて…」

モルガナ「…い、いえ…そんな、勿体無い言葉を…っ!」ポロポロ

思わず涙を流すモルガナ。

翔「…お前は……ここで、どんな仕事を…すんだ…?」

モルガナ「ズズッ…私は、ドールハウスの事務員となりました。」

翔「…そうか……大変な、ことも…あるだろう……頑張れよ……」

モルガナ「…ありがとう…ございます……」

涙ながらに、モルガナは翔にお礼を言った。

翔「…モシュネ……お前達は…どんな、仕事を…すんだ……?」

モシュネ「私達は、ドールハウスで様々な仕事をするモシュ。メモカの管理は勿論…事務作業、防犯、色んな機械のメンテナンス、愛先生達のサポート…そして、隊長さんのサポート…色んな仕事をやるモシュよ!」

翔「…そうか……お前達は、色んなことやって…俺らを、手助け…してくれた、よな……これからも……よろしくな……」

モシュネ「任せて欲しいモシュっ!!」

モシュネが翔に敬礼すると、他のモシュネ達も一斉に敬礼した。

翔「…湊…隼坂…ミネルヴァ……お前達は、ここで…どんな仕事を……すんだ…?」

モルガナとモシュネの後ろにいる小春と翠とミネルヴァに尋ねる翔。

 

小春「はい!私は、片山先生の助手としてここでお仕事をさせていただきます!」

翠「わたしは、深雪先生の助手となり…ここで仕事をさせてもらうんだ♪」

ミネルヴァ「私は、蜜璃先生の助手として、ここで働くことになったんだ。」

小春は蜜璃の助手、翠は深雪の助手、ミネルヴァは愛の助手としてここで仕事をするようだ。

翔「…そうか……頑張れよ…」

翔がそう言うと…

 

小春「は、はいっ!よろしくお願いします…!」

翠「よろしくね、隊長ちゃん♪」

ミネルヴァ「青空隊長、よろしくお願いします。」

 

…と、3人は翔に言った。

 

コンコンッ…

 

その時、医務室の戸がノックされ……

 

愛「翔君…!」

 

鍋を持った愛が入って来た。翔が不思議そうな顔をしていると、愛が翔の近くにやって来て…彼が寝ている医療用ベッドのテーブルに鍋を置き、蓋を開ける。そこに入っていたのは……

 

愛「これ…翔君の大好きな、豚の角煮だよ♪」

 

翔の好きな料理の1つ、『豚の角煮』であった。愛は角煮を皿に盛り付け、テーブルの上に置き、次に箸を置いた。

愛「翔君、どうぞ召し上がれ♪」

愛は翔にそう言うが……

 

翔「……。」

 

何故か、翔は中々角煮を口に運ぼうとしない。それどころか…箸にすら手をつけようともしない。

翔「…!」

そして…次第に顔を青ざめていく。

愛「…っ!?…どうしたの、翔君!?」

次第に呼吸が荒くなってくる翔の背中を擦る愛。

深雪「大丈夫ですか、翔君…?」

深雪は翔に優しく声をかける。

 

翔「…俺……」

 

翔はメンバー達にポツリポツリと語り始める。それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストライカー達に連れ戻された際……

 

……媚薬入りの料理を提供されたのだった。

 

 

それ以来…

 

誰かの手料理を食べることが…

 

…怖くなってしまったのだ。

 

 

翔の話を聞いたメンバー達は口角を下げ、拳を握りしめたりして、怒りを露にした。

モルガナ「ストライカー達は、白河 昇の指示で…隊長さんに一生尽くすと言う建前で、隊長さんを支配しようと企んだんです。隊長さん…よろしいですか?」

翔「…。」コクッ…

翔が頷くと……モルガナは球体を作り出し、医務室の壁に映像を映し出した。

映像には、椅子に縛り付けられた翔に、ストライカー達が翔に媚薬入りの料理を無理矢理食べさせようとしたり…『お仕置き』と称して、嫌がる翔の身体に鞭を打ったりしている様子が映し出されていた。

サクラ「ひ、酷い…!!」

レイナ「なんて美しくないの!?」

ナナミ「どこまでも醜く…極悪非道なヤツらですね……!」

あから「陽奈、小織……お前達も、ここまで堕ちたのか……こんな妹を持って、ボクは恥ずかしいよ……」

幸子「……。」

Dolls達は怒りを燃やし、元ストライカー達は言葉を詰まらせたり、かつての身内に失望した。

愛「…あ、それならこうしよう。翔君、ちょっとごめんね?」

愛はそう言うと、自分の箸を使って角煮を少し切り、それを翔の目の前で食べてみせた。

蜜璃「愛ちゃん、一体何を…?」

愛「何って…『毒味』だよ、毒味。」

愛がやったのは、『毒味』である。その理由は……

 

愛「翔君、これなら食べられそうかな?」

 

毒味をすることで、この料理は安全であることを翔に教えるためである。

翔「……。」スッ…

愛の行動を見た翔は、箸を手に取ると……角煮の1切れをゆっくりと口に運び、食べ始めた。

翔「……。」

愛「…どう、美味しい?」

 

 

 

翔「…あぁ…最高に、美味い……」

翔はそう言うと、涙を流した。

愛(翔君……かわいそうに……)

翔の心の状態を理解し始めた愛は、少しだけ悲しさを感じた。毒味をすることで、翔は手料理を食べることができることが分かり、しばらくはこのやり方を継続し、いずれは新しい方法を探していくことにした。




いかがでしたか?今回はここまでです。



ストライカー達の魔の手により、心の病気が悪化した翔。そんな彼にとっての安らぎの場は、『ドールハウス』である。

次回も、お楽しみに
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