〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
戦いで傷付いた翔は、できることが普通の人よりも限られてしまった。不自由な思いをする彼に、ドールハウスのメンバー達は手を差し伸べる。
では、本編へどうぞ
翔が目を覚まして、3日程が経過した。
翔「……。」
医務室のベッド上にて…翔は退屈そうにしていた。
翔(…しかし、退屈だ……それに…全身は痛ぇし、何より…左足が、くっそ痛ぇ……)
全身には痛みが走り…ストライカーの1人によって複雑骨折させられた左足は、じっとしていても少しでも動かすと、激痛が走る。
翔「…これじゃあ…歩くことも、難しい…かもな……」
左足を見ながら、口角を下げる翔。今の彼は…歩行が難しくなってしまっているのだ。歩けなくなったことに、ショックを受けている翔。
コンコンッ……
その時、医務室の戸がノックされた。
翔「…?」
医務室に入ってきたのは……
愛「翔君。」
愛であった。彼女の右手には、小さな箱がある。
翔「…片山さん?」
愛「翔君にちょっとしたプレゼントを持ってきたんだ。」
翔「…何だ、それは…?」
愛はベッドテーブルの上に箱を置くと、開封する。中に入っていたのは……
翔「これは…ボールか…?」
片手で握れる程の大きさのボールであった。
愛「そう♪でもね、ただのボールじゃないんだ。ちょっと持って握ってみて?」
翔「…?」
愛に促され、翔はボールを手に取って握ってみる。
翔「…お。」
そのボールは柔らかく、ある程度の力で握ると光を放つ。
愛「握力を鍛えられるかなって思って、『ムニムニボール』を買ったんだ。」
翔「…ありがとう…大切にする。」
愛「うん、どういたしまして♪」
愛が購入してきた『光るムニムニボール』を使い、翔は握力を鍛え始めた。
ある程度時間が経過した頃……
愛「ねぇ、翔君?」
翔「…?」
愛「お庭に行って、外の空気でも吸いに行かない?」
翔「…あぁ、行く。」
愛「OK、今から準備してくるね♪」
愛はそう言うと、医務室の隅に置いてある車イスを1台持って来る。
愛「翔君、この車イスに座れる?」
翔「…。」コクッ…
翔はベッドに座り、右足を床についてバランスを取る。
愛「良かったら、あたしの肩に掴まってね♪」
翔「…助かる。」
翔は愛の肩に掴まり、車イスに座った。そして、フットレストを自分で下げ、両足を乗せた。
翔「準備できたぜ?」
愛「うん、ありがと♪それじゃあ行こっか♪」
翔「あぁ。」
翔は車イスを操作し、愛と共に医務室を出て…ドールハウスの庭に向かった。
庭に出ると、心地好い風が翔と愛の全身を撫でる。
愛「風が気持ちいいね~♪」
翔「そうだな。」
愛は思わず、伸びる動作を行う。
シオリ「あら、翔君に愛さん♪」
そこに、花束を持ったシオリがやって来た。
翔「…ん?」
愛「やっほ、シオリちゃん♪」
翔はシオリに目を向け、愛はシオリにヒラヒラと手を振る。
シオリ「これから、チヒロさんにお花を供えに行くんです。翔君と愛さんも、ご一緒にどうですか?」
シオリのお誘いに、翔と愛は乗り、チヒロの墓へと向かった。
シオリ「チヒロさん、翔君と愛さんも来てくれましたよ。」
シオリはそう言うと、チヒロの墓に花を供える。そして、手を合わせる。翔と愛もチヒロの墓の前で手を合わせる。
翔(お前が、ストライカー共の魔の手から…俺を助けてくれたのか…?……そうであれば、礼を言う……ありがとう……)
心の中で、チヒロにお礼を言う翔。
シオリ「翔君と愛さんが来てくれて、チヒロさんもきっと喜んでいると思います。ありがとうございます♪」
翔と愛にお礼を言い、去っていくシオリ。
愛「チヒロちゃん、喜んでくれてると良いね。」
翔「あぁ。」
外の空気と日光を浴びた翔と愛は、ドールハウスに入っていった。
2人がやって来たのは、レッスン場であった。
翔「…何故レッスン場に?」
愛「チームBのメンバー達が自主練しているんだ。」
愛はレッスン場のドアをノックし、
愛「お邪魔しまーす♪」
と、レッスン場に入っていく。
ナナミ「ちょっ、まだ入室許可出してないんですけど…」汗
ヒヨ「あー、愛さーん♪」
レイナ「どうしたの、愛さん?」
愛「頑張ってる皆を見に来たんだ♪後、もう1人いるよ。」
愛はドアの方へ向かい、手招きする。すると、車イスに乗った翔がレッスン場に入って来た。
翔「…よぉ。」
チームB「「「翔さん(翔君)!!」」」
翔の姿を見たチームBの3人は、ビックリする。
ナナミ「翔さん、寝てなくて良いんですか…?」
翔「大丈夫だ…てか…ずっと寝てても、退屈なんだよ……」
ナナミの言葉に、苦笑いする翔。
ヒヨ「翔さん、左足…痛い…?」
翔「…そうだな…あまり動かさねぇようにはしてるんだけどよ……痛ぇな。」
そう言うと、翔はレッスン場を見渡し始める。そして、平行棒を見つけた。
翔「…なぁ、アレ使っても良いか?ちょっと、歩行の練習をしてぇんだ。」
愛「もちろん良いよ♪」
愛とチームBの3人は、平行棒を準備する。翔は車イスを操作し、平行棒の近くに移動すると…フットレストを畳み、車イスのブレーキをかけ、棒に掴まって立ち上がった。
翔「…。」
そして、三点歩行でゆっくりと進み始めるが……次第に呼吸が荒くなってきて、進むスピードも少しずつ早くなって来る。
レイナ「翔君。」
焦っている様子の翔に、レイナは優しく声をかける。
レイナ「急がなくても良い…翔君のペースで、ゆっくりで大丈夫よ♪」
翔「…そ、そうか…」
レイナ「えぇ♪でも、無理だけはしないでね?」
レイナの言葉に安心した翔は、再び三点歩行でゆっくりと進み始める。チームBの3人と愛は、時より翔に声をかけたりして、彼の歩行練習を見守った。
数分後…歩行練習を終えた翔は、車イスに座って休んでいた。
レイナ「お疲れ様、翔君♪」
ヒヨ「翔さん、おつかれさまー♪」
ナナミ「お疲れ様でした、翔さん♪」
愛「よく頑張ったね、翔君♪」
歩行練習を終えた翔に、労いの言葉をかけるチームBの3人と愛。
翔「…ありがとな…声をかけてくれて……」
翔はメンバー達にお礼を言い、愛と共に医務室へと戻っていった。
医務室に戻った翔は、医療用ベッドに横になった。
愛「翔君、今度…松葉杖を使って歩いてみる?」
翔「…検討してみる。」
愛「了解♪」
愛はそう言うと、時計を見る。時刻は19:00になろうとしていた。
愛「翔君、今からご飯持ってくるね♪」
翔「わかった。」
愛は医務室から出て、晩御飯を取りに行った。数分後、愛が医務室に戻ってきて、盛り付けを開始した。
愛「お待たせ翔君♪今日は『ご飯』と『鮭の塩焼き』、『ほうれん草のお浸し』と『味噌汁』だよ。」
翔「…おぉ、美味そうじゃねぇか。」
愛「毒味だけしちゃうね?」
翔「あぁ、頼む。」
愛が毒味を終えると、翔は晩御飯を食べ始めた。
愛「……。」
愛(翔君が見てる場所で料理をするのもアリかもしれないな~……検討してみよう。)
晩御飯を食べる翔を見守りつつ、新しい方法を検討する愛であった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
アプリ【プロジェクト東京ドールズ】では、新たなるメンバーが3人登場しましたね(私は、まだ未入手です)。
それと…新しい変身ベルトを購入しようかと検討していますが……未だに迷っている私です(苦笑)。
次回も、お楽しみに