〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
仕事が忙しい…覚えてきたと思ったら、また新しいことを覚えなければいけない……いやぁ、大変だ……でも、頑張ります。
寝転び湯を堪能した翔は、入院着に着替えて医務室に戻っていく。医務室前でミサキと深雪と蜜璃と別れ、室内に入る。
翔「……。」
翔(いい湯だったな…また、入りてぇ……)
そう思い、ベッドに上がった翔は…愛から貰った光るムニムニボールを握り、握力を鍛え始める。
数分後……
コンコンッ…
愛『翔く~ん、晩御飯持ってきたよ~♪』
翔「あぁ、ありがとう。」
晩御飯を持ってきた愛が、医務室に入室した。愛が毒味をした後、翔は食事を始める。
愛「ねぇ、翔君?」
翔「…?」
箸を止め、愛の方を見る翔。
愛「もし、翔君の目の前で料理を作ったら…誰かの毒味無く、食べられそう?」
翔「…どうだかな…」
人の手料理を食べることに恐怖を抱いている翔は、誰かの毒味無くして手料理を食べることができなくなってしまっている。
翔「…だが、もしかしたら…いけるかもしれん。」
愛「了解、明後日からやってみるね。」
翔「いや…明日からにしてくれ。」
愛「明日から…?うん、良いよ……でも、無理してない?」
翔「いけるかもしれねぇって思えてるんだ…なるべく早めに試してみたい。」
愛「そっか…分かった。」
こうして、明日からは翔の食事は…彼の目の前で作ることになった。食事を終えた翔は、歯磨きをし、トイレに行った後、すぐに眠りについた。
翔「……?」
ふと、目を覚ます翔。今現在、彼がいる場所は…ビーチであった。空は夕方と夜の境目で、星が幾つも輝いている。
翔「…不思議な、場所だな……」
海の向こうを眺める翔。その時……
「翔君。」
翔「っ!?」
聞き覚えのある声が聞こえてきたため、左に振り向くと……
翔「…N…!」
そこには、翔に向かって笑顔を見せるNの姿があった。
N「久しぶりね♪」
翔「…あぁ……あぁ、久しぶり…!」
Nと会えたことに嬉しさを感じた翔は、目に涙を浮かべた。
翔「嬉しいぜ…また、会えて……」
N「アタシも嬉しいわ!」
Nも翔と再会できたことを、心から喜んでいた。
N「ねぇ翔君、今からとっておきの場所に案内するわ。良かったら、一緒に行ってみない?」
翔「あぁ、行く。ハワイアンズでの思い出、語ろうぜ。」
N「そうね!じゃあ、案内するわね♪」
Nの後に着いていく翔。波の音に耳を傾けながら、砂浜を歩く。少し歩くと、ダイニング型の丸型テーブルとラウンドベンチがあった。
V「あっ、お兄さん…!」
そこには、Vが座って待っていた。
翔「っ!?…ぶ、V…!」
翔は察した……
Vは既に、命を落としている
…と。
翔「…済まなかったな、V……」
V「謝らないで、お兄さん…私は、幸せだったから。」
謝罪する翔に、優しく微笑むV。
翔「…お前ら…トモダチ、なのか…?」
Nに尋ねる翔。
N「そうよ!Vちゃんも翔君がどんなに素敵な人なのか…よぉ~く分かる娘なの!」
V「お兄さんのことで、意気投合したんだ。」
NとVが友達になったきっかけとなったのは…どうやら、翔のようだった。
V「まぁ、Nのオカマキャラには…少し戸惑ったんだけどね。」
N「そうね、アタシはオカm…オカマ!?言ったわね、Vちゃん!?あんたレディーに対して最大の侮辱を……ンムッキィィイイイイイイイイイイ!!」
Vの言葉に、御約束のリアクションをするN。自称『レディー』の彼に、『オカマ』や『オネェ』は禁句である。
翔「…フッ。」
Nのリアクションを見た翔は、思わず笑いが出た。
N「あっ、翔君が笑ってくれたわ!いつ見ても、素敵な笑顔ね…嫌いじゃないわぁ!!」
翔が笑顔を見せたことで、Nも笑顔になった。
V「お兄さんもNも良かったら座って。ずっと立ってたら、疲れるだろうし。」
Vに促され、ラウンドベンチに座る翔とN。
N「ドールハウスにも、寝転び湯ができたのね。」
翔「あぁ、きっと…斑目さんだろう……頭が上がんねぇな…」
N「ハワイアンズにも、寝転び湯あったわよね~。」
翔「そうだな。今でも覚えてる…あの至福の一時を。」
そう言って、星空を見上げる翔。
V「お兄さん、ハワイアンズってどんなところなの?」
翔「福岡にあるリゾート施設なんだ…様々な種類のプールや温泉がある。それだけじゃねぇ…ホテルも良いとこだったし、レストランの食い物も美味かった……プールだけじゃなく、ゲームセンターや土産屋とかもあるんだ。最高の場所だ。」
V「そうなんだ、素敵なところだね。」
翔の話を聞いたVは、口角を上げる。
N「あの時は、青春だったわね。」
翔「あぁ、お前も楽しそうにしていたもんな。」
N「そりゃそうよ~♪あんなに素敵な青春、楽しまなきゃ損よ。」
翔との話に、Nは笑顔を見せる。
V「あ、そうだ…」
Vはゴソゴソと何かを取り出し、丸型テーブルの上に置いた。
翔「これは…?」
V「私がお腹空かせてた時、お兄さんがくれたダブチ。」
Vが取り出したのは、『ダブルチーズバーガー』であった。
V「あの時のダブチの味…今も忘れられない。みんなで食べたら、もっと美味しいかも。」
N「良いじゃない、ナイスアイデアよ!」
VとNは包みを開けて、ダブチにかぶりつく。翔も包みを開けたのだが……
翔「……。」
中々ダブチにかぶりつけずにいた。
V「…?…どうしたの、お兄さん?」
Vに尋ねられ…自分はストライカー達の影響で、誰かの手料理を食べるのが怖くなったことを伝える。
N「あのストライカー達…ほんっと狂ってる……嫌いだわぁ!!」
V「なら…お兄さん、ちょっとごめんね?」
Vは翔のダブチを少し千切り、彼の目の前で食べて見せた。それを見た翔は、ようやくダブチにかぶりつくことができた。
翔「…うん、美味い。」
N「ホント、美味しいわね。」
V「うん…美味しい。」
3人がダブチを食べ終えた後…何やら光るモノが現れ、それが段々人の形になっていく。
ヘルメス「邪魔するぞ。」
アフロディーテ「お邪魔します。」
現れたのは、ヘルメスとアフロディーテだった。
翔「神様、女神様…?」
アフロディーテ「お久しぶりです、翔さん。」
翔に優しく微笑むアフロディーテ。
N「お時間ですか?」
ヘルメス「それもそうだが…N、V。」
ヘルメスはNとVにあることを提案する。
ヘルメス「翔のサポートをしてみないか?」
N&V「「えっ?」」
ヘルメスの言葉に、戸惑うNとV。
ヘルメス「最高神からは既に許可は得ている…だから心配することはない。だが、どうするかはお前達の自由だ。」
N&V「「……。」」
黙り込み、考え事を始めるNとV。翔の表情を伺って見ると、彼は真顔であった。
翔「N、V。」
迷っているNとVに、翔はこう言った。
翔「俺は、お前達を信頼している。信頼しているからこそ、友だと思っている。それだけは覚えておいてくれ。」
それを聞いたNとVは……
N「神様、女神様…アタシ、やります。」
V「私も…やる。」
翔のサポートをすることを決めた。
N「ですが、まだアタシは労働したり、教育を受けている身です。最高神様に認められたら、翔君のサポートをしたいと思います。」
V「私も全く同じ…それでも、良い?」
NとVの言葉に頷くヘルメス。
ヘルメス「それがお前達の答えか…良いだろう。」
アフロディーテ「Nさん、Vさん…貴殿方の働きは、神々もとても良く評価しています。これからも、頑張ってくださいね。」
N&V「「はいっ!」」
その時、NとVの身体が光り出す。
翔「N、Vっ!」
N「翔君、きっとまた会えるわ。それと、翔君が元気になれるよう、アタシは応援しているわ!」
V「お兄さん…私の変身ベルト、良かったら使って。…また会おうね。」
翔「…あぁ、分かった。また、会えるのを…楽しみにしてる…!」
翔の言葉に、笑顔になるNとV。そして、辺りが眩い光に包まれ…翔は意識を手離した。
いかがでしたか?今回はここまでです。
更新頻度が下がってしまいますが、この物語は今後も書き続けて行きます。
次回も、お楽しみに