〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウでございます。私は【オルタナティブガールズ2】の小説も書いていますが、最近はアイデアが全く浮かばず、こっちばかりに手を着けております(汗)。
さて、今回は翔とアヤの回になります。
面倒見が良く、母性溢れる彼女は、体調を崩した一匹狼に世話を焼くが……
では、どうぞ


番外編 一匹狼と世話焼き者

この物語は、サクラがDollsに加入し、翔がDollsに心を開く前の物語……

 

 

 

ある日…ドールハウス、女子寮にて……

アヤ「……っ!?」ガバッ

DollsチームCのリーダー『アヤ』は、青ざめた表情をしながらベッドから身体を起こした。

アヤ「また…あの夢……」

アヤが見た夢は…過去の夢である……。

 

 

 

アヤの過去……

 

ドールになって間もなかった頃のアヤは、ソロ活動をすることが多かった。しかし、中々ファンが現れず…彼女は「どうせ自分なんて…」と、自虐的になることが多かった。その時…アヤのファン第1号となった人物が現れた。それが…『青空 翔』であった。彼は彼女の頑張っている姿に感動し、ライブ活動等には毎回足を運ぶようになった。アヤは初めてファンができたことに、喜びを感じていたが……

アヤ「アンタも、あたしを笑ってるんでしょ!?アンタにはあたしがどれだけ辛い思いをしているのか、分かんないでしょう!!アンタ見たいな分からず屋なんて、お断りよ!!もう2度と、あたしの前に姿を現さないで!!」

アヤは、翔に当たってしまった……彼は悲しい表情を浮かべ、彼女に背を向けて去ってしまった。この時彼女は見た……彼が、泣いているのを……

 

アヤの過去side OFF…

 

 

 

アヤ「1番辛い思いをしていたのは、翔だった。それでも翔は、本気であたしを…あたし達Dollsを応援してくれていた……それなのに…あたしは……」ジワッ

アヤの目から、涙が零れる。

アヤ「翔に…翔に……うっ……酷いことを、言って……うぅっ……」ポロポロ

アヤは翔に当たってしまったことを、激しく後悔していた。1度通った過去には、もう2度と戻ることはできない…そう思うと、余計に涙が止まらなかった。

アヤ「翔……ごめんね…!…何の罪も無いのに、酷いことを言って…グスッ……ごめんね!」ポロポロ

この場にいない彼に何度も謝るアヤ…しかし、自分は、決して許さないことをやってしまった…と、思っていた。

アヤ(…会いたい……翔に、会いたい…!)

アヤは重い身体を起こすと、シャワーを浴びた後、身だしなみを整え、服を着替えると外出した。

 

 

 

とあるマンションにて……

翔「…っ!?」ガバッ

翔は青ざめた表情をしながら、ベッドから身体を起こす。

翔(くそっ…昔の夢……それも、よりによって1番見たくねぇ夢を見ちまったよ…)

翔が見た夢は…ストライカーの隊長をつとめていた頃の夢であった。

 

暴言を吐かれたり、暴力を振るわれるとこは日常茶飯事…どれだけ分かりやすい作戦書を書いても……

???「ダメダメこんなのやり直し…作戦の1つも思い付かないなんて、ホント無能ね…」ビリビリ

???「流石は『偽英雄』ですね…もう1つ、貴方には『社会のゴミ』という名誉を差し上げますわ、フフフ。」

2人の裏切り者の言葉に、大爆笑する他の裏切り者達……それでも翔は、無理矢理聞き流して、1から作戦を考え直し、作戦書を書き上げた。

今まで誰にも頼ることなく、1人で物事を乗り越えていたため、彼は…誰かに頼る方法を忘れてしまい、“1人で抱え込む”性格になってしまったのであった。

 

翔「ちっ…っ!!」ドゴッ

翔は思わず、窓付近の壁を叩いた。

翔「…って、何やってんだ……壁をぶん殴ったってしょうがねぇってのによぉ……」

翔はそう言うと、冷蔵庫から冷えピタを取り出そうとするが…

翔「…あ、いっけね…」

生憎、冷えピタを切らしていたことを忘れていた。

翔「はぁ…仕方ねぇ、買いに行くか…」

翔は適当な外出着に着替え、冷えピタを買いに出掛けた。

 

徒歩3分程のコンビニに寄り、冷えピタを買おうとしたが……売り切れていた。その後、あちこちのコンビニを回ったが、どこも冷えピタを切らしていた。

翔「くっそ…最悪だ……」

歩き疲れ、途方に暮れた翔は…近くの公園のベンチに座り込んだ。

アヤ「…!…翔!」

そこに、アヤが駆け寄ってきた。

翔(…またDollsのメンバーか……これで全員か…?)

アヤ「翔、どうしたの!?」

翔「…。」

アヤの呼び掛けに応じず、翔はベンチに座り、俯いていた。アヤは翔の顔色を伺う。

アヤ「…翔…顔色悪いじゃない!大丈夫!?」

翔「…ほっとけ。」

アヤ「何言ってんの、ほっとける訳ないじゃない!待ってて、今冷えピタ買ってくるから!」

アヤは走ってどこかへ行った。

翔(アイツ、芸能人だろ?…だったら、俺に世話を焼いてる暇はねぇだろうに…)

翔はそう思い、イライラしていた。数分後、アヤが戻ってきた。

アヤ「お待たせ、翔。今冷えピタ貼るからね。」

アヤは冷えピタを翔に貼ろうとする。

翔「…待てコラ。」

アヤ「…?」

翔に話しかけられ、手を止める。

翔「…お前、芸能人だろ?」

アヤ「うん、そうだけど…?」

翔「だったらさ、他人の世話を焼くよりも、芸能活動に専念してりゃいいだろ?」

アヤ「え、でも…」

翔「てか、そういう気遣いいらねぇよ。」

アヤ「そんな…あたしはただ…翔の体調が悪化して欲しくないから」

翔「だからなぁ…」

ドゴォッ!

翔は近くのゴミ箱を思い切り蹴り…

翔「それが迷惑なんだよ!」

…と、アヤに怒った。

アヤ「しょ…翔…」

翔「俺の身体のことは、俺が1番よく知っている!てめぇは芸能活動に専念してりゃいいんだよ!!」

強い口調でアヤに言う翔。

翔「俺は今まで、1人で乗り越えて来たんだよ。だから俺は…誰かに頼るつもりなんて更々ねぇよ。」

アヤ「…。」

翔「分かったらとっとと消えろ…目障りなんだよ、このお節介野郎。」

翔がアヤを罵倒すると……

アヤ「…分かった…ごめんね、翔…」

アヤは悲しい表情を浮かべ、立ち去ってしまった。

翔「…ちっ。」

翔は1つ舌打ちをし、自宅マンションに帰っていく。

翔(畜生…いくら嫌な夢を見たからって、Dolls(アイツら)には全く関係ねぇことだ…なのに俺は……当たり散らしちまったよ…壁の次は関係ねぇ奴に、当たっちまった……俺は最低だ…)

翔は自分を責めながら、自宅マンションに帰った。

 

 

 

女子寮にて…

アヤ「翔に“目障りだ”って言われちゃったな……」

アヤは自室で1人、落ち込んでいた。

アヤ「でも、あたしも…かつては翔と同じことをした……翔は何も悪くない…あたしが翔の思いを無視したから、翔は怒っちゃったんだ……本当にごめんね、翔…」

アヤは翔を庇い、自分を責めた。他のメンバーがアヤに話しかけるも、彼女にはメンバーの話の内容が入って来ず、上の空状態になっていた。




いかがでしたか?今回はここまでです。
心を閉ざした翔に接したアヤだったが、お節介な性格が仇となり、翔を怒らせてしまった。翔はアヤに当たったことを強く後悔した。アヤは、翔の意思を無視していたことに漸く気付き、強く後悔した。

ちなみに…翔は“1人で抱え込む”性格の持ち主です。

次回、カナさんと新キャラが登場します。お楽しみに。
では、またね
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