〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
皆さんは、『夜』はお好きですか?ちなみに私は、苦手です。だって、夜はお休みの時間なので…
ここでは、夜はお休みの時間ではなく…活動する時間となっております。
では、本編へどうぞ
3日後…遂に、夜間作戦が実行される日がやって来た。
その日の夜…Dolls達は事務所に集まったのだが……
ヒヨ「ふわぁ…あ……ねむい…よう……」
レイナ「しっかり…しなさい、ヒヨ…この日のために…夜間レッスンを……」
ヒヨとレイナは眠そうにしている。彼女達は、夜には弱いのだ……反対に、ナナミは全然平気そうである。
ナナミ「とか言いながら、舟こがないでくださいよ。ほら、お客さんも来てるんですから。」
眠そうにするレイナにツッコミを入れるナナミ。
小鳥遊「やあ、Dollsの諸君。久しぶりだね。」
この日の夜…小鳥遊大臣がドールハウスに来ていたのだ。
レイナ「小鳥遊さん…」
翔「…ちっ。」
小鳥遊大臣の姿を見るなり、舌打ちをしては不機嫌そうな顔をする翔。彼は墨田区での戦いから、害特を信用できなくなっているのだ。
翔(フンッ、へっぽこ大臣がよくもまぁ…ノコノコとここへ来れたもんだ……)
本当は、小鳥遊大臣に直接この言葉をぶつけてやろうかと思っていたが…それを堪え、黙っていることにした。
小鳥遊「今回の作戦では、年若い君たちを深夜に駆り出してしまって申し訳ない。だが、『害獣駆除』はあくまでも市民生活に影響が出ないよう進める必要がある。」
ミサキ「この時間帯の活動が合理的であることは、当然、みんなわかっています。」
小鳥遊「フフ…理解が早くて助かるよ。」
ミサキの言葉に、口角を上げる小鳥遊大臣。
小鳥遊「こちらも運営会社に話を通すのに、多少の無理をしたのでね。」
すると、我慢ができなくなったのか…翔が小鳥遊大臣に皮肉をぶつける。
翔「はっ?墨田区では足手まといになったくせに…偉そうにでしゃばってんじゃねぇよ。シレーヌをぶっ潰したのは
まるで、小鳥遊大臣…いや、害特を嘲笑うかのような見下した態度で、翔は小鳥遊大臣にネチネチと言う。
斑目「青空…」
翔「事実だろ?事実を語って何が悪いんだよ、なぁ?言ってみろよ所長さんよォ?」
愛「翔君、ちょっとこっちに。」
翔「…あ?」
不穏になった翔は…愛に誘導され、事務所から退室していった。
小鳥遊「…彼からの信頼を取り戻すことは、難しそうだねぇ…」
カナ「も、申し訳ございませんでした…小鳥遊大臣…」
小鳥遊「構わないよ。責められて当然のことを、我々はしてしまったんだ……」
翔が去った後、カナは小鳥遊大臣に謝罪し…小鳥遊大臣は口角を下げていた。
斑目「今回の地下鉄巡回は、前回ピグマリオンが出現した六本木駅から開始する。」
カナ「害特の駆除活動により、港区の汚染度は一時的に低下しています。」
今回から始まる夜間作戦は…六本木駅をスタート地点としている。活動開始前、害特によるピグマリオン及び妖魔駆除活動により…港区の汚染度は低下傾向にある。ただ……
カナ「新型ピグマリオン『ミノタウロス』はその後確認されていませんが…いつ出没するかわかりません。十分に注意して、探索してくださいね。」
突如としてDolls達の前に姿を見せた『ミノタウロス』の姿が…その後、見られなくなったのだ。だが、迷宮に潜んでいる可能性が高く、神出鬼没であるためと判断し…Dolls達に中尉を呼び掛けた。
レイナ「…おかげで目が
ヤマダ「今度会ったら砂になるまで叩き潰して、完全に息の根止めてやるっすよ~。」ニヤッ…
斑目「良い結果が出ることを期待する。」
斑目はそう言うと、出撃していくDollsを見送った。
小鳥遊「ところで…青空君はNumberSとは上手くいってるかね?」
カナ「はい、すっかり打ち解けられているようです。」
小鳥遊「それは良かったよ。」
ドールハウスの玄関には、翔と愛の姿があった。
レイナ「あら、翔君?」
翔「コイツを持ってけ。」ポイッ…
翔がレイナに投げ渡したのは……赤い毛糸玉だった。それも、かなり大きい……
サクラ「翔さん、この毛糸玉は……」
翔「アリアドネーの糸だよ。」
翔はそう言うと、夜空を見上げながら語り始める。
翔「アリアドネーはな…工人であるダイダロスの助言を受け、
この巨大な赤い毛糸玉は…以前から翔が作っていたのだった。赤い毛糸玉をいくつか購入し、それらを合わせて巨大な形にしたのだ。最近、ギリシャ神話に関する書物を読むことが多くなったため、ちょこっとだけではあるが…ギリシャ神話に関する知識を得ている。
レイナ「翔君がくれた赤い毛糸玉…情熱や友情を示す炎に思える。ありがとう、大切にするわ♪」
翔「大切にするんじゃなくて任務で使え。六本木駅入り口にでも縛り付けておいて、帰ってくるときに毛糸をたどって行けば良い。」
翔はそう言うと、ドールハウスに戻って行き……
翔「…気を付けて行けよ?」
…とだけ告げ、医務室へと戻って行った。翔に背中を押されたDollsは、愛と共に迷宮へと向かって行った。
六本木駅に着くと、翔の教え通りに…入り口階段の手すりに毛糸を結び…地下へと降りていった。
ミサキ「……。」
ユキ「……ミサキさん?大丈夫ですか…?」
終始黙ったままのミサキを心配し、声を掛けるユキ。
ミサキ「…私になんの問題があるって言うのよ。」
よく見ると、彼女は若干震えている。
サクラ「震えています……寒いのでしょうか……」
ミサキ「む、武者震いよ!」
どうやら彼女…お化けが出てこないか、不安なようだ。
シオリ「ここは地下ですから、明かりさえついていれば昼間も夜も代わらないんでしょうけど…
やっぱり、丑三つ時と思うと…
なんだか背筋がゾクゾクとしますね。」
シオリの言葉に、ミサキの顔色はみるみる青ざめていった。
シオリ「あら、あそこにぼんやりと人影が----」
ミサキ「ひっ!?」ビクッ…
シオリの発した言葉にビックリしたミサキは…
ミサキ「か、かかか構えて…!!」
思わず構えを取る。
シオリ「ふふふ、冗談です。ただのシミですよ。」
どうやら、シオリはミサキを少しからかったようだ。
ミサキ「なんだ、驚かさないで--」
ユキ「……ゾクゾク、します。」
ミサキ「ひぃっ!?」ビクッ…
しかし…今度は冗談ではなく……
ユキ「います…蝶、が……ピグマリオンが……」
ピグマリオンがいるようだ。彼女達の目の前を蝶が横切った時…無数のピグマリオンが姿を現す。Dollsは構えを取り、愛はイクサベルトを装着した。
翔「……。」ピラッ……ピラッ……
その頃、翔は医務室のベッドの上で…ギリシャ神話の書物を読んでいた。
翔(ん?待てよ…そういや神様と女神様って、一体何者なんだ?ギリシャ神話の神様か?)
ふと、ヘルメスとアフロディーテのことが気になったが……
翔(…ま、いっか。)
気にしていもしょうがないと思い、再び読書に集中し始めた。
ミア「ねぇねぇ、何読んでるの~?」
医務室には、翔の話し相手であるNumberSが来ていた。
翔「何って、ギリシャ神話の本だよ。意外と面白いぜ、お前達も読んだらどうだ?」
トリア「良いですね♪私も、ちょっと失礼します。」
トリアは翔の左隣に座り、本を覗き込む形で見始める。
ディオ「むぅ…ディオも見るし…!」
そんなトリアを見たディオは、翔の右隣に座り…翔が読んでいる本を覗き込む。
翔「お前達はさ…疲れっつう概念がねぇって以前話してたろ?眠くなることってねぇのか?」
ミア「そうだね。だから四六時中起きてられるよ♪」
翔「ふ~ん…」
ミア「ボクにも見せて♪」
ミアもディオとトリアと同じように、翔の頭上から覗き込む形でギリシャ神話の本を見始めた。
昇「皆、起きろ!」
フェイ「むにゃむにゃ……ハッ!?」
伊緒「……。」Zzz~……
遥「ほらほら、起きて起きて!!」
ハヅキ「…なんだい?」
その頃、ドールハウスの近くでは…昇を初めとするストライカー達が来ていた。彼女達の近くには、『ファントム』と呼ばれる妖魔達の姿もある。
昇「今回はファントム達を連れてきたんだ。きっと大丈夫だろう。」
イミナ「ヘヘッ、かなりの数じゃん。」
二穂「では、行くぞ!翔を連れ戻して、一生尽くしていくためにな!!」
妖魔達に魂を売ったストライカー達の頭の中は……翔のことでいっぱいになっていた。
翔「…!!」
翔は窓の方へと視線を向ける。
ミア「どうしたの、翔さん?」
翔「…
どうやら、ドールハウスの近くにストライカー達が現れたようだ。翔は通信機を起動させ、事務所にいる斑目とカナと小鳥遊大臣…寮にいる元ストライカー達及び診察室にいる深雪と蜜璃に知らせる。
翔「南東の方角にストライカー達が出た。すぐに迎撃準備をしろ。」
通信機で知らせた後、翔はベッドから立ち上がり…
翔「ミア、ディオ、トリア…お前達も準備しておけ。」
NumberSを引き連れ、ストライカー達を迎撃する準備を済ませた。
翔(…やっぱり来やがったか…返り討ちにしてくれるわ。)
いかがでしたか?今回はここまでです。
夜になると、日常がガラッと代わり…非日常の世界への扉が開かれる感じがしますよねぇ~。
次回、ドールハウスを襲撃してきたストライカー達とドールハウスが…
お楽しみに