〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウです。



皆さんは、『夜』はお好きですか?ちなみに私は、苦手です。だって、夜はお休みの時間なので…

ここでは、夜はお休みの時間ではなく…活動する時間となっております。

では、本編へどうぞ


第二百七十四話 夜の迷宮へ

3日後…遂に、夜間作戦が実行される日がやって来た。

 

その日の夜…Dolls達は事務所に集まったのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒヨ「ふわぁ…あ……ねむい…よう……」

 

レイナ「しっかり…しなさい、ヒヨ…この日のために…夜間レッスンを……」

 

ヒヨとレイナは眠そうにしている。彼女達は、夜には弱いのだ……反対に、ナナミは全然平気そうである。

 

ナナミ「とか言いながら、舟こがないでくださいよ。ほら、お客さんも来てるんですから。」

 

眠そうにするレイナにツッコミを入れるナナミ。

 

 

 

小鳥遊「やあ、Dollsの諸君。久しぶりだね。」

 

 

 

この日の夜…小鳥遊大臣がドールハウスに来ていたのだ。

 

レイナ「小鳥遊さん…」

 

翔「…ちっ。」

 

小鳥遊大臣の姿を見るなり、舌打ちをしては不機嫌そうな顔をする翔。彼は墨田区での戦いから、害特を信用できなくなっているのだ。

 

翔(フンッ、へっぽこ大臣がよくもまぁ…ノコノコとここへ来れたもんだ……)

 

本当は、小鳥遊大臣に直接この言葉をぶつけてやろうかと思っていたが…それを堪え、黙っていることにした。

 

小鳥遊「今回の作戦では、年若い君たちを深夜に駆り出してしまって申し訳ない。だが、『害獣駆除』はあくまでも市民生活に影響が出ないよう進める必要がある。」

 

ミサキ「この時間帯の活動が合理的であることは、当然、みんなわかっています。」

 

小鳥遊「フフ…理解が早くて助かるよ。」

 

ミサキの言葉に、口角を上げる小鳥遊大臣。

 

小鳥遊「こちらも運営会社に話を通すのに、多少の無理をしたのでね。」

 

すると、我慢ができなくなったのか…翔が小鳥遊大臣に皮肉をぶつける。

 

 

翔「はっ?墨田区では足手まといになったくせに…偉そうにでしゃばってんじゃねぇよ。シレーヌをぶっ潰したのはDolls(コイツら)だ。お前達のオートギアやEXAMも、結局は何の役にもたたねぇガラクタに過ぎなかったよなァ?」

 

 

まるで、小鳥遊大臣…いや、害特を嘲笑うかのような見下した態度で、翔は小鳥遊大臣にネチネチと言う。

 

斑目「青空…」

 

翔「事実だろ?事実を語って何が悪いんだよ、なぁ?言ってみろよ所長さんよォ?」

 

愛「翔君、ちょっとこっちに。」

 

翔「…あ?」

 

不穏になった翔は…愛に誘導され、事務所から退室していった。

 

小鳥遊「…彼からの信頼を取り戻すことは、難しそうだねぇ…」

 

カナ「も、申し訳ございませんでした…小鳥遊大臣…」

 

小鳥遊「構わないよ。責められて当然のことを、我々はしてしまったんだ……」

 

翔が去った後、カナは小鳥遊大臣に謝罪し…小鳥遊大臣は口角を下げていた。

 

斑目「今回の地下鉄巡回は、前回ピグマリオンが出現した六本木駅から開始する。」

 

カナ「害特の駆除活動により、港区の汚染度は一時的に低下しています。」

 

今回から始まる夜間作戦は…六本木駅をスタート地点としている。活動開始前、害特によるピグマリオン及び妖魔駆除活動により…港区の汚染度は低下傾向にある。ただ……

 

カナ「新型ピグマリオン『ミノタウロス』はその後確認されていませんが…いつ出没するかわかりません。十分に注意して、探索してくださいね。」

 

突如としてDolls達の前に姿を見せた『ミノタウロス』の姿が…その後、見られなくなったのだ。だが、迷宮に潜んでいる可能性が高く、神出鬼没であるためと判断し…Dolls達に中尉を呼び掛けた。

 

レイナ「…おかげで目が()えたわ。では、美しく探索をはじめましょうか。」

 

ヤマダ「今度会ったら砂になるまで叩き潰して、完全に息の根止めてやるっすよ~。」ニヤッ…

 

斑目「良い結果が出ることを期待する。」

 

斑目はそう言うと、出撃していくDollsを見送った。

 

小鳥遊「ところで…青空君はNumberSとは上手くいってるかね?」

 

カナ「はい、すっかり打ち解けられているようです。」

 

小鳥遊「それは良かったよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドールハウスの玄関には、翔と愛の姿があった。

 

レイナ「あら、翔君?」

 

翔「コイツを持ってけ。」ポイッ…

 

翔がレイナに投げ渡したのは……赤い毛糸玉だった。それも、かなり大きい……

 

サクラ「翔さん、この毛糸玉は……」

 

翔「アリアドネーの糸だよ。」

 

翔はそう言うと、夜空を見上げながら語り始める。

 

 

翔「アリアドネーはな…工人であるダイダロスの助言を受け、迷宮(ラビュリントス)に入った後、無事に脱出するための方法として…糸玉をテーセウスに渡したんだ。迷宮の入り口扉に糸を結び、糸玉を繰りつつ迷宮へと入って行くことを教えてな?…アリアドネーの教えを受けたテーセウスは、迷宮の一番端に隠れていたミノタウロスを見つけ…殺した…んで、糸玉からの糸を伝い、迷宮から無事に脱出することができたって訳だ。お前達がミノタウロスを撃ち取るテーセウス(戦士)となるなら、俺はお前達を援助をするアリアドネー(工作員)となろう。」

 

 

この巨大な赤い毛糸玉は…以前から翔が作っていたのだった。赤い毛糸玉をいくつか購入し、それらを合わせて巨大な形にしたのだ。最近、ギリシャ神話に関する書物を読むことが多くなったため、ちょこっとだけではあるが…ギリシャ神話に関する知識を得ている。

 

レイナ「翔君がくれた赤い毛糸玉…情熱や友情を示す炎に思える。ありがとう、大切にするわ♪」

 

翔「大切にするんじゃなくて任務で使え。六本木駅入り口にでも縛り付けておいて、帰ってくるときに毛糸をたどって行けば良い。」

 

翔はそう言うと、ドールハウスに戻って行き……

 

 

翔「…気を付けて行けよ?」

 

 

…とだけ告げ、医務室へと戻って行った。翔に背中を押されたDollsは、愛と共に迷宮へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六本木駅に着くと、翔の教え通りに…入り口階段の手すりに毛糸を結び…地下へと降りていった。

 

ミサキ「……。」

 

ユキ「……ミサキさん?大丈夫ですか…?」

 

終始黙ったままのミサキを心配し、声を掛けるユキ。

 

ミサキ「…私になんの問題があるって言うのよ。」

 

よく見ると、彼女は若干震えている。

 

サクラ「震えています……寒いのでしょうか……」

 

ミサキ「む、武者震いよ!」

 

どうやら彼女…お化けが出てこないか、不安なようだ。

 

シオリ「ここは地下ですから、明かりさえついていれば昼間も夜も代わらないんでしょうけど…

 

やっぱり、丑三つ時と思うと…

 

なんだか背筋がゾクゾクとしますね。

 

シオリの言葉に、ミサキの顔色はみるみる青ざめていった。

 

シオリ「あら、あそこにぼんやりと人影が----」

 

ミサキ「ひっ!?」ビクッ…

 

シオリの発した言葉にビックリしたミサキは…

 

ミサキ「か、かかか構えて…!!」

 

思わず構えを取る。

 

シオリ「ふふふ、冗談です。ただのシミですよ。」

 

どうやら、シオリはミサキを少しからかったようだ。

 

ミサキ「なんだ、驚かさないで--」

 

ユキ「……ゾクゾク、します。」

 

ミサキ「ひぃっ!?」ビクッ…

 

しかし…今度は冗談ではなく……

 

ユキ「います…蝶、が……ピグマリオンが……」

 

ピグマリオンがいるようだ。彼女達の目の前を蝶が横切った時…無数のピグマリオンが姿を現す。Dollsは構えを取り、愛はイクサベルトを装着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「……。」ピラッ……ピラッ……

 

その頃、翔は医務室のベッドの上で…ギリシャ神話の書物を読んでいた。

 

翔(ん?待てよ…そういや神様と女神様って、一体何者なんだ?ギリシャ神話の神様か?)

 

ふと、ヘルメスとアフロディーテのことが気になったが……

 

翔(…ま、いっか。)

 

気にしていもしょうがないと思い、再び読書に集中し始めた。

 

ミア「ねぇねぇ、何読んでるの~?」

 

医務室には、翔の話し相手であるNumberSが来ていた。

 

翔「何って、ギリシャ神話の本だよ。意外と面白いぜ、お前達も読んだらどうだ?」

 

トリア「良いですね♪私も、ちょっと失礼します。」

 

トリアは翔の左隣に座り、本を覗き込む形で見始める。

 

ディオ「むぅ…ディオも見るし…!」

 

そんなトリアを見たディオは、翔の右隣に座り…翔が読んでいる本を覗き込む。

 

翔「お前達はさ…疲れっつう概念がねぇって以前話してたろ?眠くなることってねぇのか?」

 

ミア「そうだね。だから四六時中起きてられるよ♪」

 

翔「ふ~ん…」

 

ミア「ボクにも見せて♪」

 

ミアもディオとトリアと同じように、翔の頭上から覗き込む形でギリシャ神話の本を見始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昇「皆、起きろ!」

 

フェイ「むにゃむにゃ……ハッ!?」

 

伊緒「……。」Zzz~……

 

遥「ほらほら、起きて起きて!!」

 

ハヅキ「…なんだい?」

 

その頃、ドールハウスの近くでは…昇を初めとするストライカー達が来ていた。彼女達の近くには、『ファントム』と呼ばれる妖魔達の姿もある。

 

昇「今回はファントム達を連れてきたんだ。きっと大丈夫だろう。」

 

イミナ「ヘヘッ、かなりの数じゃん。」

 

二穂「では、行くぞ!翔を連れ戻して、一生尽くしていくためにな!!」

 

妖魔達に魂を売ったストライカー達の頭の中は……翔のことでいっぱいになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「…!!」

 

翔は窓の方へと視線を向ける。

 

ミア「どうしたの、翔さん?」

 

翔「ストライカー共(奴ら)だ。

 

どうやら、ドールハウスの近くにストライカー達が現れたようだ。翔は通信機を起動させ、事務所にいる斑目とカナと小鳥遊大臣…寮にいる元ストライカー達及び診察室にいる深雪と蜜璃に知らせる。

 

翔「南東の方角にストライカー達が出た。すぐに迎撃準備をしろ。」

 

通信機で知らせた後、翔はベッドから立ち上がり…

 

翔「ミア、ディオ、トリア…お前達も準備しておけ。」

 

NumberSを引き連れ、ストライカー達を迎撃する準備を済ませた。

 

翔(…やっぱり来やがったか…返り討ちにしてくれるわ。)




いかがでしたか?今回はここまでです。



夜になると、日常がガラッと代わり…非日常の世界への扉が開かれる感じがしますよねぇ~。

次回、ドールハウスを襲撃してきたストライカー達とドールハウスが…

お楽しみに
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