〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第二百七十九話 胎動

迷宮と化した地下鉄路線に入っていくDollsと愛。道中、現れたピグマリオンを薙ぎ倒しながら…奥へ奥へと進んで行く。

 

サクラ「…そろそろ新宿地区に入ったんでしょうか。ずいぶんとピグマリオンの数が増えた気がします…」

 

ヒヨ「うん…駅のほうとは、ぜんぜん違うかんじだよ。」

 

進めば進む程、ピグマリオンは増えていく……新宿に近付けば、待ち構えているピグマリオンは多くなっていく。

 

ユキ「……。」

 

ヒヨ「ユキちゃんも、なにかかんじるの?」

 

ユキ「…気配が、します。」

 

ユキがこう言うと、ほぼ100%の確率で的中する。

 

サクラ「気配って…ピグマリオンの?」

 

ユキ「……。」

 

少しの間、黙り込んだユキは…こんなことを言い出した。

 

 

ユキ「……うまれる、気配…」

 

 

ヒヨ「うまれる……?なにが……」

 

ユキの言葉に、疑問を抱いたその時……辺りが急に揺れ始める。

 

ヒヨ「ひよっ…!?」

 

サクラ「また、地形が変化を…!?」

 

愛「みんな、1ヵ所に集まって!!」

 

メンバー達が愛の近くに集まると…地形がゴゴゴゴゴ…と動き、変形を開始する。

 

ユキ「……。」

 

サクラ「…道が、変わっていきます…!」

 

やがて、道が変わると…次第に揺れが収まり始める。

 

サクラ「……揺れ、収まってきたみたいですね…」

 

完全に揺れが収まった時、ヒヨがメンバーの人数を確認する。

 

ヒヨ「7、8、きゅう……だいじょーぶ、誰もはぐれてないよ!」

 

メンバー全員がいることがわかった時、通信機が鳴る。

 

 

PPP--

 

 

カナ『愛さん、応答願います!』

 

通信機から聞こえてきたのは、カナの声だった。

 

カナ『先ほどの揺れ…大丈夫でしたか?』

 

愛「うん、短い揺れが何回か起きただけ…地形の変動はあったけど、みんな無事だよ。」

 

カナ『…良かった。』

 

愛からの報告を聞き、安心するカナ。

 

シオリ「あの…少し気になったんですけど。」

 

シオリには、気になっていたことがある。それは…

 

 

シオリ「先ほどの揺れ、地震とは違って短い揺れが断続的に続いて…」

 

 

道が変わる時に起きた断続的な短い揺れについてだ。

 

 

シオリ「あれは、まるで……」

 

 

カナ『……はい。こちらでも観測できました。』

 

シオリが気になった揺れは、ドールハウスでも観測されている。

 

カナ『振動の波形と類似するパターンを各分野のデータベースと照合したところ…酷似する波形がひとつありました。

 

先ほどの揺れと似ている波形…それは……

 

 

 

カナ『胎動、です。

 

 

胎動…子宮内における胎児の運動、つまり…母親のお腹の中にいる赤ちゃんが動いているということだ。

 

シオリ「……。」

 

ユキ「……生まれます。きっと、もうすぐ……」

 

生まれる…と、ユキは言うが……何が生まれてくるのかは、誰にも分からない。

 

斑目『各員、警戒を(げん)に。ここから先は予測不可能だ。何かあれば即座に退避させる。今は探索を続行しろ。』

 

愛「…わかりました。」

 

先が見えない不安に狩られそうになりながらも、メンバー達は探索を続けることに……

 

 

 

その頃、ドールハウスでは……

 

翔「……ったく、迷惑なこった……」

 

一海「どうした、翔?」

 

翔「何でもねーよ。」

 

一海達が、翔の見舞いに来ていた。

 

諒芽「なぁなぁ、ストライカー共がここを襲撃してきたんだろ?なら、俺らもここにいりゃあ翔ちんを護衛できるんじゃねぇか?それに、ドールハウスの護衛にもなるし…」

 

友香「それもそうですね…次、いつ襲ってくるかわかりませんし……翔さん、どうですか?」

 

翔「バカ、それじゃあお前らの拠点ががら空きになっちまうだろ。奴らは利用できるモンは何だって利用するきたねぇ連中だ…お前らの拠点が乗っ取られたらどーする?」

 

紫「確かにそうだな……私達のシェアハウスには、ライダーシステムを開発するための作業スペースがある。それを悪用されたら人溜まりも無い。」

 

一海達4人は、東京のとある区にあるシェアハウスで生活している。そこには、ライダーシステムを作るためのスペースもあるため、一海は得意なことを活かすことができている。

 

諒芽「簡単には乗っ取られねぇよ。俺の開発した警備機械がある限り!!」

 

悪戯好きな諒芽は、シェアハウスが何者かに乗っ取られることを想定し…警備メカを幾つも作っていたのだ。

 

一海「諒芽、お前いつの間に…」

 

諒芽「へへ~ん、どんなモンよ!」

 

得意気にドヤ顔をする諒芽。

 

翔「……。」

翔(諒芽(コイツ)、バカだと思っていたが…よく考えてるな……ま、バカだけど…)

 

諒芽「おいおい翔ちん、俺をバカだと思ったろ?これでも俺は、高卒認定試験では5位だったんだぜ?」

 

翔「俺は1位だが?」

 

諒芽「ぐ、ぐうの音も出ねぇ…」汗

 

翔「…フンッ。」

 

反論できなくなった諒芽を、鼻で笑った翔は…ギリシャ神話の本を読み進めるのであった。

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