〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
迷宮と化した地下鉄路線に入っていくDollsと愛。道中、現れたピグマリオンを薙ぎ倒しながら…奥へ奥へと進んで行く。
サクラ「…そろそろ新宿地区に入ったんでしょうか。ずいぶんとピグマリオンの数が増えた気がします…」
ヒヨ「うん…駅のほうとは、ぜんぜん違うかんじだよ。」
進めば進む程、ピグマリオンは増えていく……新宿に近付けば、待ち構えているピグマリオンは多くなっていく。
ユキ「……。」
ヒヨ「ユキちゃんも、なにかかんじるの?」
ユキ「…気配が、します。」
ユキがこう言うと、ほぼ100%の確率で的中する。
サクラ「気配って…ピグマリオンの?」
ユキ「……。」
少しの間、黙り込んだユキは…こんなことを言い出した。
ユキ「……うまれる、気配…」
ヒヨ「うまれる……?なにが……」
ユキの言葉に、疑問を抱いたその時……辺りが急に揺れ始める。
ヒヨ「ひよっ…!?」
サクラ「また、地形が変化を…!?」
愛「みんな、1ヵ所に集まって!!」
メンバー達が愛の近くに集まると…地形がゴゴゴゴゴ…と動き、変形を開始する。
ユキ「……。」
サクラ「…道が、変わっていきます…!」
やがて、道が変わると…次第に揺れが収まり始める。
サクラ「……揺れ、収まってきたみたいですね…」
完全に揺れが収まった時、ヒヨがメンバーの人数を確認する。
ヒヨ「7、8、きゅう……だいじょーぶ、誰もはぐれてないよ!」
メンバー全員がいることがわかった時、通信機が鳴る。
PPP--
カナ『愛さん、応答願います!』
通信機から聞こえてきたのは、カナの声だった。
カナ『先ほどの揺れ…大丈夫でしたか?』
愛「うん、短い揺れが何回か起きただけ…地形の変動はあったけど、みんな無事だよ。」
カナ『…良かった。』
愛からの報告を聞き、安心するカナ。
シオリ「あの…少し気になったんですけど。」
シオリには、気になっていたことがある。それは…
シオリ「先ほどの揺れ、地震とは違って短い揺れが断続的に続いて…」
道が変わる時に起きた断続的な短い揺れについてだ。
シオリ「あれは、まるで……」
カナ『……はい。こちらでも観測できました。』
シオリが気になった揺れは、ドールハウスでも観測されている。
カナ『振動の波形と類似するパターンを各分野のデータベースと照合したところ…酷似する波形がひとつありました。』
先ほどの揺れと似ている波形…それは……
カナ『胎動、です。』
胎動…子宮内における胎児の運動、つまり…母親のお腹の中にいる赤ちゃんが動いているということだ。
シオリ「……。」
ユキ「……生まれます。きっと、もうすぐ……」
生まれる…と、ユキは言うが……何が生まれてくるのかは、誰にも分からない。
斑目『各員、警戒を
愛「…わかりました。」
先が見えない不安に狩られそうになりながらも、メンバー達は探索を続けることに……
その頃、ドールハウスでは……
翔「……ったく、迷惑なこった……」
一海「どうした、翔?」
翔「何でもねーよ。」
一海達が、翔の見舞いに来ていた。
諒芽「なぁなぁ、ストライカー共がここを襲撃してきたんだろ?なら、俺らもここにいりゃあ翔ちんを護衛できるんじゃねぇか?それに、ドールハウスの護衛にもなるし…」
友香「それもそうですね…次、いつ襲ってくるかわかりませんし……翔さん、どうですか?」
翔「バカ、それじゃあお前らの拠点ががら空きになっちまうだろ。奴らは利用できるモンは何だって利用するきたねぇ連中だ…お前らの拠点が乗っ取られたらどーする?」
紫「確かにそうだな……私達のシェアハウスには、ライダーシステムを開発するための作業スペースがある。それを悪用されたら人溜まりも無い。」
一海達4人は、東京のとある区にあるシェアハウスで生活している。そこには、ライダーシステムを作るためのスペースもあるため、一海は得意なことを活かすことができている。
諒芽「簡単には乗っ取られねぇよ。俺の開発した警備機械がある限り!!」
悪戯好きな諒芽は、シェアハウスが何者かに乗っ取られることを想定し…警備メカを幾つも作っていたのだ。
一海「諒芽、お前いつの間に…」
諒芽「へへ~ん、どんなモンよ!」
得意気にドヤ顔をする諒芽。
翔「……。」
翔(
諒芽「おいおい翔ちん、俺をバカだと思ったろ?これでも俺は、高卒認定試験では5位だったんだぜ?」
翔「俺は1位だが?」
諒芽「ぐ、ぐうの音も出ねぇ…」汗
翔「…フンッ。」
反論できなくなった諒芽を、鼻で笑った翔は…ギリシャ神話の本を読み進めるのであった。