〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
その頃…Dolls一同は……
ナナミ「ますます、空気が悪くなってきましたね。」
迷宮の更に奥へと、進んでいた。
ナナミ「このあたりなんて、もうアタラクシアと大差ないのでは?」
ヤマダ「ほぼほぼアタラクシアに侵蝕されて、同化してる感じすな~。」
彼女達がいる迷宮…それは、アタラクシアと呼ばれる塔がある忘却の都市『新宿』の地下にあるのだ。得体の知れない雰囲気の中、得体の知れない化け物が徘徊している。
ヤマダ「このヒリヒリ感、嫌いじゃないっすけど。肝心の
そう言うと、翔手製のクナイをカチカチと鳴らすヤマダ。
ミサキ「さっきから、ユキが何度も言ってるわ。
『生まれる』って……」
迷宮を探索してから、ユキは何回も『生まれる』と言っている。
ミサキ「新たなミノタウロスが生まれるってこと?それとも、別の何かが…」
ヤマダ「別の何か、ねえ。ま、ヤマダは新型、強敵、なんでも大歓迎っす。」
生まれると言っても、何が生まれるのか…具体的なことは、誰にも分からない。
ヤマダ「ミノタウロスはどーも手応え足りないで、もうちょっとエグいヤツがいいっすね。」
ミサキ「……。」
ヤマダの言葉に、黙りこくるミサキ。
ナナミ「おや、ミサキさん。」
そんな彼女を見たナナミは…
ナナミ「そろそろ慣れたかと思ってましたけど、やっぱり真夜中の巡回、怖いんですか?」
…と、ミサキをからかう。
ミサキ「ち、違うわよ!」
ナナミの言葉を否定するミサキ。
ミサキ「ただ……なんとなく……」
そして、言葉を詰まらせる。
ヤマダ「おや、どしたんすか?脳筋キャラが柄にもなく。」
ミサキ「私のどこが脳筋キャラよ!!」
ヤマダに怒るミサキ。
愛「フフフ、何だか緊張感がないね。」
そんな彼女達を優しく見守る愛。
シオリ「ふふ…空気が変わって、良かったです。」
愛の優しい顔を見て、安心するシオリ。
シオリ「さあ、先に進みましょう。」
愛「うん、行こうか!」
彼女達は、時に雑談を挟みながら…迷宮を進んでいく。翔の話になると、話が弾み…皆生き生きした表情をみせるようになった。
その頃…ドールハウスにて……
翔「へくしゅっ!!」
あから「大丈夫かい、隊長殿?」汗
翔「大したことねぇ。」
Dollsが夜勤形態へと切り替わったことで、元ストライカー達の勤務形態も夜勤へと切り替わっていた。事務作業をとっくに終わらせていた彼女達は、翔の話し相手となっていた。
翔「しかしまぁ、随分賑やかになったな。」
ほたる「本当ですね!真夜中であることが嘘みたいです♪」
モニカ「確かに!アタシはこっちの方が好きだなぁ~。」
モルガナ「本来、眠っている時間帯にこうして皆で話し合うのは…新鮮味を感じますね。」
小春「確かにそうですね。」
翠「わたし夜型だけど、こうして語り合いをしたことは無かったなぁ…」
ミネルヴァ「たまに夜更かしはしてたけど、その度に小春に怒られたからね♪」
小春「あぐぅ…ミネルヴァ様、それは言わないお約束ですって……」
ふと、翔は…モルガナ、小春、翠、ミネルヴァに尋ねる。
翔「どうだ、慣れてきたか?」
翔の言葉に…
小春「あっ、はい!おかげさまで♪」
翠「みんな親切だからねぇ、ここで仕事するのめっちゃ楽しく思うよ♪」
ミネルヴァ「うん!段々ドールハウスに溶け込めてきたよ♪」
モルガナ「もちろんです。隊長さん、貴方のおかげで私達は安心して仕事ができます。」
…と言う4人。
翔「そうか。お前達もすっかりドールハウスに馴染んだようだな。コイツァ良いことだぜ。あっ、怖ぇヤツいたらすぐに俺に報告してくれよ?そんときゃ俺がガツンと言うから。」
翔の冗談に、その場で笑いが起こった。
雪枝「隊長さん、足の痛み…どうですか?」
翔「普通に歩くのはムズいが…まぁ大丈夫だ。」
幸子「後、心の傷も……」
翔「お前達が力をかしてくれてっから、だいぶマシになっては来ている。心配すんじゃねぇよ。てか、お前ら眠くねぇのか?」
あから「全然!コーヒーを飲んだから、眠気は覚めちゃったよw」
翔「はは、そうかそうか。なら、朝まで語り合うか?」
ほたる&モニカ&翠「「「賛成賛成♪」」」
翔「だが、眠くなったら無理すんなよ?」
元ストライカー「「「了解!」」」
こうして、医務室にて元ストライカー達と語り合うことになった翔。今の彼は、信頼できる者達に囲まれ…少しずつではあるが、次第に心の傷も癒えてきていた。