〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
次の日の早朝……
彩羽はトレーニングジムにて、愛と特訓をしていた。
愛「うん、流石だね彩羽ちゃん。これ程の実力なら、これも使いこなせると思うよ。」
元軍人である愛は、ドールハウスが生み出したライダーシステム『
彩羽「愛先生…これって……」
愛「うん、変身ベルト。これを使えるのは、あたしと所長とカナちゃんしかいなくて…彩羽ちゃんにも、これを使いこなせるようになって欲しいんだ。」
それは、選ばれし者だけが手にする
愛「今日はDollsの皆と巡回任務に行くから、彩羽ちゃんにも同行してもらいたいんだ。皆にはもう話してあるんだけど…」
彩羽「わかりました。」
愛からイクサベルトを受け取った彩羽は、Dollsの巡回任務に行くことに……
アヤ「何か、巡回任務も久しぶりね。」
レイナ「そ、そうね…ムニャ……みんな、気をひきひめt…Zzz……」
ナナミ「レイナさ~ん、起きてくださいよ~?」
夜任務が続いていたため、眠そうにしているメンバー達もいるなか…彩羽は目でピグマリオンを探している。
彩羽(ピグマリオン…愛先生からは話を聞いたけど、どんな見た目なんだろう…?)
ピグマリオン…突如として現れた謎の異形であり、人間を襲っては補食したり殺害したりする。謂わば、人類の敵である。しかも、『一定の条件』を満たしていない者は…ピグマリオンを目視することができないのだ。
ドールハウスに採用された時、色々検索をした彩羽だったが…彼女は、ピグマリオンの存在を認識するための条件を満たしていたことが分かった。
彩羽(まぁ、とりあえずピグマリオンが出たら倒せば良いんだよね?)
そう思った矢先……ピグマリオンが姿を現した。
ヤマダ「キヒヒヒ…漸くお出ましっすね。」ニタァッ…
ユキ「テアトル、展開します……」
Dollsはテアトルを展開すると、武器を構える。
愛「彩羽ちゃん、ベルトを巻いて!」
彩羽「はいっ!」
彩羽はイクサベルトを取り出すと、自身の腹部に装着する。
愛「『イクサナックル』を自分の手に当てて、ベルトに取り付ければ変身できるよ!!」
愛の指示に従い、イクサナックルを自身の左手に当てる。
《レ・ディ・ー》
彩羽「変身!!」
《フィ・ス・ト・オ・ン》
イクサナックルをベルトに装着した彩羽は、白きパワードスーツが特徴の『仮面ライダーイクサ』へと姿を変えた。
イクサ「はっ!」ビシッ!
変身が完了し、構えを取るイクサ。彩羽が変身したイクサは、顔面部のシールドが閉じた状態の『セーブモード』と呼ばれる形態だ。
ピグマリオン「「「!!」」」
無数のピグマリオンをDollsが迎え撃つ中、イクサも前線へと向かっていく。
イクサ「えいっ!せやっ!」ドゴッ!ドゴッ!
そして、肉弾戦でピグマリオンを次々と薙ぎ倒していく。翔を守るためと続けてきた格闘技が、ピグマリオン戦でも十分に活かされていた。
ヤマダ「流石っすね、彩羽さん。」
イクサ「ありがとうヤマダちゃん。」
ミサキ「敵はまだいるわ、油断しないで!!」
ピグマリオンとの戦闘は初めての彩羽。だが、初めてとは思えない動きを見せている。Dollsと上手く連携を取り、確実にピグマリオンの数を減らしていく。
愛「彩羽ちゃん、これを使って!!」
イクサ「っとと。」パシッ…
愛から『イクサカリバー』を受け取るイクサ。
愛「その武器はガンモードとカリバーモードに切り替えることができる!今はガンモードだけど、グリップ部分を押し込めばカリバーモードになるよ!」
イクサ「はいっ!」
イクサはまず、ガンモード状態のイクサカリバーのトリガーを引き、無数の銃弾を発射した。銃弾はピグマリオンの身体に風穴を開けていく。ある程度ピグマリオンを撃破すると、グリップ部分を押し込んで真紅の刃を伸ばし、カリバーモードに切り替える。
イクサ「やっ!はっ!」ズパッ!ザシュッ!
カリバーを手にしたイクサは、武術太極拳の動きでカリバーを振るい…迫り来るピグマリオン達を難なく撃破。残るは他のピグマリオンよりも大きいサイズのピグマリオンだけだ。
ナナミ「彩羽さん、そろそろ決めちゃってください。」
イクサ「うん!」
愛「銀色の笛みたいな物をベルトにセットして、ナックルを押し込んで!」
イクサ「ほよ?…あっ、これか。」
イクサは『ナックルフエッスル』をベルトにセットすると、ナックルを押し込む。
《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
ベルトから音声が響き渡った後、愛はイクサに指示を出す。
愛「ベルトからナックルを取ってトリガーを引けば必殺技が撃てるよ!」
イクサはイクサナックルをベルトから外すと、残るピグマリオンに向かってエネルギー弾『ブロウクン・ファング』を放った。残るピグマリオンはイクサナックルから放たれたエネルギー弾に飲み込まれ、消滅した。
愛「彩羽ちゃん良いね!!パーフェクトだよ!!」
イクサ「ありがとうございます、愛先生。」
イクサは変身を解き、彩羽の姿に戻った。
彩羽(これが、ライダーシステムの力…想像以上だね。)
アヤ「ねぇ彩羽さん、1つ聞いても良い?」
彩羽「ん、どうしたの?」
アヤ「彩羽さんはさ…どうして戦ってるの?何か戦う理由ってあるの?」
彩羽「あたしの戦う理由?それはね…」
彩羽は自身の戦う理由をDollsに語る。
彩羽「弟のため…大好きな翔君のためだよ。翔君を傷つけようとする奴がいるのなら…あたしの命をかけて、翔君を守る。いつだってあたしは翔君の味方…だってあたし、翔君のお姉ちゃんだもん。」
それは、守れなかった大好きな弟『青空 翔』のためだった。カッコよくて頼れる姉を目指すために海外に留学していた彼女は、弟と向き合う時間を犠牲にした。そのことにより、今の翔は何を好むのか…何を嫌うのかが分からなくなってしまったのだ。それでも、いつかは弟と和解できることを信じ…再び弟と向き合うことを決意し、弟を守るために戦うと誓った。
レイナ「翔君のために戦う…彩羽さんの思いと私達の思いは同じね♪」
彩羽の思いは、Dollsと同じであった。こうして彼女は、Dollsと打ち解けることができた。
巡回任務を終えた後、トレーニングジムで筋トレをする彩羽。
彩羽「あぁ~、良い汗かいたなぁ。」
そこに、翔がやって来る。
彩羽「あっ、翔く~ん♪」
翔「青空 彩羽…お前に1つ忠告しておく。」
翔は彩羽に、ライダーシステムについて語る。
翔「ライダーシステムの力は強大だ…ベルトが装着者に適合すれば、使うことができる。ただな…1度使い方を誤っちまうと、取り返しのつかねぇことになる。よく覚えておけ…」
翔は彩羽にそう言うと、トレーニングジムから退室した。
彩羽(1度使い方を間違えると、取り返しのつかないことになる…ね……肝に命じておかないとね。)
ライダーシステムの危険性を意識した彩羽は、温泉へと向かい…疲れを癒すのであった。
彩羽に忠告を終えた翔は…医務室にて静かに過ごしていた。
翔(ライダーシステムの使い方を間違えたからこそ、俺は青空 彩羽に言えた……だが、今度は間違えねぇ。俺は俺を受け入れてくれたこの世界の為に、戦おう…)