〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
今回から、この物語のサブライダー『仮面ライダーイクサ』が登場します。今回、“イクサ”に変身する人物は、果たして……誰なのか……?
では、どうぞ
この物語は、サクラがDollsに加入し、翔がDollsに心を開く前の物語……
ミラーワールドで、翔は裏切り者達がこの世界に来ていることを知った。外に出ると……
翔(な!?また妖魔(オブリ)!?)
外には、偵察型妖魔が5体ほどいた。突然の妖魔の出現に、人々は混乱し、逃げ惑う。
翔「妖魔共!!」
翔が声をあげると、妖魔達は一斉に翔に振り向いた。
翔「俺が相手だ。」
翔は戦闘体勢に入る。妖魔達は武器を召喚し、翔に襲いかかるが……
翔「おらよっ!せいっ!はっ!」
簡単に投げ飛ばされたり、顔面を殴られたり、腹部を蹴られたりと、返り討ちに合う。2体の妖魔が短剣を持ち、翔目掛けて一斉に走ってきた。翔は後ろにジャンプして、避けると…
グサッグサッ…
2体の妖魔は、お互いの短剣で刺され、消滅した。
翔(…コイツら、連携が取れてねぇな……それなら都合が良い。)
翔は妖魔の弱点を、すぐに見抜いた。“連携の悪さ”…それが、妖魔達の弱点である。
翔は残っている3体の妖魔達と、肉弾戦で戦う。3対1…数では翔が不利だが…数で攻めるという作戦は、彼には通じない。翔は助走をつけて地面を蹴り、両手を広げ、プロペラを意識した高速回転を繰り出した。3体の妖魔達は攻撃を受け、消滅した。
翔「どうやら、“モルガナ・ジ・アビス”が言っていたことは、事実で間違いねぇだろう…」
翔はその場を離れようとする。その時…
A「見つけたぞ、青空ァ!!」
転生者 Aが姿を現した。
翔「!?…ってなんだ、自称全知全能野郎か…おどかすなよ。」
翔は面倒くさそうに言う。
A「自称全知全能野郎とは何だ!?」
翔「てめぇのことだよ。」
A「んだとぉ!?」
翔「まぁ、茶番はここまでにしといて…んで、何の用だ?」
A「な、何だよ…お前なんぞに用はねぇよ…」
翔「はぁ!?じゃあ何で話しかけたんだよ?」汗
A「え、そ、それは…」
Aは何も言えず、黙り込んでしまう。
翔「まぁいい…用がねぇなら俺は帰るぞ?」
翔の帰ろうとすると、
A「ちょ、ちょっと待て!オレが話しかけてやったんだから、少しぐらい話してくれたっていいだろ!?」
謎の上から目線な態度で、Aは翔を呼び止めた。
翔「何が“オレが話しかけてやった”だよ……気に食わねぇ野郎だな…」
A「な、何ィ!?」
翔「あのなぁ、俺はお前みたいに暇人じゃねぇんだよ…」
A「それはオレも同じだよ!」
翔「嘘つけ、用もねぇのに話しかけて来るなんて…よっぽど暇なんだろ?」
A「…。」
翔の言葉攻めに、Aは何も反論できなかった。翔がミラーワールドに引き込まれてから、Aはずっと翔を探していたのだ。
A「と、とにかくオレと話せ!お前なんかに拒否権はねぇんだよ!」
翔「…何だと?」
翔は眉を寄せる。
翔「俺にだって自由はある。用のねぇ奴と話をする義務なんてねぇよ。」
翔のドスの効いた低い声に、Aは少し身震いをした。
翔「俺は“束縛される”ことが、大嫌いなんだ…!」
目をギョロッと見開き、怒りを露にする翔。かつて、地獄のような環境で、理不尽な理由で集団に苦しめられ、宝物、更には居場所までも奪われ…挙げ句の果てには執拗に追われ、自由を奪われる寸前にまで追い詰められた。それ以降、彼は極度に“束縛される”ことが嫌になってしまった。
A「いいからオレの話し相手になれ!」
翔「断る。」
キッパリと断る翔。
A「てめぇ!!」
Aが翔に殴りかかろうとしたその時…
「おやめなさい。」
どこからか声が聞こえてきた。そして…
コツッ…コツッ…コツッ…コツッ…
足音がこちらに向かって来ており、声の主が姿を現す。
A「し、シオリィ!」
シオリ「気安く名前を呼ばないでくれますか?」
シオリはAに冷たく言う。
シオリ「翔君にも、自由があります。それを貴方は…“お前なんかに拒否権はない”と、彼の思いを無視するなんて…私は許しません。」
シオリはAに対して、怒りを露にしている。
A「なぁシオリ…オレにだって、その…自由はあるだろ…?」
シオリ「貴方に自由があっても、他人の自由を奪う権利は、貴方にはありません。」
シオリの言葉に、黙り込むA。
シオリ「Aさん、私と一緒に遊びましょうか。」
シオリはそう言うと、とあるベルトを取り出し、装着する。その後、ナックルダスターのような物を取り出す。
翔「!?」
翔(あれは…“イクサベルト”と“イクサナックル”!)
シオリはナックルダスターのようなアイテム、『イクサナックル』を、自分の左手に当てる。
《レ・ディ・ー》
音声が響くと、一定のリズムで電子コールが響く。シオリは、ナックルを持った右手を上に伸ばし、ナックルを天に向けると、
シオリ「変身。」
と呟き、ナックルを持った右手を左肩辺りに添えた後、ベルトに装着する。
《フィ・ス・ト・オ・ン》
音声が響くと、イクサベルトの赤いコアが発光し、十字架のような何かが回転しながら、シオリの前に移動する。やがて、それは人型のスーツに変わり、シオリと重なった。
翔「!!…あれは…間違いねぇ…」
翔には、シオリが変身した姿に見覚えがあった。
翔(…仮面ライダー…イクサ…!!)
シオリは、『仮面ライダーキバ』に登場したサブライダー、『仮面ライダーイクサ』に変身したのだ。彼女が変身したイクサは、顔面部のシールドが閉じている。これは、『仮面ライダーイクサ セーブモード』である。
イクサ「シオリ…いえ、“イクサ”行きます!」
イクサはA目掛けて走りだし、肉弾戦で戦う。
イクサ「それっ!やっ!せやっ!はっ!」
A「うぉっ!がっ!ぐぅっ!があっ!」
イクサのキックやパンチをくらい、Aはイクサに圧倒されていた。
イクサ「翔君!今のうちに逃げてください!」
イクサは翔に言うが、
翔「…逃げてられるかよ…」
何故か、翔は逃げようとしない。彼の目線の先には…大きなガタイが特徴の妖魔『旧式妖魔(マギレオブリ)』が3体見える。
翔「俺はあの妖魔達を潰す…お前はアイツを潰せ。」
イクサ「分かりました!」
Aをイクサに任せ、翔は旧式妖魔目掛けて走って行く。
A「うぐっ……シオリ、なんで…」
Aには理解できなかった…“何故シオリが、『仮面ライダーイクサ』に変身できる”のかが……
イクサは右腰の『フエッスロット』から、ナックルの形をした銀色のフエッスル『ナックルフエッスル』を取り出し、ベルトに差し込み、ナックルを押し込む。
《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
音声が響いた直後、電子コールが響く。
イクサ「お仕置きです!」
イクサはベルトからナックルを取り外し、必殺技『ブロウクン・ファング』を、A目掛けて発射した。
ドォォオオオオンッ!
エネルギー弾はA目掛けて真っ直ぐ飛んでいく。
ドッガァァアアアアンッ!
A「ぎゃぁぁああああああああああああああ!!!!」
Aは吹っ飛び、ゴミ箱捨て場に叩きつけられ、戦闘不能になった。Aを倒したイクサは、翔の元に向かう。
翔「おらっ!そらよっ!でいっ!」
翔は肉弾戦で、3体の旧式妖魔と戦う。1体の旧式妖魔が、腕を振り上げ、翔を攻撃しようとするが…
翔「はぁっ!!」
逆に翔に投げ飛ばされ、返り討ちに合う。その時…十数体の旧式妖魔達が現れた。
翔「増援か…どんだけいるんだよ…」
翔は野性的に構える。そこに…
ドォォオオンッ!
エネルギー弾が飛んできて、1体の旧式妖魔を葬った。
翔「…?」
翔が左隣を見ると、イクサナックルを持ったイクサがいた。
イクサ「翔君、私も一緒に戦います!」
翔「…怪我したって知らねぇぞ?」
イクサ「ふふっ、優しいんですね♪」
翔「ほざけ。」
翔とイクサは、戦闘体勢に入る。そして、肉弾戦で戦うが、中々数が減らない。
翔(連携が取れてねぇから、戦いは楽なんだけど…これじゃあキリがねぇな……あ、そうだ!)
何かを思い付いた翔は、イクサに言う。
翔「おい、ブロウクン・ファングを撃てるか!?」
イクサ「もちろんです!」
翔「俺に作戦がある、急げ!」
イクサ「はい!」
イクサは、『ナックルフエッスル』をベルトに差し込み、ナックルを押し込む。
《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
そして、イクサは再び『ブロウクン・ファング』を放った。イクサナックルから放たれたエネルギー弾を、翔は勢いよく蹴った。エネルギー弾はものすごいスピードで旧式妖魔の群れに飛んでいき、大爆発を起こすと旧式妖魔達を飲み込んでいく。旧式妖魔達は、爆発に巻き込まれ、全滅した。
イクサ「やりましたね、翔君♪」
イクサは、変身を解き、シオリの姿に戻った。
翔「…。」
翔は険しい表情を浮かべており、何も言わない。
翔(“アイツら”はいつ襲ってくるかは、分からない…それに“妖魔”と“ジャドウ”といった邪魔者もいるし…鬱陶しいな…)
シオリ「…翔君?」
翔「お前に伝言を頼む。」
翔はシオリに言う。
翔「Dolls及びドールハウスの関係者に伝えろ……『妖魔には気を付けろ。』ってな…これ持ってけ。」
翔はシオリに2枚の資料を渡す。それは、妖魔に関する資料であった。
シオリ「はい、分かりました。」
シオリは資料を受け取った。それを確認した翔は、シオリに背を向けて、その場を去っていった。シオリは去っていく翔を見送った後、その場を去った。
いかがでしたか?今回はここまでです。
Dolls初代変身者は『シオリ』でした。シオリが変身したイクサは、顔面部のシールドが閉じた『セーブモード』のイクサです。シオリの変身ポーズは『襟立 健吾』さんの変身ポーズとほぼ同じです(健吾さんは足に当てていましたが、シオリは左手に当てています)。
ちなみに…番外編に登場する“イクサ”の音声は『1986年』のイクサと同じです。
次回の“イクサ”の回もお楽しみに。
では、またね