〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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ご無沙汰です。


第二百九十話 罪との再会

その頃…地下迷宮では……

 

愛(そろそろ1時間かぁ…今のところ、これといった異常は無いけど……)

 

探索を初めてから、1時間が経とうとしていた。

 

PPP--

 

カナ『探索から1時間が経過しました。皆さん、問題はありませんでしたか?』

 

通信機から、カナの声が聞こえてくる。

 

シオリ「問題ない、とは言いがたい状況ですが…何とか前には進めていますね。」

 

カナ『引き続き、気を付けて進んでください。位置情報では300m、4時方向が都庁の真下です。』

 

カナのその言葉を聞くと、シオリは…何を思ったのか、口角を下げる。

 

 

シオリ「……その場所は----」

 

 

彼女の異変に気付いた愛が声をかける。

 

愛「ん?シオリちゃん、どうかしたの?」

 

シオリ「い、いえ……なんでもありません。」

 

慌てて笑顔を作るも、すぐにまた…口角を下げてしまう。

 

シオリ「……。」

 

沈黙の後、口を開いたのはミサキだった。

 

ミサキ「……ちょっといいですか?」

 

皆、ミサキの声に反応し…彼女の話に耳を傾け始める。

 

ミサキ「前に来た時から気になっていたのですが…ここは都庁--アタラクシアの地下ですよね?」

 

ミサキの言うとおり…彼女達がいる現場は、アタラクシアの地下にある迷宮と化した地下鉄路線と思わしきトンネル内。彼女が気になっていたことは…

 

ミサキ「アタラクシアでは通信障害が頻発していましたが……ここではかなり通信はクリアです。なぜでしょうか?」

 

今いるこの場所では、通信機でのやり取りが簡単にできていることだ。

 

カナ『そ、それは--』

 

ミサキの質問に、困惑するカナ。

 

斑目『直接、任務に関係のない詮索は後だ。今は目の前のことに専念しろ。』

 

そこに斑目が介入したことで、ミサキは大人しくなった。

 

愛「あ、あの…所長?」

 

斑目『何だ?』

 

愛「翔君は今…どうしていますか?」

 

斑目『元ストライカーの皆と話をしている。全く、安心して寝ていて欲しいところなのだがな……』

 

翔は現在…元ストライカー達と会話をしているようだ。いつもなら、Dollsと共に現場へと歩む翔なのだが……大怪我を負ったことで、歩行が困難になってしまったのだ。そのため、危険な現場には投入できないとドールハウスは判断し…彼には休んで貰っているのだ。だが、翔は落ち着きが無いことが多くなってしまっている。時よりこっそりドールハウスを抜け出しては、どこかをフラフラつき歩くことも……そんな彼の行動に、流石の斑目も頭を抱えてしまっているのだ。

 

カナ『翔君は翔君の意志のままに行動しますし…私達が何か言っても、恐らく聞かないかと…』汗

 

斑目『毎回肝を冷やされると、こちらの寿命が持たない…』汗

 

愛「今も、元ストライカーの皆と話をしてるんですか?」

 

斑目『あぁ、先程医務室に胡蝶と七草が行った。』

 

愛「そうですか。後、彩羽ちゃんは…?」

 

カナ『あぁ~……何でも、翔君の元に向かったところ…速攻で追い返されてしまったようで…』汗

 

愛「…そうですか。」

愛(1日でも早く…打ち解けられると良いんだけどなぁ……)

 

新しくドールハウスに入ってきた彩羽は、まだ翔とは打ち解けられていないようだ。ともあれ、翔の現況を聞けて安心する愛。

 

 

 

その後も、奥へ奥へと突き進んで行くDollsと愛。

 

ヒヨ「うう…ずーーっとまっくろでまっかな場所をあるいてたからかな……ヒヨ、なんだかあたまの中がグニグニする。」

 

そのうち、身体の不調を訴える者が現れた。

 

レイナ「ヒヨ大丈夫?辛いなら、少し休んで……あっ。」

 

ナナミ「レ、レイナさん!?」

 

レイナ「ごめんなさい…立ちくらみよ。」

 

ミサキ「(わか)る。この先、空気が鉛みたいに重い。」

 

彼女達の視線の先には、先が見えない真っ暗な空間が広がっている。

 

愛「な、鉛みたいって…例えが分かりにくいなぁ……まぁ、確かに良い空気とは言えないけど…というか、地下ってこんなものじゃないの?」

 

ナナミ「…全く、愛さん……呆れるくらいに鈍感ですね。うぷっ……ああ、気分悪……」

 

アヤ「なんか……風景も変わってきたよね。ここっねホントに、元地下鉄?」

 

辺りを見渡すと、ツタのようなモノが壁や地面に絡み付いている。

 

アヤ「どっちかっていうと、何かの建物の中みたい。病院ってゆーか、学校ってゆーか。」

 

愛「それって、廃屋みたいな…ってこと?」

 

アヤ「うん、そんな感じ。」

 

ヤマダ「うえ……こんなとこじゃ休むに休めねーっつーの。ああ……ダル……まだ先進むっすか?」

 

異様な雰囲気が漂うこの空間で、休めるわけもなく……

 

ユキ「……だ、め…

 

その内、ユキに異変が起こる。

 

アヤ「ちょっと、ユキ……?あんた、なんか震えてない?」

 

ユキは突如…身体を震わせ始めた。

 

 

ユキ「これ以上さきは、だめ、です。わたしたちが---

 

 

--わたしたちが、産まれています。

 

 

愛「…えっ?」

 

アヤ「はあ……?」

 

ユキの言葉に困惑する愛とアヤ。

 

愛(どいういこと?わたしたちが産まれているって……ま、まさか…えっと、所謂『偽物』がいるってこと?)

 

すると……

 

 

シオリ「--嗚呼。」

 

シオリが、何かを発見する。それと同時に…

 

PPP--

 

カナ『前方に敵性反応!!これは、ピグマリオン……?』

 

通信機から困惑するカナの声が聞こえた。

 

カナ『ううん、生体数値がでたらめです……すみません、視認お願いします!!』

 

すぐさま戦闘体勢に入る一同。そこに現れたモノとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「タイ……タイイタイ……」

 

 

サクラ「鳴いてる!?なに、コレ……」

 

ミサキ「ひ、人…?溶けてる…迷宮の壁みたいに……?」

 

ヒヨ「ひっ……や、やだ…!!う、うわああああッ!!

 

目の前に現れたモノに戸惑う者…悲鳴をあげる者が現れる中……

 

 

ミサキ「……っ!!フォーメーションが乱れてる!!早くテアトルを……」

 

 

ミサキが声をあげたことで、テアトルの展開を始める。

 

シオリ「……参ります。」

 

愛「シオリちゃん!!1人で前に出ないで!!」

 

1人前に出ていくシオリの元に、現れたナニカが迫り来る。

 

 

???「タ……イタイ…イタイイィタイイタイイタイイタイイタイイィ!!!!

 

 

1体だけでなく、群れで「イタイイタイ」と苦しそうな声をあげながら襲い掛かってくる。

 

愛「ッ!!」ドォンッ!!ドォンッ!!

 

愛はイクサナックルから光弾を発射し、シオリに迫り来るナニカを射つ。光弾が命中すると、迫り来るナニカを吹き飛ばしていく。すると、シオリが『待った』をかけ……

 

 

シオリ「皆さん、下がってください。」

 

 

突然のシオリの行動に、困惑する一同。

 

 

あの子たちを殺すのは--

 

--私です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ドールハウスでは…

 

翔「……。」

 

医務室にて、翔は相変わらず寝ることはなく…テレビを見て過ごしていた。

 

翔(つまんねぇ番組ばっかりやってんなぁ……ん、何だ今の?)

 

ふと、ニュースを見ていると…1人の男性が何やら歪みに包まれていくのが見えた。その直後…

 

妖魔?「……。」

 

妖魔と思わしき姿に変わった。それは、頭部に大きくねじれた2本角を持ち、両手は刃のようなモノが備わっている人型の姿だ。

 

翔「…!!」

 

何か嫌な予感を感じた翔は、医務室から出ていくと…足早にファクトリーへと向かった。

 

翔「どわっ!?」ドテッ!!

 

途中、バランスを崩して転倒してしまうも…自力で立ち上がり、また歩みを進める。

 

翔(くそ…こんな足じゃなけりゃ…!!)

 

そんな彼の元に……

 

 

蜜璃「しょ、翔君!?どうしたの!?」

 

ドールハウス専属医師の蜜璃が、慌てた様子で駆け寄ってきた。

 

翔「おぉ七草さん、ちょうど良い…今からダイダロスへ向かう。」

 

蜜璃「えっ!?」

 

翔「できれば胡蝶さんもいるとありがてぇ…ライダーシステムも持ってこい。」

 

蜜璃「で、でもダイダロスはDollsの皆と愛ちゃんが」

 

翔「ごちゃごちゃ言うな!!嫌な予感がすんだよ…なんなら俺一人でも行くぞ。」

 

蜜璃「そ、それだけは!!待ってて、深雪ちゃん呼んでくるから!!」

 

蜜璃は大慌てで深雪を呼びに行った。

 

深雪「翔君、嫌な予感とは!?」

 

翔「ダイダロスに行く!話はその後だ!!」

 

慌てた様子でファクトリーに向かう翔をみた2人にも、緊急事態なのは伝わってきた。そのため、翔を連れ戻さず…彼と友にファクトリーへと向かう。

 

彩羽「おーい!!どこ行くのー!?」

 

そこに、翔の実姉『青空 彩羽』がやって来る。

 

翔「青空 彩羽、お前も俺らと来い。」

 

彩羽「えっ…う、うん!!」

 

ファクトリーに着くと…

 

翔「青空 彩羽、俺のライダーシステムをお前に貸す!!ゲネシスドライバーとソニックアローを使え!!」

 

彩羽「わかった!!えっと、ゲネシスドライバーは…」

 

蜜璃「はいこれ!!」

 

彩羽「あ、ありがとうございます…!!」

 

翔「後ろに乗れ!!」

 

翔は彩羽にヘルメットを投げ渡し、ジャングレイダーにまたがる。彩羽が乗ったタイミングで、爆音と共にジャングレイダーを走らせた。深雪と蜜璃はトライドロンで翔を追い掛ける形で出発した。

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