〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
翔(どんだけ広いんだよ、ここ…)汗
カツン…カツン…と、杖を付きながら施設内をゆっくりと歩き回る翔。
翠「ほぅほぅ、色々ありますな~?」
まず、外には幾つものコテージがあり…1つのコテージごとに1つのデッキチェアが設置されている。更に、プールの方を見てみると…近くにはパラソルとデッキチェアが幾つもある。プール自体はその名の如く、海とほぼ一体化しているように見え…まるで、どこまでも続いているようにも見えた。
ほたる「スゴーイ!!漫画に出てきそうな景色ですよ、隊長サン!!」
ほたるは楽しそうにはしゃいでいる。
あから「こんなにスゴいリゾート施設とは無関係だと思っていたのに…ここにいるのが嘘のようだよ。」
あからは元々貧しい暮らしをしていたのか、かなりぎこちない様子である。
小春「こんな素敵な場所で夏を過ごせるなんて、優雅ですね。」
小春はインフィニティプールを見ながら言う。
翔「……。」
翔(俺が…こんな足じゃなけりゃ、コイツらと作る思い出も違ったんだろうな……)
無表情を貫く翔だが、その奥深くでは…悲しみと無念が渦巻いているのだった。そんな時、小春が海の方を見ていた。
小春「あの…あれ、何でしょうか?」
翔「…?」
小春の言葉を聞き、彼女の視線が向いている方角を見る。そこには……
涼生『ハ~ッピバ~スデ~トゥ~ユ~♪ハ~ッピバ~スデ~トゥ~ユ~♪ハ~ッピバ~スデ~ディア、ディスサマ~♪ハ~ッピバ~スデ~トゥ~ユ~~♪』
豪華客船と言える巨大な船に乗り、優雅にバースデーソングを歌う『鴻上 涼生』の姿が見えた。
翔「…おい、もう1組のゲストって…まさか……」
ハナ「えぇ、鴻上ファウンデーションの皆様よ。」
もう1組のゲストとは、鴻上 涼生と息子の鴻上 幸雄、妻の鴻上 佐由美…そして、グリードであるウヴァ、カザリ、メズール、ガメルであった。
翠「隊長ちゃん、あの人たちってどちら様?」
翔「鴻上ファウンデーションの奴らだ…バースデーソングを歌ってた奴がその代表取締役社長『鴻上 涼生』だ。」
やがて、鴻上ファウンデーションの船は停泊上に停泊し…そこから涼生達とかなりの数の従業員達が降りてきた。
涼生「ハッピバースデー青空君!!」
翔「誕生日じゃねぇよ。」汗
涼生「これは失礼。いやぁ、この季節がやって来たねぇ!!欲望と青春が飛び交うこの夏が!!」
翔(何言ってんだコイツ…?)汗
涼生「おっと、元ストライカーの諸君…こうして対面をするのは初めてだね?私は鴻上ファウンデーション代表取締役社長『鴻上 涼生』さ!!厚い日差しが照り付ける中、このリゾート施設で出逢えたのは何かの縁…記念にこれをプレゼントする!!」
元ストライカー達に自己紹介をした涼生は、彼女達にバースデーケーキを渡した。困惑しながらも、バースデーケーキを受け取る元ストライカー達。ちなみに、涼生お手製のケーキである。
ガメル「翔、ひさしぶり!」
翔「あぁ、元気か?」
メズール「お陰さまで。」
カザリ「なぁ翔…お前、その足どうしたんだ?」
ウヴァ「カザリ、余計な詮索は控えた方が良い。」
ウヴァは翔に気を遣い、カザリを静止した。ハナは一同に挨拶をすると、客室に案内した。それを見送った翔は、リゾート施設散策の続きを始めた。
更に歩くと、室内プールやマッサージエステ、ゲームセンターや和食料亭や洋食レストラン、バイキングコーナー、土産屋までもあった。更に、宿泊場所は南国らしくラグジュアリーな部屋となっている。屋外にはプールが設置されている。温泉の近くには、ゲームセンターまでも完備されていた。
翔「贅沢なモンだな。」
あから「確かにそうだね。ボクは貧乏暮らしだったから、恐縮してしまうよ…」
翔の言葉に苦笑いするあから。
翠「隊長ちゃん隊長ちゃん、卓球台まであるよ!!お風呂から出たらやろう…って、そっか…足、怪我してるんだったよね……」
翔「気にするな。そんなら、小春とでもやったらどうだ?互いに信頼しあっている者同士、手合わせしてみるのも悪くねぇだろ?」
翠「それ良いね!小春、どう?」
小春「うん、良いよ。」
翔「…って、何描いてんだほたる?」
ほたる「漫画の参考になるかと思ってスケッチをしているんです。」
翔「そうか…オーナーに許可を取ることも忘れずにな?」
ほたる「はい!」
施設散策も終わり、メンバー達の元へ戻る翔達。
涼生「おぉ青空君、ちょうど良い!君にも新たなバースを使って貰いたいんだ。」
涼生は翔にアタッシュケースを渡す。開いてみると、そこには従来のバースドライバーとは少し違うドライバーと、3枚のコアメダルが入っている。
翔「何だよこれ。」
涼生「バースドライバーをパワーアップさせたんだ。この『バースドライバー
翔「ふーん…」
ハイテンションな涼生とは裏腹に、表情1つ崩さない翔。このバースドライバーには『Xユニット』が装着されており、そこにコアメダルを入れることで変身できるようだ。
翔「面白そうだな、ちょっと使わせてくれよ。」
涼生「勿論だとも!君の為に作ったのだから!!」
翔「ほざけ。」ガチャッ…
翔はバースドライバーXを受け取り、コアメダルも受け取った。しかし、すぐに変身はせず…せっせとハナの元へ向かった。
ハナ「あら隊長さん。」
翔「俺達はどこで寝れば良い?」
ハナ「さっき散策してきたホテルが皆の宿泊場所よ♪たまには羽根を伸ばしてね?」
翔「あんがとよ。」
翔は宿泊場所が分かると、すぐに自分の部屋に行った。
翔「……。」
宿泊部屋にて、星空をバックにバースドライバーXを眺める翔。
翔(奴らはここにも来るだろう…そんときは、お前を頼らせて貰うからな?)