〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
オーナーハナのリゾート施設に訪れ、1日が経過した。
元ストライカー達はインフィニティプールにてはしゃぎ回っている。翔は涼生とテーブルを挟んで話をしていた。
翔「鴻上さんよぉ、このバースドライバーは水に濡れても平気なのか?」
涼生「勿論だとも。真水であっても塩水であっても耐えられるように設計してある。」
翔「それともう1つ…破壊されたバースドライバーはどうだ?あの2人の…」
翔の視線の先には、元ストライカー達とはしゃぐ深雪と蜜璃の姿がある。彼女達のバースドライバーは、墨田区の戦いにて破壊され…使えなくなってしまったのだ。鴻上ファウンデーションは破壊されたドライバーを回収、修理に当たっている。
涼生「残念ながら、まだ時間がかかりそうなんだ…至るところの損傷が酷いもんでね……」
翔「…そうか。」
彼女達のドライバーは損傷が酷く、最悪の場合…廃棄処分も視野に入れているとのこと。
涼生「ただ、バースバスターはまだ生きている。」
翔「へぇ…ちっと俺にも使わせてくれよ。」
涼生「構わないが…どうしたんだい?」
翔「妙な胸騒ぎがすんだ……」
翔(奴らは執念深い…きっとここにも乗り込んで来るだろう……)
バースバスターを持った翔は、椅子から立ち上がり…どこかへ去っていった。
蜜璃「…?」
蜜璃(あれ、翔君…どこいくんだろ?)
蜜璃は翔を心配し、彼の元へ行こうとしたが…深雪がそっと止めた。
蜜璃「み、深雪ちゃん?」
深雪「今はそっとして差し上げましょう。」
その頃、翔は海辺に降りてくると…バースバスターを構えながら周囲を伺う。
翔「…?」
ふと、バースバスターのメダルポッドを見てみると…セルメダルが1枚も入っていなかった。
翔(ヤベ、セルメダル忘れた…)
バースバスターはセルメダルが弾丸になる武器である。そのため、セルメダルが入っていないと使えないのだ。どうしようかと思っていると…
ガメル「おーい、しょー!!わすれものーー!!」
何やら大きい牛乳缶を背負ったガメルがやって来た。彼が背負う牛乳缶には、大量のセルメダルが入っている。
翔「お前は…ガメル…?」
ガメル「これ、いっぱいメダルが入ってるよ。」
翔「…助かる。」
翔は牛乳缶を開け、メダルポッドでセルメダルを掬い上げる。そして、沖の方に視線を移す。
翔「…やっぱり来やがったか。」
ガメル「え、なにが…?」
翔「あれを見てみろ…」
翔の視線の先には、不安定な筏がいくつか見える。そこに……
ストライカー「おっ、やっぱりやってる!」「このあたし達をもてなさないなんて、あのクソオーナー…まじで許さないから。」「ここの施設、めちゃくちゃにしちゃおっか♪」
忌々しいストライカー達がいた。翔はバースバスターを構えると、ストライカー達目掛けてメダル型のエネルギー弾を発射した。
エネルギー弾はストライカー達の筏近くの水面で爆発を起こす。
陽奈「ちょっ!?何々!?」
悠水「誰かに撃たれてるよ!!」
イミナ「おい、あれ!!」
天音「って、翔じゃない…!!アイツ、なんであんな武器持ってんのよ!!」
あおい「取り敢えず進むぞ!!何がなんでもあの島に上陸しろ!!」
焦り始めたストライカー達は、必死になって筏を漕ぎ始める。
翔(本当にしつけぇ連中だ…反吐が出る。)
翔はメダルポッドに貯まったメダルを捨て、新たなセルメダルを掬い上げる。そして、バースバスターにセットすると、メダルポッドをバースバスターの先端に取り付けた。
音声が響くと、ストライカー達に照準を合わせる。その姿を見たストライカー達の表情は、みるみる青ざめていく。
まな「わーん!!隊長さん、やめてぇーー!!」
真乃「待ってください隊長!!話せば、話せばわかります!!話せばわかりますから!!」
翔に懇願し始めるストライカー達は滑稽だ、
翔「…鱶のエサにでもなってろ。」
翔がトリガーを引くと、バースバスターから太く、深紅に光るレーザーが発射された。レーザーが命中した海面では、大爆発が発生…ストライカー達はどこかへふっ飛んで行った。
翔「ふぅ…いっつつ……」
ガメル「翔、大丈夫?」
翔「おっ、おぉ……」
ストライカー達の撃退に成功したものの、バースバスターの反動が大きく……辛うじて立っていた翔の左足に、痛みが走った。ガメルの肩を借りつつ、翔はメンバー達の元へ戻ることができた。
メズール「あらガメル…って、翔?」
ガメル「おれ、翔を助けに行ったんだ。」
ガメルの背中には、大量のセルメダルが入った牛乳缶がある。
幸子「隊長さん…まさか、ストライカー達が……?」
翔「ご名答だ。」
あから「どうして言ってくれなかったんだ…!?」
翔「お前ら、最近息抜きできてねぇだろ?なぁ…折角羽根伸ばしてるっつうのに、邪魔できるかよ。」
翠「それじゃあ意味無いよ!!」
翔の言葉を聞いた翠は、思わず声をあげる。
翠「折角こんなに豪華なリゾート施設に来たのに…隊長ちゃんが楽しめなかったら、わたし達がここに来た意味が無くなっちゃうよ!!オーナーだって、隊長ちゃんも一緒に楽しむことを望んでる!!」
翔「……。」
翠「だからさ…隊長ちゃんも一緒に楽しんで、人生ポイント貯めようよ?」
小春「隊長さん、私も翠と同じです…!折角ここに来たんですし……隊長さん、一緒に楽しみましょうよ!!」
マリ「少なくとも、ここに…あんたを省くような奴はいないよ。」
ほたる「そうですよ!あたし、隊長サンがいるからここに来たんですし…ね、この夏を思いっきり楽しんじゃいましょう!!」
モルガナ「私は…これから作る、隊長さんとの思い出が待ち遠しいです。共に思い出を、作りましょう。」
元ストライカー達の言葉を聞いた翔は……
翔「こんな足でも、良いのかよ…?」
…と、口角を下げる。
深雪「翔君、心配することはありませんよ?」
蜜璃「私達は医者だから、何かあったら何でも頼って!!」フンスッ!
ここには、頼もしい者達がいる。翔が信頼しているメンバー達もそうだが……
ウヴァ「翔、お前には借りがあんだよ…ちょっとは恩返しさせろ。」
カザリ「翔が僕らを楽しい世界へ連れてってくれたように…僕らも君を楽しい世界に連れてくよ。」
更正したグリード達もいる。
翔「…あんがとよ。」
無表情でいる翔だが、心の中では…安心と嬉しさが渦巻いていたのだった。