〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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番外編 夏の終わりには

南国リゾートで過ごしているうち…気が付くと、もう今年の夏は終わりを迎えようとしていた。

 

 

 

翔(今年の夏も、もう終わりか……楽しかったが、Dollsや一海達と全員で過ごせなかったのが…唯一心の残りだったな…)

 

夕方のディナー後、翔はインフィニティプールにいて…夜空を眺めていた。

 

翔(コイツの力を借りるのは、まだ先になるかもな…)

 

おもむろにバースドライバーXを取り出す翔は、思わずため息をついた。そこに、彩羽がやって来る。

 

彩羽「ため息をつくと、幸せが逃げちゃうよ?」

 

翔「…青空 彩羽。」

 

彩羽「ねぇねぇ、フルネームで呼ばなくても良いんだよ?あたし、翔君のお姉ちゃんだしさ…」

 

翔「俺はお前を姉だと思っていない…血縁関係よりも、信頼を重視するからな……」

 

彩羽「……。」

彩羽(元ストライカーの皆から聞いたけど…翔君、本当に変わっちゃったね……)

 

数年前、ストライカー達の隊長だった翔は壮絶な虐めを受けていた。信頼していた者達から一斉に裏切られ、心も身体もボロボロにされた結果…人間不信になっただけでなく、暗く、冷酷非道な性格へと変わり果ててしまったのだ。ただ、現在は元ストライカー達やDolls達等、新たに信頼できる仲間ができたため、比較的落ち着いてはいる。

 

彩羽(子どもの頃は、あんなに人懐っこかったんだけどなぁ……)

 

翔「…んで、何の用だ?」

 

彩羽「えっ、あぁ…えっとさ、改めて翔君と話したいなぁ~って思って来たんだけど……ダメ?」

 

翔「勝手にしろ。」

 

彩羽は翔の隣に立ち、彼と共に夜空を眺める。ふと、流れ星が見えた時…

 

翔「…。」

 

翔の隣では、彩羽が何か願い事をしているのか…両手を組んで祈りをしている。

 

 

彩羽(どうか…翔君と家族として過ごしたい……その為に、あたしは…)

 

 

そんな時……

 

 

『オラァッ!!』

 

『おい!!あたし達ストライカーをもてなさないとはどういうことだ!!』

 

 

どこからか、ストライカーの声が聞こえてきた。翔は声が聞こえた方へと急ぎ足で向かう。彩羽も翔の後を追って行った。

 

 

 

リョウコ「ハナちゃん!!何で私たちを招待してくれなかったの!?」

 

ハナ「貴女達にはモラルが無いからよ。あれだけドンチャン騒ぎしておいて、招待して貰えるとでも思ったのかしら?」

 

二穂「き、貴様ァ!!」

 

ハナの言葉に怒ったストライカー達は、一斉に襲い掛かって来た。だが……

 

翠「せいやぁっ!!」

 

小春「はいっ!!」

 

小春と翠の攻撃を受け、後方に吹っ飛ばされた。

 

翠「水着だから動きやすいんだよね~、快感♪」

 

小春「今回ばっかりは、翠の言うとおりだね。」

 

翠「今回ばっかりって何!?今回もじゃなくて!?」

 

翔「てめぇら、また来やがったのか……!」

 

そこに、翔が駆け付けたのだが…落ち着きの無い彼は、元ストライカー達から離れた位置に来てしまった。危険を察知した元ストライカー達は、慌てて翔の元へ向かうが…一部ストライカー達に阻まれてしまう。そして、もう一部のストライカー達に集団で襲われる翔。

 

翔「ッ!!」ガッ!ドカッ!

 

フェイ「よっ!!」ガキンッ!!

 

翔「ッ!?」

翔(しまった…!)

 

杖を振るって迎え撃つも、フェイの柳葉刀によって杖を弾き飛ばされてしまった。

 

翔(くそがっ!!)

 

翔はアクロバティックに動き、回転蹴りを繰り出すが…衝撃が負傷した足に響き、激痛に襲われる。

 

翔「ッ!!」

 

その隙に、天音に馬乗りされてしまう。

 

天音「翔!!何で逃げたのよ!?」

 

翔「黙れッ!!俺が何をしようが俺の勝手だろうが!!」

 

天音「はぁっ!?あたし達はあんたに尽くしてあげるんだからさ、Win-Winじゃない!!」

 

翔「何がWin-Winだ!!寝言は寝てから言え!!」

 

馬乗りされただけでなく、いつの間にか他のストライカー達に押さえつけられ…抵抗が困難になっていく翔。

 

翔(ヤバい、このままじゃまた…!!)

 

今にもストライカー達に捕まりそうな翔の前に、救いの手が舞い降りる。

 

深雪「翔君から離れなさい!!」

 

蜜璃「やめなさいよォ!!」

 

ドカカッ!!

 

深雪と蜜璃だった。彼女達は既に、アバドライザーを装着している。

 

深雪「すぐに駆け付けられず、申し訳ありません翔君。」

 

翔「いや、謝る必要はねぇ…正直、助かった。」

 

翔は立ち上がろうとするが、バランスを崩して転倒しそうになった。

 

蜜璃「おっと…翔君、大丈夫!?」

 

翔「おぉ…」

 

転びそうになった翔を、蜜璃が支えたことで…彼は転ばずに済んだ。

 

彩羽「翔君ッ!!」

 

そこに、彩羽が到着する。

 

彩羽「!!」

彩羽(コイツらが…翔君を…!!)

 

陽奈「は…ねぇたいちょー、その女だれ?また浮気してんの?」

 

翔「てめぇには関係ねぇだろ…」

 

陽奈「関係ある!!陽奈と付き合ってんのに…浮気三昧とか、サイテー!!」

 

翔「とうとう妄想と現実の区別もつかなくなったか…てか、最低なのはどっちだっての……」

 

彩羽「……。」

 

翔とストライカー達のやり取りを見た彩羽は……

 

 

彩羽「…翔君、そのドライバー借りても良い?」

 

翔「…?…あぁ。」

 

 

バースドライバーXを拾い、自分の腹部に装着……その後、3枚のコアメダルをドライバーのXユニットに装填する。

 

彩羽「…変、身…!!」

 

《エビ!!》

 

《カニ!!》

 

《サソリ!!》

 

音声が響いた後、ドライバーのハンドルを回した彩羽は…鎧に包まれていく。

 

 

カポーンッ!!

 

 

ババーババース!バ・バ・バ・バース!エーックス!!

 

!!

 

 

それは、本来の仮面ライダーバースとは異なり…黒のメインカラー、下半身あるオレンジ、腕や肩にあるマゼンタ、胸部にある紫のライン、スカイブルーの複眼、そして頭部にはアルファベットの『X』を彷彿とさせるシンボルマークがある姿だ。

 

涼生「これぞ、『仮面ライダーバースX』だ!!ハッピーバースデー、バースX!!」

 

仮面ライダーバースX…仮面ライダーバースがパワーアップした姿であり、セルメダルではなくコアメダルを使っている。

 

バースX「ッ!!」

 

バースXは地面を蹴ると、肉弾戦を仕掛けていく。

 

バースX「はっ!」ドゴッ!!

 

天音「んぎっ!?」

 

あおい「私が行く!!」

 

天音が吹っ飛ばされ、あおいが二刀流でバースXに立ち向かう。しかし…

 

バースX「遅いんだよ…!!」ドゴォッ!!

 

あおい「があっ!?」

 

バースXはあおいの腹部に正面突きを繰り出し、返り討ちにした。

 

悠水「ま、また仮面ライダー…!?」

 

まな「わーん!強そうなんだよぉ!!」

 

伊緒「強そうじゃなくて強いんだって!!」

 

無双し始めるバースXに、混乱するストライカー達。

 

涼生「彩羽君!!カニメダルをXユニットの一番上に入れてハンドルを回したまえ!!」

 

バースX「はいっ!!」

 

バースXはエビとカニのコアメダルを取り出すと、エビコアメダルを先に入れ、最後にカニコアメダルを入れると…ドライバーのハンドルを回した。

 

《カニアーム!!》

 

バースXの右腕にカニのハサミのような武器が装着された。それを見たストライカー達は…

 

チカ「な、何だか逃げた方が良い気がしてくるよぉ…!!」

 

いつみ「よ、よし…皆逃げるよ!!」

 

急々と逃げ出す。

 

バースX(逃がすか…!!)

 

すかさずバースXは、ドライバーのハンドルを回すとカニアームの銃口をストライカー達に向ける。

 

《カニコアバースト!!》

 

ドライバーから音声が響くと、銃口からマゼンタ色のレーザーが発射された。ストライカー達は爆発によって、夜空に吸い込まれるように消えていった

 

 

 

翔「……。」

翔(青空 彩羽…中々面白い戦いをするじゃねぇか……)

 

バースX「…ふぅ、汗かいちゃったな。」

 

バースXはコアメダルを取り出し、変身を解いた。

 

ハナ「皆、この施設を守ってくれてありがとう♪貴方達なら、信頼できるし…また、招待するわ♪」

 

ストライカー達を撃退し、リゾート施設を…そして、翔を守ることができた。こうして、今年の夏もまた…終わりを迎えたのだった。




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