〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

38 / 551
やさぐれショウでございます。
前回の“イクサ”の回では、シオリがイクサに変身しましたね。今回、イクサに変身する人物は果たして……
翔を裏切った“アイツら”は、メインストーリーで本格的に登場させる予定でしたが、この回である程度登場させます。
更に…翔が、あの仮面ライダーに変身する!?
では、どうぞ


番外編 イクサ 2

この物語は、サクラがDollsに加入し、翔がDollsに心を開く前の物語……

 

 

 

休日、とあるゲームセンターにて……

ナナミ「…。」ムムム…

ナナミは、U.F.O.キャッチャーで、ぬいぐるみを格闘しようとしていた。彼女の目の先にあるのは、女子に人気なツキノワグマの『ワグマン』ではなく……『仮面ライダー』の寝そべりぬいぐるみである。

ナナミ(1号のぬいぐるみは既に持っているので、2号を狙いますか…)

ナナミはU.F.O.を操作して、2号の寝そべりぬいぐるみをねらうが、中々取れない。数分後……

ガチャンッ

ナナミ(来た!そのままそのまま!)

U.F.O.は2号の寝そべりぬいぐるみを掴み、放出口に落とした。

ナナミ(よしっ!)

見事ナナミは、『仮面ライダー2号』の寝そべりぬいぐるみを獲得し、内心か~な~りはしゃいだ。ナナミは2号のぬいぐるみをカバンにしまうと、ゲームセンターを出た。

 

ゲームセンターを出ると…2人の少女に話しかけられた。1人は金髪で、もう1人は銀髪が特徴で、2人とも“オッドアイ”である。

金髪「あ、あの…今、お時間…よろしいでしょうか…?」

ナナミ(ん?この人たちは……っ!まさか!!)

ナナミは、2人の少女に見覚えがあった。

ナナミ「どちら様ですか?」

ナナミが話しかけると、2人の少女は身体を少し震わせる。

銀髪「あの…えっと……その…」

ナナミ「もういいです、私から聞きますね。貴方達、『ストライカー』ですよね?」

金髪&銀髪「!!!?」ビクッ

ナナミが2人に問い詰めると、2人の顔がどんどん青ざめていった。ナナミは確信した。

ナナミ(コイツらが…翔さんを…!!)

ナナミ「貴方達『ストライカー』のことはニュース番組等で見ました……悪徳隊長に酷い目に合わされ、何も罪の無い後任の隊長を寄って集って散々苦しめていたんですよね?何ですか、今度は私を苦しめに来たんですか?」

銀髪「ち、違います…私(わたくし)達は、ただ……」

キョドる2人の少女。ナナミは鬼のような形相で、ギロッと睨み付けると…

ナナミ「消えてください…目障りです。」

…と、ドスの効いた低い声で、2人の少女に言い放った。2人の少女は、「失礼致しました。」と言うと、落ち込んだ様子で立ち去って行った。

 

 

 

金髪「華賀利、あの者……」

銀髪「はい…怪しいですわね、依咲里お姉さま……」

金髪の少女は『灰島 依咲里』、銀髪の少女は『灰島 華賀利』という名前で、かつて隊長だった青空 翔を散々苦しめた張本人である。彼女達は、ナナミを怪しんだ挙げ句…

華賀利「尾行いたしますか?」

依咲里「そうね、もしかしたら隊長様の手掛かりを掴めるかもしれません。」

ナナミを尾行することにしたのだ…。

 

 

 

その頃、とある玩具ショップにて……

翔(!?…こ、これは…!)

翔はある商品の前で足を止めた。それは……

翔(『飛電ゼロワンドライバー』!ここにも売ってたのか!)

翔は『DX 飛電ゼロワンドライバー』をカートに入れてレジに進み、購入した。

玩具ショップを出た翔は、スマホでニュースを確認すると……

翔「!?…な、何だよ…これ…!」

翔はとあるニュースの内容を見て、身震いをした。

翔(『ストライカー』と名乗る少女達が、ある人物を探し回っており、通りかかる老若男女、店を経営している店員等を脅して、情報を集めている…だと!?)

翔は驚きのあまり、『飛電ゼロワンドライバー』が入った袋をドサッと落としてしまう。

翔(アイツら…狂ってる!!)

その時…

「落としたよ?」

翔「っ!!?」

後ろから誰かに話しかけられ、翔は驚き尻餅をついた。

愛「ちょっと翔君!大丈夫!?」

翔「か…片山、さんか…脅かすんじゃねぇよ……」

愛は飛電ゼロワンドライバーが入った袋を拾うと、翔に駆け寄った。

愛「翔君、汗びっしょりだよ!」

愛は心配して、翔の額や首筋等をハンカチで拭く。

愛「とりあえず、ドールハウスに行こ?ね?」

翔「…あ、あぁ。」

愛は翔をドールハウスに連れて行くことにした。翔は愛に支えられながら、ドールハウスに向かって歩いた。数十分後、ドールハウスに到着した。ドールハウスに入った翔は、カナに心配された。翔は椅子に座ったが、顔は少し青ざめてており、軽い過呼吸を起こしていた。カナは水を持ってきて、愛は翔の汗をハンカチで拭きながら、「大丈夫、大丈夫だよ。」と、彼の背中を優しく擦った。数分後、漸く落ち着きを取り戻した翔に、カナが話しかけた。

カナ「翔君、どうしたんですか?」

翔「おい、これを…!」

翔は慌ててスマホの画面を見せる。そこには、『ストライカー』の奇行がニュースとして掲載されていた。これを見たカナと愛は驚き、言葉を発することができなかった。

カナ(この『ストライカー』達、やっていることがまともではありません!!)

愛(あの“クズ連中”、どんだけ頭のネジぶっ飛んでんの…)

ストライカー達の奇行を見て、カナと愛は呆れるばかりであった。その時…電話が鳴った。

カナ「はい、芸能事務所ドールハウスです。」

ナナミ『あ、カナさんですか?』

カナ「ナナミちゃん、どうしました?」

ナナミ『緊急事態です、2人のストライカーに尾行されています。』

カナ「えっ!?」

ナナミ『なので、ドールハウスから離れた場所に移動しています。対応は任せてください。』

カナ「ナナミちゃん、“イクサ”を使っても構いませんので、どうかご無事で!」

ナナミ『ありがとうございます、では一旦切ります。』

電話は切れた。相手はナナミであり、ストライカーから尾行されているそうだ。

愛「カナちゃん。」

カナ「えぇ、ナナミちゃん…ストライカーに尾行されています。」

翔「!!」

それを聞いた翔は、飛電ゼロワンドライバーを取り出し、静かにその場を去った。

愛「えっ!?それはマズイんじゃ!?」

カナ「いざというときのために、“イクサ”を持たせました。ナナミちゃんなら、大丈夫だと思います。」

愛「…そうだよね、ナナミちゃんならきっと大丈夫だよね。あ、そうだ翔君。」

愛は翔の方に振り向くが、

愛「あれ?」

カナ「片山さん?」

愛「翔君が、いない!」

カナ「えぇっ!?」

椅子には、翔の姿はなかった。

愛「あたし、探してくる!カナちゃんはここにいて!」

カナ「分かりました!」

愛は急いで翔を探しに行った。

 

 

 

翔は、ドールハウスの屋上にいた。

翔「目障りな奴らめ…この世界に来たからには、潰される覚悟はできてんだろぉなぁ?」

翔はそう言うと、『ライジングホッパープログライズキー』を起動させる。

《ジャンプ!》

 

神様「…。」パチンッ

 

これを見た神様は、指を鳴らした。すると、飛電ゼロワンドライバーが彼の腰部に装着された。翔はドライバーのスキャンエリアにて、プログライズキーを読み取る。

《オーソライズ》

音声が響くと、ドライバーから変身待機音が流れる。その瞬間、空から半透明の黄色に輝く巨大なバッタが落ちてきて、翔の周りを跳ね回る。

愛「翔君?…えぇっ!?ば、バッタ!?」

屋上にやって来た愛は、状況を飲み込めず混乱する。そんな愛を背に、翔は『仮面ライダーゼロワン』に登場する主人公『飛電 或人』の変身ポーズを披露する。プログライズキーを展開した後…

翔「変身!」

…と言い、プログライズキーをドライバーに挿入した。

《プログライズ!》

ドライバーのカバーパーツが展開し、翔は装甲に身を包まれて行く。

《飛び上がライズ!ライジングホッパー!》

巨大なバッタは、翔の身体に纏わった。

《A jump to the sky turns to a Riderkick.》

翔は、令和初の仮面ライダー『仮面ライダーゼロワン(ライジングホッパー)』に変身したのだ。そして、屋上からジャンプし、ビルからビルへ飛び渡り、どこかへ行ってしまった。

 

 

 

その頃、とある海浜公園にて……

ナナミ「何なんですか?さっきからコソコソと後をつけてきて…」

ナナミがそう言うと、2人の少女が姿を現した。

依咲里「貴女、『青空 翔』隊長様をご存知ではありませんか?」

ナナミ「聞いたこと無いですね。」

ナナミはキッパリと答える。

依咲里「そうですか、では……貴女を排除します。」

依咲里はそう言うと、パトリ端末にメモカを差し込み、変身した。それを見た華賀利も、パトリ端末にメモカを差し込み、変身した。

ナナミ「知らなかったら排除するとか、頭大丈夫ですか?」

ナナミはイクサベルトを装着する。

ナナミ「貴女達のようなクズ共は、私が始末します。」

ナナミはイクサナックルを取り出し、自分の左手に当てる。

《レ・ディ・ー》

ナナミは左手を腰に添え、イクサナックルを持った右手を左肩辺りに添えた後、

ナナミ「変身。」

イクサナックルをベルトに装着する。

《フィ・ス・ト・オ・ン》

ナナミは『仮面ライダーイクサ(セーブモード)』に変身した。

依咲里「なっ!卑怯ですわよ!」

イクサ「卑怯?貴女達も変身しているじゃないですか…自分だけ変身して、相手が変身すれば『卑怯』って、自分に都合が良すぎなんですよ。」

依咲里「…。」

イクサに変身したナナミの言葉に、依咲里は何も言い返せなかった。

華賀利「貴女…よくも依咲里お姉さまを侮辱しましたね?」

イクサ「侮辱とは心外ですね。私の意見を述べただけです。何か問題でも?」

華賀利「っ!!…こんのぉ!!」

華賀利はイクサ目掛けて走りだし、蹴り技を繰り出すが…当たる気配が無い。

華賀利「!?」

イクサ「感情的ですね…そんな攻撃、当たると思っているんですか?」

イクサに変身したナナミは持ち前の身体能力で、ヒラリヒラリと華賀利の攻撃をかわしていく。

華賀利「っ!?…はぁ…はぁ…」

イクサ「もう疲れたんですか?では、今度はこっちから行きますね!」

イクサは華賀利目掛けて走り出すが…

依咲里「はっ!」

イクサ「ぐっ!?」

依咲里の光線を受け、地面に倒れた。

依咲里「まぁ、その程度ですか?」

イクサ「くっ…2対1とは卑怯な…!」

イクサは立ち上がろうとする。だがそこに…

華賀利「やっ!」

イクサ「がっ!」

華賀利がイクサの頭部に蹴りを入れる。

華賀利「ほらほら、泣いてごらん?特別に痛ぁ~くしてあげるから♪」

華賀利は利き脚である左足で、イクサの腹部を思い切り踏みつけた。

イクサ「かはっ!?」

腹部に強い衝撃が走り、肺の息を吐かされるイクサ。

イクサ(しまった…油断しました……このままじゃ…!)

その時…

ズガッ!

華賀利「!?」

華賀利が何者かに吹っ飛ばされた。

依咲里「華賀利!」

???「よそ見してんじゃねぇよ。」

依咲里「!?」

???「…。」ドカッ!

依咲里「ひゃっ!」

依咲里が後ろを振り向くと、謎の人物に蹴られ、吹っ飛ばされた。その人物は、ジャンプするとイクサの側に移動した。

???「…。」

イクサ「貴方は…仮面ライダー、ゼロワン!?」

依咲里と華賀利を吹っ飛ばしたのは、『仮面ライダーゼロワン』である。

ゼロワン「立て。」

ゼロワンはイクサに手を差し伸べた。イクサはその手を掴み、立ち上がった。

ゼロワン「おい、2対1なんて卑怯だろ?」

華賀利「…私達は、隊長様に謝りたいだけなのに…!」

ゼロワン「その隊長に謝るんだったら、コイツは関係ねぇだろ。」

依咲里「…そんな事、どうでもいいです!」

ゼロワン「……どうでもいいだと?」

依&華「!?」ビクッ

ゼロワンの低い声に、ビビる依咲里と華賀利。

ゼロワン「お前達のことはニュースで見た…本当に腐った連中なんだな……気に食わん、俺が潰す…!!」

ゼロワンはそう言うと、戦闘体勢に入る。

イクサ「2対2になりました。これで、平等ですね…」

イクサも戦闘体勢に入る。

ゼロワン「俺は銀髪をやる、お前は金髪をやれ。」

イクサ「了解です!」

ゼロワンは華賀利と戦い、イクサは依咲里と戦う。

ゼロワン「はっ!せいっ!そらよっ!」ドカッ、ドゴッ、バキッ

華賀利「っ!ぁうっ!がっ!」

華賀利は先程のイクサとの戦いの疲れが残っているのか、ゼロワンに攻撃できず、むしろ攻撃をされるばかりであった。ゼロワンは一瞬の隙を見抜き、華賀利の腹にストレートを繰り出した。

ゼロワン「…!」ドボォッ!

華賀利「!?…ぐっ、ごほっ!」

華賀利は腹をおさえ、その場にうずくまった。

イクサ「ちぃっ、中々すばしっこいですね!」ドォンドォンドォンドォン

依咲里「ほらほら、こちらですよ♪」

イクサはイクサナックルからエネルギー弾を放ち、依咲里を狙うが、中々命中しない。おまけに、依咲里からも攻撃され、ほとんど避けることに精一杯な状態である。

依咲里「!?…華賀利!」

依咲里の動きが一瞬止まった。イクサはこれを見逃さなかった。

イクサ(当たれ!)ドォン!

イクサはエネルギー弾を依咲里に放つと、それは見事命中した。依咲里は背中から地面に落ち、軽く頭部を打ち、脳震盪を起こした。

ゼロワン&イクサ(よし、今だ!!)

すかさずゼロワンはプログライズキーをドライバーに押し込む。イクサはナックルフエッスルをベルトに差し込み、ナックルを押し込む。

《ライジング!インパクト!》

《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》

ヨロリと起き上がる依咲里と華賀利。ゼロワンは華賀利に必殺技『ライジングインパクト』を、イクサは依咲里に必殺技『ブロウクン・ファング』を放った。

ドッゴォォォオオオオオオンッ!!

依&華「「きゃぁぁあああああああああああ!!」」

2人のライダーの必殺技をくらった依咲里と華賀利は激しく吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられると…変身が解けて、戦闘不能になった。

 

イクサは勝利を確信し、変身を解くとナナミの姿に戻った。

ナナミ「ふぅ…ゼロワン、ありがとうございました。」

ナナミはゼロワンにお礼を言う。

ゼロワン「…。」

ゼロワンは何も言わない。

ナナミ「ふぅ…ふぅ……何だか…意識が……ぁ…」

倒れそうになったナナミを、ゼロワンは支える。ナナミは、そのまま眠ってしまった。

ゼロワン(…未知の相手と戦って、疲れたんだろう…ドールハウスに運ぶか…)

ゼロワンはナナミをお姫様抱っこすると、ドールハウスに向かった。

 

 

 

愛「…。」

カナ「片山さん?翔君は見つかりましたか?」

カナが屋上にやって来て、愛に話しかける。

愛「ううん、見つからなかった…どこに行っちゃったんだろう…」

愛(翔君が『仮面ライダーゼロワン』に変身したことは、言えないな…翔君のためにも、ね……)

その時…ドールハウスの屋上に、眠っているナナミを抱えた仮面ライダーゼロワンが降り立った。

カナ「えぇっ!?…か、仮面ライダー、ゼロワン!!」

愛「…すごっ、本物じゃん…」

カナ「ゼロワン、ナナミちゃんは!?」

カナはゼロワンに言う。

ゼロワン「疲れて眠ってるだけだ。」

ゼロワンは言う。カナが確認すると、ナナミは寝息を立てて眠っていた。カナはナナミの生存を確信すると、ホッと胸を撫で下ろした。ゼロワンは眠っているナナミをベンチに降ろすと、空高くジャンプし、ビルからビルへ飛びわたり、どこかへ去っていった。カナと愛は、ナナミを女子寮にあるナナミの部屋に運び、ベッドに寝かせた。




いかがでしたか?今回はここまでです。
“裏切り者”『灰島 依咲里』と『灰島 華賀利』が姿を現しましたね。初めは登場させない予定でありましたが、それだと何だか…ボリューム(?)が足りないと思い、登場させることにしました。
そして、神様の悪戯により、翔は『仮面ライダーゼロワン』に変身しました。

ちなみに…ナナミの変身ポーズは『名護 啓介』さんの変身ポーズと同じです。

次回の“イクサ”の回もお楽しみに。
では、またね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。