〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
私はシオリ。
2番目に確定したドール。
ドールになれなかった子たち
を抹消する存在。
だから、私はーー殺した。
真っ赤に濡れた身体から
洗っても洗っても血の匂いがとれなかった。
サクリファイスはあの子たちじゃない。
アレはーー
最初はそう思えた。
ーー私に、感情がなかったから。
でも、今は違う。
芽生えた感情が、過去を手繰り寄せる。
私はーー
願わくばーーーー
ーーーー時間ね。
殺さなきゃ。
翔「……。」パチッ…
目が覚めた翔は、医務室の窓から景色を眺める。雲一つ無い快晴の青空が広がっている。すると、医務室がノックされ…
蜜璃『翔君、蜜璃だよ?診察に来たよ。』
蜜璃の声が戸の向こうから聞こえてくる。
翔「…あぁ、入れ。」
翔が入室許可を出すと戸が開き、蜜璃が医務室に入ってきた。かつてのドールハウスには、専属医が愛しか居なかった。これに危機感を感じた翔は、専属医を増やすよう提案した。そこでドールハウスにやって来たが、胡蝶 深雪と七草 蜜璃だ。今ではすっかりドールハウスに打ち解け、翔との信頼関係が十分に構築されている。彼女達もライダーシステムを手にしたことで、仮面ライダーへ変身することが可能になった。現在はアバドライザーのみ扱うことができる。
蜜璃「それじゃあ、始めて行くね?」
翔「…よろしく。」
蜜璃からの質問に答え、次にバイタルチェックをされていく翔。次に細胞を採取し、彼の中に眠るアマゾン細胞を確認することに…
翔「……。」
顕微鏡を覗き込み、メモを残す蜜璃を黙って見つめる翔。
蜜璃「…よし、OK。それじゃあ翔く……ん?」
結果を書き残した蜜璃は、翔を見て固まる。翔は表情を一切変えず、一点だけを見つめるような目をしており…口からはヨダレが出ている。
蜜璃「翔君、どうしたの翔君?」
翔「…!?」ハッ!?
漸く我に返った翔は、慌てて自分の口元を拭った。
翔「…わ、悪い…ボーッとしてた……」
蜜璃「最近眠れてないのかな?」
翔「…まぁな。」
床に流れ落ちたヨダレを拭き取る蜜璃を見て、罪悪感を感じる翔。
翔(…最悪だ…また迷惑掛けちまった……)
そして、自分の行動を振り返り始めた。
翔(しかし、何故だ……何故、俺は……七草さんのことを………)