〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第二百九十六話 それぞれの抱えるモノ

私はシオリ。

 

2番目に確定したドール。

 

ドールになれなかった子たち

 

 

 

サクリファイス

 

 

を抹消する存在。

 

だから、私はーー殺した。

 

真っ赤に濡れた身体から

 

洗っても洗っても血の匂いがとれなかった。

 

サクリファイスはあの子たちじゃない。

 

アレはーー

 

 

ただのモノだ。

 

 

肉塊だ。

 

 

最初はそう思えた。

 

ーー私に、感情がなかったから。

 

でも、今は違う。

 

芽生えた感情が、過去を手繰り寄せる。

 

私はーー

 

 

罪の意識を手放さない。

 

 

願わくばーーーー

 

 

 

この私の残酷な行いが…

 

誰かの明るい未来の糧になってくれたら……

 

この私の過去への贖罪(しょくざい)が…

 

ほんの少しでも意味をもってくれたら……

 

 

これ以上の幸福はない。

 

 

ーーーー時間ね。

 

殺さなきゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「……。」パチッ…

 

目が覚めた翔は、医務室の窓から景色を眺める。雲一つ無い快晴の青空が広がっている。すると、医務室がノックされ…

 

蜜璃『翔君、蜜璃だよ?診察に来たよ。』

 

蜜璃の声が戸の向こうから聞こえてくる。

 

翔「…あぁ、入れ。」

 

翔が入室許可を出すと戸が開き、蜜璃が医務室に入ってきた。かつてのドールハウスには、専属医が愛しか居なかった。これに危機感を感じた翔は、専属医を増やすよう提案した。そこでドールハウスにやって来たが、胡蝶 深雪と七草 蜜璃だ。今ではすっかりドールハウスに打ち解け、翔との信頼関係が十分に構築されている。彼女達もライダーシステムを手にしたことで、仮面ライダーへ変身することが可能になった。現在はアバドライザーのみ扱うことができる。

 

蜜璃「それじゃあ、始めて行くね?」

 

翔「…よろしく。」

 

蜜璃からの質問に答え、次にバイタルチェックをされていく翔。次に細胞を採取し、彼の中に眠るアマゾン細胞を確認することに…

 

翔「……。」

 

顕微鏡を覗き込み、メモを残す蜜璃を黙って見つめる翔。

 

蜜璃「…よし、OK。それじゃあ翔く……ん?」

 

結果を書き残した蜜璃は、翔を見て固まる。翔は表情を一切変えず、一点だけを見つめるような目をしており…口からはヨダレが出ている。

 

蜜璃「翔君、どうしたの翔君?」

 

翔「…!?」ハッ!?

 

漸く我に返った翔は、慌てて自分の口元を拭った。

 

翔「…わ、悪い…ボーッとしてた……」

 

蜜璃「最近眠れてないのかな?」

 

翔「…まぁな。」

 

床に流れ落ちたヨダレを拭き取る蜜璃を見て、罪悪感を感じる翔。

 

翔(…最悪だ…また迷惑掛けちまった……)

 

そして、自分の行動を振り返り始めた。

 

翔(しかし、何故だ……何故、俺は……七草さんのことを………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウマそうだと…

 

感じたんだ…?

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