〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
レッスン場にてリハビリを終えた翔は、彩羽と共にドールハウスの廊下を歩いていた。
翔「姉貴、ちっとここを脱走しようぜ?」
彩羽「うふふっ、もっちろん♪」
翔「おいおい、てっきり止めるかと思ったら…案外ノリノリじゃねぇか?」
彩羽「可愛い弟の提案だもん、断れないってぇ〜♪」
青空姉弟は、信頼関係が構築され、元の姉弟に戻りつつある。
彩羽「そしたら、翔君がくれた物を持ってくるから。ちょっと待っててね?」
翔「あぁ。」
彩羽は自室に戻ると、バースドライバーXを持って翔の元に戻って来た。
彩羽「じゃあ、行こっか♪」
翔「よし。」
そして、外出する為…玄関へと向かって行く。その道中、深雪と蜜璃に会った。
蜜璃「あっ!?翔君また無断で」
翔「バカッ…!声がデカい…!!」
深雪「ですが、外出する気満々ですよね?」汗
翔「おいおい、俺がただ外出するとでも思ってんのか?w」
バカにしたように笑う翔は、深雪と蜜璃にこう言った。
翔「個別リハビリだよ、青空 彩羽と話し合って決めたんだっての。ただの外出だと思ったら大間違いだぜ?」
翔の言葉を聞き、困惑する深雪と蜜璃。
蜜璃「で、でも…結局外出するんだよね?」汗
翔「俺が個別リハと言ったら、それは個別リハだ。いい加減分かれよな?」
蜜璃「なっ、何という俺様理論…!!」大汗
翔「そーゆー訳だ、じゃ…あばよ。」
そして、彩羽と共に玄関へ歩いていく翔。
蜜璃「あっ!?ちょっと待って!!」
深雪「蜜璃さん、行かせてあげましょう。」
蜜璃「…へっ、どうして?」
深雪「彩羽さんもご一緒ですし…ふふっ、多分翔君…彩羽さんを姉と認識したんでしょう。」
蜜璃「あー、確かに…何だか仲睦まじいって思ったら……それなら大丈夫だね♪」
ドールハウスを抜け出し、街中を歩く翔と彩羽。
彩羽「うんうん、今日も良い天気だね!」
翔「そうだな。」
街中を歩く翔と彩羽は、早速通行人から注目され始める。
男性1「あの!さややですよね…あ、握手してください!!」
彩羽「良いよ♪」
男性2「さやや、ここにサインをお願いします!!」
彩羽「良いよ〜♪」
女子高生1「ねぇ、あれ翔様じゃない?」
女子高生2「ホントだ〜、さややと一緒だ!めっちゃレアだよ!!」
彩羽がファンサービスをしていると…
一海「おっ、翔!!」
そこに、一海達がやって来た。
翔「よぉ、久しいな。」
紫「あぁ、本当に久しぶりだな…翔!!」
友香「逢えなくて寂しかったです…!」
翔「バカ、お前には一海がいんだろぉが…」汗
諒芽「元気にしてたか!?」
翔「元気な訳あるか…」汗
友人と会い、内心は嬉しい翔だった。
一海「って、さややも一緒じゃねぇか!?えっ、えっ…どういうことだ?」
翔「あぁ、お前らにはまだ言ってなかったか…」
翔は一海達に彩羽を紹介する。
翔「俺の実の姉貴、青空 彩羽だ。」
翔の言葉に……
…と、驚く一海達。
諒芽「しょ、しょ…翔ちんの、お、おおお姉ちゃんんん!!??」
紫「青空 彩羽さんが、翔の姉だと…!?」
友香「び、ビックリです…!!」
一海「ま、マジで!?」
翔「あぁ、生き別れ状態だったんだが…最近になって再会した。」
彩羽が翔の姉だと知ったメンバー達は驚いたが、一海が1番驚いていた。アイドルオタクでもある彼は、彩羽のファンでもあったのだ。
彩羽「ねぇねぇ、この人達はどちら様?」
翔「俺のバカ友人だ。」
一海「おいおい、一言多いぞ!?」汗
翔「事実だろうが…ダイダロスに肝試しっつー下らねぇ理由で入りやがって……」
紫「し、しかしだな翔…私は止めようとはしたんだぞ!?」
翔「説得力皆無だな、結局お前も入ってたじゃねぇか…止められてもいねぇし、同罪だ。」
紫「くっ…」汗
友香「翔さん、私も同罪ですか?」
翔「当たり前だ。」
諒芽「でもまぁ、中々悪くねぇ経験だったな!」
翔「何が悪くねぇ経験だ…」汗
翔と一海達のやり取りを見ている彩羽。
彩羽(でも良かったぁ…翔君にも良い友達ができていたんだね。)
一海「あ、俺は木場 一海です。翔にはいつも助けられてます!!」
紫「私は東雲 紫です、翔は私達の大切な友人です。」
友香「浅井 友香と申します♪」
諒芽「俺は翔ちんの大大大親友の鏡 諒芽っす!!」
彩羽「改めて、アタシは青空 彩羽。翔君の実姉です♪あ、ちなみにアタシ…翔君以外の男には興味なんてないよ?」
互いに自己紹介をした一海達と彩羽。彩羽は超が付く程のブラコンであり、翔と再会してからは露骨になってきている。更に、翔と打ち解けることができた影響なのか、ブラコンが加速していっているそうな……
一海「ところで、今はお出掛け中か?」
翔「ただの出掛けじゃねぇ、個別リハだ。」
紫&友香「「こべつりは?」」
翔「社会経験だ、様々なとこに旅して、様々なモンに触れて、自身の糧にすんだよ。」
諒芽「それって冒険じゃねぇか?めっちゃ面白そうだな、俺も行くぅ!!」
その時、翔のスマホが鳴った。
翔(ま、案の定掛かってくるよな?)
相手はカナであったため、通話を開始する。
カナ『翔君!!また無断で外に…!!』
翔「はっ、今更気付いたのか?」
大声で話すカナに対し、鼻で笑う翔。
カナ『やっぱり、ドールハウスは嫌…ですか…?』
翔「あんな狂った話を聞かされて嫌にならねぇ訳ねぇだろ。それに、何かしら経験がしてぇんだよ…ずっとリハビリばっかりで、いい加減飽きるんだっての。」
カナ『……。』
翔「ま、あんたらが何をしようが…俺を止められると思わねーことだな。じゃ、あばよ。」
通話を終えると、ため息をつく翔。
一海「なぁ翔、何かあったのか?」
翔「お前には関係ねぇよ、あくまでもコチラ側の問題だ。」
その後、一海達を巻き込んで様々な場所に足を運んだ翔。ゲームセンターにてゲームやUFOキャッチャー等をしたり、ファミリーレストランでランチしたり、食べ歩きをしたり等々…中々出来なかったことをやることができた。
一海達と別れた後、彩羽と共にドールハウスへと帰って来た。
愛「あっ、おかえり♪」
彼らを出迎えたのは愛だ。いつものように、優しい笑顔を向けている。
彩羽「あ、愛先生…えっと……これは、個別リハビリでして」
愛「あっはっはっは、分かってるからビクビクしないで、ね?」
愛は特に怒っていなかった。それを理解し、ホッとする彩羽。
愛「ねぇ翔君、今日は楽しかった?」
翔「あぁ、一海達と会ったからな…アイツらと遊んだのはいつぶりだったか……」
愛「そっか。」
あの狂った実験の話を聞かされた後、翔と語り合った愛。不穏になってしまった翔を落ち着いて欲しいと思い、朝まで語り合ったのだ。
愛「そうだ、ねぇ翔君…お菓子作りに興味ない?」
翔「急にどうした?」
愛「ううん、知り合いにパティシエさんですっごい実力を持った知り合いがいるんだけど…近々ドールハウスに来てもらおうと思ったの。」
翔「飯を作ることはずっと昔からやっていたが、好きか嫌いかって言われると何とも言えん。ま、呼びたきゃ呼べば良いんじゃねぇの?俺は知らんがな…」
翔はそう言うと、彩羽と共にどこかへ去って行った。
愛(斑目所長からも許可得られたし、早速電話しよっと…繋がるかなぁ?)
愛はスマホを操作し、その知り合いのパティシエに電話を掛ける。電話を掛けてすぐに…
???『お電話ありがとうございます、シャロン目黒店でございます♪』
愛「あ、もしかして凰蓮さん?あたし、片山 愛で〜す♪」
凰蓮『あら愛ちゃん!?んまぁ久しぶりじゃない!!元気にしてるかしら?』
愛「お陰様で♪」
電話の向こうから聞こえてきたのは、男性の声だ。オネェ口調で話しているが、男性である。
愛「凰蓮さんにちょっとお願いがあるんですけど、今お時間大丈夫ですか?」
凰蓮『もっちろんよ!何でも言って頂戴?』
愛は凰蓮という男性に、お願いを話す。
凰蓮『わかったわ、明日はお店も休みですし…人に教えるのってすっごい久しぶりなのよ〜。ワテクシでよければ、喜んで受け入れるわ♪』
愛「お、凰蓮さん…ありがとうございます!!」
凰蓮『良いのよ良いのよ、愛ちゃんとワテクシの仲ですもの♪軍人時代だった時、貴女には随分助けられたもの。せめてもの恩返しだと思って受け取ってくれると嬉しいわ。』
愛「はい、これからもよろしくお願いします!!」
凰蓮『こちらこそ、よろしくね♡それじゃ、メルシー♪』
愛「ありがとうございました!」
通話を終えると、愛は事務所へと戻っていく。
愛(凰蓮さんも変わってないなぁ…面倒見が良くて人当たりも良い、明日が楽しみ♪)